Wed 151014 タクシーのカード払い 広大なスイートで「何もしない」 堺東での大盛況 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 151014 タクシーのカード払い 広大なスイートで「何もしない」 堺東での大盛況

 タクシーに乗って、クレジットカードで支払う。マコトに日常的な光景であって、この20年のうちに日本全国に広がった。クレジットよりもっと便利な「Suicaで♡」「iDで♡」なんてのもある。

 タクシーの支払いが一瞬で「ピッ!!」と終わるわけだから、運転手さんにも面倒がかからない。気の弱いクマ助は、混雑した道の真ん中でクルマを止めるのが苦手。周囲のクルマへの迷惑を考えると、現金支払いで「小銭ありませんか?」「ありません」みたいなスッタモンダが耐えられない。

 そこへいくと、何しろ駅の改札を通るのとおんなじ「ピッ♡」だから、まさに「こりゃいいや」であって、東京のタクシーなら意地でもカードでの支払い。札幌でも仙台でも、名古屋でも福岡でも、今やカード支払いのほうが普通なので、全国どこでも「カードで」「はいはい」と気軽に応じてもらえる。便利な世の中になった。

 欧米でも、ごく稀にカード支払いの機械を見かけることはある。マルセイユやアムステルダムの空港から乗り込んだタクシーの運転席の脇に、それらしきものが置かれていて、VISAやMASTERのシールもベタベタ貼られている。

 しかし諸君、運転手さんに「カードOK?」と尋ねてみたまえ。即座に「ノー」の返事があって、機械は当然のように故障中だ。別に運転手さんは悪い人ではないのだが、とにかく「現金&現金」「あたりまえだろ?」という態度。日本とは、21世紀のオトギの国なのである。
堺東1
(大阪府・堺東の大盛況。ホンモノのパンパンパンであった)

 ところが、この「カードでお願いします」は、運転手さんたちにとっては意外にガッカリものであるらしい。カードでの支払いの場合、その手数料は運転手さんが負担するのだそうだ。

 手数料は、料金の5%から10%。タクシー会社によって違いはあるが、料金が3000円なら、150円から300円を運転手さんが負担することになる。「やっぱり現金のほうがありがたいですね」とのことである。

 初めてその話を聞いた時には「そんなバカな♨」と思い、その後5~6人の運転手さんに尋ねてみたが、まさに異口同音。「仕方ありませんね」と苦笑する人ばかりである。あんまり「カード&カード」と言っていると、立場が一番弱い人のところに負担がドッと行ってしまうらしい。

 そのせいなんだろうか、大阪・伊丹空港からタクシーに乗ろうとすると、窓に大きなシールが貼ってあって「このタクシーではクレジットカードは使えません」と明記されている。さすが大阪、ドライバー仲間で自衛しているのかもしれない。
大阪の夕景
(ウェスティンホテル28階から、大阪・淀川の夕景を望む)

 シールのないタクシーでも、乗り込むと間髪を入れずに「支払いは、チケットですか? 現金ですか?」と尋ねられる。チケットか、現金か。つまり「クレジットカードは選択肢にありません」と、暗に告げるわけである。

 その言い方がまるで授業中に教科書を朗読するみたいな言い方なので、「乗客をバカにしてんのか?」と一瞬イラっとするが、さにあらず、いちいちカード手数料を徴収されて困っていらっしゃるに過ぎない。

 日本中を旅していて、こういうのは大阪だけの現象である。特に空港からのタクシーでカードを拒絶されることは普通考えられないから、「さすが大阪」「たくましいな♡」と言ってもいい。こうなると、空港を運営する会社の側で善処してくれることを待つばかりである。

 それでも今井君としては、大阪に来るたびに「チケットですか? 現金ですか?」を繰り返されるのが面倒なので、事前にMKタクシーを予約する。梅田まで定額で、普通のタクシーよりずっと安く行ける。

 空港でキチンと待っていてくれるし、「チケットですか? 現金ですか?」の朗読口調もない。もちろんカードOKで、気分も爽快。これなら仕事も気持ちよく出来る。
リビング
(ウェスティンのスイート、広大なリビングスペース。何故か無料でアップグレードしてもらえた)

 大阪で宿泊するホテルは、いつも梅田のインターコンチネンタルであるが、今日はちょっと事情があって、梅田から少し離れたウェスティンホテルに泊まることになった。

「あいにく、スタンダードなお部屋の準備が整っておりませんので」ということで、無料でスイートにアップグレードしてもらえた。うひゃ、気が遠くなるほど広大なお部屋でござるよ。

 あんまり広大なせいで、どこに靴を脱いだか、どこにスーツを脱ぎ捨てたか、トイレがどこだったか、愚かなクマどんは記憶しきれずに、広漠としたお部屋の中を果てしなくウロウロ歩きまわることになった。

 漱石の「坊ちゃん」は、赴任先の松山で12畳の座敷に通され、やっぱり気の遠くなるような思いにかられるが、今井ボッチャンの右往左往はそれを遥かに凌駕する。サッカーは無理でもフットサルぐらいなら出来そうな広さなのだ。このお部屋に2泊する。

 そのせいもあったのだろうか、11月6日は丸一日、何にもしないでずっとお部屋の中に逼塞していた。仕事は夕暮れからだから、例えば京都に出かけるとか奈良を散策するとか、琵琶湖に行ってみるとか生駒山に登るとか、早起きすれば何でも出来たはずなのに、広いお部屋でヌクヌク、結局なんにもしなかった。
ベッドルーム
(ベッドルームも広大&豪華。かえって縮こまってしまった)

 クマのプーさんじゃあるまいし、「なんにもしない」をしてましたというマコトにダラしない中年であって、せめて大阪の旨い昼メシでも食べに出かければいいところ、それも何だか面倒でヤメにした。諸君、広すぎるお部屋は、肉体的にも精神的にもあんまりいいものではないようである。

 コンビニで買ったチーズとヨーグルトだけで寂しくお腹を満たし、夕暮れの仕事場に向かった。梅田 ☞ 難波を経由して、今日の仕事もまた大阪府堺市。昨日も堺、今日も堺。堺は豪商の街であって、「今井宗久は我が祖先である」などというバカバカしいバカ話の1つも作ってみたくなる。

 チーズ腹&ヨーグルト腹をゆすりながら、南海電車に揺られて堺東駅に到着。いやはや、そこいら中で「今井先生ですか?」「スゲ!!」「スゲ!!」「ホンモノだ♨」「動いてる!!」の諸君に出会う。伊丹空港で3人、梅田でカップル2人、難波でもやっぱりカップル2人。サインも求められた。

 広いお部屋で何にもせずに1日中しゃがんでいた情けない中年のクセに、こうして若々しい諸君にチヤホヤされると、いやはや、気恥ずかしいものである。「実は1日しゃがんで過ごしたんです」とも言えず、「何にもスゴくありませんよ」「ただの中年ですよ」と苦笑するしかなかった。
堺東2
(もう1度、堺東の大盛況)

 堺東でのお仕事は、19時半開始、21時20分終了、出席者130名。写真でご覧の通り、会場は「これ以上入りません」「パンパンのパンです」という大盛況であった。

 19:30開始、21:20終了ということは、「あれれ、110分ですよ」「いつもより長くないですか?」であるが、まあ大目に見てくれたまえ。今回は校舎での開催であり、参加してくれた諸君のノリがあまりにもよかったので、つい20分も延長してしまった。

 クマ助ほどのベテランでも、こういう伸びたり&縮んだりがありうるから面白い。楽しきゃ長くなり、楽しくないとちょいと縮む。今井君も生き物だから、ナマ授業での伸び縮みは、まあ許してくれたまえ。

「楽しくない」ということは1000回に1回しかなくて、この10年でたった1回、普段より5分ほど早く全てを語りきった経験があるが、あれはもう10年前の冬のこと。おやおや、当時の受講生たちは、もう30歳に近づいているのである。

1E(Cd) Akiko Suwanai:DVOŘÁK, JANÁĈEK, and BRAHMS
2E(Cd) Solti & Vienna:WAGNER/DIE WALKÜRE 4/4
3E(Cd) Mascagni & Teatro alla Scala di Milano:MASCAGNI/CAVALLERIA RUSTICANA
4E(Cd) Molajoli & Teatro alla Scala di Milano:LEONCAVALLO/I PAGLIACCI
5E(Cd) Solti & Chicago:HÄNDEL/MESSIAH 1/2
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