Mon 160201 「かねや」の出雲そば 5段が旨い 今井先生ですか?(出雲参拝記4) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 160201 「かねや」の出雲そば 5段が旨い 今井先生ですか?(出雲参拝記4)

 出雲大社にキチンと参拝を済ませ、ついでにお相撲の神様「野見宿禰神社」もしっかり拝んだら、もちろん出雲の〆は「出雲そば」である。KEI 錦織どんも大好きという出雲そばをズルズルやらずに、「出雲に来た」と胸を張って言うことはできない。

 有名店は、3軒あるらしい。① 羽根屋本店 ② 田中屋 ③ かねや。① 羽根屋本店のHPによれば「江戸時代末期に創業。大正天皇をはじめ、数々の御皇室の方の御食膳に供する光栄に浴し」云々とある。ヤッホ、これはマコトにヤンゴトナキ世界だ。

 何しろワタクシは下世話なクマ助であるから、「御皇室の方々の御食膳」みたいな文字を拝見した瞬間に、ワナワナ両手が震えだす。あんまり高級だと、お蕎麦をお蕎麦としてズルズルすすれなくなっちゃうのだ。

 そこでまず①は遠慮して、②「田中屋」を検討する。しかしこれもまたお店のHPによれば、「2015年9月24日に、『秘密のケンミンSHOW』で紹介されました」とある。うーん、「秘密のケンミンSHOW」ですか。あの騒然とした雰囲気、あんまり好きじゃない番組でござるよ。
出雲そば
(選んだ出雲そば「かねや」。5段でも足りないほど旨かった)

 そこで、①と②があっという間に淘汰されて、③が残った。「かねや」であるが、「出雲そば かねや」で検索すると、いきなり目の前に「出雲そば かねや まずい」の文字が出てくる。

 何だこりゃ。ヒドすぎるじゃないか。ワタクシは、因幡の白うさぎが大好きな判官びいき男であって、ここはどうしても「かねや」の応援に出かけることにしたい。

 ②の田中屋は出雲大社の正門前、「正門前」というバス停の目の前にあって、見つけやすいと言うか、「秘密のケンミンSHOW」スタッフがいかにも目を付けそうなお店。一方の「かねや」は、正門から徒歩10分もかかる。確かに条件は不利である。

「かねや」には、まず出雲大社正門を右に見ながら、次の信号まで歩く。「次の信号」はビックリするほど遠いけれども、意気沮喪せずに辛抱強く歩いていく。ついに見つけた信号を左折して、「かねや」までさらに徒歩3分ほど。こりゃなかなか見つからない。

 何しろ今井君はクマであるから、野生の鼻が敏感にヒクヒク動いてお蕎麦屋のアリカを嗅ぎつける。「最初の信号まで歩く」などという地道な努力を省略して、「そのへんを適当に左折して、地元の民家が並ぶ細道を突っ切っていく」という乱暴な行動に走ったが、それでも見事に「かねや」にたどり着いた。

 午後2時、さすがにもう昼食のお客は帰ったのか、店内はガラガラ、他にお客は1人もいない。「出雲そば かねや まずい」というネット検索の文字が目の前にチラつくほどのガーラガラ。従業員のオバサマが1人、クマの闖入に驚いて飛びだしてきた。「何の用ですか?」という表情である。
かねや
(出雲そば「かねや」外観)

 「何の用?」も何も、ワタクシはお蕎麦屋さんにお蕎麦をズルズルやりにきたのであるから、まずニッコリ笑ってオバサマに安心してもらい、① 瓶ビール ② 熱燗2合 ③ 出雲そば5段の3つを注文した。

 お蕎麦には3段と5段があるが、何しろ諸君、ワタクシは新宿の「魚民」でさえ、盛り蕎麦3枚を10分で平らげるほどの蕎麦好きだ。3段と5段なら、当然5段を選ぶ。

 いや、むしろ5段を注文しちゃった後で
「3段×2という手もあったな」
「4段+3段でもよかったな」
「いっそ5段×2も悪くなかったな」
など、要するにお蕎麦を6段 ☞ 8段 ☞ 10段に増やす様々な算術や算数が、頭の中を駆け巡るのであった。

 しかし諸君、「かねや まずい」どころではない。「大いに旨い」であって、5段の蕎麦は10分もかからずにカラッポになった。1段目が「月見」、2段目が「もみじおろし」、3段目が「おかか」、4段目が「とろろ」、5段目が「なめこ&おろし」みたいに、トッピングも多彩である。

 こうなるとお酒も順調に進むので、あっという間に「2合じゃ足りないな♡」という飽くなき欲望がヌッと首をもたげる。「もう1合お願いするかな♨」「せっかくならもう2合♨」と、思わず舌なめずりする瞬間である。
旧大社駅
(旧国鉄・大社駅。1990年ごろまで現役だった)

 誰もいなかった店内に、若い男子グループが入ってきたのはその時である。「25歳より少し若いかな?」という4人組。4人とも「5段」を注文した。よしよし、頼もしい。少食の若いヒトを見ると心配になるけれども、4人で20段、「そうこなくっちゃ」である。

 その男子グループの後を追うように、今度は女子の5人グループも入ってきた。男子グループと同じ年齢層であって、彼女たちは声を揃えて「3段」を注文。ガイドブックにも3段の写真が掲載されているし、お店のオバサマも「3段が一番よく出ています」とおっしゃるのである。

 男子4人、女子5人、25歳前後のグループ同士。このシチュエーションなら、昭和の男子集団には、「思い切って声をかける」というタイプの厚かましいヤツが、必ず1人ぐらいいたものである。

 つまり「ナンパ」であるが、昭和40年代の邦画では、「右手と左手みたいじゃん」とか、その種の下らんナンパ言葉が飛び交った。しかし平成の男の子、21世紀ボーイズ、そういうオシャレな世界になると、ナンパなどという泥臭い行動にはちっとも興味がないらしい。
たいしゃ
(旧国鉄・大社駅。1番ホームの風景)

 むしろ、女子グループのほうが何だか大騒ぎになっている。どういう大騒ぎかとクマの丸いお耳を澄ましてみると、何と大騒ぎの原因はこのワタクシにあるらしい。

「東進の今井先生かも」
「メッチャ似てるんだけど」
「似すぎてて、超ウケるんだけど」
「ホンモノ?」「ホンモノ?」
「メッチャすげんじゃね」
というわけである。

 女子5人が店の反対側のテーブルで入り乱れ、ワイワイ大騒ぎになっているので、ワタクシとしても放置できなくなった。「ホンモノです」「休暇中です」「お酒を飲んでます」と正直に告白することにした。

 ワッと歓声が上がった。「昔ウケてました」「毎日メッチャ笑ってました」「メッチャ有名人やん」「写真撮っていいですか?」と口々におっしゃるので、お勘定を済ませた後で5人に囲まれて写真に収まった。

 男子集団も、激しく反応してきた。男子4人の中にも、元受講生諸君が混じっていたのである。夢のように背の高い男子が1人、ホントに嬉しそうにガッツポーズを繰り返した。

 こうなると、お店の従業員のオバサマ集団も黙ってはいない。さっきまでタレントさんのスキャンダルについて「ショックやったわ」と語り合っていたオバサマたちであるが、4人も5人も店の奥からワラワラ出てきて、ズラリと1列になってワタクシの一挙手一投足を見守るのであった。
改札
(旧国鉄・大社駅。昔懐かしい改札口も健在だった)

 いやはや、今日までの東進での11年間は、どうやら物凄い11年だったらしい。16歳・17歳から30歳前後までの世代は、何となく「みんな今井を知っている」という感じである。

 ほうほうのていで「かねや」を出たけれども、気がつくとそこいら中で、若者たちがこちらに熱い視線を向けては、「今井じゃね?」「お、今井先生だ」「げろ、今井さんだ!!」と、楽しかった今井の記憶を熱烈に語り合っている。

 それ以前の「ゼミ木ヨヨナール」での8年は、確かに「四天王」の一角を担っていたけれども、ヨヨナールの記憶はすっかり色褪せたようである。

 今やCAの皆さんも、空港職員の皆さんも、「東進の今井先生ですか?」が圧倒的に多くなり、「ヨヨナールの今井先生ですか?」というヒトはグッと少数派になってしまった。

 しかし諸君、こうして幸せにワイワイやっているうちに、「かねや」のお蕎麦の味も、せっかくの「熱燗、もう2合いこうかね?」というダラしない欲望も、すっかり忘れてしまったのである。

 声をかけてもらうのは非常に嬉しいから、見かけたらどんどん声をかけてほしいのだが、何しろボクチンはごく普通の一般人だ。有名人ぶって肩を聳やかすのは慣れていない。激しく緊張するのは許してくれたまえ。

 1990年まで現役で活躍していた「旧国鉄・大社駅」の思い出も、今日は写真を掲載するだけにして、詳しくはまた明日の記事で語ることにしたい。

1E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 3/4
2E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 4/4
3E(Cd) Krivine & Lyon:DEBUSSY/IMAGES
4E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 1/2
5E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 2/2
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