Sat 150919 ホラミロオジサン♡面目躍如 蕎麦屋で祝勝会 諸君、ラグビーを見に行こう | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 150919 ホラミロオジサン♡面目躍如 蕎麦屋で祝勝会 諸君、ラグビーを見に行こう

 一昨日予告した通り、今井君はまさに満を持して「ホラミロオジサン♡面目躍如」を書かせてもらうことにする。みんなが一顧だにしない中、「最後のアメリカ戦、必ず藤田が出てきて大活躍するぞ」と予言。予言はまたまた見事に的中した。

「藤田はたとえ出てきても、どうせ全くダメなんじゃないか」という人も多かった。もともと「オレがオレが」というタイプ。ボールを持ちすぎる、バックスなのにディフェンスを忘れて前がかりになりすぎる。そういう欠点を指摘されることも多い。

 しかし諸君、小学3年以来 ☞ 数百年のラグビー観戦歴を誇るクマ助は、9月20日早朝の南アフリカ戦を熊本のホテルのテレビで眺めながら、藤田の大きな成長を感じていたのだ。

「えっ、南アフリカ戦の藤田?」とビックリする諸君。まだまだ諸君はラグビー観戦初心者であるね。幕切れ直前の84分、NHKの豊原アナが
「人数的には、余った!!」
「行けェー!! 行けェー!!」
「トラーィ!! トラーィ!!」
と歴史的な絶叫を繰り返した直後のことだ。

 諸君、「NHKオンデマンド」で、南アフリカ戦終了直後のシーンを確認してくれたまえ。ウィング14番で先発、ディフェンスにオフェンスに大活躍して交代 ☞ 退場した山田章仁選手は、喜びすぎてコンタクトが外れたらしい。爆笑しながらコンタクトを入れ直している。
ナデシコ
(午前4時のラグビー観戦。ナデシコは100%批判的な表情でクマ助を見下ろした)

 その次の瞬間、選手たちの背後を男泣きしながら通過するのが藤田。80分の激烈な戦いの中、出場の可能性すらゼロの立場でジッと裏方を務め、つのる悔しさをジッとこらえつつ、しかしこの歴史的勝利の喜びを心から噛みしめていたのだ。

 藤田は高校時代からの超エリートであって、そもそも「悔しさ」などという感情を日常的に知悉している男子ではない。「出場できない」という経験だって、おそらく今回が初めてのはずである。

「悔しさの中で裏方に徹する」「歴史的勝利の後も全く注目されない」という苦しい経験が、彼を大きく成長させても不思議ではない。その彼が最終・アメリカ戦で声をかけてもらえば、次世代の中心選手としての自負が、ムラムラと湧き上がっても致し方のないところである。

 しかし諸君、彼はマコトに大きく成長していた。「オレが&オレが」の片鱗も見られない。おそらく呪文のよう「ONE FOR ALL」「ONE FOR ALL」と呟き続けていたに違いない。

 その結果は、諸君も見た通りだ。前半、松島の逆転トライは、その前のフェーズでの小野のキックに、藤田が猛禽類的快足を飛ばして追いすがったのがキッカケ。自ら拾ったボールを生かすために。捨て身で相手に立ちふさがった姿勢も見事だった。

 モールからトライしたのもマコトに印象的であって、本来14番の選手がモールトライに参加するのは極めて珍しいシーン。見方によっては「それこそ『オレがオレが』の象徴じゃないか」という意見もあるだろうが、ウィングとして縦横無尽の快足を披露したいはずのところ、よくガマンしてフォワードプレイに徹し続けた。
にゃご1
(午前4時、ニャゴは白鳥さんのマネで楽しんでいた。確かにシッポが白鳥の首に見えるが、シラサギとの区別をどうつけるか、本ニャンも困惑の態である)

 世間はゴローマル一色であって、メディアでは「芸能界も熱視線」という発言もあるようだが、ゴローマルが男泣きしつつ断言した通り「全員がヒーロー」であって、相手陣深く入った位置で全員がフェアプレーに徹したからこそ、PGのチャンスがあんなに何度も巡ってきたのである。

 ゴローマル自身、これ以上ケーハクに持て囃されるのはヤメにしてほしいはず。メディアがもっとマジメに考えるべきなのは、ラグビー人気が一過性のもので終わらないように継続的な努力に取り組むことである。

 どうだろう、とりあえず「スクールウォーズ」のリメイクぐらい企画してみては。高校生がもっともっとラグビー部に入部したくなるような雰囲気を作ろうじゃないか。「ラグビー部のマネジャーになりたい」という生徒もどんどん増加してほしい。

 大学ラグビーの人気だって、あの夢のような1980年代を復活させたいじゃないか。早稲田・慶応・明治・同志社を中心に、「大学スポーツと言えばまずラグビー」だった時代を取り戻し、秩父宮も花園もたちまち満員、「新国立競技場のコケラ落としは大学ラグビーで」と言わせるぐらいになってほしい。
にゃご2
(ニャゴは後ろを向いて「竜巻のマネ」に切り替えた)

 そもそも、予選敗退にも関わらず日本全体を覆うこの爽快感の実態は何なんだろう。それはおそらくラグビーというスポーツの知性であって、あれほど激しいボディコンタクトが連続しても、滅多なことでは乱闘にならないその忍耐力こそ、知性の本質なのである。

 退場を言い渡されても、抗議のポーズ1つ、不満の表情1つ見せずに、黙々とシンビンの判定に従う。相手に明らかな反則行為があっても、レフェリーがそれを反則と判定しない限り、選手から抗議を申し出ることをしない。この潔さこそ、敗退にも関わらず日本全体が爽快感に酔っている理由なのである。

 3勝1敗という成績も見事であったが、あれだけ筋骨隆々の男たちが、レフェリーの判定に雄々しく従ったひたむきな姿もまた見事。大袈裟に相手の反則を訴え、両腕を広げ、肩をすくめ、それでも抗議が受け入れないと、天を仰いで激烈に抗議を続ける、その類いの文化は、ラグビー精神の中には存在しない。

 今大会でも、密集から出るボールを拾おうとした日本のSHが、ボールを持たないうちに背後から抱きかかえるように引き倒される反則シーンを何度も見かけた。しかしタナカもヒワサもそれをアピールすることをせずに、雄々しく黙々とプレーを続けた。世界中が大喝采してくれたのは、まさにその雄々しさなのである。
鴨焼き
(ラグビー大祝勝会は、世田谷区代沢「富田屋」で。写真は「鴨焼き」、お蕎麦屋でお酒を飲むのは最高である)

 ニワカに燃え上がったラグビー人気を、決して一過性のものにしてはならない。サッカーばかりが持て囃されたこの30年、日本のラグビーファンは、まさに「臥薪嘗胆の思い」でこの日を待ち受けていた。

 高校ラグビー、大学ラグビー、もっともっと盛り上がらなきゃダメだ。11月23日には早稲田 vs 慶応戦があり、12月の第1日曜には早稲田 vs 明治戦もある。早稲田からは、五郎丸と畠山と藤田がワールドカップに出場、日本のラグビーは、常に早慶明が率いてきた。それなのに秩父宮に空席が目立つようじゃイカンのだ。

 花園も、もっともっと盛り上がるべきだ。大活躍だった立川は天理大の出身だ。天理vs同志社、同志社vs立命館、そういう伝統の一戦は、残らず満員であるべきだ。諸君、どんどんチケットを買いにいきたまえ。

 トップリーグだって、もっともっと観戦者が増えていいはずだ。初心者なら、とりあえずヤマハの試合を見に行きたまえ。あの五郎丸の勇姿が、すぐ間近に見られるはずだ。

 かつて早稲田で日本代表として活躍したSH ☞ 矢富だっている。大田尾も田中渉太も宮沢もいる。監督の清宮パパも目撃できる。「次のデートは、ラグビー♡」。1980年代、an anやnon noみたいなファッション雑誌の特集には、しょっちゅうそういう文字が踊っていたはずだ。
鍋焼きうどん
(世田谷区代沢のお蕎麦「富田屋」で、今年初めての鍋焼きうどんをすすった)

 その際、ぜひラグビーの応援ルールを大切にしてくれたまえ。感情はできる限り抑制して、相手を罵倒したり威嚇したりしない。のべつまくなしに声を合わせて歌を歌ったり、旗をふったり踊ったりしない。

 太鼓やラッパみたいな鳴り物は持ち込まない。応援は肉声と拍手のみで、あくまで自然発生的に。好プレーなら、それが相手選手のプレーであっても、決して拍手を惜しんではならない。

 その点、ワールドカップの応援にホンの少し残念なところがあった。鳴り物ではないが、何か木のヘラのようなものをカチカチ打ち合わせる音が混じっていなかったか。相手選手が慎重にPGを狙っている最中にも、激しいニッポンコールが続いて、選手の神経の集中を奪うシーンがなかったか。

 うにゃにゃ、オジサンのタワゴトにすぎないが、威嚇・暴言・のべつまくなしの歌声や鳴り物、そういう要素が入り込むと、2015年秋の日本をあんなに爽快に酔わせてくれたラグビーの感動は、たちまちダラしなく色あせてしまうのである。

1E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 1/9
2E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 2/9
3E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 3/9
4E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 4/9
5E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 5/9
total m95 y1526 d16837