Fri 160401 二日酔いのミックスモダン 南アルプス 角館の桜は1粒で2度おいしい | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 160401 二日酔いのミックスモダン 南アルプス 角館の桜は1粒で2度おいしい

 4月22日午前7時、大阪のホテルで目覚めたワタクシは、「ハッキリ言って二日酔いが自慢です」な感じ。何しろ午前2時まで、大学学部生時代の旧交を沸騰するまで温めた翌朝だ。

 その後の睡眠時間だって、わずか4時間程度。胃袋に収めたお酒の分量は、日本酒4合・白ワインボトル1本・ウィスキーもダブルをロックで4杯。それにもちろんビールもたっぷり。いやはや、それで睡眠4時間じゃ、二日酔いでないほうがむしろ不思議なぐらいである。

 それでも7時に起きだして、チャンとブログを書いている。書いたのは、オープン直後の「バスタ新宿」の問題点について。うぉ、何てマジメなクマなんだ。何てメゲることを知らないケナゲな中年なんだ。自らの精神力の強靭さに、思わず熱い涙がこぼれるほどである。

 午前9時半、梅田のホテルをチェックアウト。秋田に向かうヒコーキが11時15分発だから、まあそれなりにギリギリであるが、今井君がチェックアウトを急いだのにはワケがあって、「何としてもお好み焼きを貪りたい」の一心だったのである。

 だって諸君、せっかく大阪に来たんだ。二日酔いであろうと何だろうと、せめて旨いコナモンを1つぐらい味わって行きたいじゃないか。それが「伊丹空港のお好み焼き」なんかだと、難しい大阪のヒトには鼻でせせら笑われるかもしれないが、それでもちっとも構わない。
ソメイヨシノ
(秋田の小京都♡角館の桜。桧木内川の流れに沿って、何と2kmの桜並木が続く)

 お馴染みの「たこぼん」で、当然のように一番豪勢な「ミックスモダン」を注文する。開店が10時15分、入店が10時15分。要するに見事「今朝の一番乗り」を果たした。

 ワタクシの前にはコうるさそうなオジサマ集団が5人、すでに列を作って待っていたが、開店直前に「やっぱりタコ焼きにしようぜ」と軟弱な方向に衆議一決。おかげで今井君の「一番乗り」が可能になった。

 15分かけてパートのオバチャンたちが焼き上げたミックスモダンに、ありえないほどタップリの青海苔をふりかけ、ついでだからありえへんほどの削りブシをのっけたら、デカい口をカァーッと真っ赤にあけて、ワシワシ頬張るのみである。

 いったんこうなってしまえば、「旨いか?」「マズいか?」なんてのはもう問題にもならない。だって、旨いに決まっているじゃないか。この期に及んで旨いだのマズいだの、「やわらかーい♡」だの「キャベツの甘みが♡たまりまへん」だの、そんなことをツベコベ言うヤツなんか、クマ助は大キライである。

 ただ問題は「時間がない」の1点だ。焼けてきたのは、10時35分。ヒコーキの搭乗開始時刻は10時55分。入店と同時に注文したウーロンハイはもうカラッポだが、このデカいヤツを20分で完食しなければならないとなると、飲み物の追加はほとんど不可能だ。

 目を白黒させる思いでひたすら詰め込んでいく。入試直前に始めた日本史や世界史の問題集みたいなもんであるが、うぉ、それこそ今井君の得意ワザ。18歳の時、日本史は1ヶ月、世界史は2週間でギュギュッとアタマに詰め込んだ。
赤石山脈
(大阪 ☞ 秋田のプロペラ機から、春の南アルプスが美しかった)

 いやはや、タテマエとホンネは別であって、10時50分、ミックスモダンはわずか15分で胃袋に収まった。そりゃ、エラい皆様はこういう生き方に批判的に違いない。しかし諸君、イザとなれば日本史&世界史まとめて6週間なんてのは、出来なきゃいけないことなんじゃないかね。

 というか、1年も2年もかけてベターッと学ぶ歴史と、数週間でインスタントにギュギュッと済ましちゃう歴史って、それぞれに味わいが違って楽しさも全く別なんじゃないか。

 お好み焼きにラーメンにうどん、そういうもんはギュギュッと飲み込んだほうが旨い。「1時間かけてモグモグやるラーメン」なんてのは明らかに間違いだ。同じことが勉強にもあって、「短期にギュギュッと」のほうが格段に楽しいことだって存在するはずだ。

 ま、4月22日の今井君は、そういう言い訳を頭の中でコネ回しながら搭乗口に向かった。あんまりコネ回しすぎて脳みそが糸を引き、今井君の優秀な脳みそが今にもお好み焼き状になりそうなほどであった。

 大阪から秋田へは、小さなプロペラ機で飛んでいく。定員74名。実際に乗り込んだのは50名程度。うーん、予備校の不人気講師の授業で、100名も入らない小教室なのにまだタップリ空席があるような、マコトに寂しい雰囲気である。
枝垂れ桜
(角館の桜は、1粒で2度おいしい。1粒目は桧木内川堤2kmの桜のトンネル。2粒目は上品な武家屋敷の枝垂れ桜である)

 しかし諸君、そういう不人気な授業こそ、実は栄養分がお好み焼き並みにギュギュッと詰まっているのであって、不人気だからと言って敬遠するなかれ。この日の大阪 ☞ 秋田便も、窓からの風景は絶品。春の日本アルプスを堪能することができた。

 あんまり夢中になって眺めていたら、さすがにCAさんも黙っていられなくなったのだろう。「今は南アルプスの西の上空を飛んでいます」「右に見えているのは赤石山脈です」と教えてくれたし、キャンディの詰め合わせまでいただいたのである。

 こうして諸君、秋田空港に到着、12時45分。角館ゆきの乗合タクシーは13時50分発であるから、空港で約1時間、ノンビリ時間をつぶすことにした。空港の閑散ぶりは異様なほど。うーん、秋田市出身者として「どげんかせんといかん!!」とコブシを固めたほどである。

 空港内の小さなレストランで、秋田の漬け物をツマミにビールを飲んだ。秋田独特の山菜に「ミズ」「アイコ」の2種があり、漬け物は「ミズの実」。うーん、久しぶりに見てみると、あんまり旨そうなもんではございまへんな。
つくし
(桧木内川の堤は、ちょうどツクシの真っ盛りであった)

 秋田空港から角館に向かう予約制の乗合タクシーは、地元の「キングタクシー」が運営する6人乗り。今や日本国中が「中国サマ大歓迎」という世の中だから、タクシーの看板も中国語である。キングタクシーは「国王・出租車」。おお、ワタクシも「国王」の待遇で角館に向かう。

 空港から角館まで、約1時間の道のり。途中、早春の山に自生する桜の花が美しい。秋田では4月下旬が「早春」なのであって、コブシ、モクレン、そういう早春の花がちょうど満開を迎えていた。

 小京都♡角館も、まさに今が春の盛りである。しかしコドモ時代の今井君は、ゴールデンウィークの角館を訪れたことがない。「大混雑だから」というのがその理由で、両親は頑として桜の時期の角館を拒絶した。

 だから諸君、角館の桜を観るのは、実は長い人生で今回が初めてなのである。これだけ世界中をノシ歩いても、地元の桜をゆっくり堪能したことがない。人生とはそのようなものである。
夕景
(夕陽に輝く桧木内川のソメイヨシノ。この時間帯が一番キレイかもしれない)

 いや、むしろそのようなものであるべきなのだ。世界中をノシ歩いて、「もう少し疲れてきました」という時期に故郷を訪ね、故郷の美しい景色に感激してエネルギーを蓄え、そのエネルギーで再び広大な世界に向かう。

 というわけで諸君、ワタクシも故郷の桜を心ゆくまで堪能した。角館の桜は、「1粒で2度おいしい」。まず武家屋敷のあたりの上品な枝垂れ桜を、1時間ほどかけて満喫する。「大人しい枝垂れ桜はもういいかな♡」と思ったら、いよいよ桧木内川(ひのきないがわ)のソメイヨシノを眺めにいく。

 桧木内川の両岸に続くソメイヨシノの桜のトンネルは、何と「全長2km」の圧巻。川沿いにどこまで歩いても、桜&桜また桜の連続であって、遥かには雪の残る山々、目の前には清冽な雪解け水が豊かに流れる川、頭上には満開の桜。山&川&桜の3拍子が揃って、おそらく地球上で最も美しい風景がそこにある。

 そこで出会うものもまた豊かである。あまりに美しい秋田犬。ノドごしの爽やかな冷たい稲庭うどん、夜空に美しくライトアップされた枝垂れ桜。詳細は、また明日の記事に述べようと考える。

1E(Cd) T.Beecham:BERLIOZ/LES TROYENS 1/3
2E(Cd) T.Beecham:BERLIOZ/LES TROYENS 2/3
3E(Cd) T.Beecham:BERLIOZ/LES TROYENS 3/3
4E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 1/3
5E(Cd) Akiko Suwanai:SOUVENIR
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