Wed 160518 イケメン太鼓 めちゃナマ春巻き 奈良・矢田寺にアジサイを眺めに行く | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 160518 イケメン太鼓 めちゃナマ春巻き 奈良・矢田寺にアジサイを眺めに行く

 どうも感性が一風変わった方向に動き出しているようで、居酒屋での一声一声も、どうも素直に頭に入ってこない。例えば誰かが「イカ明太子!!」と叫んだとする。すると諸君、今井君の耳には「イケメン太鼓」としか聞こえない。

 イケメンをズラリ揃えた和太鼓グループ。最近の日本にはそういう和太鼓の世界があるらしくて、「鼓童」とか「DRUM TAO」とか「打男」とか、今やイケメン太鼓が日本を席巻しつつある。

「打男」と書いて「ダダン」と読む。「ウチオ」ではない。いやはや、今井君の本拠地・下北沢でも笹塚でも、「ダンダダン酒場」という居酒屋が大繁盛の様子。こんな世の中で「イカ明太子」と叫べば、ワタクシのような変わった感性の耳に「イケメン太鼓」と聞こえるのも無理はないのである。

 6月9日、奈良県橿原の大祝勝会では、そういう空耳が相次いだ。「めちゃナマ春巻き」もその1つ。店員さんはただ単に「ベトナム春巻き」とおっしゃっただけだったが、ワタクシのお耳にはどうしても「めちゃナマ春巻き」としか聞こえなかったのである。

 21世紀になって、関西のヒトビトは「めちゃ」「めっちゃ」「むちゃくちゃ」をメッタヤタラに口にするようになった。「むちゃくちゃ旨いで」「めっちゃカワイイで」「めっちゃ燃えてるで」。「1日に何回ぐらい『めっちゃ』と言いますか?」と関西のヒトに尋ねてみたら、「1万回は言うとるかな」と苦笑していた。
味噌なめ地蔵
(奈良・矢田寺、「味噌なめ地蔵」とアジサイ)

 ならば、普通の「ベトナム春巻き」だって「めちゃナマ春巻き」と言い違えないとは限らない。やがて運ばれてきたベトナム春巻きは、皮がキレイに透き通って中のキュウリの緑が新鮮。「おお、めっちゃナマ春巻きやん」という結論になった。

 こういう変な感性が優勢になってくると、やたらに語源が気になるのである。電車の中で遠くの席に陣取ったサラリーマン集団から、ふと「がんじがらめ」というコトバが聞こえてくる。すると諸君、意地でもMac君を開いて「がんじがらめ 語源」と検索せずにはいられない。

 漢字で書けば、「雁字搦め」。ふと入力を間違えて「感じがラメ」とか「漢字がダメ」とか、マコトにラメでダメな検索結果が出てきたりもするが、それもまたご愛嬌だ。Mac君だって「出てきたりも駿河」とか、バカなことをやっている。Mac君、キミはワタクシを笑えない。

 ところで「雁字搦め」であるが、空を行く雁の群れは、縦横無尽に複雑な模様を描いて飛んでいく。雁の群れの描く図形みたいに、縄の目が複雑怪奇に絡まりあった縛り方、もう決して解けないほど複雑にギューギュー縛った麻縄のイメージなんだそうな。

 または、「頑丈」「岩乗」などの「ガンジョウ」から「ガンジ」に転訛したという説もある。「がんじょうに搦めとる」☞「がんじがらめ」、大いにありえそうな話であって、「オレたちって、もうガンジガラメじゃん」というサラリーマン諸君の嘆きも、「なるほど」と深く納得がいくのであった。
紫陽花と石垣
(奈良・矢田寺、石垣とアジサイ)

 それに比べて、ワタクシはマコトに自由に生きている。6月10日朝、7時にノコノコ起きだした後は、「おやおや、今日は素晴らしい快晴だ」「ではどこか奈良のお寺に、アジサイでも見に出かけますかね?」と考えた。

 宿泊しているのは大阪・梅田。これから奈良まで行って帰ってきても、今夜中には東京に十分に帰り着ける。しかも諸君、今年のアジサイは、もう今が盛りであるらしい。平年より10日も早く盛りが来てしまった。来週も京都と奈良で仕事があるけれども、アジサイは今日がギリギリだろう。

 関西でアジサイ寺といえば、まず京都・宇治の三室戸寺。続いて奈良の矢田寺であるそうな。「よっしゃ、三室戸寺のほうは来週の京都の時に譲って、今日はまず矢田寺のアジサイを満喫してこよう」と決めた。
夏木立
(奈良・矢田寺、夏木立とアジサイ)

 梅田から矢田寺へは、JRの「大和路快速」を利用する。諸君、何かと評判の悪いJR西日本であるが、「大和路快速」「紀州路快速」の2つについては、これを発明したヒトをもっともっと熱く誉め称えていい。

 東京の山手線と同じタイプの大阪環状線と、東海道線や高崎線みたいな郊外路線を上手に接続し、数字の6の形に走る。天王寺から反時計回りに京橋 ☞ 梅田 ☞ 西九条 ☞ 天王寺に至り、天王寺から「大和路」は奈良へ、「紀州路」は和歌山と関西空港に向かう。

 例えば品川から品川へ山手線グルッと1周した後、そのまま東海道線に入って熱海まで快走。池袋から池袋へ、やっぱり山手線をグルッと一周した後で、そのまま高崎線に入って熊谷や前橋まで快走。そういうルートである。一見複雑だが、奈良や和歌山のヒトにとってはマコトに便利な路線であるようだ。

 6月9日の今井君は、大阪駅から大和路快速に乗り込んで環状線を半周。天王寺からそのまま関西本線に入って、法隆寺の駅を目指した。県境の「河内堅上」あたりから急に山の緑が濃くなり、近松門左衛門作品でお馴染み・大和川の清流を何度も何度も渡って、1時間ほどの道のりである。

 法隆寺駅前では、矢田寺ゆきの臨時バスが待ち受けている。はるかに法隆寺の五重塔。中宮寺や法起寺のすぐ近くを通って、20分ほどで矢田寺に到着。車窓右側・法起寺の三重塔がマコトに印象深い。
地蔵堂
(奈良・矢田寺、お堂とアジサイ)

 ただし、ここから矢田寺までが難行苦行。真っ直ぐに伸びた坂道を10分も歩いた後は、長い急な石段が続く。正午近い夏の太陽が、上空からカンカン音が響くほどの強烈さで、容赦なく照らしつけてくる。

 石段をゆっくりと登りつつ、日本の高齢化を思い知る。明らかに今井君が一番若いのであって、周囲は高齢者ばかりである。高齢者ホームの夏の遠足というか、高齢♡強歩大会というか、このカンカン照りに熱中症で倒れるヒトが出ないことの方が、むしろ不思議なぐらいである。

 だって諸君、人間が熱中症になる前に、すでにアジサイ君たちがヨレヨレにしなび始めている。アジサイは、雨と霧の花である。カンカン油照りの真っただ中で、しなびないでいるのは困難をきわめる。青いヤツもピンクの子も、白い諸君もガクアジサイも、何となくカラカラに干上がって悲鳴をあげている。

 こんな時、「アジサイの悲鳴が聞こえるよ」とか悲しそうに指摘すれば、今井君自身ビールが飲みたくてムズムズしているのを、周囲のヒトビトに看破されてしまう。黙って黙々と人生の先輩たちの列に従い、ひたすら山の上の矢田寺を目指した。
額紫陽花
(ガクアジサイ。いいカホリがした)

 こういう列にも、元気なオジーサンは存在するものである。周囲100メートルに響きわたるような野太い声で「弁当食いたい」「弁当食いたい」と繰り返しているのだ。

 しかし、参道にも境内にも「食事は遠慮してください」の貼紙が。ジーサマは、どうしてもアジサイを眺めながらお弁当が食べたいのであるが、「さてお弁当♡」と思い立つごとに、「お食事はご遠慮」の貼紙を発見して、今その熱い思いを誰にともなく吐露しているのである。

「味噌なめ地蔵」というオチャメなお地蔵さまのあたりから左の小径に入ると、広大なアジサイ庭園が広がっている。人が1人通れるかどうかの細い険しい道が続き、アジサイの枝が小径を塞いでいる。散策する者は、左右から突き出ているアジサイの花を押しのけるようにして道を進むのである。

 これはむしろ山歩きに近い、十分に「ワイルド」と形容していいアジサイ見物である。要所要所に元気なハチ君なんかも潜んでいて、いきなり耳元で「ブーン」と挨拶されると、ビックリ ☞ 足を踏み損ねて、アジサイ群落の真っただ中に転倒しそうになる。

 こうして諸君、矢田寺の有名な閻魔様にもご挨拶。閻魔様の近くには、亡者から衣を引きはがす「奪衣婆」なんてのも控えている。おおコワい。Mac君みたいに「脱衣ババ」とかフザケていると、諸君、地獄に堕ちまするぞ。

1E(Cd) George Duke:COOL
2E(Cd) Courtney Pine:BACK IN THE DAY
3E(Cd) Brian McKnight:BACK AT ONE
4E(Cd) Wand:BRUCKNER/SYMPHONY No.8①
5E(Cd) Wand:BRUCKNER/SYMPHONY No.8②
total m90 y858 d18563