Fri 151016 就活問題はスーツをヤメれば解決する 広島から北千住へ お蕎麦屋で祝勝会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 151016 就活問題はスーツをヤメれば解決する 広島から北千住へ お蕎麦屋で祝勝会

 シューカツ解禁の時期を6月に繰り上げるんだという。「2015年からは8月解禁」と決めたのに、たった1年でまた6月に繰り上がる。マスコミは一様に「朝令暮改」と言い、ちょっとチクリと皮肉を述べただけで、それ以上の追及はしない。

 しかし諸君、「6月からシューカツ」と「8月からシューカツ」では、大学生にとっても大学の教員にとっても、そりゃ天と地との違いである。6月なんてのは1学期のちょうど真ん真ん中であって、1学期の授業はたった1ヶ月でプツリと切れてしまう。

 大学の4月は、登録やらオリエンテーションやらで、ほとんど授業らしい授業はない。するとたちまち大型連休になって、5月の第1週はみんなお休みだ。「6月解禁」ということなら、大学4年生の1学期は実質3週間になってしまう。

 要するに、「ないのも同じ」。ごく普通に「1週間に1回の授業」という時間割なら、1学期の講義は3回だけで終わりになる。3回の授業じゃ、教授連は試験の作成にだって困るだろう。学期末試験なのに、塾の確認テストぐらいのものになってしまう。
フルーツババロア
(11月8日、東京・北千住でケーキをいただく)

 地方の大学に通う学生にとっては、事情はもっと悪くなる。シューカツと授業を両立して、「シューカツの合間にキチンと授業にも出る」または「授業の合間にシューカツも進める」ということはほとんど不可能。6月&7月の授業は成立しなくなる。

「6月繰り上げ」の理由として、もっともらしいキレイゴトが並ぶ。「8月に解禁だと中小企業に優れた人材が回らなくなる」「せっかく中小企業が人材を確保しても、最終的には大企業に奪われてしまう」というのだが、その言い草は全く実態と違うんじゃないか。

 何と言ってもツマラン言い訳が、「学生からも『夏場の就職活動は避けたい』という声が多かった」というヤツ。確かに、スーツに慣れない学生たちにとって、真夏のスーツはキツい。しかし、今の東京の6月の暑さは、ほとんど8月と変わらないじゃないか。

 じとじと梅雨の雨が降って、どんどん蒸し暑くなって、スーツは汗みどろ、靴は梅雨の雨でビショビショ。傘だって、連日持ち歩けばマコトに鬱陶しい。結局8月でも6月でも、学生の負担は変わらない。
北千住1
(北千住・教育講演会。雨の中、たくさんの保護者が集まった)

 もし学生のことをマトモに考えてあげるなら、シューカツの解禁は10月ぐらいでも構わない。10月からなら、1ヶ月か2ヶ月でスパッと終わる。実際に今井君の時代には「原則的に10月解禁」だったし、おかげで若きクマ助のシューカツは7日で終結した。

 うぉ、スカッと爽やかに、五郎丸のゴールキックみたいに鮮やかでござるよ。今みたいに半年もそれ以上もかけて大騒ぎをした挙句、あっという間に転職を考える若者がすこぶる多い現状をみれば、スカッと&スパッと、パリッと&サクッと行っちゃったほうがいいじゃないか。

 まあさすがに10月じゃ、採用される側も採用する側も心配だろうから、「8月のまま」に据え置いて、「夏場は避けたい」「アチーのニガテ」という学生たちのために、「リクルートスーツを一切免除する」というのがベストだと思う。

 いや、もっと直截的に「シューカツに、スーツは禁止」というところまで行っちゃっていい。「クールビズ」と言ってオトナたちがネクタイを外し、上着も着ないで涼しい顔で仕事をしている時に、シューカツ中の学生にスーツ姿を強いるのは理不尽だ。
北千住2
(北千住講演会。語る男も聞くヒトビトも、ほぼ同年代である)

 というか、仮装行列みたいな暑苦しいスーツが、いったい誰のためになってるんだ? 本人はもちろんイヤ。傍目にも暑苦しくてイヤ。企業の採用担当者だって、20歳代前半の若者たちの似合わないスーツ姿なんか、ちっとも見たくないはずだ。

 あえて言えば、スーツ廃止で困るのはリクルートスーツ屋さんぐらいか。女子学生だって、みんなポニーテールに黒バッグに黒パンプス。男子も女子も、個性が何にも感じられないじゃないか。

 もうヤメよう、こんなことは。何のためにシューカツ学生にスーツを着せるのだ? 軽装でいいじゃないか(以上、高村光太郎の「駝鳥」ふうに)。男子は、ボタンダウンのワイシャツに、ズンボ。ネクタイなし。さすがにスニーカーじゃ困るが、女子もそれに準じて、通学時の服装にちょっと手をくわえた程度でヨシとする。

 それだけで、「夏場のシューカツは避けたい」という声を一掃できるはずだ。6月みたいな連日の雨ということもないし、8月も下旬になれば暑さも和らいで、コオロギさんも鳴き始める。

 就職先が決まった頃に、大学は2学期へ。いよいよ卒論完成に向かってラストスパート。ほら、やっぱり8月がいいじゃないか。オトナっぽいスーツは、入社式から。シューカツはあくまで学生らしく。それで「夏場は避けたい」という話はみんな解決するのだ。
カツ煮
(祝勝会は、世田谷区代沢十字路付近のお蕎麦屋「富田屋」で。「かつ煮」、おいしゅーございました)

 というわけで諸君、11月7日夜のクマ助は、「祝勝会」で広島の街を深夜までうろついた。今夜はいろいろ都合があって、まず高級フレンチとワインで公式のお食事会。そのあとで再び広島の街へ繰り出し、カウンターだけの小さな飲み屋さんで午前2時まで痛飲した。

 Mac君はこのごろ絶好調で「飲み屋さん」を「野宮サン」、もう制止が効かないぐらいであるが、翌日の今井君は、ヒコーキで東京へ移動。広島空港はタクシーで14000円もかかるたいへんな山の中であるが、朝9時にホテルをチェックアウトして、13時にはもう北千住。やっぱりクマにはビューンが向いている。

 北千住でのお仕事は、15時から。保護者向けの「教育講演会」である。昭和の人間にとって、「北千住」という地名と予備校の存在はどうもミスマッチな気がするのだが、平成に入ってすでに27年、世の中は大きく変化した。北千住は、東大や早慶大を目指す優秀な生徒諸君がワンサと集まっている。

 むかし堺屋太一というオジサマが、朝日新聞に「平成三十年」という小説を連載したことがあった。1997年から1998年の頃、バブルがはじけた頃である。いまでも朝日文庫か単行本で手に入るけれども、20年前の太一どんはなかなか見事に未来を予測していたようだ。

 しかしさすがの太一どんも、「北千住で予備校が繁盛する」「北千住校舎に優秀な生徒がワンサと集まる」という予測はしなかった。20世紀のクマ助には、今は立派な大学教授になっている太古の昔の友人と、北千住で連日連夜飲み歩いた時代があったが、いやはや、この街はあれからすっかり様変わりした。
もりそば
(シンプルな盛り蕎麦もいいですな。オカワリもして、マコトにおいしゅーございました)

 雨の日曜の北千住に集まった保護者の皆さんに、クマ助はまずその話をした。みんな講師とほぼ同世代なので、「ホントに北千住は大きく変わりましたね」と話しはじめただけで、会場は大きな笑いに包まれた。

 出席者は100名弱。保護者100名の光景は、なかなかの迫力である。今井君が予備校講師として最初に教えた生徒諸君は、1991年に18歳であった。あれから25年が経過。すでに42歳とか43歳とか、堂々としたオトナに成長している。保護者講演会に出席していてもおかしくないのである。

 そろそろ「むかしお世話になりました」と挨拶されることもありそうな気配。今朝は広島のホテルの従業員に、帰りの電車の中では30歳ぐらいの会社員男子に、それぞれ「むかし受講していました」と声をかけられたが、パパやママにそう挨拶されても、もう不思議じゃないのである。

 夕暮れ18時から、単独祝勝会。向かったのは、下北沢と三軒茶屋の中間、代沢十字路付近のお蕎麦屋「富田屋」である。いやしいクマ助は、① にしんの棒煮 ② もつ煮込み ③ かつ煮と、次々とツマミを貪り、ビールに日本酒と飲みまくって、蕎麦屋と居酒屋をすっかり勘違いしている。

 お店に入った最初のお客がワタクシであり、最後の〆においしい盛り蕎麦を2枚平らげた午後8時半、お店に最後まで残っていたのもまたワタクシ。長っ尻のヨッパライ。いやはや、ダラしない人生もまた、無類に楽しいものである。

1E(Cd) Avner Arad:THE PIANO WORKS OF LEOŠ JANÁĈEK
2E(Cd) Akiko Suwanai:INTERMEZZO
3E(Cd) Bobby Coldwell:AUGUST MOON
4E(Cd) Bobby Coldwell:CARRY ON
5E(Cd) Bobby Coldwell:COME RAIN OR COME SHINE
total m80 y1801 d17112