Wed 151216 ストリートカーに魅せられる トラム復活の夢(速攻サンフランシスコ10) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 151216 ストリートカーに魅せられる トラム復活の夢(速攻サンフランシスコ10)

 1月7日、昨日の記事に書いた通り、ビジネス雑誌に「素敵なリーダーの理想像」としてホメられたつもりになった今井君は、マコトに意気揚々と吉祥寺のスタジオに向かった。

 考えてみれば、吉祥寺は半年ぶり。最後にスタジオに入ったのは、2015年8月中旬のことであって、あのあとクマ助は9月マルセイユで2週間、10月サンフランシスコで1週間、12月ベルリンで2週間弱を過ごしている。

 仕事場より、休暇と移動を大切に。おお、昨日紹介した「ダイアモンド」の記事のとおり、さすが「素敵なリーダー」今井君は、ビシッと異空間をエンジョイしてクリエイティブ思考を磨き上げている。

 問題は、「磨きすぎなんじゃないですか」ということである。「磨きこんでピカピカ」は素晴らしいが、「磨きすぎてテカテカ」はやっぱり困るじゃないか。素敵なリーダーであっても、服の袖口あたりが若干テカテカしはじめたら、そろそろチャンと仕事場に戻ったほうがいい。
路面電車1
(サンフランシスコ、ストリートカーの勇姿 1)

 ほぼ半年ぶり、長期の海外旅行3本を経てテカテカになったクマ助であるが、1月7日の収録はマコトに短いものであった。諸君、驚くなかれ、収録は「1分」で終了。それ以上は何にもナシ。1分と言ったら、意地でも1分。余計な尾ヒレがズラズラくっついてくることのない、爽快な収録が今井君の本領だ。

 収録したのは、「受験生激励メッセージ」。どんなメッセージを発信したかは、「ネタバレ」してはいけないからここには書かないでおく。雑誌ライターさんにホメられた気分で絶好調の今井君の口からは、何だか知らないが次から次へと名文句がビョロビョロ溢れ出て止まらなかった。

 例えてみれば、「南無阿弥陀仏」の空也上人像である。さすが尊い空也上人は、お口の中から阿弥陀仏が形になって姿を現すほどであったが、超ベテラン今井君の場合も同様に、日本中の予備校講師がみんなひれ伏してしまうほどの名文句が、止めどなく溢れ出るのであった。

 その名文句をここに書き記したい欲望を押しとどめるのはツラいが、諸君、ここは意地でも「ネタバレ禁止」であって、ブログでの公開はあと2週間ほど待ってくれたまえ。センター試験直前ないし直後ぐらいには、この場で文字にしてもかまわない状態になっていると思う。
路面電車2
(サンフランシスコ、ストリートカーの勇姿 2)

 さすが「素敵なリーダー」。移動距離と長い休暇によってクリエイティブ思考を常にテカテカさせているだけのことはある。しかも素晴しいのは、いくら名文句がヌラヌラ溢れ出てきても、「1分と言ったら1分」というその時間厳守ぶりである。

 講師というものはオシャベリが大好きだから、「1分と言ったら2分」「いや、3分」「せめて5分」と、どこまでも長引くのが一般的。「5分しゃべりますから、適当にカットして1分にまとめてください」などという方法もなくはない。

 しかし諸君、何と言っても「素敵なリーダー」であり「ブラボーと叫んでしまったよ♡」な今井君だ(スミマセン、昨日の記事を参照してください)。「1分」はあくまで1分であって、「延長」なんてのは、収録中の今井君の辞書には存在しない言葉である。

「とりなおし」もない。お相撲の大熱戦で「物言い」☞「とりなおし」なら館内は喝采に包まれるが、授業やメッセージの収録で「とりなおし」をやると、何となく臨場感を損なうものである。1分なら1分、ビシッと完了してこそテカテカ君の真骨頂というものだ。
路面電車3
(ストリートカーは、後ろ姿も勇ましい)

 さて10月4日、サンフランシスコ縦断を終えた今井君は、海岸通りからホテルのあるパウエルストリートまで、路面電車Fラインで戻ることにした。今日の写真は5枚とも、まさに「乗り鉄ムキ出し」であって、いささか忸怩たるものがあるが、まあ許してくれたまえ。

 いちおう「路面電車」と言っておくけれども、より正確には「ストリートカー」である。鉄道の上を走るが、車内の様子も乗り心地もバスに近い。全アメリカからむかしむかし使用されていたストリートカーを集めて徹底的に修理を加え、1995年前後から本格運転を始めた。

「オールアメリカ」どころか、イタリアのミラノからも車両を輸入した。ミラノ君は1928年の製造であって、すでに齢80歳を過ぎているし、車内には思い切りイタリア語の掲示が残っているが、これもまた見事に頻繁な運転に耐えている。

 他の車両は、サンフランシスコ以外に、フィラデルフィアのもの、クリーブランドのもの、ブルックリンのもの、カンザスシティのものなどマコトに多彩。1両1両にキチンと出身地にちなんだ名前があって、名前を調べながら車両に乗り込んだだけでマコトにエキゾチックな喜びがある。

 車内の様子はほぼ完全にワンマンバスであるが、その真骨頂は静けさにある。何しろ電気で走っているわけで、エンジン音が耳につくことは全くない。もちろんミラノ君なんかは80歳を超えるご老体だから、全身をゴーゴー振るわせる轟音は凄まじい。しかしまあその程度は許してあげようじゃないか。
窓
(窓の金具もまたレトロ。クマ助にはマコトに懐かしい)

 止まって欲しい時には、窓の上に横に引っかかっている黄色いワイヤを引っ張る。「こんなワイヤ、いくら引っ張ってもダメなんじゃないか?」と心配になるが、そこを思い切ってベロンと引っ張ってみると、運転台上の赤いランプがついて「Stop Requested」と表示される。

 何で今井君がこのストリートカーに魅せられてしまったかというに、「おお、これこそワタクシの乳児時代に、秋田駅 ⇔ 土崎港間を走っていた路面電車だ!!」と感激したからである。

 秋田駅から秋田県庁前 ☞ かつて日本最大の油田だった「八橋」☞「外旭川」☞ 将軍野を経由して、終点・土崎港入口まで、最盛期には1日1万1千人を運んだ。

 リスボン・ニース・リヨン・ブレーメン・ドレスデン・ライプツィヒ。ヨーロッパのどの街を訪れても、トラムが街の復興に果たした役割を痛感する。

 街のど真ん中を落ち着き払って走るトラムが、市民にどれほど大きな安心感を与えるか。世界大戦の爆撃でボロボロにされても、東西冷戦の真っただ中で貧困に喘いでも、貧困のあげく街の治安が最悪になっても、ゴトゴト走るオジーチャンみたいなトラムを頼りに、街は力強く復興してきたのである。
車内風景
(車内風景。止まってほしいときは、窓の上に引っかかっている黄色いワイヤを引っ張る)

 いまワタクシは、少子&高齢化ですっかり疲弊した秋田の街に、トラムが復活することを夢想するのである。必要なのは2路線。
① 秋田空港から秋田県庁前を経由して、JR秋田駅・秋田大学・秋田高校までを結ぶライン。
②「秋田の横浜♡」である故郷・土崎から、秋田県庁前を通過してJR秋田駅までのライン。

 もちろん車両は、世界中から集まってもらう。鹿児島・広島・長崎・熊本・高知・松山・富山・豊橋・函館などで、昭和初期から働き続けたロートル車両たち。それで足りなかったら、フランクフルト・サンフランシスコ・ルアーブル・リスボン・ポルトあたりに呼びかけてもいい。

 こうして復活したトラムは頻繁かつ縦横に市内をゴトゴトやって、もちろん市民の大切な足として、少子高齢化からの復活のカギを握る。しかしもちろん同時に「世界トラム博覧会」みたいに、観光の目玉にだってなる。

「トラム演劇祭」「トラム芸術祭」と称して、市内を走り回る電車の中で美術展が開催されたり、走る車両を小劇場代わりに、世界演劇祭を企画してもいい。もちろん夜には「パブ」「バール」としての利用も可。諸君、なかなかいいアイディアだとは思わないかね。

1E(Cd) Schiff:BACH/GOLDBERG VARIATIONS
2E(Cd) Schreier:BACH/MASS IN B MINOR 1/2
3E(Cd) Schreier:BACH/MASS IN B MINOR 2/2
4E(Cd) Hilary Hahn:BACH/PARTITAS Nos.2&3 SONATA No.3
5E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE 1/2
total m80 y2185 d17496