2016年05月07日(土)

Wed 160413 「厳しいオジサマ」の店で締めくくり(ドイツ・クリスマス紀行38 最終回)

テーマ:ブログ
 こんなふうにして、長かった「ドイツ・クリスマス紀行」も、これでついに最終回を迎えるのであるが、旅の長老♨今井クマ助から若い諸君に、もしもアドバイスがあるとすれば、「いちいちムカつきなさんな」のヒトコトに尽きる。

 そりゃ海外の飲食店でも、従業員の皆様に日本並みのこまやかな接客を期待するのは分かる。日本のイタリア料理店なら、イタリア語なんか全く知らない従業員でもみんな声を揃えて「ブォナセーラ!!」と迎えてくれる。チェーンの居酒屋だって、どんな注文にも「よろこんで!!」と元気に応じてくれる。

 しかしそれはあくまで日本国内の話であって、海外では「日本はオトギの国なんだ」ということを肝に銘じていなきゃいかん。日本のお店の接客が素晴らしいのは、縄文時代からの長ぁーい歴史のタマモノ。同等のサービスを世界中で求めるのは、そりゃ「無理難題」というものである。

 多くのヒトが、海外で経験した不快な接客について「不快だった」「耐えられなかった」「最低最悪だ」と吐き捨てるようである。「クチコミ」の場で、飲み会の席で、ガイドブックの「はみだし情報」で、自分がどんな不快な対応を経験したか、笑い話のように語るヒトは少なくない。
市庁舎
(ベルリン「赤い市庁舎」に夕暮れが迫っていた)

 しかし諸君、長老としての意見を言わせてもらえば、「不快さも海外での楽しみのうちの1つ」なのであって、不快な経験をそのまま「オススメしません」「イヤな思いをしました」「サイアクでした」と、苦笑しながら吐露したところで、事態は改善しないんじゃあるまいか。

 むしろもっとフトコロをグーンと深くして、お店のブッキラボーな対応、従業員の皆さんの無愛想な態度、他のお客からの不快な視線、そういうものも鷹揚に楽しむ旅をしてみないかね。

「うぉ、キツい視線で睨まれたよー」
「げ、注文も取りにこないよー」
「欧米人にばかりペコペコしてるよー」
「一番スミッこのテーブルに通されたよー」
「列に並んでたつもりなのに、後回しにされたよー」
「案内されたテーブルはトイレの真横だったよー」

 そんな「よー」「よー」の連続でいちいちプンプンしてたら、外国の旅を楽しむのは不可能だ。「よー♨」なツラい嘆きも、「よー♡」とホットに面白がるんじゃなきゃ、その国をチャンと経験したことにはならない。

「ほー、こんな強烈な対応をしてくるんだ♡」
「おー、優柔不断は嫌われますね♡」
と、余りに大きい文化の違いに思わず噴き出すぐらいがいいのだ。
夕暮れ
(ツォーロギッシャーガルテン、カイザーヴィルヘルム教会にも夕暮れが迫ったいた)

 ついでに、そういう不快な経験をどうしても腹に据えかねたら、
「その場でハッキリ言う」
「直ちに問題の所在を明確にして、責任者に対応を迫る」
が原則だ。

「その場ではジッと黙って我慢して、帰国してからクチコミで恨みを晴らす」ということになると、むしろそっちのほうがずっとツラいじゃないか。

 かく言う今井君は、2010年11月を境に人生観が一変した(気がする)。とりあえず「突然の網膜剥離でモノの考え方が変わった」ということにしておく。右目の視力を失う寸前だったという経験は、「怒ってばかりいちゃダメだな」「グッとフトコロを深くしなきゃ」という諦観につながった。

 昔のワタクシは、連日連夜ホントに激怒ばかりしていたものである。激怒しなかった日はなく、所かまわず怒声を張り上げてキレ放題にキレてばかりいた。「それが男子の真の姿である!!」と思い込んでいるフシがあった。

 だから海外を旅しても、「チャンスさえあれば激怒する」というマコトに困ったクマ助であった。いやはや、昔のことを思い出すと、恥ずかしさに身が縮まる思いがする。

 フランクフルトではホテル補修工事の騒音に激怒。直ちにフロントクラークを呼んで、代わりの部屋を用意させた。イングランドのウィンダミアでは、チェックインの遅れについて激烈な不平を述べたて、フロントのヒトが涙を浮かべる始末だった。

 遅ればせながら、反省しきりである。しかし諸君、ギュッと反省はしたが「出来るかぎりその場で解決する」という方針は変えないでいる。「後から恨みを晴らす」というんじゃ、解決につながらないじゃないか。
断捨離
(20年も付きあってくれた靴下君。ついに今回のベルリンで断捨離を決めた)

 今回のベルリンで一番楽しかったのは「ギュッと叱られた経験」である。ツォーロギッシャーガルテンのクリスマス市でのこと。ホットワインを注文すると、カップのデポジット代に2ユーロ払うのだが、その2ユーロを返金してもらうためのチケットを紛失してしまったのである。

「チケットを失くしちゃったんだけど、デポジットの2ユーロを返金してもらえるか?」とニヤニヤ尋ねたところ、極めて愛想の悪いオジサマから、頭ごなしにギュッと叱られた。

「チケットをなくしたら、それはアナタが悪いのだ。チケットがあれば返金するが、なければ返金できない。それがルールだ」。おお、ビシッと言われちゃった。言っておくが、超多忙なクリスマス市だ。そんなメンドーな叱責をしているより、サッサと2ユーロ返したほうが、店のヒトだって楽なのである。

 それでもこんなにキツくお客の失策を指摘する。確かに、いけないコドモたちもうろついている。払ってもいないデポジット料をもらおうと、テーブルの上のカラッポのカップを集めて歩くのだ。「チケットをなくした」というオトナにデポジットを返金するのは、そういう行動を助長することになりかねない。
コワいオジサマ
(ドイツの厳しいオジサマ、最終日に再会の図)

 というわけで、今井君はこの店の厳しいオジサマがヤタラに気に入った。なるほど、言われた当初はハラワタが煮えくり返りそうになった。「はるばる日本から来て、たった2ユーロのデポジット欲しさにズルいことするわけないだろ」であって、それこそ「最低最悪だ」な気分にもなった。

 しかし昔みたいにその場で激怒せず、クリスマス市をブラブラしながらよくよく考えてみるに、「おお、オジサマも面白いヒトじゃないか」「チャンとものを考えてるじゃないか」と、マコトに無礼で意地悪だと思っていたオジサマが、正反対にギュギュッと気に入ってしまったのである。

 結局、あのことがあってから帰国するまで、オジサマのお店を3回も訪れた。「おお、また来たな」「おや、またまた来たな」「おーや、まだベルリンにいるのか」。マコトに内気なオジサマは、積極的に語りかけてくるよりも、うつむいた表情にホノカに浮かぶ微笑で歓迎の意を示してくれた。
ブリュッセル行
(ベルリン・テーゲル空港で。ブリュッセル経由で帰国する)

 諸君、海外で頻繁に経験する「不快な接客」には、こんな感じで対処したまえ。あくまで不快さも含めて大きく楽しむこと。それでも腹を据えかねたら、その場でキチンと対処すること。その場合でも、フトコロを常に深く暖かく保つこと。要するに、謙虚に&大胆にということである。

 というわけで16時、旅の締めくくりにもう1度例のオジサマの店に立ち寄り、2015年ホットワインの飲み納めとした。10日滞在したツォーロギッシャーガルテンの街にも、いよいよ夕闇が迫っていた。

 ホテル前からタクシーに乗り、ベルリン・テーゲル空港を目指す。ベルリンには間もなく首都にふさわしい21世紀的な大空港が完成する予定。テーゲル空港は「用済み」になって、ワタクシがここを利用するのは、これがラストになるかもしれない。

 ベルリンからは「ブリュッセル航空」を利用、ブリュッセルまで1時間ほど。ブリュッセルからANAで羽田に向かった。ブリュッセルの空港と地下鉄駅で悲惨な大規模テロがあったのは、このわずか3ヶ月後のことであった。

1E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH
2E(Cd) Cecilia Bartoli:THE VIVALDI ALBUM
3E(Cd) 東京交響楽団:芥川也寸志/エローラ交響曲 他
4E(Cd) Maggini String Quartet:ELGAR/STRING QUARTET IN E MINOR 他
5E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH
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