Thu 151008 新刊が絶好調らしい 菊之助/塩野宏/志村ふくみ 藤沢の大盛況と大熱演 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 151008 新刊が絶好調らしい 菊之助/塩野宏/志村ふくみ 藤沢の大盛況と大熱演

 おお、売れる&売れる。書いた本人も、「さあ、音読だ」というタイトルで、まさか最初からこんなに絶好調になるとは思わなかった。こんなに売れるものならば、最初からもっとたくさん印刷してもらえばよかった。

 どこの本屋さんでも、ホントにどんどん売れる。あのアマゾンでさえ、「一時的に在庫切れ」「入荷予定は未定」であって、税ぬき600円の新書判を、すでに超高値で出品しているコレクターまで存在する。

 もし本屋さんに行って「売り切れ」だったら、諸君、遠慮なく「注文」を出してくれたまえ。本屋さんのオジサンなりオネーサンなりに、「今井宏著『さあ、音読だ』東進ブックス」ないし「東進新書」で注文してくんろ。

 東進の新書判として、この初の試みが大成功を収めれば、きっと「今井先生、こういうのをもっと書いてくれませんか?」ということになるはず。ブログ読者諸君ならよーく分かっていらっしゃると思うが、今井君はまさに「こういう本」の執筆名人。どんどん書いてみせまっせ。

 こんなに素晴らしい売れ行きになったのも、きっと天国のなでしこのおかげだ。今ごろ例のシマシマのお顔をなでなでしながら、「怠け者のクマさん、久しぶりに書いてみて、ホントによかったですね」と、優しく呟いているに違いない。
藤沢1
(神奈川県藤沢での大盛況。パンパンパンのパンであった)

 しかし諸君、ハムレットのセリフ「ホレーショよ」ではないが、「この広い世の中にはな…」であって、文化勲章を受章することに決まった面々の名前を見るに、「7年ぶりの本で売り切れ続出♡」という程度のことで、手放しでニコニコ&ウキウキしてもいられない。

 今年の文化勲章は、マコトに豪華な顔ぶれである。行政法学の塩野宏、染織の志村ふくみ、俳優の仲代達矢。「文化功労者」には、政治学の佐々木毅、歌舞伎の尾上菊五郎。おお、高校生から大学生のころの今井君が影響を受けた人たちばっかりだ。

 佐々木毅教授は、何と諸君、秋田県立秋田高校の先輩だ。専攻は西洋政治思想史。「オレだって、ホッブズにロックにルソーに、政治思想史に憧れて育ったんだ!!」と絶叫してみたいところだが、高校生でそういう岩波文庫を十数冊読んでみただけのこと。自らの怠惰な人生がお恥ずかしい限りである。

 尾上菊五郎は、はるか昔の「尾上菊之助」時代に、NHK大河ドラマ「源義経」で憧れた存在。今でもYouTubeでその勇姿が眺められる。平泉・高舘の「弁慶の立ち往生」のシーン、緒形拳の弁慶が壮絶な最期を遂げてみせたところで、若々しい菊之助の義経が登場する。

「弁慶!!」「弁慶!!」と、立ったまますでに事切れた血まみれのシカバネに向かって、無邪気な笑顔で呼びかける姿。その死に気づいて「死してなお、我を守るか」と感激しつつ、自らも死を決意する表情。長い菊之助 ☞ 菊五郎の人生でも、最高のシーンだったと信じる。
塩野志村
(塩野宏「行政法を学ぶ」と、志村ふくみ「一色一生」。祝・文化勲章でござるよ)

 行政法の塩野宏教授については、室井力教授との共著:有斐閣選書「行政法を学ぶ」が今もなおクマ助の本棚に残っていた。学部生のころ連日飲み歩いた古い古い友人が、「塩野はスゴいんだ」「塩野はスゴいんだ」と酔っぱらって連呼していた。

 クマ助は法律なんか全然分からないから、塩野宏がどうスゴいんだかサッパリ分からなかったけれども、「行政法が一番面白い」「行政法なら俺にまかせろ!!」とまで豪語した弁護士志望のその友人に多大なる影響を受け、早稲田の古本屋で思わず「行政法を学ぶ」上下巻を購入してしまった。

 買ったはいいが、全く理解できない。だって諸君「段落わけ」なんか一切ナシ。前書きには「難解な行政法理論を一般の読者にも分かりやすく説いた」とあったが、「コイツのどこが分かりやすいの?」な世界。上下巻を2ヶ月かけて読み上げたけれども、今井君のここまでの人生で一番ツラい読書であった。

 しかしやっぱり専門家にはスンバラシイ本であったらしくて、塩野教授の大ファンだった彼は、その後弁護士として大活躍。今ではちっとも塩野教授や行政法のことを口にしなくなったが、酒ならクマ助に負けず劣らずの飲みっぷりだ。どうやら行政法を読むと、お酒に強くなるらしい。
ババロア
(藤沢でケーキをいただく。2つも用意していただいたうち、フルーツとババロアのほうを選択。とにかく諸君、今のクマ助は「肥満注意報」である)

 そういう学部生時代に、塩野教授の行政法と並行して夢中になったのが、志村ふくみ「一色一生」である。若き女性染織家の本になぜクマ助が夢中になったかと言えば、これもまたNHKがきっかけだというのだから恐れ入る。

 大昔のNHKラジオに「朗読の時間」というのがあって、今井君はこれを聞くのが日課。NHKラジオには他に、森繁久彌と加藤道子の2人による「日曜名作座」なんてのもあって、十分に音声だけで名作に親しめた。

「朗読の時間」はあんまり気に入ったので、毎日カセットテープに録音して、通学の電車の中でも聞き続けた。竹内三郎アナによる朗読・巌谷小波の「猿蟹・後日物語」「八幡太郎」の2作は、カセットテープが擦り切れるほど聞いて、今でも竹内三郎アナそっくりに暗誦できる。

 村岡花子訳の「赤毛のアン」もあった。昨年の朝の連ドラ「花子とアン」の村岡花子どんでござる。名作「パパラギ」もあった。「はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集」であるが、予備校の教室でも生徒諸君に熱くオススメしたほどのお気に入りであった。

 志村ふくみ「一色一生」もそのラインナップにあって、今でも講談社文芸文庫から出版され、朗読CDもついている。30年前のNHKの録音はおそらく今井君の書斎にしかないが、カセットプレーヤーがないから、クマ助は10年前にCDに焼いた。おお、「焼いた」という言葉自体が、とっくに死語なんじゃないかね。
藤沢2
(藤沢、どのアングルからでもパンパンである)

 というわけで10月末日のクマ助は、新刊書「さあ、音読だ」の売れ行きをなでしこに感謝したり、文化勲章に名を連ねた面々の著書を本棚から引っ張りだしてペラペラめくってみたり、そうやって午後遅くまでホノボノと過ごした。

 夕暮れからは、神奈川県藤沢で公開授業。藤沢には、新宿駅から小田急ロマンスカー「えのしま」に乗ってゆっくり座っていくのであるが、出かける前にスーツ一着の断捨離を決意した。

 1999年、渋谷のZEGNAショップで購入。四天王の一角として君臨した代ゼミ生活8年のうち、後半の4年をともにした懐かしいスーツである。1999年5月中旬、代ゼミ初の試みだった「教養講座」に出講したときにおニューで着用。その後15年をともに過ごしてきた。
断捨離
(15年選手のスーツを断捨離。マコトに思い出の多い15年をともに過ごした)

 しかしさすがにもう15年選手。高解像度カメラの前には立てないロートルになったから、最近は公開授業専用として頑張ってくれたが、最近は「もうそろそろ休ませてくれませんか?」と弱音をはくようになった。

 10月18日、北海道・小樽での公開授業あたりで、疲れ果てたスーツ君はもう泣きそう。「なでしこ君とともに、引退させてください」という申し出を受け、ついにスーツ君の辞表を受理することにした。

 藤沢での公開授業は、19時半開始、21時10分終了。出席者120名。写真でご覧の通り「もうこれ以上は入れません」「これ以上入ったら、おまんじゅうからアンコがはみでちゃいます」というウルトラ大盛況。こんな大盛況になると、クマ助の勢いももうとどまるところを知らない。

「クマにケーキを与えないでください」と懇願しておきながら、結局ケーキもスカッと飲み込んで、ますます大ハリキリ。ハリキリすぎて10分以上延長してしまったけれども、まあ諸君、許してくれたまえ。この週末もまたテンコモリすぎて、晩秋のクマ助にはまだ冬眠の気配すらないのである。

1E(Cd) Cluytens & Conservatoire:RAVEL/DAPHNIS ET CHLOÉ
2E(Cd) Miolin:RAVEL/WORKS TRANSCRIBED FOR 10-STRINGED & ALTO GUITAR
3E(Cd) Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 1/2
4E(Cd) Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 2/2
5E(Cd) Martinon:IBERT/ESCALES
total m40 y1761 d17072