Thu 160519 何としても水分補給 愛犬♡雪丸とニャゴロワ 串揚げ屋でゼリーが恋しい | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 160519 何としても水分補給 愛犬♡雪丸とニャゴロワ 串揚げ屋でゼリーが恋しい

 6月10日午前11時半、水分たっぷりのアジサイですら、真夏の陽光にさらされて萎れはじめていた(スミマセン、昨日の続きです)。ましてや今井君は水分の大好きな哺乳類。食べ物はなくてもきっと20日は生きられそうだが、水分ナシでは1日ももたない。

 その場合、摂取する水分は出来れば麦を発酵させたものがいい。よく冷えた黄金色の液体から、真夏の積乱雲のように輝かしく白いアブクが沸き立つ姿は、その勇姿だけでも渇きを癒すのに十分である。

 そういう贅沢な水分を求めて、奈良のアジサイ寺 ☞ 矢田寺の坂道を下った。6月、梅雨の真っただ中とはとても信じがたい油照りであって、今すぐそこいら中でアブラゼミの大合唱が始まりそうである。いやはや、とにかく一刻も早く、水分&水分。熱中症にご注意、コマメな水分補給が必要だ。

 しかし矢田寺の周辺には、白いアブクの湧き上がる水分補給に適切なお店が存在しない。水分のある場所へ、マホーのジュータンで移動したいのだが、タクシーの影も形もないのである。

 こりゃ致し方ない。贅沢は言わずに、法隆寺駅ゆきの臨時バスで大人しく移動ということにした。法隆寺駅前にズラリと並んだタクシーに乗り込んで、勇ましく「奈良、東大寺まで!!」と告げようと考えたのだ。
奈良盆地
(矢田寺から夏の奈良盆地を望む)

 ところが、法隆寺駅前で確認したところでは、ここから東大寺までクルマで約50分、6000円もかかるんだそうな。6000円は、まあヤセ我慢でOKということにしよう。しかし諸君、「50分」は困るのである。今日中に帰京するには、大阪のホテルに3時半には戻っていたい。

「なんで東大寺?」であるが、実はワタクシはこの日、
① 春日大社の子鹿クンたちの様子を見に行きたい
② 東大寺前の有名な釜飯屋で、釜飯ついでに水分補給(冷たい黄金色 & 純白のアブクは必須)を行いたい
以上2つの予定を、胸の奥深くに秘めていたのである。

 もちろん、奈良までは鉄道移動でもOKなのだ。奈良には「JR奈良駅」もあれば「近鉄奈良駅」もある。略称好きの関西のヒトビトは、JR奈良を「ジェーナラ」、近鉄奈良を「キンナラ」と呼ぶんだそうだ。

 しかし今はJ奈良でもキンナラでもどっちでもいい、とにかく釜飯、とにかく水分。補給の道が断たれれば、カエサル・ポンペイウス・ナポレオン、どんな名将も勇将も、戦う前に危機に陥る。ましてや今井君の肉体は、矢田寺の石段の往復ですでにカラカラに乾いている。事は緊急の対処を要した。
法起寺
(法起寺、三重塔)

 そこで驚くなかれ諸君、猛将イマイはクルリとキビスを返したのである。奈良を諦め、大阪を目指して西進。乗り込んだJR大和路快速は、法隆寺 ☞ 王寺 ☞ 久宝寺 ☞ 天王寺、大和川に沿ってやたらとお寺の名前ばかり続く鉄路の上を、昼下がりの梅田にたどり着いた。

 途中「王寺」の駅の看板に、「ようこそ雪丸の里へ」の文字を発見。王寺の里は、聖徳太子の愛犬・雪丸の生まれ故郷なのだという。へえ、聖徳太子って、犬を飼ってたんだ。

 こりゃウカツにもワタクシにとって新発見であったが、雪のように白い犬を飼っていたとなると、聖徳太子についても見方を大いに変えなきゃイカンね。

 ワタクシ自身は、雪のように真っ白なネコ・ニャゴロワと暮らしてすでに13年半。真っ白な生き物と長年暮らせば、だんだん人生観も宇宙観も似通ってくるんじゃあるまいか。「こりゃオレも、十七条憲法でも作ってみっかな」と、ふと座り直すようなフシギな気分であった。

 聖徳太子ゆかりの「達磨寺」には、その雪丸の石像もあり、雪丸は王寺のゆるキャラとして今も大活躍中だという。これはいつか近い将来、王寺の駅に降りてみなきゃいけない。犬と猫、種類は違うけれども、真っ白いことではニャゴロワのお友達だ。挨拶ぐらいしておくのが礼儀だろう。
法隆寺駅
(法隆寺駅)

 というわけで梅田に到着したワタクシは、雪丸のことを思いながらグランフロントの串揚げ屋に急いだ。今さら十七条憲法なんか作ってみるより、やっぱり食料補給と水分補給が重要。実もフタもないけれども、国家経営の理想よりグビグビ&ムシャムシャが優先する。凡人とは、マコトに悲しいものである。

 入った店の名前は記憶にない。要するに、それほど慌てていたわけである。切羽詰まっていたと言ってもいい。何でもいいから水分、何でもいいからビア補給。グランフロント7階の一番奥、見つけた串揚げ屋のそのまた奥まで構わず驀進して、「ビール!!」と2度ほど絶叫した。

 立て続けに2杯、ギュッと冷たく冷えたヤツを胃袋に流し込んだあとは、「串揚げ12本セット」を注文。右隣のテーブルの母娘2人組は、おお、上品に6本セットだ。ママとムスメが何だか深刻そうに将来の進路について話し合っているのを横目に、12本、ワッシワシやっては胃袋の胃酸の中に送り込んだ。
串揚げ
(梅田グランフフロント、串揚げ12本セット。まず前半6本が運ばれてきた。そのうち1本はすでに胃袋へ。おいしゅーございました)

 だって諸君、将来の進路のことなら、この今井君に相談してくれればいいじゃないか。ボクはいきなり相談されても、ちっとも構わない。「ワタシ、卒業後はどうしたらいいんでしょう?」と、今まさにこの場で話しかけられても、いくらでも真剣に相談に乗ってさしあげる用意はある。

 おお、まさに聖徳太子並みの胆力だ。つい1分前までは、その場にヘナヘナ座り込んでしまいそうなほど水分に飢えていたが、こうして好みの水分を補給してしまえば、まさに百人力&千人力。ホーレンソーの缶詰を流し込んだポパイよろしく、オリーブの5人や6人、ナンボでも危機から救出してあげられそうだ。

「雪丸、ついて来い!!」。まさにそういう勢いだ。ワタクシの雪丸ことニャゴロワは、確かにネコではあるけれども、その気迫は大型犬に劣らない。知的な表情は、どんな危機でも乗り切る知恵に溢れている。「どうだ雪丸、キビダンゴを分けてやる、鬼が島までついてこい」。そんな声をかけたくなるネコなのだ。
盃
(銀色の盃。昔のプリンはこういう型に入れて作った)

 串揚げ12本、おいしゅーございました。キップのいいオネーサマが、1本1本の素材について詳しく説明してくれるのを、全く聞いていませんでした。

「これは塩で」「これはタレで」「これはそのまま」。食べ方まで指南してくれたのに、全部ソースをぶっかけてワシワシやってしまいました。ま、要するに「困った客」「著しく困った客」なのだが、いやはや今井君は、何でもかんでも「塩で」とうるさく指定してくる方針はキライなのである。

 何しろこの日はもう仕事がない。大阪から東京に帰るだけである。ならば、水分補給についても、いろんな種類の補給が可能。ビアの他に、「八海山」「獺祭」「まんさくの花」など、日本古来の奥ゆかしい水分もあるじゃないか。

 この日の選択は、「八海山」。しかも、2杯を立て続けにカラッポにした。金属製のオシャレな盃は、むかしむかしオウチでプリンやゼリーを作った時の容器にソックリだ。昭和の昔の「ハウスのフルーツゼリー」、どうしても作りたくなった。

 冷蔵庫で冷たく冷やされてブルブル震えていたグリーンのゼリー。富士山の形のカスタードプリン。昭和のコドモにとって、あれ以上の幸福があっただろうか。あの味が心の底からいとおしい。そういう大阪の午後なのであった。

1E(Cd) Wand:BRUCKNER/SYMPHONY No.8①
2E(Cd) Kaori Murachi/Kazufumi Ymasita & New Japan Philharmonic:CONCIERTO DE ARANJUEZ
3E(Cd) Carmina Quartet:HAYDN/THE SEVEN LAST WORDS OF OUR SAVIOUR ON THE CROSS
4E(Cd) George Duke:COOL
5E(Cd) Carmina Quartet:HAYDN/THE SEVEN LAST WORDS OF OUR SAVIOUR ON THE CROSS
total m95 y863 d18568