Fri 151106 札幌の準備 明治神宮 ☞ 二重橋 文化のるつぼ(留萌ましけ往還記1) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 151106 札幌の準備 明治神宮 ☞ 二重橋 文化のるつぼ(留萌ましけ往還記1)

 11月27日、翌日から札幌に2連泊する予定の午後であったが、「札幌2連泊」とは諸君、ダイエットにとってはたいへんなピンチである。大好物のジンギスカンはいくらでもワシワシやるだろうし、大昔と違って最近の北海道はお米が旨い。お米が旨ければカレーだって貪るし、「こりゃ困った」である。

 宿泊する予定のホテルは「朝食バイキング」も非常識に豊富。普通のバイキング料理が並んだテーブルに、①カレー、②みそラーメン、③「鉄鍋サケ汁」がズラリと並んで、「さあさあタップリ好きなだけ太って帰りなさい」と恐るべき誘惑を仕掛けてくる。

 秋のクマ助にそんなものを与えたら、冬眠に備えて腹に入るだけ詰め込むに決まってる。特に「白いゴハンと塩鮭」はイカン。丼メシ5杯は確実だ。しかもその後「動けなくなる」というオマケがついてくる。食べ過ぎて、動けなくなって、グースカ寝て、2kgでも3kgでも好きなだけ体脂肪が増える。

 そういうピンチが、札幌で待ち受けている。となれば、こっちとしては対抗策を考えなきゃいかん。今日1日だけ食事制限なんかしてもちっとも対抗策にならないから、「少しでも多く筋肉をつけ、基礎代謝を上昇させておく」に限る。
明治神宮1
(北参道から明治神宮に向かう)

 11月27日の今井君は、以上のような見事な論理を組み立て、久しぶりに快晴の真っ青な空にも誘われて、東京横断2時間ウォークに出ることにした。東京は紅葉の真っ盛り。さぞかし気持ちがいいだろう。

 東京横断と言っても、もちろん八王子 ☞ 浦安などというマルコポーロ並みの大冒険を意味するのではない。出発地は小田急線の参宮橋。北参道から明治神宮の森に入って、表参道☞ 青山 ☞ 赤坂 ☞ 桜田門 ☞ 二重橋前 ☞ 竹橋に至る。

 言わば、地下鉄千代田線に沿って、線路の数十メートル上の地面を伝っていくようなルートである。これを2時間かけて踏破する。札幌に備えて基礎代謝を上げるには、おそらく晩秋の東京でベストなコースだと信じる。

 準備したのは10年前に笹塚のスーパーで買った2足5000円の靴。2足ともすっかり年老いて、黒いほうはカカトが大きく擦り減って傾き、かつて茶色だったほうは色も黄土色に色あせて「ゴミ捨て場から拾ってきたんですか?」と道行く人に質問されかねない。それはイヤだから、今日は黒いほうを選択した。

 諸君、ワタクシは東京都民であり、また渋谷区民でもあって、地元・明治神宮の森が自慢でならない。20メートルを超える大木が生い茂り、フクロウやオオタカも棲息し、大都会の真ん中の池では絶滅危惧種のメダカも泳いでいる。ヘビはイヤだけれども、2メートルもあるアオダイショウもいるんだそうな。
明治神宮2
(晩秋の明治神宮)

 そりゃ京都のお寺みたいに「1000年の歴史があるんどす」とか、奈良の神社みたいに「1300年の歴史があんねんで」というわけにはいかないが、この森は100年の間ほぼ完全に自然の成り行きに任せて出来た準原始の森なのだ。

 NHKの特集番組で見たのだが、この計画が持ち上がった時、わが早稲田の誇る大隈重信どんは「そんなヤブみたいなものを帝都に作るなど、まかりならん」と激怒したんだそうだ。

 森なんか、都の西北・早稲田のものだけでいいとでも思ったんだろうが、そういうことだから福沢諭吉どんは10000円札になれたのに、大隈どんは早大チアリーダーの「ビッグベアーズ」にその名が残るぐらいにとどまっちゃった。うーん、ワタクシはどうも悲しくてならない。

 明治神宮から表参道にかけては、今日もたいへんな人出である。むかし社会の教科書に「アメリカは人種のるつぼ」のヒトコトがあったが、東京もまたニューヨーク並みの「るつぼ感」がある。中国系・インド系・アフリカ系・欧米系の人々が何の違和感もなく街に溶け込んでいる。

 というか、東京も日本も正しくは「文化のるつぼ」なのであって、世界中あらゆる文化がこんなにスムーズに融合している国は、世界中を旅して回ってもまず見当たらない。今日のウォーキングコースはその中でもとくに「るつぼ感」の高揚するコースなのである。
皇居
(皇居。お堀の水が冷たそうだった)

 赤坂界隈まで来ると、シューカツの大学生が目立つようになる。何を隠そうこの今井君も、数百年前の10月1日、赤坂にシューカツにやってきた。サントリーに入ろうと思ったのである。

 サントリーと言うと、当時はテレビCMが絶好調。ペンギンの男女が松田聖子の物悲しい歌声にあわせて恋物語を演じ、それがどうビールと関わりがあるのか分からないが、まあとにかくサントリービールのCMとして歴史に残る出来映えだった。

 ライバル・ニッカのほうも、その数年後、「女房酔わせてどうするつもり?」というCMがヒット。ダンナと2人、自宅でウィスキーを痛飲するという設定。主演は中野良子、2年後に田中美佐子でリメイク。ダンナ役が地味すぎてイマイチだが、1990年代の名作CMといっていい。

 コンセプトは「自宅でウィスキーもいいじゃん」であって、昔のウィスキーには「バーで飲むもの」というイメージが強かったし、昔の「バー」には悪い女がいてダンナ連を酔わせちゃうもの、というイメージ。いやはや、昭和はやっぱり遠くなった。

 今井君はその後めいっぱい忙しくなったので見たことがないが、リメイクのそのまたリメイクバージョンで、石田ゆり子という人が2005年頃にまた「女房酔わせてどうするつもり?」をやったらしい。いま見てみると、若干「イヤらしすぎますかね」の感が拭えないが、まあそのぐらいいいじゃないか。
二重橋
(夕暮れの二重橋)

 さて諸君、なぜサントリーに若きクマ助がなぜ入ろうとしたかというと、別にCM制作に加わりたかったからではなくて、ひたすら「酒が飲める♨酒が飲める♨酒が飲めるぞー」「酒が飲める飲めるぞー♡酒が飲めるぞー」と思ったからに過ぎない。

 シューカツ生諸君、そんな切羽詰まった顔はよしたまえ。大企業に入るに越したことはないんだろうが、入らなくても人生は常に面白い。入らないほうがずっと面白いんじゃないかと思うことが多い。「酒が飲めるぞー♡」ぐらいでいいのだ。「御社に採用されました暁には」とか、うーん、何だか可哀そうだ。

 ま、そんなことを考えつつ、最高裁判所・法務省・警視庁を眺め、桜田門を左に入って二重橋前に出た。皇居のお堀に藻があんまり生い茂っていて、「これって誰か早くキレイにしたほうがよくないか?」である。

 よく茂った藻を眺めながら、思わず「おお、牧場は緑」が口をついて出てきた。「よく茂った、も・の・だ、ホイ!!」である。その「ホイ!!」が何を意味しているのか、その辺がまた不明であるが、不明のままでもちろん構わない。

 こういう連想にはマコトにフシギなものがあって、例えばこの間、ヒコーキの中で「ヤマモリさま、いらっしゃいましたら客室乗務員にお知らせください」なんてのがあった。すると諸君、クマ助の頭には何故かオルフの「カルミナ・ブラーナ」が蘇ってきた。

 まあ、全曲を1時間しっかり聞いてもらわなければならないが、タモリ倶楽部「そら耳アワー」に出品できるほどのものではないとしても、曲の中にどうしても「山盛り、山盛り、ゆでタマゴ」と聞こえる一節があって、「ヤマモリさま」のヒトコトで、クマ助はそれを思い出してしまったわけである。
鍋焼きうどん
(竹橋、毎日新聞社にたどり着く。やっぱり鍋焼きうどんがいい)

 なお、「カルミナ・ブラーナ」の全く同じ箇所が、クマ助の耳には「生ムギ、生ゴメ、生タマゴ」とも聞こえるのであるから、いやはや、何とも困ったものである。いいじゃないか。要するにクマ助には音楽の才能がないというだけのことかもしれない 。

 さて、二重橋前まで来たところで2時間が経過した。このとりとめのないお散歩のゴールは、竹橋の毎日新聞社。毎日新聞の地下には昔ながらの昭和な飲食店街があって、クマ助はその雰囲気が大好きなのである。

 中でも、午後3時でも4時でも営業を続けているお蕎麦屋が我がお気に入りであって、小海老の唐揚げ・竹輪の磯辺揚げ・おでん盛り合わせ、そういうものをツマミながら、午後4時、まだみんな仕事中の時間帯に、ビール&日本酒を満喫する。

 〆には季節柄 ☞ やっぱり鍋焼きうどんを注文してしまう。「あれれ、ダイエットのためのウォーキングじゃなかったの?」という疑問はあるだろうが、それもまた「ええじゃないか」「ええじゃないか」。十分に筋肉は鍛えた。基礎代謝も上昇。札幌に向かう準備は完了したことにする。

1E(Cd) Anita Baker:RAPTURE
2E(Cd) Anita Baker:THE SONGSTRESS
3E(Cd) Anita Baker:RHYTHM OF LOVE
4E(Cd) THE BEST OF ERIC CLAPTON
5E(Cd) Michael McDonald:SWEET FREEDOM
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