Thu 160602 仙台「すし哲」 オヤジの思考回路 ウニと葡萄海老 高級ワインでドロドロに | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 160602 仙台「すし哲」 オヤジの思考回路 ウニと葡萄海老 高級ワインでドロドロに

 まあそういう事情で(スミマセン、昨日の続きです)、6月25日夕方に仙台に着いた。翌26日は朝9時から岩手県花巻でお仕事であって、ホントは花巻に宿泊した方がいいんだろうけれども、うーん、なかなかメボしいホテルが見つからない。仙台に一泊して、花巻には翌朝一番の新幹線で向かうことにした。

 さすがに仙台は都会であるから、贅沢なワタクシ好みのホテルも何軒か存在する。選んだのはウェスティンホテル。「駅から徒歩で10分」というマコトに中途半端な距離にあって、歩けば汗まみれ、タクシーに乗れば運転手さんにイヤな顔をされる。

 難しいところだが、迷ったあげくに「汗まみれ」を選択。チェックインの段階で汗まみれ&汗みどろという予想通りの結果になり、汗がひくまで1時間もかかった。仙台も梅雨の真っただ中、その蒸し暑いことは東京とちっとも変わらない。

 午後7時、「よーし、寿司でも食いに出かけるか」と、イヤしいクマの根性を剥き出しにして、ヨダレを拭いながら仙台の街に出た。街に出ればまたまた汗まみれ&汗みどろ、汗がヨダレと混じっておぞましい状況に逆戻りだが、そんなこと言ったって、腹が減ってはイクサが出来ないじゃないか。

 もちろん今井君は武将でも足軽でも大佐でも二等兵でもないから、別にイクサなんかするわけではない。しかしイクサはしなくても、イクラなら食べたい。イクラならいくらでも食べられる。そういうオヤジギャグぐらい、この肉体の奥底からナンボでも湧き出してくる。
雲丹
(仙台「すし哲」のウニ之助。おいしゅーございました)

 諸君、だからこそ人生は奥が深い。せっかく人生の奥深さを満喫しているオヤジに、「オヤジギャグはツマンネー」「チョーかったりー」「チョーうぜー」、その種の捨てゼリフを投げつけて喜んでいるようじゃ、諸君、それは精神年齢の低さと人間の未熟さを暴露しているだけである。

 もっと優しくなりたまえ。イクサはしないがイクラは食いたい、イクラならいくらでも食べられる。おお、楽しい。その種のことを恥ずかしげもなく書き連ねて幸福の絶頂にいるオヤジ。なんて可愛いんだ、なんて奥ゆかしいんだ。素晴らしい、全く素晴らしい。

 こうして今井君が得意満面で闖入したのが、仙台駅ビル内「すし哲」。「ええっ、駅ビルの中のそんな店でいいの?」と首を傾げるかもしれないが、この店の本店は本塩釜にあって、塩釜でも最も評価の高い寿司屋である。駅ビル店だからって、決して侮ってはならない。
海老
(仙台「すし哲」の葡萄エビ蔵どん。おいしゅーございました)

 今日の写真の1枚目、殻を割って供されるウニの勇姿を見てみたまえ。アイスクリームみたいに、殻からスプーンですくいながらいただくのであるが、こりゃウニ好きにはたまらない。最初の一口で思わず「こりゃ旨い!!」の低い絶叫が漏れる。

 次に、2枚目の写真も見てくれたまえ。これは「葡萄海老」。ボタン海老より少し大ぶり、味はメッタヤタラに濃厚&濃密。このネットネトな濃厚さを1度でも経験すれば、単なるボタン海老を寿司屋で注文するのがバカバカしくなるほどだ。

 写真には撮らなかったが、この店は赤貝も旨い。「閖上の赤貝」と言えば、日本中どこの寿司職人だって知らない者はない。閖上と書いて「ゆりあげ」と読む。仙台から太平洋に沿って十数キロ南下したあたり、5年前の大津波でたいへんな被害が出た浜辺である。

 だから、しばらくは赤貝もとれなかった。それがこの2~3年ジワジワと復活を果たし、いまや仙台あたりの寿司屋では引っ張りダコになっている。赤貝が引っ張りダコ、「貝が変じてタコになる」とは、マコトにフシギな事態ではあるが、ホントに間違いなく引っ張りダコなのだ。
ワイン1
(仙台・国分町の高級赤ワイン。おいしゅーございました)

 今井君が「すし哲」で特に気に入っているのが、この閖上の赤貝の刺身である。1回行けば3皿いただく。今年になって3回目の来訪だから、すでに赤貝のべ9皿を平らげた。赤貝9匹の命をクマが奪ったことになる。

 ところで、貝の数え方って、「1匹 ☞ 2匹 ☞ 3匹」でいいんだろうか、それとも「1個 ☞ 2個 ☞ 3個」? 「個」が優勢のような気がするが、「9個の命を奪う」という表現にも疑問を感じる。ここは「赤貝9匹の命」で通させてくれたまえ。

 こうして今井君は、夜7時から9時までをお寿司屋さんで過ごし、大切なカワイイ魚介類の命を次から次へと奪い続けた。なんまんだぶ&ナンマンダブ。ボクチンは一切責任を負わないが、立派に成仏してくれたものと信じる。

 ま、キチンと念仏も唱えた。親鸞上人によれば、「善人なおもて往生をとぐ」「いわんや悪人をや」であって、今井君は善人悪人どちらのカテゴリーに入るか分からんけれども、これほど魚介類を殺生しても、どうやら許してもらって極楽往生に招き入れてもらえそうだ。

 そこで、極楽往生をもっと確実にするために、「般若湯を追加すっぺか」「そっすね、般若湯&般若湯」と、マコトに都合のいい自問自答。若い諸君、「般若湯」とは、もちろんオチャケのことでござる。

 すでに寿司屋で日本酒4合を空っぽにし、その勢いに寿司屋のダンナも苦笑い、「どうせなら最初から4合瓶でお出しすればよかったですね」と言ってくれたが、同じ般若湯でも今までのはオコメが材料の般若湯、ここからは葡萄が原料の般若湯。全く別のシロモノである。
ワイン2
(仙台・国分町の高級白ワイン。おいしゅーございました)

 タクシーで向かった先は「国分町」。博多なら中洲、札幌ならススキノ。大阪なら道頓堀、名古屋ならサカエ。そういうウルトラ繁華街に該当する夜の街は、東北のありとあらゆるヨッパライが残らず集合し、収拾のつかないほどの混沌を形成しているのだった。

 入ったお店は、ラーメン屋のビルの3階。お店の名前は教えてあげない。そのぐらい拾い物の面白い店で、「商売なんかどうでもいい」「ワイン♡LOVE」「ワインを心から愛するヒトにしか来てもらいたくない」、要するに趣味と道楽で開いているお店なのであった。

「クレジットカードは扱っていません」「現金のみです」とおっしゃる。ワインみたいな高価なものを商品にしておいて「現金のみ」だなんてのは、明らかに「商売はどうでもいい」という証拠。ボクはさっそくサイフの中身を確かめ、まあとりあえず何とかなりそうなことを確認した。

 しかも諸君、お店を経営している30歳代のオニーサマは、ワイン1本1本への愛情が嵩じたのか、むしろ「売りたくない」「自分で飲みたかったのに」「あーあ、ホントにこれを飲んじゃうんですか?」というスタンスである。

 やっとのことで開けてくれた後も、今井君がウワバミみたいにガブガブ飲む様子を、いかにも心配そうに眺めている。とうとう「もっとゆっくり」「時間をかけて楽しんで下さい」と、ほとんど懇願する口調でおっしゃるのであった。
ラーメン
(仙台・国分町、深夜の醤油ラーメン。おいしゅーございました)

 今日の写真の3枚目4枚目をワイン通のヒトが見たら、いつも飲んでいるつまらんワインとは比較にならない上品な趣味に気づくだろう。うへ、高かった。サイフはすっかりカラッポ。気がつくと1万円札が1枚残っているだけなのであった。

 誰でも経験があるだろうけれども、サイフがカラッポになると、それに比例するように腹が減る。時計は午前0時半、翌朝は6時起きだから、そろそろホテルに帰った方がいいけれども、「お腹が減ったよー」「お腹が減ったよー」、ワガママな本能は、今井君の肉体を1階のラーメン屋に導いた。

 選んだのは、醤油ラーメン。写真5枚目に示した通りである。うーん、すっかり酔っぱらった。日本酒4合、赤ワイン1本、白ワイン1本。もちろんビアも適宜飲み干したから、これではウワバミもヤマタノオロチもフラフラだ。

 ラーメン、少し味が薄かったけれども、この期に及んで贅沢は言うまい、ホントにおいしゅーございました。ウェスティンホテルに到着午前1時。6時起床まで、残り5時間。いやはや、いくらでもイクラを貪って、イクサへの準備は万端整った。クマの気合い、かくのごとしなのである。
 
1E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 2/5
2E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 3/5
3E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 4/5
4E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 5/5
5E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 1/10
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