Wed 160127 楕円入道、広島へ 牡蠣7個でZn法師と化す 広島県呉のギューギュー  | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 160127 楕円入道、広島へ 牡蠣7個でZn法師と化す 広島県呉のギューギュー 

 2月19日午後2時、ワタクシはいきなり広島駅前に、ヌッと姿を現した。夕暮れから広島県呉市で公開授業があるので、ちょっと早めにその楕円形の肉体を広島まで運んできたのである。

 顔も相変わらず楕円、お目目も楕円。すべて楕円の楕円入道は、さっそく広島駅前でお好み焼きを召し上がる。入ったのは、言わずと知れた「高砂○」。楕円入道が広島に来れば、必ず最初に立ち寄るのがこの店である。

 お隣の「みっちゃん」が長蛇の列ができる超人気店であるのに対し、「高砂○」のほうは、だいたいいつ行ってもすぐに座れるイージーな店。そもそもイージーであることがお好み焼きの原点なんだから、「イージーでなければお好み焼きじゃない」と楕円入道は喝破する。

 さすが楕円入道、その発言はマコトにイージーである。イージーなのは発言だけではない。その笑顔もイージー、行動もイージー、信念もイージー。面倒なことは一切考えない。余りのイージーさに、「オレってもう、ほとんど抽象的な存在なんじゃないか」とイージーに首を傾げるほどである。
高砂○
(広島駅前「高砂○」で「デラックス」を注文する)

 注文したのは、「お好み焼きデラックス」と「牡蠣の鉄板焼き5個」。デラックスのほうにも牡蠣は2個入っているから、広島到着早々、鉄板焼きと合計して牡蠣を7個も平らげることになる。楕円入道の肉体は、今や亜鉛でできている。「Zn法師」と呼ばれても、ちっとも文句の言えた筋合いではない。

 広島駅前「シェラトンホテル」にチェックインした楕円入道は、まずイージーなブログを一本アップする。とにかく意味のないことを書き連ねて、中身よりも文体で読者を魅了したい。「whatではなくhow」。諸君、1960年代から80年代の世界文学は、そういう流れだった。

 ま、難しいことはどうでもかまわない。とにかく、書いている楕円入道が楽しくてたまらず、読者の側でも「中身がちっともないじゃないか」と憤慨しつつ、それでも思わずニタニタしてしまう。それがZn法師の理想なのである。
鉄板焼き牡蠣
(広島駅前「高砂○」、牡蠣の鉄板焼き)

 夕暮れ5時、スタッフと待ち合わせた楕円入道は、いよいよ呉に向かう。呉は、広島市からクルマで20分ほど。横須賀や佐世保と並んで、かつては勇ましい海軍の町であった。市内の呉港高校は、高校野球の超古豪。1934年(昭和9年)には、夏の甲子園で初優勝を果たしている。

 この年の甲子園には、ワタクシの母校・秋田高校も「秋田中」として出場。2回戦は福島師範に5-1で快勝。準々決勝は福井県の敦賀商業と対戦、乱打戦を制して17-7で勝利。ベスト4進出を果たした。

 その我が秋田中が準決勝で対決したのが、中国地方代表の広島・呉港中である。結果は9—0で呉港中の勝利。うーん、大正4年の第1回大会決勝で京都二中に惜敗して以来、秋田中2度目の決勝進出はならなかった。

 だから諸君、ワタクシとしては「憎っくき呉」であって、例え80年も昔の甲子園大会のことであれ、いまだ全国優勝の経験のない秋田県が、「あと2勝」まで迫った大チャンスを逸した苦々しい敗戦なのである。
呉1
(広島県呉の大盛況。もう一人も入らない 1)

 その呉に、生まれて初めて降り立つのである。広島から松山に向かう時、ワタクシはいつも瀬戸内海を横断する快速フェリーを利用する。難所「音戸の瀬戸」を通過する直前、海に向かって突き出した呉の町を何度も舟から眺めた記憶があるが、町に上陸した経験はない。

 一昨年の9月、「マッサン」放送開始の数日前、マッサンのことなんか全く知らなかったけれども、マッサンの故郷・竹原市を訪れた。竹原には新幹線の三原駅から「JR呉線」の呉ゆきに乗る。

 呉線は、海岸線の風光明媚は有名であるが、マコトに残念なことに電車のシートは山手線スタイルの横向き7人掛け。絶景の海岸線に何故かみんなで背中を向けて、三原 ⇔ 呉間をひた走る。

 しかしあの時も竹原どまり。日々旅にして旅を住処とする楕円入道としては、日本国内に「呉」という空白地帯が残っているのが何となく悔しかった。

 というわけで諸君、2月19日の夕暮れ、楕円入道の呉・初体験であるが、以前から「来てクレ」「公開授業をやってクレ」「牡蠣を食べに来てクレ」と熱い要請を受けていた。こんなに熱く「来てクレ」の連呼を受ければ、こちらからも「呼んでクレ」と返事をしないわけにはいかないだろう。
呉2
(広島県呉の大盛況。もう一人も入らない 2)

 こうして始まった呉の公開授業は、出席者105名。写真を見れば分かるが、「もうこれ以上1人も入りません」というウルトラ&スーパー☞パンパンな状況。あんまり詰め込んだものだから、最前列の生徒諸君と今井君の間には、約1mの幅しか残っていない。

 つまりその1メートルが、今夜のワタクシのステージなのである。異様なほどの至近距離に、男子&女子の高校生集団が迫る。ホワイトボードと生徒諸君の間がホントに1メートル、そこに今井君が縫い針みたいに入り込んで往復する。そういう90分である。

 LCCのヒコーキより遥かに密度の高いウルトラ超満員。しかも誰一人遅刻をしない。開始予定が7時、それなのに6時45分の段階で出席予定者全員が会場に集結した。

 ということになれば、早めにスタートするに越したことはない。「申し込んだ生徒が全員集まりました」と確認した6時50分、予定より10分早いが、クマ助は大喝采を浴びながら教室に入った。

 諸君、この熱さはまさに別世界である。ワタクシの一挙手&一投足に会場は大爆笑になり、大爆笑の波は「神奈川沖浪裏」もタジタジとなるほど激烈に盛り上がって、しかもその大揺れは90分間絶えることがない。

 この105名の中に、「今日が初めてです」という諸君も40名近く含まれている。つまり半数近くが今井初体験なのである。それなのにこの爆笑の大波はいったい何なんだ? 素晴らしい。全く素晴らしい。
呉3
(呉にて。最後に花束をもらう)

 ワタクシはどうやら、昨年の夏ぐらいから物凄い円熟期を迎えているようである。とにかくワタクシがステージに立てば、そこはホンの数秒で異次元の世界に変わる。

 しかもその異次元は、今井君がステージを降りても異次元であり続ける。1ヶ月でも2ヶ月でも余韻は長く続いて、評判が評判を呼び、「あのー、評判を聞いたんですけど…」という受験生が次々と校舎を訪れる。経営上なかなか便利な異次元の楕円入道である。

 ポジティブな笑顔しか見えなかったのも、この日の呉の特記事項。どれほど爆笑が沸き起こっても、その中には必ず数パーセントのネガティブな笑いが混じるものである。

「ちー」とか「つー」とか「たっ!!」「てっ!!」という破裂音の笑いがそれであるが、最初から最後まで諸君、呉にはそんなイヤな笑いは混じらなかった。いやはや、最初から最後まで、完全ポジティブな105名なのであった。

 だからこそ、授業終了後には「ぜひ今井先生の授業で勉強を続けたい」という生徒が列をなした。「完全外部生」40名のうち、その申し出を躊躇う生徒はごくわずか。「今すぐバリバリ勉強を始めたい」という申し込みが殺到したのである。いやはや、講師冥利に尽きる一夜であった。

1E(Cd) Gergiev & Kirov:TCHAIKOVSKY/SYMPHONY No.6
2E(Cd) Argerich, Chailly & RSO Berlin:TCHAIKOVSKY/PIANO CONCERTO No.1 & RACHMANINOV/PIANO CONCERTO No.3
3E(Cd) Gergiev & Kirov:RACHMANINOV/SYMPHONY No.2
4E(Cd) Ashkenazy:RACHMANINOV/PIANO CONCERTOS 1-4 1/2
5E(Cd) Ashkenazy:RACHMANINOV/PIANO CONCERTOS 1-4 2/2
total m135 y135 d17840