Fri 160115 天空海と空海山 成績が安定しない 551蓬莱の豚まん ヨーロッパ食堂のこと | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 160115 天空海と空海山 成績が安定しない 551蓬莱の豚まん ヨーロッパ食堂のこと

 大相撲に「アクア」という力士がいるのをご存知だろうか。「は? アクア?」であるが、日本中こぞってキラキラネームの時代だ。お相撲さんがアクアだって、別に文句をつける筋合いはない。

 このお相撲さん、もともとは「豊乃浪」というシコ名だった。しかし「とよのなみ」で我が友Mac君に変換を任せると、驚いたことに「豊野奈美」とくる。お相撲さんが豊野奈美チャンじゃ困るじゃないか。

 しかし豊乃浪が「アクア」に改名したのは、別にAKBとかNMBとかに実在しそうな「豊野奈美チャン」と間違えられたからではない。「成績に波があったので、シコ名から『浪』の文字をなくしたかった」。そういうマコトにマジメな発想だったのである。

 問題は「アクア」に当てる漢字である。さすがにお相撲の世界にも暗黙の了解があって、シコ名に使える平仮名は「の」のみ、カタカナも「ノ」のみ、だからアムールも阿夢露だし、バルトも把瑠都だった。

 ならば「アクア」に当てる漢字はどうなるか。ただ単に「水」でもいいし、「勢」「輝」みたいな一文字の力士も増えているんだから、「水、いいじゃないか」という意見もあっただろう。

 しかしやっぱりさすがに「水」じゃ、あんまり強くなれそうにない。流れに任せてすぐ負ける、淡白な取り口になりそうだ。少なくとも土俵際の粘り腰は感じない。
ぶたまん1
(大阪名物「551蓬莱の豚まん」、「めっちゃ臭いけど、めっちゃ旨いですよ」と言われて、矢も楯もたまらずに購入した)

 そこで国語辞典や漢和辞典をひっくり返すことになるわけだが、「阿久亜」では全然面白くないし、国語辞典を引いて「あくあ」を探すと、悪い病気を示す「悪痾」なんてのしか出てこない。

 お相撲さんの名前に「病気」ってのは、そりゃさすがにマズいから、頑張って「天空海」という字を当てた。若干恥ずかしいだろうけれども、いまや相撲界には「武玄大」と書いて「むげんだい」なんてのもいる。早くドンドン出世して、名前負けしないようにすることだ。

 1月場所では東幕下7枚目、4勝3敗でやっと勝ち越した。しかしやがては颯爽と横綱に挑戦する日もくるだろう。だって諸君、幕下には「佐藤」とか「坂元」、「濱口」とか「岩崎」、まさにそのものズバリの力士もいる。その中で「天空海」だ。頑張ってもらわにゃなるまいて。

 もっとも、予備校講師として発言させてもらえば、「成績に波がある」「波をなくさなきゃ」という発想は、うーん、どうもまだ気が弱すぎるんじゃないか。成績に波があるのは当たり前。4勝3敗とか8勝7敗とか、そういう平凡な成績のまま安定なんてのは、ちっとも面白くない。
ぶたまん2
(大阪名物・551蓬莱の豚まん。パッケージも旨そうだ)

 英語の長文読解なんかでも、好きなテーマの文章ならグッと成績は上がるだろうし、あんまり知らない主題の英文が出題されてしまったら、成績が下降するのは当たり前だ。いたずらに安定を求めてビクビクしていれば、苦手意識ばかり定着してロクなことにならない。

 クラシック音楽大好きな生徒なら、クラシック関係の英文が出れば「シメた!!」とコブシを握りしめるだろうし、IT関係が大キライな受験生にメッチャIT系の英文を読ませれば、英語力とは無関係に「チンプンカンプン」という結果になるに決まっている。

 そこで英語の先生方はたいへんな努力を傾注して、純粋に英語力だけを測れる試験を開発しようとする。英文の中身に関する得意不得意と無関係に、英語力だけと正確に比例する得点が出るように工夫するわけだ。

 その結果、TOEFLやTOEICから派生して、まるでアルファベットスープみたいな新型の英語能力診断テストが、次から次へと意匠を凝らしつつ新開発されることになる。
ぶたまん3
(割る前から何だかスゴいニオイがしていたが、割ってみたらアンタ、そのニオイと旨さにビックリしましたでぇ)

 しかし諸君、「英文の中身についての得意不得意」が反映されてしまう昔ながらの古くさい大学入試も、それなりに味があっていいものじゃよ。大学入試なんだから、出来れば人間としての総合力も試したいじゃないか。

 そういう時、「深く広い教養があるか」「知識や関心に不健全な偏りがないか」、そういうことまで英語の試験で診断しようとすれば、「成績に波が出る」タイプの昔ながらの試験も、決して捨てたものではないのだ。旧7帝大や早慶大の現行の入試問題も、決して捨てたものではない。

 いやはや、ずいぶん話がそれたものだが、ワタクシが「天空海」というお相撲さんの名前を取り上げたのは、滋賀県草津での公開授業後の祝勝会場が、京都「空海山」という小さな飲み屋さんだったからである。

「天空海」と「空海山」、いやはや、何だか区別がつかない。京都駅北口の裏通り、午後9時半ですでに人通りも絶えた静かな街で、「空海山」の我々はマコトにシミジミと日本酒を傾けた。

 6合ほどカラッポにした頃から、我々の会話にお店のマスターも加わって、京都の夜はしんみりと更けていく。思わず「天空海」の話を持ち出し、「空海山」という屋号の意味についても尋ねたはずだが、何しろ日本酒6合の後だ。せっかくの店の故事来歴を、すっかり失念してしまった。
空海山
(京都しみじみ祝勝会は「空海山」で。静かないいお店だった)

 このごろのワタクシは、こんなふうに美味しいお店をいろいろ紹介してもらえるようになった。今日の写真3枚は、大阪名物「551蓬莱の豚まん」である。

「乗り物の中で食べてはイケナイ食べ物」という話になった時、最初に名前が上がったのが「551蓬莱の豚まん」であった。「あれはエラい臭いですよ」「めっちゃニオイますよ」と、大阪のヒトビトがみんな嬉しそうに口を揃えた。

 しかしさすがに「食いだおれ大阪」のヒトビトだ。「臭いけど、そのぶんガッチリ旨いですよ」「ヤミツキになりますよ」と、めっちゃマジでみんなが頷いた。「そりゃすぐに試さなきゃ」というのがワタクシの本領。翌日さっそく伊丹空港で購入。その臭さと旨さを満喫した。

 うーん、確かに臭いですな。しかし確かに「オオサカジン、ウソつかない」であって、これは間違いなく旨い。今まで数百年の長い人生で、これほど旨い豚まんは2回目だ。1回目は、小学生の頃の秋田市「本金デパート」のデパ地下で貪ったヤツだが、それほど遥かな昔では参考にもならない。
明治神宮
(食べ過ぎて太りはじめたワタクシは、日曜日のウォーキングを決意。出発点は明治神宮である。詳細は、また明日)

 名古屋の祝勝会では、福井県の「八幡ラーメン」と「ヨーロッパ食堂」も紹介してもらった。中でも「ヨーロッパ食堂」の「パリ丼」については、紹介者は夢みるような視線で絶讃したのである。

「ナニナニ、パリ丼ですと?」と、いやしいクマ助は早速ヒザを乗り出したのである。だって「パリ丼」だ。可能性はいくらでも考えられるじゃないか。

① 海老フリャーがエッフェル塔みたいに丼メシの上に積み重なっている。
② 丼の中を牛肉のエキスがセーヌ川みたいに流れている。
③ 注文した瞬間、店の奥からアコーディオンをかかえたパリ風オジサマが登場、20世紀半ばのシャンソンを熱唱する。
以上、どれでもまさにパリ、花の都のパリどんに相応しい。

 ところが諸君、「違います&違います」と福井出身の彼は言うのである。実際の「パリ丼」は、丼メシの上に大きな豪華メンチカツが乗っかったもの。「ぜんぜんパリと関係ないじゃないですか」と笑うと、「カツの豪華さがパリのイメージなんです」とのお答え。いやはや、驚きの福井である。

1E(Cd) 村田陽一 & Solid Brass:WHAT’S BOP
2E(Cd) RUSSIAN MEDIEVAL CHANT
3E(Cd) Menuhin:BRAHMS/SEXTET FOR STRINGS No.1 & No.2
4E(Cd) Holliger & Brendel:SCHUMANN/WORKS FOR OBOE AND PIANO
5E(Cd) Ashkenazy:RACHMANINOV/PIANO CONCERTOS 1-4 1/2
total m75 y75 d17780