Sun 160131 JALが心配だ 因幡の白うさぎ 野見宿禰と当麻蹴速(出雲参拝記3) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 160131 JALが心配だ 因幡の白うさぎ 野見宿禰と当麻蹴速(出雲参拝記3)

 新千歳空港でJALのヒコーキの大事故があり、「重大インシデント」とかいうことになっているが、うーん、これは絶対に他人事ではないので、JALの皆さんには派手な広告やらテレビCMやらはいったん自粛していただいて、しばらくは是非じっくり反省してほしいのである。

 経営破綻から膨大な株券を紙クズにし、税金も大量に注入してもらって、ほうほうのていで再建に漕ぎつけたのは、まだホンの数年前のことである。会社のスミズミにまで、本当に反省がキチンと行きわたったのだろうか。

 あれほどの迷惑をかけておきながら、2016年2月現在、JALのHPを眺めてみるに、阿部寛どんに嵐の面々にK.錦織サマ、ずいぶんオカネのかかる人たちを起用して、ド派手な広告を繰りひろげていらっしゃる。

「雪がつまってガスが逆流した」とか、他人事みたいに言っているが、「整備より広告」「点検よりタレント」「反省より嵐」、そういう姿勢が如実に現れたんじゃないのか。

 シートが数センチ広がっただけの事実を、阿部寛どんが余裕の笑みで広告したり、「私はダラス主義」とかワケの分からないポスターを貼り放題にベタベタやったり、福岡の夕陽を広告しすぎて神社が溢れかえったり、要するに脇が甘いのだ。
出雲大社
(出雲大社。空の安全&旅の安全を祈りたい 1)

 だって諸君、事故機には今井君の同僚も搭乗していたのである。搭乗していただけじゃない。毎日新聞やらTBSやらの取材を受けて、テレビ画面にもヤフーニュースにもその無事な姿を現した。

 例えば、ヤフーニュースに出た毎日新聞の記事には、以下のように記されている。
「無事に機外に出た乗客は、こんどは寒さで震えた。機内に上着を置いたままの人が多く、札幌市の沖田一希さん(50)は『外で30分以上待たされた。雪でぬれて寒く、怒っている人もいた』と話した」

(50)だなんて、余計なお世話じゃないか。(50)より何より、この「沖田一希さん」が東進で数学を担当するウルトラ人気講師であり、同時に歯科医でマジシャンで催眠術師でもあることを、ビシッと伝えてほしいぐらいだった。

 うんにゃ、そんなことは問題ではない。我々は今や、公開授業ラッシュの真っただ中。今日は札幌、明日は福岡、明後日は広島で翌日は沖縄とか、日本中を飛び回るそんな日々の真っ最中に「ヒコーキがエンジンから火を噴きました」というんじゃ、自分だっていつ当事者になるか分かったものではない。
出雲大社2
(出雲大社。空の安全&旅の安全を祈りたい 2)

 しかも諸君、JALのHPには今日もまたノー天気な広告が溢れている。嵐の面々は相変わらず「行こうぜ、ニッポン」と絶叫しているし、阿部寛どんの余裕の笑顔も変わらない。K.錦織サマも「空に、限界はない」と、コワい顔で語り続けている。

 なぜ、せめて今日だけでも、
「すみませんでした」
「ご迷惑をおかけしました」
「保守点検の充実に努めてまいります」
という文言だけに代えられないのか。その辺にも、真摯な姿勢の欠如を如実に感じるのである。

 だって諸君、昨日の新千歳空港の混乱は、決して事故機だけの問題じゃなかったのだ。事故機のせいで滑走路は閉鎖され、他社便の離陸も着陸も制限され、使用機材の延着は日本全国に大きな影響を与え、遅延&運休の連発で空のダイヤは大混乱に陥ったのである。

 こんな時に、「行こうぜ、ニッポン」ではないはずだし、「私はダラス主義」も何もあったもんじゃない。タレントさんたちのイメージにだって、大きな傷がつくじゃないか。

 ワタクシはANAにしか乗らないようにしているが、4年連続のダイアモンドメンバー♡ ヒコーキのヘビーユーザーとして、保守点検や真摯な反省よりド派手な広告を重視するような他社の存在は、マコトに迷惑なのである。
因幡の兎1
(出雲大社、因幡の白うさぎさんたちが祈りを捧げる 1)

 というわけで諸君、ワタクシは出雲大社でも「旅の安全」「空の安全」を祈ったことにしておく。他にもいろいろ祈ったけれども、祈りの中身はあくまでプライベート。これ以上この場で明らかにする必要はないだろう。

 出雲は、うさぎさんの国でもある。因幡の白うさぎさんは、「皮を剥かれて赤裸」だったところを大国主命に発見され、「キレイな水に身を洗い、ガマの穂綿にくるまれ」とよくよく教えてもらった。ワタクシの理想の生き方は常に大国主命。か弱い小動物たちを、いつでも守ってあげたいと思っている。

 だって、「皮を剥かれて赤裸」だなんて、ヒドすぎる。そんなの、完全に過剰反応だ。白うさぎさんは、ワニさんたちにそんな強烈なイタズラをしたのではない。

 隠岐の島から出雲に渡りたかったから、
「ワニさんたちの数を数えてあげましょう」
「そのために、隠岐から出雲までズラリと並んでくれなくちゃ」
「言わば、ワニさんたちの国勢調査ですな」
と、ついノリノリで冗談を言ったのだ。
因幡の兎2
(出雲大社、因幡の白うさぎさんたちが祈りを捧げる 2)

 それをいきなり「皮を剥いて赤裸」だなんて、か弱い小動物に平気で過剰な暴力を振るっただけじゃないか。そのアリサマを見た神様たちの反応もヒドい。「海の塩をカラダに浴び、山の上で風に吹かれ、日光に当たっていなさい」という指導じゃ、カラダがますますタダれたのも当然だ。

 白いうさぎさんたちを見ると、ワタクシはどうしても真っ白なニャゴロワのことを思い出すのである。出雲大社にズラリと居並んだ白うさぎの像を眺めながら、もうそれだけで可哀そうで&可哀そうで、熱い涙がこみあげてくる。

「痛かっただろ」
「ツラかっただろ」
「ガマの穂綿は、温かいぞ」
「ガマの穂綿は、柔らかいぞ」
「ほーれ、くるまれ&くるまれ」
ま、そんなふうに、楕円入道変じて大国主命と変ずるのであった。
野見宿禰神社
(野見宿禰神社。当麻蹴速を撃破した相撲の神様である)

 うさぎさんだらけの出雲大社の参道脇に、「野見宿禰神社」があり、神社の脇には立派な土俵もある。諸君、野見宿禰(のみのすくね)とは、日本の相撲の神様なのである。

 第11代・垂仁天皇のとき、大和国には相撲の天才「当麻蹴速」がいた。これで「たいまのけはや」と読むのであるが、「蹴るのが速い」という名前の通り、ケハヤどんのお相撲はキックボクシングのスタイル。ビシバシ蹴飛ばして、ライバルたちをそれこそ土俵から蹴飛ばした。

 そのプレイスタイルを嫌悪なさったのが垂仁天皇。出雲の国から「野見宿禰」を名乗る相撲の名手をはるばる呼び寄せて、当麻蹴速 vs 野見宿禰の大勝負を企画することになった。白鵬 vs 日馬富士みたいな世界であるが、ただしプレイスタイルはあくまでキックボクシングである。

 勝ったのは、野見宿禰。何しろ名前が「ノミの宿禰」なんだから、さぞかし身軽にピョンピョン飛び跳ねたのだろうが、当麻蹴速はまず脇腹を負傷、次に腰をしたたか蹴飛ばされて息絶えた。「相撲」とは、「相互いに撲りあう」と書くんだから、もともとは撲る&蹴るが当然だったのかもしれない。

 こうして諸君、楕円入道は「いざたまえ、出雲おがみに」をやりつつ、ヤマタノオロチ・スサノオ・因幡の白うさぎ・大国主命・野見宿禰の神話を総なめにした。ただし、ずいぶん大袈裟に書いた部分もある。あとは諸君が実際の書物でチャンと調べ、キチンと読んでみてくれたまえ。

1E(Cd) Elgar & London:ELGAR/SYMPHONY No.2
2E(Cd) Barbirolli & Hallé:THE DREAM OF GERONTIUS 1/2
3E(Cd) Barbirolli & Hallé:THE DREAM OF GERONTIUS 2/2
4E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 1/4
5E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 2/4
total m155 y155 d17860