Sun 151018 桜の落ち葉がいい 小学館の図鑑シリーズ 青葉台での大盛況 熱く前進!! | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 151018 桜の落ち葉がいい 小学館の図鑑シリーズ 青葉台での大盛況 熱く前進!!

 このごろの東京は、連日の雨である。11月なんだから、もっとスカッとした秋晴れになってほしいし、立冬過ぎの「冷たい雨」も悪くない。冷たい雨の中、広葉樹の大きな葉っぱが赤や黄色に色づいて風にハラハラ散っていく姿が、晩秋のクマどんは大好きだ。

 ところが諸君、この一週間の東京の雨は、マコトに残念なことに「生温い雨」だ。「雨降りなのに夏日」というのもあって、空気は梅雨どきなみに湿っぽい。今井君はすべての季節の中で梅雨が一番キライだから、この一週間は鬱陶しくてたまらなかった。

 それでも、「この雨がスカッと上がってくれたら♡」という楽しみもある。紅葉の中で最も好きなのが、桜の葉っぱの紅葉である。雨に濡れて散った後は、得も言われぬ芳香があって、桜の落ち葉を踏みしめて歩きつつ、鼻から空気を胸一杯に吸い込めば、丸いお耳がピクピク動き出すほどの香りに酔うこともできる。

 柿の落ち葉もたまらない。手に取ってみると、どの一枚もみんな虫に食われた跡があって、その痕跡が落ち葉に素晴らしい表情を与えている。人でも何でも、無表情ほど疎ましいものはないが、落ち葉だってカンペキが過ぎると、イヤらしい無表情にしか見えないものである。
図鑑1
(昭和40年代、小学生を魅了した小学館の図鑑シリーズ 1)

 だからこの一週間、クマ助は晩秋の空がキレイに晴れ上がる一日を待ちこがれているのである。歩いて30分もかからないところに明治神宮があって、樹齢100年の広葉樹の森が広がっている。

 こんなに雨が降り続いた後に明治神宮の森を歩いたら、さぞかし気分も爽快だろう。夢のように背の高い広葉樹林が秋の風にサワサワ揺れ、足許ではつい昨日か一昨日の風に散った落ち葉が、懐かしい芳香を放っている。

 こうして晩秋の森は、目でも耳でも鼻でも満喫できるし、視覚や聴覚や嗅覚が記憶の深いところまで染み込んで、遠い過去の記憶まで楽しめる。「早くスカッと晴れてくれないかね」「晴れたらすぐに明治神宮の森を散策するのに」と思いつつ、ついつい半世紀前の本を30冊近くも購入してしまった。

 諸君、購入したのは「小学館の図鑑シリーズ」、第1巻の「植物の図鑑」から第28巻まで、全巻まとめて買ってしまった。今井君が小学生だった太古の昔、父・三千雄が東京出張のたびにオミヤゲとして買ってきてくれた懐かしい図鑑であるが、いつの間にかすべて行方不明になってしまった。

 太古の今井君は、幼稚園時代から5年もかかって一冊ずつ、ついに揃った28冊を、一巻ずつほとんど全て暗記してしまった。「なめまわした」というか「しゃぶりつくした」というか、毎日ヒマさえあれば図鑑に没頭した。
図鑑2
(昭和40年代、小学生を魅了した小学館の図鑑シリーズ 2)

 小学生の場合、さすがに男子は「少年少女・世界文学全集」にはなかなかのめり込みにくい。「小公子」「三銃士」の好きな男子、「小公女」「イワンのばか」が好きな男子、そういう存在は何となく神々しすぎて、近づきがたいじゃないか。その点、図鑑なら「おお、やっぱり男の子だな」と笑ってもらえた。

 こうして今井君は、気象・天文・植物・岩石・鉱物・生物から、地理・歴史・音楽・美術など、ほとんど全分野の知識を「図鑑をしゃぶりつくす」という荒ワザで身につけた。その貯金で、その後の人生のほとんどを何とか切り抜けた。「数学や物理がイマイチ」なのは、おそらくこの図鑑シリーズに「数学の図鑑」「物理の図鑑」が存在しなかったせいである。

 しかし諸君、そこはそれ、今井君は高校でも医学部進学者が圧倒的に多いクラスに所属していた。「数学が弱くて」「東大入試で数学が0点でした」とか、いちおう謙遜してみせているが、ホントのところ、数学なら滅多なことで滅多な人に負けるとは思っていない。ただ単に「あの頃『数学の図鑑』があったらよかったな」というヒトコトが言いたいだけである。
交通の図鑑
(小学館、交通の図鑑)

 11月10日、AMAZONから届けられた「図鑑シリーズ」を眺めつつ、中年グマは満面の笑みを浮かべていた。このブログでも繰り返し述べている「驚きの書棚」、床から天井からズラリと立ち並んだ9架の書棚の真ん中に、「図鑑シリーズ」を並べて悦に入った。

 書棚には、驚くべきコレクションがある。過去40年の人形浄瑠璃 ☞ 文楽公演や、1980年代の美術展・演劇・クラシックコンサートのパンフレット。志村ふくみでも塩野宏でも、一度に何でも揃うレアもの単行本の列。まさに「図鑑シリーズ諸君、この書棚へようこそ」という世界である。

 折しも翌日11月11日は、半世紀ぶりの国産ジェット機MRJの試験飛行があった。早速クマ助は「交通の図鑑」を開き、半世紀前の国産プロペラ機 ☞ YS11の勇姿を眺め、半世紀を経てなお健在だった図鑑君たち28冊の長い健闘を讃えた。

 何と言っても激烈な隔世の感のあるのが「日本地理の図鑑」と「世界地理の図鑑」。「日本はまだ農業国です」「これからは工業国に脱皮しなければなりません」の記述にもおそれいるが、理科系の図鑑の古色蒼然とした記述にも、やっぱり心が踊る。
日本歴史の図鑑
(小学館、日本歴史の図鑑)

 ただし諸君、いつまでもそんなふうに過ぎ去った昭和に涙しているわけにもいかない。昨日は強い雨の中、神奈川県の「青葉台」という街まで公開授業に行かなければならなかった。

 青葉台はまあ「高級住宅地」という位置づけになっているが、都心からはマコトに遠い。クマ助のネグラからだと、まず地下鉄千代田線で表参道まで10分、表参道で「東急田園都市線」というノンビリした郊外電車に乗り換えて、夕暮れの薄闇の中を30分も40分もかかる。

 夕暮れだから、電車は超満員。乗客は何だかみんなずいぶんトゲトゲしていて、濡れた傘が触れたと言ってはムカツキあい、カバンがぶつかったと言ってはニラミあい、あんまり幸せそうな様子には見えない。

 確かに天気予報では「夕方からは雨がパラつきます」と言っていた、予想外な雨ではないから、みんなおっきな傘を持参している、おっきな傘、おっきなカバン、おっきなリュック。そういうものが電車の混雑やイライラをさらに高めて、ほとんどの乗客が最初から最後までコムズカシイ表情を崩さない。
面陳
(新刊「さあ、音読だ」、面陳列の光景)

 青葉台に到着、18時30分。公開授業開始19時30分。1時間も待っていたけれども、校舎にはニャゴロワやなでしこの写真が貼られていたり、今井君のプロフィールがデカデカと掲示されていたり、なかなか激しい歓迎ぶりである。

 出席者 ☞ 約120名。高級住宅地だから、大人しいオボッチャマ&オジョーサマが多いのか、最初はクマ助もとまどっちゃうほどの大人しさ。「100%無表情」なんてのも少なくなくて、開始10分ほどはさすがの超ベテラン・クマ蔵も少なからず苦労した。

 それでも10分過ぎぐらいからはいつものペースに乗り、20分が過ぎれば今日の国産ジェットなみの安定飛行。70分を過ぎた頃、理由は不明だが10分ほど静まりかえり、何を言ってもピクリとも動かないフシギな時間帯があったけれども、最後にまた激しく復活した。

 しかし諸君、青葉台での公開授業の写真をこの場に提示することが出来ない。校舎スタッフに「写真をメールで送信してください」とお願いしたにも関わらず、あれから18時間経過しても一向に送信されてこないのである。ならば仕方ない、青葉台の諸君、今日は写真なしで勘弁してくれたまえ。

 なお、この日も新宿で「単独祝勝会」は開催したのである。しかし諸般の事情があって、これもまた写真や詳細をここに掲載することは出来ない。いやはや、この世はマコトに難しい。

 しかし諸君、どんなに難しくても、だからと言っていちいちムカついていてはならない。とにかくこの世は前進あるのみ。ゴーリキーとともに人間を信じ、生温い慰めを排除し、常に熱く熱く100℃に熱して、ひたすら前進をつづけようではないか。

1E(Cd) Böhm & Berlin:MOZART 46 SYMPHONIEN⑦
2E(Cd) Böhm & Berlin:MOZART 46 SYMPHONIEN⑧
3E(Cd) Böhm & Berlin:MOZART 46 SYMPHONIEN⑧
4E(Cd) Jan Garbarek:IN PRAISE OF DREAMS
5E(Cd) Lee Ritenour:WES BOUND
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