Sat 160123 春一番から真冬に戻る 佐賀の純喫茶 佐賀も大盛況 入試直前に語ること | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 160123 春一番から真冬に戻る 佐賀の純喫茶 佐賀も大盛況 入試直前に語ること

 2月14日朝、春の嵐の柳川の楽しかった思い出を反芻しながら、今日のお仕事の佐賀県佐賀市に向かった。九州地方にはまだ昨日の「春一番」の名残が残って、南からの強風が吹き荒れていた。

 この暖かい強風が、正午ごろから次第に北寄りに変わる。低気圧の周囲をグルグル回る風は半時計回りである。だから、低気圧の東側では南風、西側では北風。低気圧の通過前は南風だが、通過後は冷たい北風に変わる。小学3年のとき、小学館の図鑑シリーズ「気象と天文の図鑑」で学んだ。

「3つ子の魂 ☞ 100まで」であって、かく言う今井君もどうやらこのまま一生、「小学館の図鑑シリーズ」の影響下で過ごすことになりそうだ。星を見ても、雨が降っても、地震や突風に襲われても、思い出すのはひたすら「図鑑シリーズ」の詳細な説明である。

 英語なら「The leopard cannot change his spots」☞「ヒョウは自分のヒョウ柄を変えることは出来ない」。いやはや、マコトにその通りであって、今井君の頭脳は小学生時代に夢中になった図鑑から卒業することはなさそうである。

「The child is father of the man」とも言う。こちらは何だかピンと来ないが、諸君、何でもかんでも「ピンと来ない」と言って口を尖らしていたんじゃ、進歩がないじゃないか。要するに、「幼いうちにたくさんの本を読みなさい」「10歳までの読書量で人生は決まります」ということである。
ポン菓子
(柳川の思ひ出 ① 「北原白秋生家」のお隣の店で、店のオバサマが「買っていきんしゃい」と勧めてくれた)

 というわけで、2月14日、佐賀駅前に到着した段階で、さっきまで吹いていて南風はいきなり冷たい北風に変わった。一晩中降り続いた亜熱帯のような雷雨は、幸いなことに昼過ぎにやんだけれども、空には凶悪な北の黒雲が走り、「いつ雪が降り出してもおかしくない」という危うい雰囲気になってきた。

 佐賀駅前でのスタッフとの待ち合わせは、12時30分。到着は11時30分だったから、1時間も時間をつぶさなきゃいけない。これが東京とか福岡なら「スタバにでも入るかね」で済んじゃうところだが、話が「佐賀」ということになると、スタバを見つけるのは困難をきわめる。

 もう15年近くも前のこと、「はなわ」という御仁がテレビの世界を席巻した。2003年5月リリースの「佐賀県」が大ヒット。「佐賀にスタバはない」「佐賀に吉野家はない」「出来たと思ったら『吉田屋』だった」みたいな歌詞が全国を駆け巡った。

 彼は、埼玉県春日部市の出身である。1976年に春日部で生まれているから、ワタクシの大好きな春日部のカレー屋「ラホール」のカウンターで、もしかしたら隣り合わせたことだってあるかもしれない。

 今どうしていらっしゃるのか、今井君にはちっとも分からない。もしも今うまく行っていないのなら、今度は「埼玉県」で勝負してみるのもいいかもしれない。少なくとも、「佐賀にもスタバができました」「松雪泰子は佐賀出身を公表しました」ということになれば、もう佐賀ネタは使えないだろう。
庭園
(柳川の思ひ出 ② 柳川藩主・立花家の庭園。庭園の向こうの掘割りを、舟下りの舟が行く)

 ま、いいか。佐賀駅前に1時間をつぶすといっても、どうせ「スタバ」は見つからない。涙目で「スタバは、あります!!」と絶叫されても、それは「STAPサイボー」みたいなものであって、いくら「あります!!」と言われても、実際に目撃できないんだから、いかんともしようがない。

 そこで2月14日のクマ助は、駅ビル内に発見した「純喫茶」で1時間を過ごすことにした。「和蘭豆」と書いて「らんず」と発音する。どうして「らんず」なのか質問したくなるが、それ以上に、店名の前についたサブタイトル「珈琲院」が不思議である。

「院」とは、何ぞや? 「珈琲店」なら何の違和感もないが、諸君、この店は「珈琲院」なのでござるよ。ブレンド420円、その他いろんなストレートコーヒーがズラリと揃って、カウンター10席、4人掛けのテーブルが4卓。昭和40年代か50年代の亡霊がヌッと駅前に復活したかのような、懐かしい院なのであった。
珈琲院
(佐賀駅の「珈琲院 和蘭豆」。昭和の日本には、どこの駅前でもこういう優しい店がたくさんあった。ワタクシは純喫茶復活を待望する)

 佐賀でのお仕事は、14時スタート、15時半終了。出席者は約150名。佐賀のマコトに素朴な中3生が約100名と、その保護者が50名である。何しろ九州全域の優秀な小中学生を揃えた「英進館」主催だから、佐賀県立トップの「佐賀西高校」を目指す中3生諸君がズラリと揃ってくれた。

 それにしても、高校入試まであと3週間。ずいぶん厳しい時期に今井の公開授業を開催してくれたものだ。高校受験生のアタマの中は、3週間後のことでパンパン。それなのにステージに現れたクマオジサンは、いきなり大学入試の話をウルトラ早口でまくしたてるのである。

 自らを顧みるに、15歳、高校入試目前の若き今井君は、
① 入試の2週間前、両眼の上に出来た脂肪のカタマリを切除する手術を受けた。
② その病院の帰り、何故か「英英辞典」を購入してしまい、知っている英単語を全て英英辞典で調べたくなり、入試直前まで英英辞典に夢中になった。
③ すると突然、どういうわけか作家になりたくなって、入試の前日にもドストエフスキー風の小説を書きまくっていた。
と、そういう苦々しい過去の記憶に苛まれる。
佐賀
(佐賀県佐賀市の大盛況)

 高校受験前後の時期は、要するにそんな不安定な精神状態である。そこに厚かましいクマオジサンがヌッと姿を現して、「音読だ♨」「音読だ♡」と連呼し、志望校合格はもちろん大事だろうけれども、入学した学校で英語エースや英語スターになることの重要性を説きまくる。

 だから生徒諸君や保護者の皆さんが、最初のうち違和感なり反発なり反感なりを感じるのは織り込み済み。「何なんだ、アイツは?」と睨みつける生徒が続出しても、全然おかしくないのだ。

 ところが諸君、最初から最後まで会場は爆笑に包まれ、爆笑の渦はどこまでもグルグル激しさを増して、まさにツムジ風状態。最終盤には竜巻みたいな強烈さで、会場の天井を突き破りそうになる。

 まあ諸君、「全力を尽くせ」「最後まで諦めるな」「奇跡は必ず起こる」「緊張するなよ」みたいな昔ながらのアドバイスを、冷静に論理的に検証してみたまえ。21世紀の受験生やパパ&ママが、そんなアドバイスにどれほど食傷しているか、すぐに分かるはずである。

「全力を尽くせ」「諦めるな」も何も、誰だって間違いなく全力は尽くすし、「諦める」などいう捨て鉢な気持ちになることもない。人間は誰でも、自分で思っている以上に粘り強いものである。「緊張するな」などというのは、そう発言している本人が緊張している証拠である。
柳川
(柳川の思ひ出 ③ 旧藩主・立花家の邸宅。ここで結婚式をあげるのが、柳川の人々の憧れであった)

 だからワタクシは目の前の受験生諸君に、合格の先にあるものを指し示すのである。近未来でもいいし、遠い将来像でもいい。遠い将来じゃ夢物語に終わっちゃいやすいから、最も生徒諸君を引きつけるのは、「入学式までの2ヶ月間」という話である。

 例えば、入試まで1週間。合格発表まで2週間。そういう時期の気持ちをググッと高揚させるのは、10年後とか20年後の夢物語ではなくて、「入学式までの50日間で何を達成させるか」の近未来物語なのだ。

 今日から入学式までの50日、毎日5時間でも6時間でも英語の音読を重ねて、入学式から一気に進学先での英語スターになっちゃおうじゃないか。「合格出来るか 出来ないか」じゃなくて、入学した先での英語エースになっちゃおうじゃないか。生徒諸君がグググググっとヒザを乗り出してくる一瞬である。

1E(Cd) Goldberg & Lupu:SCHUBERT/MUSIC FOR VIOLIN & PIANO 1/2
2E(Cd) Goldberg & Lupu:SCHUBERT/MUSIC FOR VIOLIN & PIANO 2/2
3E(Cd) Wand & Berliner:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & No.9 1/2
4E(Cd) Wand & Berliner:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & No.9 2/2
5E(Cd) Alban Berg:SCHUBERT/STRING QUARTETS 12 & 15
total m115 y115 d17820