Wed 160210 ジュルジュル&ガッハーッ!! プロペラ機からの風景 宝塚の大盛況 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 160210 ジュルジュル&ガッハーッ!! プロペラ機からの風景 宝塚の大盛況

 世の中にはマコトに様々なニンゲンが存在するものであって、このあいだ羽田空港のラウンジで見かけた「ジュルジュルおじさま」も、数百年の歳月を生き抜いてきたワタクシに、「まだまだオレも経験不足だな」と感じさせるたいへんな傑物であった。

 羽田のダイアモンドラウンジが、突如たいへんな轟音に満たされたのだ。それも実態は、単に熱いスープをすする音に過ぎないのである。

「ジュルジュル、ガッハーッ!!」
「ジュルジュルジュル、ガッハーッ!!」
「ジュルジュルジュルジュル、ガッハーッ!!」
いやはや、たいへんな轟音が連続した。

 今月のスープは、ミネストローネ。ワタクシもミネストローネは大好物だから、ラウンジに入るやいなや、必ず2杯は平らげる。しかし今井君はお上品なヒトであるから、ミネストローネをすするのに決して音なんかたてない。

 もちろんラーメンやお蕎麦なら全く話が違う。「天までとどけ」というぐらいの轟音をたてて麺をすすり上げる。しかし諸君、相手はミネストローネだ。轟音なんかちっとも必要ないと思うのだ。

 ところが今日のジュルジュルおじさまは、21世紀の世界でおそらく最も豪快なオジサマだ。激しく吸い込んだ後は、どうしても吐き出さなければならないから、豪華なジュルジュルの後には、必然的に強烈なガッハーッ!!が連続する。
石鎚山
(プロペラ機からの石鎚山。手に取れるぐらいの近さを感じる)

 オジサマのテーブルは、4つほど離れている。それなのに、激しいジュルジュル音は「鼓膜が破れるんじゃないか?」「ミネストローネと一緒に吸い込まれちゃうんじゃないか?」という恐怖を誘い、休む間もなくガッハーッ!!で、地の果てまで吹き飛ばされてしまいそうである。

 そういう勢いで、オジサマは一気にスープを平らげた。読者諸君も予測がつくだろうが、この種のオジサマは何かを食べ終わった直後、今度は「ピチャピチャ音」「シーハー音」「ヌチャヌチャ音」を連続させる。

 もちろんそれは、まず舌なめずりのピチャピチャであり、歯に挟まった物を吸い取ろうとするシーハーであり、葉の間からシーハーによって抜き取った食べカスを、しつこく味わおうとするヌチャヌチャ音である。

 ジュルジュルガッハーッ!!から、ピチャピチャ&シーハーを経てヌチャヌチャまで、オジサマの発する音はすべて「轟音」と名づけるに相応しいボリューム。妻や娘や息子の顰蹙をモノともしない彼の豪快なイキザマに感動、思わず身震いするほどであった。
瀬戸内海
(プロペラ機からの瀬戸内海。いっそう穏やかにウラウラ温かく見える)

 きっと子供の頃から、父母&祖父母に甘やかされ放題で育ったのだろう。味噌汁でも親子丼でもミカンでも、「ジュルジュルガッハーッ!!」で何にも言われなかったに違いない。

 給食の時間、牛乳をどんなにジュルジュルガッハーッ!!しても、彼の担任の先生はきっと「のびのび教育」派。「無闇に児童を叱るべきではない」の信念のもと、女子児童が集団で先生に訴えても、知らん顔で彼を放置したに違いない。

 しかし例え小学校の先生がそうであっても、中学の部活の合宿の時に先輩たちは何も言わなかったのだろうか。大学の指導教官だって、ゼミの諸君と食事をすることはあるだろう。教授は彼のジュルジュルガッハーッ!!を放置したんだろうか。

 就職した後、先輩社員も、上司も、上司のそのまた上司も、後輩たちも、みんな彼のジュルジュルガッハーッ!!を放置し、彼と付きあった彼女たちも、取引先の人々も、みんなみーんな何にも言ってあげることなく、そしてついに今日の彼があるのだ。

 とすれば、いま目の前で頬からヒタイまで真っ赤に紅潮させながら、「ジュルジュルガッハーッ!!」を続けている彼は、約50年にわたる周囲の無視と放置とが作り上げた、恐るべき作品と言わざるを得ない。

 数十万年の歳月をかけて大自然が作り上げた鍾乳洞なんかにも、ワタクシは讃辞を惜しまないが、無視と放置が作り上げた稀有な豪快さについても、やっぱり深い感慨を禁じ得ない。読者諸君にも是非あのとき、一緒に彼の豪快さを堪能してほしかったのである。
宝塚
(兵庫県宝塚の大盛況)

 さて、こんなクダランことをこんなに長く書き続けられる今井君というものも、ジュルジュルおじさまに負けず劣らず、人々の賛嘆と感慨を引き起こしているのかもしれない。

 松山から伊丹へ、ボンバルディアのヒコーキで移動した後は、いつもの通り梅田のインターコンチネンタルホテルにチェックインした。諸君、思えばプロペラ機もなかなかいいものである。

 何と言っても、眼下の景色が優しく、手に取るように近い。1月末に新居浜を訪れたとき、天上はるかに気高く聳えていた石鎚山も、窓のすぐ下に可愛らしく春の雪を冠っていた。春の瀬戸内海も、無数の島を浮かべてのたりのたりと居眠りしているようである。

 夕暮れ19時30分から、兵庫県宝塚で公開授業。出席者約140名、うち「初めて来てみました」という外部生が70名。これはまさにスタッフの皆さんの努力のタマモノであって、今日もまたクマ助は大いに感謝するのであった。
ベルギービア
(宝塚の祝勝会は、梅田のフレンチで。大好きなベルギービールも旨かった)

 宝塚とは、言わずと知れた「宝塚歌劇団」の宝塚であって、阪急梅田駅から宝塚までの45分、ワタクシの周囲は激しい宝塚のド派手ポスターで一杯である。

 現在上演中なのは雪組の「るろうに剣心」。一度「コワいもの見たさ」でチケットを買ってみたいが、今日も明日もチケットは完売。何となく「助かった」と胸を撫でおろした。

 もちろんワタクシも宝塚歌劇団の皆様に負けない大熱演を繰り広げなきゃイカン。さすがに関西で1か2かを競う高級住宅地であって、宝塚の140名は最初からガハガハ大口を開けて爆笑するようなタイプではない。ウルトラベテラン ☞ 今井クマ助でさえ、最初の爆笑まで30秒もかかってしまった。

 しかしどんなに火がつきにくくても、必ずあっという間に爆笑の連続にもっていくのが大ベテランというものでござる。気がつけば、宝塚大劇場よろしく大喝采の渦。盛り上がりすぎて5分ほど延長してしまったが、まあその程度ならご愛嬌である。
Buzz
(店の名は「Buzz」。オミヤゲにベルギービールを2本もいただいた)

 終了後、梅田駅前「Buzz」にて大祝勝会。ベルギービールと旨いワインでフレンチをいただく。今日のメインはシカ。メインに限らず、前菜からデザートまでどれもこれもホントにおいしゅーございました。

 ホントは料理の写真をたくさん掲載したいのであるが、うにゃにゃ、高級なお料理の写真はマコトに難しい。メインのシカにしても、「余りにおいシカった記憶」と、あとに残った下手な写真のギャップが大きすぎて、「あれれ、こんなんだったっけ?」と自ら写真の腕の低さに愕然とするのである。

 というわけで、せっかくのおいしいフレンチであったけれども、写真の掲載は遠慮することにする。こんど大阪を訪問するまでに、もっともっと写真の腕をあげておかなきゃならんね。

1E(Cd) Solti & Vienna:WAGNER/DIE WALKÜRE 4/4
2E(Cd) Mascagni & Teatro alla Scala di Milano:MASCAGNI/CAVALLERIA RUSTICANA
3E(Cd) Molajoli & Teatro alla Scala di Milano:LEONCAVALLO/I PAGLIACCI
4E(Cd) Solti & Chicago:HÄNDEL/MESSIAH 1/2
5E(Cd) Akiko Suwanai:DVOŘÁK VIOLIN CONCERTO & SARASATE
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