Sun 160117 富山へは、ヒコーキがオススメ 富山も超大国爆買い集団 富山の大盛況 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 160117 富山へは、ヒコーキがオススメ 富山も超大国爆買い集団 富山の大盛況

「富山に行くなら、やっぱり新幹線でしょう?」と、誰もが真顔で言う。北陸新幹線の開業からまもなく1年、ヒトビトの頭の中にも新幹線が完全に定着して、富山と金沢は、名古屋や仙台と一緒、ひたすら新幹線で地面を這っていく街になってしまったらしい。

 しかし諸君、世界中をノシ歩いて旅慣れた今井君は、さすがにマトモな人とは発想が違うのである。富山でも金沢でも、必ずヒコーキを使用する。羽田から富山まで1時間、小松空港でも1時間。こんな楽しい旅はない。

 ごく平凡に考えれば、「でも羽田まで時間がかかるし、小松や富山空港からの交通費もかかるでしょ?」ということになるんだろうけれども、いやいやそんな話じゃない。問題は「旅が楽しいか否か」なのである。

 北陸新幹線に乗ってみたまえ。車窓は延々と「壁また壁」だ。むかしむかし、山陽新幹線や上越新幹線ができた頃、「ずっとトンネルばっかりで車窓が楽しめない」という批判があったものだが、北陸新幹線の車窓は、もっとつまらない。

 トンネル以外のところでも「壁また壁」、どこまでも壁、車窓から見えるのはひたすらコンクリートの壁だけなのである。フランス革命前、18世紀ヨーロッパの政治犯は、きっとこんな場所に監禁されたのである。そういう索漠とした風景の中で2時間半、ボクはいったい何を楽しみに旅をするんだ?

 ま、「読書」かね。「お弁当でも食べて、仲間との会話を楽しむ」かね。しかし読書に没頭するには車内は騒然としすぎているし、お弁当なんか買っても大宮か高崎まででとっくにカラッポ、孤独な出張旅行に「仲間」はいない。
立山連峰1
(富山市から、夕暮れの立山連峰を望む 1)

 そこへいくと諸君、羽田から富山空港へのヒコーキに「クマにダマされた」と思って、一度でいいから搭乗してみたまえ。窓の下はまさに夢のような光景の連続だ。読むべき本も、会話すべき仲間も、全く必要ないのである。

 チケットは必ず「A席」を購入して、左側の窓を確保する。羽田から飛び立ったヒコーキは、北西に進路をとる。最初に見えてくるのはディズニーリゾート、その間近にスカイツリーの勇姿もある。

 秩父の山ひだを過ぎたあたりから、カンペキな円錐の富士の姿が眺められる。山梨県サイドからのいわゆる「北面の富士」であって、太宰治が「富嶽百景」で描いた名所「御坂峠」「三ツ峠」からの富士以上に、文句のつけようのないカンペキな富士である。

「富士以上」を「藤井嬢」と変換して楽しそうにニヤニヤしているMac君を無視して、さらに眼下の風景に集中したまえ。ヒコーキはやがて八ヶ岳の上空を過ぎ、中央アルプスを超えて信州盆地の上空を飛ぶ。

 野沢や妙高や八方尾根のスキー場が、白くクッキリと確認できる。かつて滑走を試みたコースを眺めて「おお、あのコースはキツかった」「あそこは爽快だった」など、思ひ出に一人で頷くうちに、ヒコーキは北アルプス上空で下降を開始する。乗鞍岳・槍ヶ岳、前方に白山。その向こうに日本海が輝いている。
立山連峰2
(富山市から、夕暮れの立山連峰を望む 2)

 下降を開始すると、眼下に大きな湾と島が見えてくる。日本地図をほぼカンペキに暗記しているクマ助も、一瞬「は?」「こんな場所に湾や島があったっけ?」と混乱するが、諸君、地図を広げてみたまえ。いまヒコーキは能登半島の東サイドを撫でるように時計回りに旋回しているのだ。

 つまりA席の窓から我々が眺めているのは、七尾・和倉・穴水のあたり。何本かの橋で結ばれた島は、能登半島に居抱かれた「能登島」である。ヒコーキは、能登半島のお腹をそっと撫でながら下降していくのである。

 こうして、羽田からまず一直線に北西に向かったヒコーキは、北アルプス上空から時計回りの弧を描く。クエスチョンマークを線対称にひっくり返した形の飛行経路で、いったん富山沖の日本海に出るわけだ。

 だから、富山空港へは北から進入する。真っ白い冬の立山連峰に向かって吸い込まれていく感覚だが、富山湾は蜃気楼の海である。もし富山の港に立って我々のヒコーキを見上げていれば、ヒコーキはユラユラ揺れる蜃気楼の街の上空から降りてくる幻の鳥のように見えるだろう。

 眼下には多くの河川が夕陽に照らされて金色に輝いている。「あれは、神通川」「あれは、常願寺川」。金色のおめでたい蛇のように光る河とともに、早くも雪解けの始まった田畑もまたキラキラきらめいて我々を迎えてくれる。
おつまみ
(富山では、こんな乾燥甘エビを売っている。「そして伝説へ...」。何だか、昔の佐々木ゼミの直前講習みたいですな)

 諸君、ま、そんな1時間の旅だ。壁また壁、騒然とした車内に閉じ込められて2時間半、イライラするだけの「便利な」新幹線と比べて、いったいどっちが楽しいか、考えてみてくれたまえ。

 もちろん雨の日・雪の日・曇りの日、「窓の下は全て雲」ということだってあるだろうが、雲と壁、どちらが好ましいか、そんなのはあまりにハッキリしているじゃないか。

 いまやヒコーキは、富山行き・小松行きともにガラガラの状態。航空各社は減便・使用機材の小型化でで対応している状況だ。空港から市内へのバスも減便。いやはや、21世紀の日本人は、立ちはだかる壁を眺めるほうが好きになっちゃったのかねえ。

 というわけで、ワタクシは午後4時過ぎの富山空港に到着した。目の前には真っ白な立山連峰が、夕陽に照らされてピンクやオレンジに染まっている。

 しかし、ここでゴマかしちゃいけない。どんなに景色が美しくても、旧正月の誓い「卒タクシー」は変わらない。チャンと空港リムジンバスに乗車して、ホテルのある「総曲輪」という停留所で降りた。

「総曲輪」と書いて「そうがわ」と読む。一瞬「そう・くるわ」に見え、「へえ、モトの遊郭か」とも思うが、目の前には立派な富山城が聳えている。この位置で、まさか江戸時代の遊郭跡ということはないだろう。
エビ君
(乾燥甘エビ君、拡大図)

 宿泊はいつもの「ANAクラウンプラザホテル」。ワタクシはこのホテルグループの最高峰・スパイア会員である。ゴールド会員さんやプラチナ会員さんより、遥かにたくさんの特典がある。けけけ、ほとんど「おそ松君」のチビ太みたいに、意地悪な笑顔でチェックインを済ませた。

 しかし諸君、「春節」の真っ最中だ。富山のホテルもまた、アジアの超大国の爆買いの皆様でごった返している。プラチナやゴールドだろうと、最高峰スパイアどんだろうと、ヤンゴトナキ超大国のヒトビトにはかなわない。大人しく部屋にこもって、今日の仕事の開始を待つことにした。

 富山でのお仕事は、ホテルのお隣の「富山国際会議場」。19時半開始、21時終了、約130名が出席。何しろ「国際会議場」だ、広大な会議場に豪華シャンデリア、天井も天国の神様が見えるほど高い。受講生諸君も面食らっている様子だったが、それでも最後まで激しい爆笑が続いた。

「初めて東進に来てみました」という人も50名を超えた。最初はおそるおそる、クマ助の激烈で濃厚で熱々の講義に聞き入っていたけれども、すぐにすっかり慣れて、「内部生以上」と言ってもいいぐらいの爆笑を続けてくれた。

 使用したテキストは「C」。マジメな授業が90分続くバージョンだけれども、それでもやっぱり「笑わなきゃ、学力はつきません」である。腱鞘炎になりそうなほどメモをとりまくり、笑いに笑って腹筋も背筋ももう限界。疲れきって授業から帰ることこそ、学力増進の秘訣なのである。
富山
(富山での大盛況。あれれ、今井君は横綱土俵入りポーズですな)

 さて諸君、ワタクシはさらにこの後、
① 富山での祝勝会の様子
② 破裂したかと思うほどのビヨンセの大熱演
についてナンボでも語りたいのである。

 しかし、意地悪な声が空の片隅から聞こえてくる。
「ブログ、短くするんじゃありませんでしたっけ?」
「あれ、長いですね。『短くします宣言』は早くも挫折ですか?」
「旧正月の誓いって、結局は『卒タクシー』だけだったんですね」

 おやおや、諸君もやっぱり「おそ松君」のチビ太よろしく意地悪な笑いを浮かべているじゃないか。ならば致し方ない。「ビヨンセ」の話は、また明日ということにしよう。

1E(Cd) Karajan & Berliner:BACH/MATTHÄUS-PASSION 1/3
2E(Cd) Karajan & Berliner:BACH/MATTHÄUS-PASSION 2/3
3E(Cd) Karajan & Berliner:BACH/MATTHÄUS-PASSION 3/3
4E(Cd) Schreier:BACH/MASS IN B MINOR 1/2
5E(Cd) Schreier:BACH/MASS IN B MINOR 2/2
total m85 y85 d17790