Sat 160604 断念した旅の後悔(その2) グランクラスの常温ビール 岐阜の大盛況と大熱演 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 160604 断念した旅の後悔(その2) グランクラスの常温ビール 岐阜の大盛況と大熱演

 6月26日、岩手県花巻での大熱演の後は、予約しておいたタクシーで新幹線の新花巻駅に向かった。6時間に及ぶ大熱演で、クマ助の肉体からは水分がすっかり抜けてしまい、胸の奥からこみあげる思いは、ひたすら「水分♡」「水分♡」なのであった。

 とにかく一刻も早く水分を補給しなければ、「乾燥グマ」ができあがる。「乾燥サトイモ」「乾燥キウィ」、どれを選んでもあんまりゾッとしないシロモノであって、いま頭から水をぶっかければ、ジュッと音を立てて蒸発してしまうほど。炎天下のアスファルト並みに熱々イマイはすっかり茹だっていたのである。

 閑散とした新花巻の駅にも、まれに「はやぶさ」が停車する。「はやぶさ」には「グランクラス」と言ふものが連結されていて、東京まで9000円も余計に払わなきゃいけないが、そのぶん無料で御弁当とお酒がもらえる。

「早く水分♡」「意地でも水分♨」なクマ助は、躊躇なくグランクラスに乗り込んで、ニッコリ笑顔で近づいてきた女性アテンダントに「ビアをください」とお願いした。諸君、もうほとんど命がけである。いま冷えたビアがもらえなかったら、ワタクシはおそらく渇きで意識を失ってしまう。

 今井君の命運を握ったアテンダントさんは、「かしこまりました」とニッコリ。おお、助かった。救われた。ビアが来るまでの数分、ワタクシは幸福の絶頂にいた。
わんこそば
(岩手名物わんこそばに、いろんな兄弟分が誕生しているらしい)

 しかし諸君、驚くなかれ、ようやく運ばれてきたビアは、「ぬるい」「常温である」「ちっとも冷えていない」という恐るべきビアなのであった。キンキンに冷えたビアで「わが命♡救われむ」とグビグビやった喉の奥に、「ぬるいビア」「常温のビア」が空しく流れ込んで行ったのである。

 むごい。余りにもむごい。若い諸君はその事態を理解できないかもしれないから、試しに炎天下の校庭を1時間走り回った後、「常温のコカコーラ」「そのへんに放置されていたペプシ」をグビグビやってみたまえ。事態のムゴさを実感できるはずだ。

 余りのことに怒り心頭の今井君は、「御弁当は要りません」とキッパリ断った。無料の御弁当には「和食」と「洋食」の2種があるのだが、和食はオムスビ2個と唐揚げ、洋食はラップでくるんだサンドイッチ3個と唐揚げだ。

 何でそんなに唐揚げにこだわるんだか知らないが、ぬるいビアと一緒、常温のビアと一緒じゃ、オムスビも唐揚げも旨いわけがない。ましてや「ジュッ」と焦げそうだったクマ助に常温のビア、焼けたサトイモ君に冷えてないビア、その恨みは骨髄に達して、もう絶対に優しくなんかしてあげない。
日本交通
(東京駅のタクシー乗り場で、珍しい「ピンクの日本交通」に遭遇。ネイビーブルーが基本で、ピンクは都内に数台しか存在しない)

 だって諸君、この時の今井君は、またまた「中止した旅の後悔」で泣きそうになっていたのだ(スミマセン、3日前の続きです)。本来なら、6月24日から27日にかけて東北横断の旅を続けているはずだった。

24日:庄内空港から酒田&鶴岡の旅、由良温泉「ホテル八乙女」で日本海に沈む夕陽を満喫。
25日:酒田から「陸羽西線」☞ 新庄から「陸羽東線」を乗り継いで、東北のウェストのあたりを横断、仙台で寿司を満喫する
26日:岩手県花巻での大熱演の後は、花巻からクルマで30分、秘湯「鉛温泉」へ。クマも出没する山奥の一軒宿「藤三旅館」のお風呂につかって、冷えたビアをグビグビやる

 どうだい、素晴らしい計画だったじゃないか。由良温泉に鉛温泉、あんまり有名ではない温泉に2泊してゆっくり過ごせば、疲れたクマ助の肉体もすっかりリフレッシュ出来そうであった。

 それなのに、温泉探訪は2つとも夢と消え、仙台の寿司とワインは旨かったにしても、あとは仕事して新幹線で帰るだけ。こんなんじゃ、我が人生に潤いも奥ゆかしさも爽快さもちっともないじゃないか。
カツサンド
(翌6月27日、東京駅でカツサンドを購入。おいしゅーございました)

 ホントなら今ごろは、ツキノワグマの親子と一緒に温泉につかっていたかもしれない。子グマ諸君に、英語の勉強はどうすべきかを熱弁したら、親グマどんにさぞかし感謝されただろう。「日本のクマも国際化しなきゃ」とニッコリすれば、居並んだ子グマたちも熱心に頷いてくれたことだろう。

 予定を中止したのは、やっぱりこの雨のせいである。降り続く雨のせいで山奥の道が土砂崩れでも起こしたら大変だ。事実この日も、花巻での授業中に「警戒警報」のメールが来た。教室のあちこちで生徒諸君のスマホが鳴り、「花巻付近の河川で土砂崩れ警戒」を知らせたのだった。

 何しろこの翌日は岐阜県岐阜市で公開授業の予定。計画していた鉛温泉を午前11時に出れば、新幹線を乗り継いで名古屋には16時に到着。公開授業は20時からだから、余裕で間に合うはずだったけれども、土砂崩れで道路が通行止めにでもなったら、全ての予定が崩壊する。

 だからこそ今井君は、グランクラスの冷え冷えビアを心から楽しみにしていたのだ。それなのに、常温のビアなんか運んでくるとは、中年のオジサマの悲しい心の中を、ちっとも理解していない証拠じゃないか。
満員キャンセル待ち
(翌27日、岐阜の公開授業も「満員〆切」「キャンセル待ち」の大盛況であった)

 やがて「はやぶさ」は仙台に到着。グランクラスも完全に満員になった。オジサマたちはみんな常温のビアで満足していらっしゃる様子。うーん、日本人はやっぱり大人しい。「キチンと冷やしておきたまえ」とお説教なんかすれば、きっと「ワガママな変人」「くだらねーオヤジ」とレッテルを貼られるのだ。

 何しろ今や日本は「レッテル貼り」の国。「くだらねーオヤジ」のレッテルをヒタイにペタンと貼られたくなければ、大人しく、どこまでも大人しく。臆病に、どこまでも臆病に。温和に、果てしなく温和に生きていかなければならない。

 翌6月27日の今井君は、名古屋に向かう東海道新幹線のホームで、旨そうな「カツサンド」を購入。仕事前だからビアは厳禁であるけれども、せめてサンドイッチぐらい、グランクラスの「洋食」みたいにラップで包んだヤツじゃないのを食べたいじゃないか。

 東京発14時半。梅雨時とは思えない爽快な風が吹いていた。名古屋到着16時すぎ。名古屋マリオットホテルにチェックインする。ここもまた欧米人観光客でいっぱいだ。今や日本の高級ホテルは、中国のヒトは急減し、欧米人の天下になっている。EUの事件で今後どうなるか、注目すべきところである。
岐阜
(岐阜県岐阜市「満員〆切」の大盛況。詳細は明日の記事で)

 ホテルの部屋でブログを1本アップ。いよいよあと2回で8年目が終了、9年目が始まる。8年前に「10年続ける」と宣言して始めたこのブログは、更新2920回を迎え、3000回目も3ヶ月後に迫っている。諸君、1歩1歩前進すれば、ゴールは確実に近づいてくる。受験生向けに、模範演技をしているつもりなのである。

 18時半の名鉄特急で名古屋から岐阜に向かう。岐阜は、会場を超満員にしてクマ助を待ち受けているらしい。貼り出されたポスターにも「満員〆切」「キャンセル待ち」の文字がある。

 駅から会場に向かう途中、路上で語り合っていた大学生2人組が、いきなり通りかかった今井クマ助に気づき、「すげ!!」「すげ!!」「ホンモノだ!!」「ホンモノだ!!」とスーパー盛り上がりに盛り上がっていた。実際の岐阜会場がどんなに盛り上がったか、その話はまた明日の記事に書くことにしよう。

1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 7/10
2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 8/10
3E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 9/10
4E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 10/10
5E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 1/5
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