Sat 151219 真田丸に期待 アルカトラズ島 渡った橋をくぐる(速攻サンフランシスコ11) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 151219 真田丸に期待 アルカトラズ島 渡った橋をくぐる(速攻サンフランシスコ11)

 さて、サンフランシスコ速攻の旅の記録に戻らなければならない。ホントは、大学ラグビーや高校ラグビーの観戦記も書きたいし、NHK大河ドラマ「真田丸」についても書きたくてウズウズしているのであるが、あんまり話がそれ続けると、怒り心頭に発する読者もいらっしゃるだろう。

 ただしせっかくだから「大河ドラマとして『真田丸』は久しぶりに期待できそうだ」とヒトコトだけ言っておきたい。昨日その第1回を眺めてみて、視聴率的にも年間を通じて20%ぐらいは稼げそうな気がする。

 確かに、何となくキャラクターがNHKに染まりすぎてはいる。
「何だ、真田信幸って『まれ』のパパだったの?」
「なあんだ、真田昌幸って、『美の壷』でしょっちゅうお茶をすすったり、茶碗や掛け軸にこだわったり、結局は失敗ばかりしているあの気の弱いオジサマだったの?」
みたいな驚きの連続であったが、ま、そういう違和感も役ドコロが役者に染み込んでいくに連れて解消していくだろう。
アルカトラズ
(サンフランシスコ沖、アルカトラズ島の風景)

 ドラマ冒頭、「時代考証」の学者さんたちの中に、「平山優」の名前を発見した時は嬉しかった。甲斐の国の歴史の専門家であって、少なくとも武田軍の完全な敗北が描かれる場面までは、「時代考証」の1人として画面に名前が出続けるものと思う。

 彼のほうではとっくに忘れているかもしれないが、昔々のその昔、ホンのちょっとだけ知りあった仲である。「袖が触れ合った程度」に過ぎないけれども、それこそ「袖が振り合うも多生の縁」であって、大河ドラマの時代考証まで任されるようになっただなんて、ワタクシは鳥肌が立つほど嬉しかった。

 感激ついでに言えば、「真田丸」の番宣でしょっちゅう長野県・上田駅前がテレビ画面に登場する。マコトに素直なクマ助は、これもまた嬉しくてたまらない。上田駅前が映るごとに、我が東進「上田駅前校」もまた画面におっきく姿を現すのである。
貨物船
(サンフランシスコ沖、急流の中を巨大貨物船が喘ぎながら進む。「ありゃりゃ、アルカトラズ島と相似形じゃないか」と驚くのはワタクシだけだろうか)

 さて、サンフランシスコのクマ助であるが、10月4日、ストリートカーとケーブルカーを縦横無尽に駆使しながら、オペラハウス ☞ ユニオンスクエア ☞ チャイナタウン ☞ ロンバード・ストリートを経由して、サンフランシスコを大縦断。やっとフィッシャーマンズワーフに着いたのは、午後3時を過ぎた頃だった。

 まだ晩飯には早すぎる時刻だったから、「お船に乗ってゴールデンゲイトブリッジまで行ってきますかね」と決意。要するにお船が好きだからであるが、夕方の陽光をいっぱいに浴びたオレンジ色の橋を、船の甲板から振り仰ぐのはまた格別だろう。

 橋の楽しみ方には常に2種類あって、①「わたる」 ②「くぐる」の双方を満喫しなければ、本当の橋好きとは言われない。贅沢を言えば、③「ヒコーキで上空から」もやってみたいけれども、残念ながら③にはメッタヤタラにオカネがかかる。

 もちろん何も「ホントの橋好き」「ホンモノの橋マニア」と呼ばれる必要はないわけだが、「わたる」だけやって100%満足、ないし「くぐる」だけでカンペキにご満悦、それではやっぱり単純すぎるじゃないか。
橋1
(ゴールデンゲイトブリッジを船でくぐる 1)

 そこで諸君、フィッシャーマンズワーフ「ピア39」前でチケットを入手。ホクホクしながら船に乗り込んだ。目の前には「アルカトラズ島」。クリント・イーストウッド主演の映画「アルカトラズからの脱出」でも有名な、鉄壁の監獄島である。

「アルカトラズからの脱走」は1979年の制作。さすがに古すぎるから、若い諸君は1996年の映画「ザ・ロック」を観てくれたまえ。同じ脱獄劇がテーマ。ジョーン・コネリー、ニコラス・ケイジ、エド・ハリスも出ている。

 おお、エド・ハリス、素晴らしいじゃないか。頭の毛の量が少なからず心配になってきた時、男なら誰でもエド・ハリスにすがる。オジサマというものの価値は、頭の毛の量で決まるものではないのだ。

「アポロ13」で救出劇の総指揮者を演じたエド・ハリス、「スターリングラード」のエド・ハリス。おお、マコトにシブいオジサマだ。脇役でも敵役でも、主役以上の存在感を発揮する。鏡の前でふと髪の毛に手をやり、「オレもそろそろオジサマになってきたな」と感じたら、迷うことなく日本のエド・ハリスを目指せばいい。
橋2
(ゴールデンゲイトブリッジを船でくぐる 2)

 アルカトラズを取り囲む海は、鳴門の渦潮に劣るとも勝らない急流だ。凍りつくような冷たい海水に閉ざされた刑務所島。ここからの脱出は困難をきわめる。今日の写真の2枚目のような貨物船でも、流れに逆らって進むのはなかなかツラそうだ。

 島の姿も陰気そのもの。1906年に刑務所が完成。アル・カポネが収監されていたことでも有名だ。刑務所を建築したのは、受刑者たち自身であって、自分で建設した刑務所に収監された第1号受刑者となった。

 以来、1963年の刑務所閉鎖まで、脱獄を試みた者39人。脱獄の結果は、射殺が7名・溺死が1名。再逮捕が26名で、行方不明が5名。うにゃにゃ、さすがアメリカは厳しい。というか、何だか余りに陰惨だ。

 脱出作戦は、換気口の穴を広げるとか、スプーンでめげずに穴を掘り続けるとか、思い思い&多種多様であったが、映画に描かれる脱出劇は、閉鎖の前年1962年に起こっている。
橋3
(夕暮れ迫るゴールデンゲイトブリッジ)

 監獄島と言えば、ついこの間マルセイユ沖の「もしもじま」こと、デュマ「モンテクリスト伯」の舞台・イフ島を訪ねてきたばかりだ。カンヌ沖・レラン諸島では「鉄仮面」が閉じ込められていた監獄も見た。ワタクシって、こういう島が趣味なのでござるかね。

 ただし今回は、アルカトラズの余りに陰惨な風景に辟易。至近距離まで近寄ってくれた船からを眺めるだけにして、そのままサッサとゴールデンゲイトブリッジまで行ってしまった。

 やっぱり諸君、橋というものは、①わたる②くぐるの2本だて、その両方をやってみなくちゃいかん。味わいも感激も、①と②で大違い。「どっちが好きか」という比較論になれば、「圧倒的に①」と言わざるを得ないが、もしも②をやってみなければ、①の感動にもあまり深み&重みが生じなかったはずである。

「オメー、何をメンドイことホザいてんだよ」「うぜえんだよ」であるが、まあ、そんな短気はヨシにしたまえ。そんなに気が短いんじゃ、成人式の会場で泥酔している不良新成人と変わらないじゃないか。

 そしてMac君、君もそろそろ悪フザケはヤメたまえ。「気が短いんじゃ」と入力されて、それを「飢餓身近院じゃ」などと変換しているようじゃ、君もそろそろアルカトラズ行きになりかねないよ。

1E(Cd) Hungarian Quartet:BRAHMS/CLARINET QUARTET・PIANO QUINTET
2E(Cd) Alban Berg:BRAHMS/KLARINETTENQUINTETT & STREICHQUINTETT
3E(Cd) Backhaus(p) Böhm & Vienna:BRAHMS/PIANO CONCERTO No.2
6D(Pl) 初春文楽公演:新版歌祭文/関取千両幟/釣女:大阪国立文楽劇場
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