Thu 151105 炭水化物な1日 駅そば 姫むすび 同じ運転手と再会 新宿アカシア | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 151105 炭水化物な1日 駅そば 姫むすび 同じ運転手と再会 新宿アカシア

 11月24日、20数日ぶりの完全休日に岩国の旅を満喫した日、なぜだか炭水化物の連続&満載な1日になった。校舎で出されるケーキさえお断りしているダイエットな日々を、一気に崩壊させかねないアリサマである。

 まず、朝の広島駅で「どうしてもホームの立ち食い蕎麦が食べたい」という強烈な欲求に駆られた。新幹線ホームで「こだま」を待ちながら、例の出汁の香りに全身を包まれたのである。

「意地でも食べたい」「何が起こってもかまうもんか」という欲求から、「ダイエット、クソ喰らえ」とマコトにはしたない言葉まで頭に浮かんで、矢も楯もたまらずに自動販売機に千円札を突っ込んだ。

 いかにも優しげなオバチャンに差し出した食券は「肉そば」。それでもあくまで「そば」であって「うどん」をガマンしたあたりが、ダイエットの亡霊につきまとわれている証拠であって、「いいじゃないか、蕎麦はカラダにいいんだから」と、ヘタレな言い訳を心で呟いた。

「こだま」が来るまで15分ほど、この蕎麦を両手で抱え込んで満喫した。季節も温かいお蕎麦にはベストな晩秋。真夏の新幹線ホームで熱い蕎麦となると、「服のままシャワーでも浴びてきたんですか」と人々が目をむくほどの大汗をかくが、唐辛子をたっぷりかけてポカポカちょうど良く暖まった。
肉そば
(広島駅・新幹線下りホームで「肉そば」をすする)

 そのお蕎麦のエネルギーで、クマ助は立派に錦帯橋を渡り、山道を歩いて岩国城にたどり着き、天守閣のテッペンから岩国平野の絶景をじっくり賞味した。しかし諸君、380円の駅そば1つじゃ、3時間ほどでエネルギー切れになるのは目に見えている。

 お昼すぎ、お城から山を下りてきたところで、由緒ありげな神社の前に小さな茶店を発見。諸君、クマ助はこういう雰囲気に弱いのである。店の中にもテーブルが4つか5つほど並んでいるが、お店の前で晩秋のそよ風に吹かれながら「ビール!!」と叫びたいところじゃないか。

 またまたいかにも優しげなオバチャンが出てきて、「ビールは、大ジョッキですよ」「大きいですけど、大丈夫?」と笑った。クマ助はむしろその微笑に触発された形で「じゃ、『姫むすび』も1皿いただきましょうかね」と口走ってしまった。

 だって「姫むすび」、なかなか可愛らしいネーミングじゃないか。イメージしたのは、普通のオムスビの半分ぐらいの大きさの楕円形の可愛いヤツら。海苔巻きみたいにポイポイ口の中に投げ込めば、10個ぐらいはすぐに平らげられるだろう。
茶屋
(岩国城の山のふもと、こんなお店だった)

 ところが諸君、まず「生ビール」であるが、「こりゃ1リットルは確実にありますな」というホントにどでかいのが運ばれてきた。まさにちょうどその瞬間、目の前を観光客のオバサマ3人組が通りかかって、ジョッキをかかえたクマを見て笑った。確かに、飲み屋のディスプレーとしては最高の図であった。

 それを何とか飲み干した頃、ずいぶん時間がかかったけれども、ついに「姫むすび」が姿を現した。豆ダワラみたいな可愛いのがズラッと整列した1皿を待ちわびていたワタクシの前に、諸君、全く想像とはかけ離れたシロモノが現れた。

 これがどう「姫」なのか、しばらくは理解できなかった。店のオバチャンが自慢げに、「海苔の形が面白いでしょ?」と笑っても、いやはや何だかずいぶん奇怪な形のオムスビたちであるとしか分からなかった。

 しばらく経ってようやく合点がいったのであるが、この海苔の形が平安のお姫さまの十二単みたいに見えないことはないのである。ははん、十二単っぽく海苔を巻いたから「姫むすび」なわけね。

 ググっても「もしかして、秘め結び?」としか表示されない姫むすびは、岩国名物なのか、このオバチャンのアイディアなのか。大きなライスボールをひたすら貪っているワタクシの前を、若い欧米人男子の観光客が数回行ったり来たりして、物珍しげに眺めて去った。
姫むすび
(姫むすび。海苔が十二単ふうなのだった)

 こうして岩国の旅は終わりになった。タクシーと新幹線「こだま」で広島に戻り、ホテルに預けておいた荷物を受け取って、ホテル前から再びタクシーに乗り込んで広島空港を目指した。

 姫むすびでポンポンはパンパン。ダイエットはまた振り出しに戻ってしまったようでガッカリあるが、運転手さんがマコトに気さくに話しかけてくれた。広島のお好み焼きには「オタフクソース」以外に「カープソース」という辛いのがあって、それならあんまり太りませんよというのである。

 だんだん話が盛り上がるうちに、運転手さんは「25年ほど前まで東京の錦糸町あたりに住んでいましてね」「あのころ東京はコワいところでした」「一度だけ新宿の店でボラれたことがありましてね」と、面白そうに物語りはじめた。
カレー
(新宿アカシア「極辛カレー」。羽田空港店には列が出来ていた)

「あれれ、それとソックリの話、確か広島のタクシーで聞いたことがあるぞ」と気づいたのは、「30分ぐらい店にいて、面白くないので帰ろうと思ったら、請求書に『30万円』って書いてありましてね」というあたりである。

「やがて店の奥からスキンヘッドのオニーチャンが登場して…」というところまで聞いて、クマ助は「うぉ、去年と同じ運転手さんだ!!」と気がついた。去年の秋、広島のANAクラウンプラザホテルから空港まで乗ったタクシーと、同じ運転手さんだったのである。

 この偶然には、双方飛び上がるほど驚いた。同じホテル前から乗ったのならともかく、今日はシェラトンホテルからの乗車であって、確率的にはものすごく低いじゃないか。

 しかも去年は、「高速道路に入った直後にクルマが壊れちゃう」というビックリポンもあった。高速道路の傍らにクルマを止めて、別のクルマを回してもらう手配をしたのだが、あのクルマは2ヶ月後に廃車になったのだという。

 そこから後は、「偶然ですね♨」「いやあ、偶然ですね♨」「驚きましたね♡」「ホント、驚きました♡」の連発で、空港までの1時間弱はあっという間に過ぎていった。こういう愉快な運転手さんとなら、何度でも偶然の出会いを経験したいものである。
ハンバーグ
(新宿アカシア、豚ハンバーグ)

 しかし諸君、こんなビックリポンのおかげで、クマ助はまたまたお腹が空いてしまった。実は羽田に着く前から狙っていたのであるが、空港第2ターミナルの「新宿アカシア」で、カレーを貪って行くことに決めた。

 狙っていた証拠に、ヒコーキの中で出るお弁当は丁重にお断りしたのである。諸君、プレミアムクラスでは、マコトに中途半端なお弁当が意地でも出されるのであるが、ああいうメンドーなことはそろそろヤメにしたほうがいいんじゃないか。

 新幹線グランクラスの「軽食」も同じだが、あれじゃ満腹しないばかりか、むしろせっかくの空腹感を台無しにしてしまう。たった1時間ちょいのフライトの中でCAの皆様が目の色を変えて総活躍する姿も、何だか可哀そうである。

 そこで今日は、最初から「眠って行きたいので、お弁当は結構です」とお断りした。そのぶん「アカシア」の極辛カレーで汗を流し、カレーに乗っかってきたチキンを貪り、大っきなハンバーグもワシワシやって、最高の気分で帰ってきた。

「ダイエット、その後どうなりましたか?」とか、そんな野暮なこと聞きなさんな。めげずに、また1から始めればいいことじゃないか。

1E(Cd) David Sanborn:INSIDE
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