Tue 160202 梅田の事故 東京駅でのこと 香箱蟹 竹内まりや 芳林堂書店(出雲参拝記5) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 160202 梅田の事故 東京駅でのこと 香箱蟹 竹内まりや 芳林堂書店(出雲参拝記5)

 何だかマコトに「間一髪」な感じがするのである。2月25日午後0時半、大阪の阪急梅田駅前交差点に、クルマが暴走して突っ込んだ。男性2人死亡、女性1人が重体、「人が次々とはね上げられ、鉄と血液のニオイが立ち込めた」という凄惨な事故である。

 現場は、ワタクシが大阪出張のたびに横断するスクランブル交差点である。我々の「阪急梅田駅前校」もすぐ近く。昼めし時の梅田を闊歩する人々は、ホントに嬉しそうだ。ポカポカ晴れた早春の1日であってみれば、大阪人の幸福を高々とテンコモリに盛り上げたみたいな瞬間だったろう。

 交差点は通称「芝田」。阪急梅田駅に向かって右にJR大阪駅とグランフロント、「梅田のヨドバシカメラ」が並ぶ。正面には新阪急ホテルと阪急百貨店。「いかにも大阪」とタメイキの出そうな、濃厚な昭和の空気が立ち込める一帯だ。
香箱蟹
(日本海名物「香箱蟹」。おいしゅーございました)

 来週3月3日、ワタクシはまさにその交差点を横断するのである。梅田インターコンチネンタルホテルに宿泊し、夕暮れから兵庫県宝塚の公開授業に向かう。使うのは阪急電車だから、どうしても「芝田」の交差点を渡らなければならない。

 翌3月4日も、同じ「芝田」を横切るのである。宿泊先は、やっぱりインターコンチ。何しろワタクシは「スパイア・ロイヤル・アンバサダー会員」だ。ミニバーのシャンパンや高級ワインまで「無料でどうぞ」と言われれば、それ以外のホテルに宿泊するのがバカバカしくなってくる。

 3月4日、向かう先は神戸三宮。梅田に宿泊して三宮で仕事なのに、阪急電車に乗らないのはヘンだ。何か「阪急を拒絶したい」という特別な理由でもなければ、誰だって阪急に乗る。ならばやっぱり、あの交差点を通過するのである。

 近過去を振り返るなら、先週2月17日のワタクシは、まさに芝田の交差点を横切ったばかりである。あの日のお仕事は、奈良県大和八木。難波から近鉄に乗るにしても、梅田から難波へは市営地下鉄・御堂筋線を利用する。だからあの日の雨の中、やっぱり芝田の交差点を横切った。

 こういうふうで、いろんな大事故の知らせを聞くたびに、ワタクシは「紙一重」を感じてしまうのである。2月23日のJAL大事故の時だって、昨年1年で5回も酒席をともにした数学カリスマ講師:沖田先生が、まさにそのヒコーキに搭乗していらっしゃった。
旅行案内跡
(旧国鉄・大社駅の旅行案内所跡。20世紀の面影がそのままだ)

 と思えば、また予想外な出会いもあるもので、昨日は所用で東京駅をウロウロしていたところ、「今井先生ですよね?」と声をかけられた。女子受験生と、そのママであった。

 まさにそのとき、ワタクシはSuicaちゃんの写真を撮っていた。「博多でもSuica」というタイトルのポスターであって、Suicaちゃんの目の前には旨そうな明太子。もう1つ、「札幌でもSuica」というバージョンもあって、そちらは木彫りのクマにSuicaちゃんが乗っかっている。

 何を隠そう、ワタクシはもともとペンギン好きである。肉体とアンヨのバランス、ポンポンの膨らみ方、もしも今井クマ助を可愛く漫画化すれば、クマやサトイモとペンギンのミックスなのだ。同類であるペンギンがキライなわけはないだろう。

 しかし諸君、いくらペンギンが大好きだと言っても、18歳女子に「今井先生ですか?」と尋ねられ、その横でママもニコニコ笑っているのに、大ベテラン予備校講師が「ペンギンちゃんの写真撮影に夢中だった」と言うのでは、世間に申し開きができない。うーん、マズいところを見られてしまった。
旧運賃表
(旧国鉄・大社駅「普通旅客運賃表」。1990年当時のままだ)

 尋ねてみると、彼女は首都圏の国公立大学受験を終えて、これから関西に帰る所なのだという。奈良の人で、「大和八木校に通っていました」とおっしゃる。大和八木では2月17日に公開授業を実施したばかりだが、対象は高1&高2だったので、出席を許してもらえなかったのだという。

「今井先生の大ファンです。毎日ブログ読んでます」
「今井先生のセンター講座を受けて、ウケまくりました」
「おかげでセンター試験はホントにうまく行きました」
と、何だか泣きそうな表情で熱く語ってくれた。

 ママのカメラで写真に収まり、差し出された単語集に「宇宙征服」のサインもした。国立大2次試験もうまく答案が書けたと笑顔を浮かべてくれた。握手もして、彼女はいったん奈良に帰ったのであるが、合格後は首都圏での生活となる。ママとしては嬉しいやら悲しいやら、複雑そうなお顔であった。

 こういうふうで、とても「出雲参拝記」どころではないのであるが、せっかくの出雲だ、ワタクシは「香箱蟹」という贅沢なものを満喫することにした。

 もちろん東京でも香箱蟹は楽しむことができるのであるが、金沢・富山・出雲、冬の日本海を旅して香箱蟹を味わわないのは、① 出雲で出雲大社に行かない ② 出雲で出雲蕎麦をすすらない、それに匹敵する変わり者のレッテルを、自らヒタイにペッタンコと貼りつけるようなものである。
旅館案内
(旧国鉄・大社駅に掲げられた旅館の一覧。ウルトラ老舗「竹野屋」の文字も見える)

 諸君、この季節の香箱蟹、意地でも味わってみたまえ。甲羅にムシムシっと詰まり放題に詰まったタマゴは、奇跡的と言っていいほどに旨い。これが味わえるなら、KEI 錦織どんの大好物「ノドグロちゃん」は、次回のお楽しみに延期してもいいぐらいだ。

 香箱のタマゴの食感は「シャクシャク」であり、「シャクシャク&シャク」であって、これほどシャクシャクしたタンパク質のカタマリは、今後の長い人生でもなかなか味わえるものではない。

 うぉ、こりゃ最高だ。勢いよくシャクシャクするカニさんのタマゴを味わいつつ、今井クマ蔵の脳裏に去来するものは、以下の2つである。

① 秋田名物「男鹿で男鹿ブリコ」と歌われる、ハタハタ君たちの巨大なタマゴ軍団。ハタハタのブリコのシャクシャクぶりは、香箱蟹のシャクシャクに決してヒケをとるものではない。

② 四半世紀前のままに残された旧国鉄・大社駅の風景。「運賃表」「観光案内所」「大社町旅館案内」など、1990年当時の掲示は余りにも懐かしい。

 「大社町旅館案内」に加わっている「竹野屋」の文字は、昭和なクマ助の感激と感涙を呼ぶのである。超老舗旅館:竹野屋は、シンガー竹内まりやの生家である。ワタクシは早稲田、竹内まりやどんは慶応。まりやサマとクマでは勝負にもならないが、一応まあ早慶戦と認めてもらいたい。
芳林堂
(芳林堂書店の文庫用ブックカバー。高田馬場店には、ホントにお世話になりました)

 しかし諸君、早稲田大学の名物が、またしても1つ消えていく。高田馬場駅前・芳林堂書店が破産したのである。芳林堂の本店は西池袋であるが、20世紀後半の早稲田の学生にとって、本屋と言えば何と言っても高田馬場駅前「FIビル」の芳林堂だった。

 今も健在の「ビッグボックス」以上に、待ち合わせ場所として使用頻度が高かったのが芳林堂書店。「FIビル2階の芳林堂で」と言って、飲み会の待ち合わせを繰り返した。

 だから、今もクマ助の書棚に残る本の中に、芳林堂書店で購入したものはいくらでも残っている。文庫本につける紙カバーも膨大な量になり、こうして今もすぐにブログに写真を掲載できるほどである。

 いやはや、あの芳林堂書店が破産ということになれば、一度ぜひ「芳林堂書店を偲んで」の飲み会をやりたいものだ。しかし同級生はみんな、世界各地ですっかりエラくなっている。芳林堂を懐かしむ早稲田の同窓会に嬉々として参加するヒトは、滅多に存在しそうにないのである。

1E(Cd) Kazune Shimizu:LISZT/PIANO SONATA IN B MINOR & BRAHMS/HÄNDEL VARIATIONS
2E(Cd) Barenboim & Berliner:LISZT/DANTE SYMPHONY・DANTE SONATA
3E(Cd) Perlea & Bamberg:RIMSKY-KORSAKOV/SCHEHERAZADE
4E(Cd) Chailly & RSO Berlin:ORFF/CARMINA BURANA
5E(Cd) Pickett & New London Consort:CARMINA BURANA vol.2
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