Thu 150924 北海道は紅葉真っ盛り アサヒビール園でジンギスカン ちとアブラが多い | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 150924 北海道は紅葉真っ盛り アサヒビール園でジンギスカン ちとアブラが多い

 10月15日には沖縄で、30℃近い気温の中で大汗をかいた。16日は東京に戻り、日本全国スカッとした秋晴れの中、何故か東京だけシトシト降り続く秋雨に濡れた。翌17日、またまたクマ助は羽田に向かい、ビューンと北海道に飛んできて、紅葉真っ盛りの山々を眺めている。

「こりゃそろそろ冬眠だんべ」。10月中旬のヒグマさんたちは、そろそろ慌てはじめている。慌てたクマが一番危ないので、オホーツク海岸の町・紋別では体重400kgという恐るべきクマさんが捕まった。

 逸ノ城と照ノ富士がガップリ四つに組み合っても、400kgには達しないのだから、その巨大ぶりに息をのむ。中国でもクマさんが中学校に侵入、なかなかのヤンチャぶりで中国の人々を恐怖に陥れたらしい。

 スズメバチ、などという物騒なシロモノも乱舞するから、秋のこの時期は油断していられない。九州に侵入した外来種の巨大スズメバチは、その巣の大きさがバレーボール大だという。

 一昨年秋の今井君は、京都・奈良県境の「石仏の道」を散策し、岩船寺から浄瑠璃寺に向かったが、山中の薄暗い小径の脇でスズメバチの乱舞に遭遇。巣のそばに出現したクマ人間を威嚇するハチ諸君であったが、気合いタップリの重量感のある羽音に、まさに命の危険を感じた瞬間であった。
ジンギスカン1
(札幌、アサヒビール園のジンギスカン)

 沖縄 ☞ 東京 ☞ 札幌と、こんなに激烈な全国行脚を続けていれば、普通なら「おカラダに気をつけてください」というネギライのコトバぐらいかけてもらえるものであるが、クマ助みたいに遊び回っていると、人々の態度も長い間にだんだん変化してくる。

「今度はどこに行くんですか?」「明日は何を食べるんですか?」というニヤニヤ笑いが先に立つので、今井君としてもそういう笑顔のほうがずっと嬉しい。沖縄ではずいぶん大人しくしてきたから、北海道ではさっそくジンギスカンを満喫してこようと思う。

 諸君、昨年までのクマ助は、札幌に到着した直後にタクシーに乗り込み、躊躇なく「サッポロビール園!!」と運転手さんに告げたものである。12月とか2月、キンキンに凍りついた札幌の街を行き、はるかな赤煉瓦の建物からヒツジの肉の焼ける香ばしいカホリを感じるのは、まさに祝祭の雰囲気である。

 しかし今年のクマ助は、「ちょっと趣向を変えてみよう」と思い立った。サッポロビール園は、20名とか30名の団体さま向け。「カンパーイ!!」の絶叫とともに、集団でヒツジにかぶりつく。そういう趣向の場所である。単独でヒツジ♡ワシワシをやるのは、さすがにちょっと気が引ける。
紅葉
(10月中旬、北海道は紅葉の真っ盛りである)

 最初に思いついたのは、「地元の小さな名店に行ってみるか」であって、「ふくろう亭」「だるま」「しろくま」など。カウンターだけです、予約はできません、全面喫煙席、クレジットカード不可、現金のみ。その他いかにも「ウチはガンコです。覚悟して下さい」という気合いの文字が踊る。

 すると諸君、内気なクマとしてはやっぱり躊躇せざるを得ない。叱られながらメシを食うのは真っ平だし、叱られすぎるとクマが爆発&暴発するのは、紋別や中国の巨大グマと同じことである。

 何しろ翌18日には小樽でお仕事がある。小樽でのお仕事のために来ているので、ジンギスカンのついでにお仕事をするのとは全く違う。ならばその前日に「ジンギスカン屋でクマが暴れた」なんてのは最悪の選択である。

 となると、残った選択肢は「アサヒビール園」ぐらいである。以前ヒトに勧められたこともある。札幌の中心部からはちょっと遠いが、タクシーで2000円ほどの距離。1980年代前半から、「ビールはアサヒ」路線を外したことのない今井君だ。やっぱりジンギスカンも試してみなきゃダメだろう。
輪厚
(新千歳空港からは、バスで札幌に入る。途中の「ワッツ」とは、漢字なら「輪厚」。興味深い地名が多い)

 エラく話し好きな運転手さんと、世界中のいろんなウワサ話に花が咲くうち、20分ほどで到着。地下鉄・白石駅の近く、正式名称は「アサヒビール園 白石はまなす館」である。

 16時半、まずビックリするのがその閑散ぶりである。「やってるんですか?」「入っても大丈夫ですか?」であって、広大な店内にお客は4組ほど。4~5人ずつのオバサマグループが、申し訳なさそうにジュージューやっている。

 低いパーテーションで囲まれた4人テーブル10脚ほどの一角が「禁煙席」。従業員も4~5人しかいないが、確かに4~5人で捌ききれるぐらいのお客しかいない。今井君はさっそく「食べ放題」&「飲み放題」のコースを選び、とりあえず周囲を恐る恐る見渡しながら最初のビールをグビグビやってみた。

 運ばれてきたヒツジさんたちは、いきなり大量だ。丸いヤツと、丸くないヤツと、赤いお肉が渾然一体になって、死してなおヒツジとしての不満をメエメエ訴え続けている。

 あんまりメエメエうるさいから、クマ助は「ええいウルサイ、焼いちゃうぞ」という暴挙に出る。鉄板に野菜を敷きつめ、モヤシにピーマン、キャベツにタマネギ、その類いの諸君から朦々と上がる湯気にフタをするようにヒツジ君を並べていく。
食べ放題
(いきなり、ドンと肉が来る)

 蒸し焼き。これが正しいジンギスカンの流儀だと誰かから聞いた。いつごろ聞いたかと言うに、おそらく小学3年の春、岩手県の小岩井農場でのことである。「三つ子の魂100まで」であるが、小3の魂も100まで続くものであるらしい。

 タレも2種類揃っていて、丸いほうの肉にはA液、丸くないほうにはB液、理科室の実験みたいに決まっている。サッポロビール園のほうは一種類のみだから、何となく「アサヒのほうが丁寧じゃん」とホクホクする瞬間であった。

 ところが諸君、残念ながらここのお肉はクマ助の好みとは方向性が逆。「アブラが多い」「あまーい」という、世間一般では持てはやされる肉質である。

 しかしいやはや今井クマ蔵は
「余計なアブラはヤメてくれませんか」
「あくまでたくましい赤みを、たくましく&雄々しく、ワシワシ&ワシワシ」
というタイプ。アブラが多いと、一気に食欲を失う。

 午後6時を過ぎて、団体客が次々と訪れはじめた。ほとんどが地元の団体であって、「○○町内会ですが」などという人々もいる。中国団体バスツアーの巨大集団も訪れて、一番奥にズラリと並んだテーブルに導かれていく。
ジンギスカン2
(ヒツジさんたちも旨そうに焼けてきた)

 食べ放題・飲み放題は「2時間がリミット」だから、追加も含めて大量のヒツジを貪りきったクマ助は、そろそろ退散のお時間。アブラのせいで眉間がジンジン重たくなってきたのを、赤ワインに日本酒に黒ビールに、考えられるかぎりのアルコールでキレイに流してから、店のヒトにタクシーを呼んでもらった。

 帰りのタクシーもまた「プロ野球大好き」な運転手さん。20分余り、日本ハムファイターズの話、大谷クンと斎藤佑樹クンの比較論、20世紀・東京時代のファイターズがどれほど不人気だったかの話、そういう話題で盛り上がっているうちに、あっという間にホテルに着いた。

 しかし諸君、アブラが胃袋からこみ上げてくる。運転手さんの話でも、「肉を貪るならサッポロビール園、ビールを楽しむならアサヒビール園」と、だいたいそれが定評になっているらしい。

 確かにクマ助も、肉からソースから肉の焼ける豪快なカホリまで、サッポロに軍配をあげる。あの騒然とした雰囲気もいい。

 「サッポロビール園」の帰り道なら、キリッと冷えた空気の中で、ポンポンの中のヒツジさんたちはまだメエメエ不満を漏らしているが、どうやらやっと諦めて天国に召されていく。クリスマスツリーのきらめきもたまらない。

 今夜は、まあちょっとした失敗か。しかし諸君、まだ明日がある。小樽の仕事の後で、札幌をどう楽しむか、手ぐすねを引きながらベッドに入ったクマ助なのであった。

1E(Cd) Barenboim & Chicago:SCHUMANN/4 SYMPHONIEN 1/2
2E(Cd) Barenboim & Chicago:SCHUMANN/4 SYMPHONIEN 2/2
3E(Cd) Holliger & Brendel:SCHUMANN/WORKS FOR OBOE AND PIANO
4E(Cd) Indjic:SCHUMANN/FANTAISIESTÜCKE CARNAVAL
5E(Cd) Argerich:SCHUMANN/KINDERSZENEN
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