Sun 160529 ロミオとジュリエット ロゼシャンパン 新宿で祝勝会 静岡の大盛況 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 160529 ロミオとジュリエット ロゼシャンパン 新宿で祝勝会 静岡の大盛況

 6月19日、上野・東京文化会館のワタクシは、よほど喉が渇いていたのである。開幕前に生ビールをジョッキに1杯。ロミオとジュリエットがデーレデレ♡に仲良くなって第1幕が終了、そこでまた生ビールを1杯。「まだシャンパンは早いだろう」と思いながら、大きなジョッキを傾けた。

 今井君の後ろに並んでいたオバサマが「シャンパーニュ、いただけます?」と、恐るべき注文をするのを聞いたのは、まさにその時であった。うぉー、ビックリした。だって諸君、「シャンパーニュ」であるよ。

 パリのオペラ・ガルニエとか、ベルリンの国立歌劇場とか、バルセロナのリセウ劇場とか、そういう所ならともかく、ここは上野だ。パンダやシマウマやマレーグマを見て、コドモたちが歓声をあげて走り回る上野動物園のすぐそばだ。そこで「シャンパーニュ」、少なからず場違いなんじゃないか。

 もっとも、せっかくハイソな英国ロイヤルバレエを眺め、ロミオとジュリエットがイチャつき放題に熱くイチャついて、感動の第1幕が終わったばかりだ。「中年ヒゲオジサンの生ビール♨」というのもまた、場違いと言えば間違いなく場違いではある。
静岡
(6月20日、静岡の大盛況)

 こりゃ諸君、反省だ。第2幕が終わったら、意地でもシャンパンにしようと決意して席に戻った。第2幕、マーキューショがティボルトに殺され、ティボルトがロミオに殺され、可哀そうなパリス伯爵は、いくら頑張ってジュリエットに言い寄っても、ちっとも相手にしてもらえない。

 ボクチンは中学生の頃からこの3人のファンである。まずティボルト、次にマーキューショ、そして何と言ってもパリス伯爵。13歳か14歳の女の子にあんなに冷酷に振り払われても、それでも礼儀を失わない上品なオジサマ。ジュリエットが眠る墓所に、深夜1人で立ち尽くしていたりする。

 そこへ行くと、「乳母」と「僧ロレンス」はキライである。幼いロミオとジュリエットを助けたようでいて、実は事態を決定的に悪くしているのは、この2人。取り返しのつかない大悲劇の原因は、要するにこの2名の浅薄な善意なのである。

 50年近くも前、フランコ・ゼフィレッリの映画では、そのあたりを前面に押し出した。ヴェローナ大公が2人の遺体を前に叫ぶ「Everyone was punished!!」の一言が、ヴェローナの街に暗く響きわたると、あの熱く陽気な乳母が顔を歪めて俯く。

 諸君、もしも機会があったら、最後のシーンの乳母に注目だ。幼かった今井君は、あのシーンにショックを受け、いつまでも忘れられない。2007年、あの乳母の思い出を胸にヴェローナを訪ねた。深い緑の河が美しい、穏やかで落ち着いた街だった。
フルーツゼリー
(6月19日、池袋でいただいたケーキ。実はイチゴが2個のっかっていたのだが、写真を撮る前に2個とも食べちゃった)

 さて、第2幕が終了。ここから先はストーリーが混み入っていて、セリフ一切なしのバレエで楽しむには無理がある。ここは今井君もシャンパンを注文して、頭と心を演劇っぽく切り替えなきゃいかん。「ええい、メンドーだ。シャンパンもピンクのヤツにしちゃえ♨」と、一気に気持ちを奮い立たせた。

 普通のシャンパンは、グラス1杯1400円。それもちょっと高すぎる気がするが、ロゼのシャンパンは1700円。どうせ贅沢するんだ、300円の違いなら、この際ロゼの高級感を味わいたいじゃないか。

 しかし、うぉ、1杯1700円ということは、あんまり酒に強くないヒトでも「1ススリ200円」ぐらいか。ましてウワバミ今井である。グラスのシャンパンなんか、3ススリももたない。1700 ÷ 3ススリ ☞ 1ススリが約600円の計算だ。

 1ススリ600円ということは、1ゴクリも600円。こりゃ滅多なことではススリもゴクリも出来ない。だって諸君、いいかい、もう1度よく考えたまえよ、1ススリ600円、1ゴクリ600円。円高の今、1ゴクリは5ユーロと13サンチーム。うぉ、そりゃ高いや。

 シャンパンを1口ゴクリとやれば、秘かなゲップが湧き上がってくる。1ゴクリにつき、1ゲップ。1ゲップ ☞ 600円。シャンパーニュ♡オバサマとはうってかわって、下品なクマ助の頭は、果てしなくそんな計算を続けていた。

 ヴェローナの若い2人には、1ゴクリ5ユーロもするシャンパーニュなんか、とても手が届かないだろう。間もなく始まった第3幕は、ひたすら混み入ったストーリーを説明するのに夢中。ロミオとジュリエットの悲劇は、やっぱりバレエより演劇で観るべきなんじゃないかね。
さつまあげ
(西新宿「淡路島と喰らえ」にて。カリカリのさつま揚げ、おいしゅーございました)

 そして諸君、クラシック系のコンサート会場では常に感じることであるが、「ブラボーの声が早すぎる」。まだ演奏の余韻が残っているのに、余韻なんかどうでもいい、ただ自分が目立ちたい、そういう「ブラボー!!」が余韻を断ち切ってしまった。

 その時まだジュリエットは、まだ息をしていたのである。舞台の上で「あらあら、もう死ななきゃいけませんか?」「もう終電なんですか?」と、舞台の上で率直な不満を示した。だって、オーケストラだって、まだ4秒から5秒の演奏が残っていたのだ。

 なぜ、待てないんだ? 確かにアナタはブラボーな気持ちだろうけれども、東京文化会館を埋め尽くした3000人も、演じたヒトビトも、演奏したヒトビトも、悲劇の最後の5秒を満喫する権利があったはず。アナタのブラボーの一声で、幕切れがすっかり台無しになってしまった。

 しかし、ま、仕方ないか。これが今のところ、日本のクラシックの世界の現状だ。誰よりも先に、例え勇み足でもいいから、ブラボーを叫んで立ち上がる。5秒の余韻を楽しむ余裕を持ち合わせない。彼らがその余裕の大切さを知るまで、もう100年ぐらいはかかりそうだ。
クリームチーズ
(西新宿「淡路島と喰らえ」にて。イカの塩辛といただくクリームチーズ、おいしゅーございました)

 上野から新宿までタクシーに乗った。土曜の夜の上野のワイルドさは、うーん、5年6年前の閑散とした上野を知っている者にとっては、驚嘆に値する。日本の景気はこの5年で格段に上昇したのである。21時の上野で入れる店が見つからないだなんて、諸君、信じがたいじゃないか。

 タクシーで30分、西新宿で入った店は、つい先週もお邪魔したばかりの「淡路島と喰らえ」。店の看板はこれもまたワイルドだが、熱心な店長をはじめとして、店の雰囲気はなかなかいいし、料理の味も悪くない。

「今夜は魚がほとんど売れちゃいまして」と、申し訳なさそうに店長が運んできたのが、明石の大きなタイ1匹と、クロムツが1匹(昨日の写真参照)。タイが大きすぎると判断したワタクシは、クロムツを選択。半身を唐揚げ、半身を煮付けにしてもらった。いやはや、おいしゅーございました。
ユンケル
(静岡でいただいたケーキ&ユンケル。ありがとうございました)

 翌20日月曜日は、夕暮れ19時から静岡でお仕事。諸君、いよいよ夏至であって、ピンクに染まった満月は「ストロベリームーン」と呼ぶんだそうな。

 九州をはじめ西日本は豪雨の日々であるが、この日は東京も静岡も快晴。水不足の不安が重苦しく首都圏にのしかかり、とてもストロベリームーンを愛でる気持ちにはなれない。むしろ、メッタヤタラに蒸し暑い。東京から静岡に着くまでに、ワイシャツはもうネロンネロなほどに汗まみれになっていた。

 静岡でのお仕事は19時開始、20時40分終了。出席者 ☞ 約100名。1枚目の写真でご覧の通りの大盛況であった。しかし諸君、ワタクシはこの時期の公開授業に、ぜひ高3生の出席も認めてほしいのである。

 高3生でもまだ部活を続けていて、いよいよ最後の大会に向けて猛ダッシュ、「受験勉強は7月から」という諸君も少なくない。というか、むしろそれが多数派のはずだ。今こそ彼ら&彼女らが今井の熱い公開授業に参加し、夏休みからの受験勉強に備えるべき時じゃないか。

 ま、致し方ない。高1生と高2生に限定して、約100名。普通の予備校では考えられないほど、教室内はパンパンになった。もともと汗まみれだった今井君は、この100分の間にますます汗みどろになり、シャツもネクタイも「しぼれば汗がポタポタ落ちます」というアリサマなのであった。

1E(Cd) Jochum & Bavarian Radio:MOZART/THE CORONATION MASS
2E(Cd) Kremer:MOZART/VIOLINKONZERTE Nos. 2 & 3
3E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.1
4E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.2
5E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.3
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