Sun 160612 イカ男に変身する恐怖/福岡「修猷館前校」で難問を扱う/燻製になりかけた男 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 160612 イカ男に変身する恐怖/福岡「修猷館前校」で難問を扱う/燻製になりかけた男

 7月6日、もう明日は七夕さまであって、世間ではさぞかし笹の葉サラサラ軒端に揺れていることだろう。織り姫どんと彦星どんは、1年ぶりの再会を熱く待ちわびていることだろうし、あと1日、逸る思いを押さえきれずに、2人ともきっとお空で躍りだしているだろう。

 一方の今井君は、九州シリーズの真っただ中。一昨日は鹿児島、昨日は福岡、今日はこれから熊本だ。旅の好きなワタクシは、彦星どんに負けず劣らず欣喜雀躍の日々である。予定していた「船小屋温泉」は取りやめにしたけれども、そのへんはランチにまたまた烏賊を貪りにいくことで「ま、いいか」ということにした。

 この場合、「ま、いいか」は決して「ま、い烏賊」と引っかけたのではない。諸君、この今井クマ助をバカにしてもらっては困る。どんなに困ったって、ダジャレのレベルをそこまで低下させることは絶対にしない。この「低下」だって、「て烏賊」と疑われるかもしれないのが心外なぐらいである。
祇園山笠
(博多駅前の祇園山笠。博多に祭が近づいている)

 それにしても、この一週間、烏賊ばかり貪っている。今井君の胃袋は、果たして大丈夫なんだろうか。6月29日に2ハイ、30日に2ハイ、7月1日に1パイ、そして7月5日に2ハイ。うひゃ、ランチの「イカ活き造り定食」でガマンしようと思ったんだが、つい「1パイ追加できますか?」をやっちゃった。

 ここまで烏賊烏賊した生活をしていると、「追加」と入力されたMac君もつい調子が狂って「つ烏賊」と変換しちゃうほどだ。いつか烏賊の肉体が今井君に乗り移って今井イカ蔵に変じ、足が10本ウネウネ生えてきてギロギロまなこ、海の中をロケットみたいに泳いで行きかねない。

 諸君、これは決して冗談ではないのだ。確かデンマークかどこか、とにかく北欧のお話だったが、灯台守の夫婦があるとき食料に困ってカモメを食べた。その直後から奥方の様子がおかしくなり、キョロキョロ沖の方に目をやっては、鋭い声で叫んでばかりいる。カモメになっちゃったんだ。

 このお話は、奥方が嵐の夜に灯台のテッペンから真っ逆さまに飛び降りる悲劇で終わっている。両腕を大きく翼のように広げて、ザンブザンブ泡を立てて怒り狂っている真っ黒い海に、カモメみたいに飛び込んでいったのである。

 昭和初期の日本には、やっぱりちょっと様子のおかしかった女優さんが、「肌の色を真っ白にしたい」「透き通るような肌になりたい」と願い、毎日イカの刺身ばかり食べていたという逸話がある。
またイカ
(またまた烏賊を貪る)

 いやはや、恐るべし。北国出身のワタクシはもともと皮膚が白い方であるし、「透き通るような肌になりたい」などという怪しい欲望も、もちろん一度も感じたことがない。むしろコンガリ焦げ焦げ♡黄金色の渋くカッコいいオジサマに、一度はなってみたいのである。

 だから、こんなに烏賊ばかり食べているのは、「白い肌になりたい」という欲望とは無縁。ただ烏賊が異様なほど好きなだけである。コワいのは「カモメになった女」の逸話の方であって、こんなに烏賊づくしの日々を送っていれば、そのうち視線も表情も何となく烏賊っぽくなっちゃうんじゃないか。

 昭和の日本には「イカした男」「イカした女」が大量発生した。東京、とくに渋谷・新宿・銀座・六本木は「イカした男」「イカした女」、ついでにまとめて「イカしたカップル」が溢れたものである。

 烏賊をこんなにワシワシやってたら、思わずカモメ女みたいに「イカした男」「イカした予備校講師」などというツマランものになりそうでコワい。もちろん正確には「烏賊した男」「烏賊した講師」であって、アンヨをウネウネ、お目目もギョロリ。うーん、あんまりイカしていない。

「大丈夫ですよ」という声もある。「むしろイカれた男・イカれた講師の方が可能性が高いです」というわけだ。確かに、イカの貪り方にしても、こんなブログを長々と書いている行動からしても、ワタクシにはすでに十分「烏賊れた中年」の資格があるのかもしれない。
全刺し
(活イカ「全刺し」の光景。よく透き通ってますな)

 ま、そういうわけだ。どういうわけだかサッパリ分からないが、7月5日、七夕を控えて日本中で笹の葉サラサラ、お星さまピッカリコ、世界中の織り姫さん&彦星君がみんな色めき立っている。ならば諸君、「烏賊した講師」を自認するこの今井クマ蔵も大いに張り切って、今夜の公開授業に臨もうじゃないか。

 今日は久しぶりに高3生が対象である。難易度のきわめて高い長文問題を1問、90分でビシッと解説してこようと思う。主催は「福岡・修猷館前校」。修猷館は福岡・黒田藩の藩校から始まり、長い長い歴史と伝統をもっている。

 その修猷館高校の前にわれわれの校舎があって、九州大学や東大&京大を目指す優秀な生徒諸君が多数通っている。今日はそういう高3生130名が対象なので、思い切り難しい読解問題を扱っても構わない。

 普段の公開授業は、ほとんどが高2生&高1生対象だから、さすがに遠慮があって「思い切り難問」というわけにはいかない。講師としては若干「物足りないな」と感じることもあって、今日みたいな機会に、久々に「遠慮なくビシビシ」やる。マコトに気持ちがいい。
福岡1
(福岡「修猷館前校」の大盛況。「西新パレス」にて)

 優秀な諸君だから、遅刻者もほとんどいない。予定の19時30分には、出席予定の130名全員が集まった。「今日初めて来てみました」という「外部生」「一般生」も、何と70名が参加。素晴らしい、全く素晴しい。

 しかも諸君、さすが今井イカ蔵だ。どんな難問でも楽しく&分かりやすく料理してしまう。この辺が、日々イカを貪っている食生活の醍醐味。カタいイカだって、しっかり噛みしめればタウリンがジュンと滲み出してくる。授業だって同じことだ。

「滋養たっぷり&甘みもたっぷり、おいしいイカをおあがり♡」。そのぐらい濃厚&濃密、前代未聞に分かりやすい授業である。うへ、自分で言うのヘンテコリンだが、もう誰にも止められないレベルの驀進&爆走が90分、烏賊パワー全開で続くのである。

 解説完了、21時10分。生徒諸君もヘトヘトであるが、心地よい爽快感が教室を満たしている。ワタクシも久しぶりに「遠慮なし」の難問を解説しきって、まさに快哉を叫ぶ思いである。

 いつもよりさらにもう1段激しい拍手に送られ、スタッフ一同と本日の懇親会場に向かう。福岡は、おそらく熱帯夜。熱帯モンスーンを思わせる湿度の高い熱風が吹き、メガネは曇り、スーツもあっという間にヨレヨレだ。
福岡2
(開始直後。難問に取り組む前に、とりあえずちょいと和む)

 本日の祝勝会は焼肉屋さんである。佐賀の伊万里牛を、七輪の炭火で焼くのである。烏賊だらけになった胃袋に、牛のお肉はマコトにありがたい。牛タンから始まって、カルビにハラミにホルモンに、たいへんおいしゅーございました。

 もしもこの店の欠点を言うなら、ケムリの吸引装置がうまく機能していないこと。個室はたびたびケムケムが充満し、「このままでは火災報知器が作動しちゃうんじゃないか」、店のヒトとともに、ずいぶん心配した。

 どのぐらいのケムケム充満かというに、「テーブルの向こうに座ったスタッフの表情がよく分からないほど」。ケムリ濃度はかなり高めに設定されていたようである。彼の顔に容赦なく吹きつけるケムリを眺めつつ、「この人、薫製になっちゃうんじゃないか」とマジメに心配するほどであった。

 なお、この焼肉店の写真を撮り忘れた。マコトに申し訳ないが、ケムリ濃度の余りの高さに、旨そうな肉がズラリと並んだ壮観を撮影する心の余裕がなくなってしまったのである。まあ諸君、そこは想像で補ってくれたまえ。いやはや、素晴らしく楽しい福岡の夜であった。

1E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 1/10
2E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 2/10
3E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 3/10
4E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 4/10
5E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 5/10
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