Tue 160607 博多で「イカ5ハイ」/全て刺身でいただく/イカ自慢の街に呼ばれたい | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 160607 博多で「イカ5ハイ」/全て刺身でいただく/イカ自慢の街に呼ばれたい

 福岡には、2泊する。お仕事本体は6月30日だけれども、「14時開始」ということになるとどうしても「前のり」が必要。当日の午前便で慌ただしく駆けつけ、いかにも「やっつけ仕事」という感じで疾風のごとく去っていく、そういうやり方は今井君の性に合わない。

 6月30日、仕事の後の2泊目は、正直言ってあんまり意味はない。仕事が終わったらサッサと東京に帰ったほうが、愛すべきスッキリ♡ポンな行動であることには間違いない。

 しかし諸君、それじゃあんまり寂しいじゃないか。せっかく博多を訪れて、「さあいよいよ山笠だ!!」とチョー張り切っている九州男児に囲まれ、お祭り大好きな今井君はももちろん盛り上がる。それなのに「仕事が終わったんだから、サッサと東京に」なんてのは、うーん、日本男児の名がすたる。

 どんなに頑張って「名がすたる」とキーを打っても、Mac君の変換は「流す樽」。Mac君とは、2008年以来のお付き合い。すっかり「親友」「旧友」「我が友Mac君」の趣きがあるが、残念ながらこの皮肉な変換だけは意地でも変えようとしてくれない。
16322 烏賊
(活イカの姿づくり @ 博多中洲「河太郎」。大きめのヤツを選んでもらった)

 ま、そういうワケであるから、2泊目のホテル代は会社からは出ない。今井君の自費で宿泊し、自費だからこそ思い切り、お祭り寸前の博多を満喫しようという算段である。

 宿泊は、博多中洲 ☞ 博多の誇るキャナルシティのグランドハイアットホテル。前日まで福岡では何か大きな催しがあって、どこのホテルも空室が全くなかったが、ワタクシが宿泊する2日間は打って変わって閑散。シーンと静まり返って、宿泊客はほとんど見かけないし、館内にはダーレもいない。

 1年前、あんなに福岡を賑わわせていた中国サマ爆買い大集団は、いったいどこに消えちゃったんだろう。今や博多中洲には、中国サマの陰も形も見えないし、中国語の響きどころかササヤキもツブヤキも聞こえない。

 そこで諸君、クマ助は博多大行進をいよいよ開始する。何を隠そう、今回の博多大行進で今井君が心に決めていたのは、「イカを食おう」「イカを貪ろう」「イカ♡イカ♡イカ」「イカを食わずして、九州を訪れることなかれ」。そのぐらいイカに魅せられ、イカに憧れての九州上陸であった。

 カタカナで「イカ」などと書くから、イカが軽薄な生き物に見えてしまうのだ。イカは漢字で「烏賊」であり、烏賊大王であり、烏賊殿様であって、タコなんかとは比較にならない高貴な生き物である。試しにタコを漢字に変換してみたまえ。「蛸」。おお、虫ヘンがついている。アイツは虫の一種なのだ。
16323 鯖の味噌和え
(博多中洲「河太郎」、鯖の味噌和え。おいしゅーございました)

 ワタクシは、世界中の海辺の街で、飽きずに烏賊を食してきた。アテネ、リスボン、マルセイユ。バルセロナ、ナポリ、ヴェネツィア、イスタンブール。さすかにブエノスアイレスやアムステルダムでは烏賊をやめてウシの肉をワシワシやったものだが、人生の基本は烏賊、旅の基本も烏賊である。

 欧米の烏賊は、いやはや、おしなべて「マズい」の一言である。そりゃ最初の一口だけはどこもみんな旨いのだ。要するに世界中どこに言っても、リング状にフライにして塩をふりかけただけのシロモノだ。基本的な旨さはモトモト保証されている。 

 しかしそんな烏賊のデロデロした揚げ物が旨いのは、5切れ目までか、せいぜい10切れ目ぐらいまで。大皿に山盛りになったデロデロ烏賊の揚げ物には、やがて辟易するだけである。

 そこへ行くと日本の烏賊には、「デロデロ一切ナシ♡」という素晴らしい夢のような選択肢がある。要するに「刺身」という選択肢であって、今井君としては烏賊の全て、ミミやゲソまで全部お刺身でいただきたいのである。
16324 生簀
(博多中洲「河太郎」、夕暮れ5時半の風景。今井君が一番乗りであった)

 出発する前から、「足掛け3日の博多滞在で、最低でも烏賊まるまる5匹をワシワシ刺身で平らげちゃおう」と決めていた。それも「全刺し」でなきゃイカン。「全刺し」とは、「ミミもゲソも全て、烏賊の全部を残らず刺身で」ということである。

 普通のヒトは、「まずは刺身で、残った部分は天ぷらか塩焼きで」と、たった1匹の烏賊でバラエティに富んだ食べ方を選択する。しかし諸君、今井君はそういうのはイヤなのだ。塩焼きは居酒屋でいいし、天ぷらはやっぱり天ぷら屋がいいじゃないか。

 ちょいと待った。イカは1匹2匹じゃなく、「1パイ2ハイ3バイ」と数えるものです。この世の中には難しいヒトがナンボでもいて、せっかくの楽しい会話に水を差しては「ボクは何でも知っている」「キミは何にも知らないんだな」と悦に入る。

 しかし諸君、そんなに無理をしなさんな。ウサギが「1羽2羽」、イカが「1パイ2ハイ」。じゃあカニは? 蟹はどう数えなきゃいかんカニ? 生きているときは1匹2匹、食べる時には1パイ2ハイ。ワサワサ動いているか、食べる対象になっちゃったかで、数え方まで変わっちゃう。

 うぉ、面倒だ。少なくともクマ助は、シキタリよりも実感を大事にしたいのだ。ウサギどんが1羽2羽だなんて、イカどんが1パイ2ハイだなんて、むしろそっちの方が可哀そうだ。ウサギもイカも活力あふれる生物として、綺麗サッパリ「匹!!」と数えられるほうが嬉しいんじゃなかろうか。
16325 ミミと足
(烏賊「全刺し」。ミミもゲソも、みんなお刺身にしてもらった。諸君、烏賊は何と言ってもミミが美味でござる)

 そこでワタクシが選択したのが「烏賊1匹、全刺し」。まず普通の活き造りで出してもらい、「残りはどうしますか?」と尋ねられてから、「残りも全部、刺身でお願いします」と頭を下げる。

 普通なら、「塩焼きか天ぷらか」で仲間どうしの侃々諤々が始まる所だから、今井君1人の潔い決断に仲居サンはビックリ。しかしすぐに「ははあ、烏賊大好きなヒトなんですね」「烏賊にリスペクトということですね」と目顔で納得してくれる。

 ただし、それには店を選ばなくちゃいけない。「あああ、ウチは天ぷらしかやってません」「あああ、ウチは天ぷらか塩焼きです。全刺しはやってません」。そう顔を顰められたら最後、「あの客は変人だ」という話い扱いを受けることになる。

 そこで、今井君が選択したのが「河太郎 中洲本店」。3年前の夏からすっかり馴染みになった。博多で一番の老舗イカ料理店である。グランドハイアットにチェックインして、すぐに予約。「カウンターで1人、5時半から」。そういう予約でも、黙って悠然と受け入れてくれる。さすが老舗だ。
16326 河太郎
(河太郎。博多中洲本店の勇姿)

 烏賊たちが無数に泳ぎ回る生け簀は、10メートル四方の正方形。美しく光る烏賊たちが無心に及び回る様子を眺めつつ、「よし、これなら5匹は軽い」と考えた。だって諸君、早速「活イカ姿づくり、もう1つお願いできますか?」をやっちゃったのだ。初日で早くも2つの命を奪っちゃった。

 今夜は2匹、明日も2匹、最終日のランチに2匹。今夜と明日は連続して「河太郎」、最終日は時間もないから、空港の和食屋で1匹。これで(正式)5ハイの烏賊を胃袋に収めることになる。

 どうだい、この漁師に勝る烏賊好きは? 4~5年前の秋、函館 ☞ 佐世保と公開授業が続き、函館のヒトにも佐世保のヒトにも「どっちの烏賊が美味しいですか?」と涙目で尋ねられたことがあった。答えに窮したことは言うまでもない。

 函館の皆様も、長崎佐世保の皆様も、またどんどん遠慮なく今井クマ助を公開授業に呼んでくれたまえ。面倒くさいグルメではないが、烏賊ならナンボでも食べまくる。いや、むしろ「飲みまくる」という勢いだ。

 他にも烏賊自慢の地域の皆さま、クマ助の常軌を逸した烏賊好きぶりを観察するためだけでも構わない、是非&是非、このイヤしい今井君を招待してくれたまえ。

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