Mon 160208 桃の節句 道後温泉でポッカポカ 松山の大盛況 映像授業の乱立を憂うる | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 160208 桃の節句 道後温泉でポッカポカ 松山の大盛況 映像授業の乱立を憂うる

 ついこの間お正月で、「初詣だ」「お雑煮だ」「仕事始め」だと騒いでいたと思ったら、諸君、今日はもう桃の節句であって、日本国中みんなヒナ祭りだ。ひなあられに白酒、3色の菱餅に雛人形。ホンの1ヶ月前に豆まきと恵方巻きで大騒ぎだったのに、ウソみたいに時間がビュンビュン過ぎていく。

 ということは、今夜から明日にかけて、またも全国のコンビニで大量の余り物が出ることになる。廃棄処分になった膨大な量の「恵方巻き」を思って暗然としたのも束の間、今度はひなあられと菱餅の番である。

 ただし、すぐに腐っちゃうであろう恵方巻きに比較して、菱餅&ひなあられならまだまだ日持ちがしそう。大急ぎで廃棄しなくてもいいぶん、我々も気が楽だ。

 そもそも菱餅なんかそんなにたくさん作ってもいないだろうから、恵方巻きに押しつぶされそうだった2月に比べて、3月はのんびりウラウラしていられる。

 梅はもう盛りを過ぎ、桃のツボミが膨らんで、今日の松山は桜が咲き出してもおかしくないぐらいの陽気。松山の今井君はさっそく道後温泉に突進。ゆっくり道後温泉本館のお湯に浸かって、今夜の仕事への英気を養った。
姫だるま
(松山・道後温泉で姫だるまタイプのお雛様を発見)

 昨日の松山での公開授業は、19時半開始、21時終了。出席者は約320名。愛光高校とか松山東高校とか、愛媛のヒトビト憧れの名門校の諸君を中心に、会場「いよてつローズホール」は「優秀だよん」という雰囲気に溢れた。

「いよてつ」とは、もちろん「伊予鉄道」であり、ローズホールとは、高島屋最上階の催事場である。要するに松山のど真ん中、高島屋百貨店と地元の私鉄ターミナル「松山市駅」をくっつけた最高の立地であるから、周辺はまさに塾ラッシュ。見渡す限り塾・塾・塾のオンパレードになっている。

 この様子を朝日新聞の記者が眺めたら、さぞかし嘆くんじゃないか。もう4半世紀以上前のことになるが、いきなり朝日新聞第1面に巨大な活字で「飽塾」の文字が躍った。

 先進国では「飽食の時代」が長く続いたが、日本の場合は今や「飽食」ではなくて「飽塾」なのだ。そういう主旨の記事だった。あの記事から4半世紀、どんなに新聞が嘆いても、状況はますます激烈になり、藤沢・柏・津田沼・大宮、首都圏外縁のどんな駅前を眺めても、ホントにホントに塾だらけである。
松山1
(松山の大盛況 1)

 普通なら、飽和状態になれば自然に淘汰が始まり、弱い者は消滅し、強い者だけが生き残る。しかし諸君、飽塾の場合は自然界の淘汰現象と違って、一番強いはずだった者から淘汰が始まった。

 言わずとしれた「ゼミ木よよナール」(仮)であるが、松山でも何と「看板の付け替え」が完了。かつて「ゼミ木よよナール」の例の真っ赤な看板がくっついていた場所に、「阿合塾マナビ○」(仮)のグリーンの看板がかかっている。いやはや、乗り換えのスピード感がマコトに非情である。

 今ワタクシが一番心配しているのは、映像授業の乱立状況である。ホンの6~7年前まで、全力を尽くして我々を非難していた人々まで、驚くほどカンタンに映像授業を開始している。

「テレビ画面では勉強なんか出来ない」
「テレビの前ではヒトは眠るものだ」
「講師と生徒のキャッチボールが必須」
「一方通行ではダメなんだ」
むかしむかし頻繁に耳にした非難のセリフである。

 それが何の挨拶もなしにいきなり映像授業を開始する。今や雨後のタケノコ状態と言っていい。経験も準備も何もなしに、要するにごく普通の講師の授業をビデオ撮影してネット空間を一杯にする。
松山2
(松山の大盛況 2)

 彼らが1つ決定的に失念していることがあって、それは講師の質である。生授業ですら生徒の多くが居眠りするような講師の授業をビデオ撮影しただけじゃ、それこそ確実に「テレビの前じゃ人間は眠るものだ」という昔のお言葉を実証するだけのことである。

 我々はかつて、300名とか400名の大教室を超満員にして、しかも90分間ホントに1人も居眠りさせなかった実力と実績の持ち主である。ナマで300人を眠らせないからこそ、たとえ映像でも90分の集中力を確保できる。

 ナマでも映像でも、90分まるまる受講生全員の大爆笑を保証できるし、同様に90分まるまるの集中を保証できる。生徒諸君に90分でレポート用紙10枚のノートをとらせることも出来る。

 授業が終了した時には、全生徒が例外なく
「メモをとりすぎて腱鞘炎になりそう」
「笑いすぎて腹筋が痛てえ。明日はきっと腹が筋肉痛だ」
と訴えるぐらいでなくちゃ。

 冗談ではなく、1回1回の授業で生徒をタップリ疲労させることができ、その疲労の1つ1つが生徒諸君の大きな飛躍につながるのである。「我々」という複数形がハッキリしないなら、この際「ワタクシ」と一人称単数にして言い切ってしまってもかまわない。うぉ、ホントにすげー自信でござるよ。
松山城
(うららかな春の日の松山城)

 だから諸君、ワタクシが今ホントに心配なのは、雨後のタケノコな新規参入組のビジネスモデルが、短期間で次々と崩壊してしまうことである。自信も実力も実績もない講師に、ごく普通のレベルの授業をさせてそれをビデオで垂れ流してほしくない。

 退屈と居眠りにウンザリした生徒諸君は、たちまち「映像授業じゃダメなんだ」「キャッチボールが必要だ」「厳しく叱ってもらいたい」と、10年も20年も昔の意識に退化してしまう。

 我々は、映像授業のスンバラシサを理解してもらうのに、20年もかかって努力を続けたのである。300名が誰一人居眠りしない生授業、400名満員の大迫力の講義、そこで培った実力の限りを注入して、今の映像授業を完成した。間に合わせの映像とはワケが違うのだ。

 自信タップリすぎて何だか嫌らしいほどであるが、このぐらいパンパンの自信がなければ映像授業なんかできるものじゃない。だって諸君、ナマと違って生徒の激烈な反応が目の前に展開されるわけじゃないのだ。

 静まり返ったスタジオで、生徒諸君の反応を想像力で測定しながら講義を進めるのは、達人と言うか、鉄人と言うか、ほとんど天才的な才能が必要。そういう世界で、我々は20年勝ち抜いてきたのである。
道後温泉
(道後温泉本館。1年に1度、必ずここに来る)

 というわけで諸君、3月2日の松山でも、スーパー円熟期を迎えた今井君は「どうだ!!」と絶叫せんばかりの熱烈&巧妙な授業を展開。「いよてつローズホール」に集った320名は、「センター試験への戦略と戦術」に90分カンペキに聞き入り、英作文15題のマジメな解説にも、誰一人居眠りなんかしなかった。

 そうでなきゃダメなのだ。安易な経営戦略で映像授業に参入すれば、確実に早期の撤退を余儀なくされる。映像を練りに練って、常に最高の授業を世の中に送り出していただきたい。

 ダメな生徒が安易に「塾から塾へ」の塾ホッピングをやるみたいに、これからは全国の塾で「あっちの映像からこっちの映像へ」と映像ホッピングが始まりかねない。そのぐらい新規参入コンテンツが乱立しているけれども、もっとずっと慎重に事を進めるべきなんじゃあるまいか。

1E(Cd) Kiri Te Kanawa, Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO 1/3
2E(Cd) Kiri Te Kanawa, Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO 2/3
3E(Cd) Kiri Te Kanawa, Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO 3/3
4E(Cd) Solti & Vienna:WAGNER/DAS RHEINGOLD 1/2
5E(Cd) Akiko Suwanai:SOUVENIR
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