Sun 151227 楽しい雪かき 十割蕎麦をズルズル 琴奨菊と琴桜 寿司屋でスーパー新年会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 151227 楽しい雪かき 十割蕎麦をズルズル 琴奨菊と琴桜 寿司屋でスーパー新年会

 いやはや諸君、冬らしく寒い日が続くじゃないか。一昨日は東京で大雪、今日は名古屋と京都でも大雪。北海道や東北には台風を凌ぐ北西の暴風とともに大雪が襲来。15歳の1月の暴風雪、18歳の2月の大雪、シミジミと思い出す日々である。

 一昨日はまだ降りしきる雪の中、久しぶりに雪かきに取り組んだ。ワタクシは、雪かきがマコトに得意であって、雪が降れば嬉々として路上に飛びだすのである。

 断捨離寸前の汚いジャンパー、つい先月真冬のベルリンを闊歩した長靴、ズンボの下にはもちろんパッチ。ゴツい軍手でシャベルを握れば、近所の人が目をまん丸にして見つめる中、路上の雪は一気に片付いていく。

 しかし「寄る年波には勝てへんなあ♡」というのは確かであって、たちまち筋肉痛が全身を襲う。まず右肩、つづいて左腰、さらに続いて左脚。「おお、男として、ずいぶん肉体を怠けさせてきたんだな」と、人知れず赤面する日々である。

 昔の雪国には、もっと雪かきが楽しくなる雪かき用の木ベラがあった。直径4~5センチ、長さ2メートルほどの木材の棒。その先端に、縦30センチ強、幅50センチ強の板がクギで打ち付けてあった。

 21世紀のスコップと違って、全てが木材だから、軽いことこの上ない。降り積もった雪も、温暖化前のフワフワ乾いた粉雪だから、これもまた軽い。木材の雪かき棒で空に投げ上げれば、マコトに気持ちよくいくらでも遠くに投げ飛ばせた。
にゃご1
(雪の女王ごっこを楽しむ美ネコ・ニャゴロワ 1)

 こうして出来た雪の山を材料に、午後遅くからカマクラ作りに取り組む。高さ2メートルの雪の山の正面から、ゆっくり穴をあけて入口を作り、慎重に穴を穿って人間が2人か3人しゃがんで入れる雪室を作っていく。

 雪かきが終わって午後4時、雪の山に少しずつ雪室を掘って夕暮れ5時。すっかり手もかじかんでいるし、あったかい晩御飯が恋しくて恋しくてタマらないが、それでも夕闇の中に立派なカマクラが完成する。

 オウチに入って石炭ストーブに両手をかざす。「チャンと手を拭わないとシモヤケになる」と分かっているのだが、テレビは大相撲初場所のクライマックス。横綱は北の富士と玉の海、大関も大麒麟・清国・前の山・琴桜。相撲界の歴史に残る力士が並び、台所では暖かいきりたんぽ鍋の準備が出来つつあった。

 それでも、せっかく作ったカマクラだ。すでに外は真っ暗だし、吹雪もどんどん激しくなっていくが、コドモとしては中でローソクの火をチラチラさせるぐらいはしたいじゃないか。叱られつつも細いローソクを持ち出し、父のライターで灯を点して、夕闇の自己流カマクラを楽しんだ。

 しかし2016年1月19日、筋肉痛に苦しむクマ助の前にあるのは、あのフワフワの粉雪でもないし、木の香りの残る雪かき棒でもない。ゴツい金属製のシャベルと、ベチャベチャに湿った汚い雪の山である。「カマクラにローソクの炎」などという美しい世界は、望むべくもないのである。
にゃご2
(雪の女王ごっこを楽しむ美ネコ・ニャゴロワ 2)

 そこで諸君、純白のニャゴロワが「雪の女王ごっこ」を演じている中、ワタクシは楽しいお蕎麦屋ランチに出かけることにした。向かったのは、三軒茶屋というか正確には太子堂のお馴染み「くら嶋」である。

 お蕎麦屋に着いたのは正午前であったが、ま、ワタクシはお休みの日だ。お休みの日にお蕎麦屋を訪れたら、まず「お酒を1本!!」とヒトコト叫ぶのが、蕎麦屋のベテランの流儀である。

 しかもこんな寒い日は、日本酒党でも必ず「熱燗」を頼まなくちゃならない。北風ピープー吹きまくり、「シモヤケお手手が♡おー痒い」みたいな真冬の日、いかにも「通」を気取った難しい顔をして冷酒なんか注文するのは、スミマセン、そんなのは下らんヤセ我慢に過ぎない。

 この店に来たら、何と言ってもまず「えぼ鯛の一夜干し」。ついでに「焼きタケノコ」もお願いする。1月もそろそろ下旬、世の中はどんなに冷たい北風にさらされていても、地底にはしっかり春が芽生えていて、タケノコ君たちも小さくヒョッコリ芽を出し始めているのである。

 熱燗を2合 ☞ 3合とカラッポにしたあたりで、ワタクシが〆としてお願いしたのが「粋人せいろ」。蕎麦粉10割の「十割蕎麦」であって、これを一気に2枚胃袋に収めるのが、粋人の粋人たる所以である。
一夜干し
(三軒茶屋「くら嶋」の「えぼ鯛一夜干し」。おいしゅーございました)

 今井君の豪快な父・三千雄が亡くなって18年が経過するが、彼の蕎麦屋での標準は「盛り蕎麦8枚」。ホントにいきなり「盛り蕎麦8枚」と注文するので、お蕎麦屋のオネーサマやオバサマがひっくり返るほどビックリしていたのを記憶している。

 それに比べれば「粋人せいろ2枚」なんてのは、序の口か序二段か、前頭どころか十両にも上がれないチマチマした食べっぷりであるが、しかし諸君、「くら嶋」の粋人せいろは旨かった。これなら4枚は軽くいけそうだ。さすが蕎麦粉10割。もっともっと通って、もっともっとズルズルやらなきゃいかんね。

 というわけで、午後から夕暮れの今井君は「いよいよお相撲♡」の気分の真っただ中にいた。今年は初場所から連日の満員御礼。今井君の公開授業に勝るとも劣らないギューギューの超満員が続いている。

 地味な力士の活躍が嬉しい。豊の島、8勝2敗。高安、8勝2敗。豪風、8勝2敗。イケメンでもないし、有名人の息子でもないし、話題性のある力士でもない。ごく普通の男たちが、マジメに努力を重ねて好成績を残す。涙もろいクマ助は、「これこそ本来の姿♨」と熱い涙をこらえきれない。
せいろ
(三軒茶屋「くら嶋」の「粋人せいろ」。マコトにおいしゅーございました)

 しかも大関・琴奨菊が現在10連勝。まだ5日も残っているからいくら何でも気が早すぎるが、「日本人力士10年ぶりの優勝」の可能性がムクムク高まってきた。大関昇進から4年、大ケガの連続でカド番ばかりだった地味な大関に、突然のスポットライトが当たっている。

 シコ名に「琴」の文字がつくのは、佐渡ケ嶽部屋の力士である。マコトに分かりやすい。琴欧州・琴光喜・琴風・琴錦・琴ノ若、記憶に残る大関や名関脇がズラリと並ぶ。

 しかしワタクシぐらいのベテランになると、真っ先に思い出すのが横綱・琴桜である。ブチカマシとノド輪で一気に攻めたてる取り口は、当然「取りこぼし」が多い。大関の地位の確保は困難をきわめ、負け越し☞カド番も少なくなかった。

「無気力相撲」の罵声も浴びた。「けたぐり」「はたきこみ」で簡単にバッタリ両手をつく相撲が目立ち、引退説が主流になった。ところが32歳を迎えた1972年11月九州場所、ノド輪から一気の寄りが冴え渡って14勝1敗。横綱昇進がかかった翌年の初場所も14勝1敗。奇跡の横綱昇進を果たした。

 昇進後は、再び「脆くもバッタリ」が多くなり、横綱在位8場所で引退に追い込まれた。それでも横綱として1回、14勝1敗の優勝を果たしている。遅咲きの名横綱であった。
すし勘
(代々木上原「すし勘」にて、古文のウルトラ有名講師と楽しい新年会)

 そういうことを思い出しつつ、ワタクシは琴奨菊の今場所の活躍を涙目で見つめている。立ちあいから一気のガブリ寄りは、横綱・琴桜の強烈な押し相撲を髣髴とさせる迫力。脆くコロッと転がりやすいが、久しぶりの日本人力士優勝も見たいし、来場所の横綱取りも見たくてたまらない。

 というわけで、大雪の中マコトに楽しい1日を過ごした。その締めくくりが、古文のウルトラ&スーパー講師との飲み会である。午後6時、代々木上原の名店「すし勘」に向かった。

 すでに昨夜遅くの段階でスーパー先生のブログに写真が掲載されているから、きっとほとんどの読者がご存知のことと思うが、3時間にわたって楽しい新年会を繰り広げた。さすがスーパーウルトラ先生だ。3時間、目いっぱい語り合い、目いっぱい爆笑して、ポンポンもパンパンになった。

「腹一杯で眠れそうにありません」というウルトラ講師の感想は、今井君も全く同じである。この新年会の5時間前にも「粋人せいろ」2枚を10分で平らげたばかり。タップリの蕎麦に、お寿司がタップリからまって膨れ上がり、我がポンポンは見るも恐ろしき惨状に相成ったという次第であった。

1E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.7
2E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.8
3E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.9
6D(DPl) 観世流 俊寛(観世寿夫 宝生弥一)/ 観世流 猩猩 乱(観世寿夫 宝生弥一)
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