Wed 150916 ホラミロオジサン 咀嚼なしの嚥下 鶏の丸焼き(また夏マルセイユ23) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 150916 ホラミロオジサン 咀嚼なしの嚥下 鶏の丸焼き(また夏マルセイユ23)

 もしもこの世に「オジサン指数」というものがあるとすれば、その算定法には必ず「ホラミロ回数」を入れるべきだろう。オジサン度が高まれば高まるほど、日常的に「ホラミロ!!」を口にする頻度も上昇する。

「ホラミロ!!」は、寝転んでスポーツ中継を見ているオジサンの定番。特にプロ野球に多い。
「ホラミロ、やっぱりバントだっただろ」
「ホラミロ、先発ピッチャーはマイコラスだったろ」
「ホラミロ、坂本はチャンスで三振しただろ」
など、太鼓腹を叩きながら誰も聞いていないホラミロを連発する。

 1990年代初頭、サッカーJリーグが始まってからは、サッカー・ホラミロオジサンも増えた。カズやラモスやアルシンドのプレーに熱狂しながら、全国にたくさんのサッカー・ホラミロがコダマしたものである。

 2015年秋の日本では、ニワカに「ラグビー・ホラミロ」が急増。小学3年からラグビー観戦を続けている今井クマ蔵にとって、ラグビー・ホラミロ現象はマコトに嬉しい限りである。2019年のワールドカップ日本開催に向け、もっともっとラグビー♡ホラミロが市民権を得ることを期待してやまない。
鶏の丸焼き
(9月3日、マルセイユのアラブ人街で鶏の丸焼きを購入する)

 ならばここは今井君自身が、熱いラグビー♡ホラミロを実践しなくちゃならない。南アフリカ戦の数日前に、日本の劇的勝利を予言したほどのホラミロオジサン ☞ クマ蔵だ。ホラミロを次々に絶叫すれば、奇跡的ベスト8入りだってまだまだ諦めるのは早い。

 そこでとりあえず今日のホラミロであるが、「ホラミロ、早稲田の藤田が先発を勝ち取ったじゃないか」、さすがにこれは胸を張って言えるホラミロである。

 サモア戦まで、リザーブにも入れてもらえなかった藤田クン。しかしクマ助は、プール最終戦に彼がWTB・14番での先発を任されることを予感、一昨日の記事にハッキリ書いたはずだ。エディHCによれば「藤田の活躍を直感しました」とのことである。

 4年後の活躍を見据え、若手に経験を積ませることまで含めて、さすがエディどん、素晴らしい選手起用である。猛禽類よろしく縦横無尽に走り回って、アメリカチームが目を白黒させるような豪快なプレーを期待する。

 諸君、さすがホラミロ♡オジサンじゃないか。さすがホラミログマじゃないか。いやはや、何だか日本チームのキャプテンを眺めるたび、「これはオレじゃないか?」と錯覚するだけのことはある。
紙袋
(鶏の丸焼きを、店のオバサマが可愛い紙袋に入れてくれた)

 願わくは明日11日の深夜、というか明後日12日早朝、今井クマ蔵が「ホラミロ」「ホラミロ」「ホラミロ」と10回ぐらい明け方の空に絶叫できたら、まさに本望。世界のゴローマルからパスを受けた藤田が「相手ディフェンスを数人かわしてトライ」というシーンを、2回でも3回でも目撃したいものである。

 何しろ、普段の今井君は「ホラミロ」を出来るかぎり控えている。ホラミロ連発は、
「先生の勧めてくれた音読のおかげで、英語の成績が飛躍的に伸びました」
と、生徒が報告しに来てくれた時ぐらいに自己規制しているのである。

 しかし諸君、いくら自己規制しても、「伸びました」「伸びました」の報告はマコトに頻度が高い。公開授業1回につき、5人も6人も列をなして「伸びました」の報告があれば、それだけで「ホラミロ」も当然5回6回連発せざるを得ない。

 そのぶんスポーツ観戦では、出来るだけガマンすることにしている。すると諸君、ヤセガマンはカラダに良くないので、ホラミロ♨ガスがお腹に蓄積して、思わず体外に噴出し、他人に迷惑をかけかねない。ガマンも大概にしたほうがよくて、そこで今日はとりあえず「ホラミロ、藤田が出てくるだろ」だけは書かせてもらうことにした。

 あとはもちろん12日朝のクマ助が「ホラミロ、大活躍しただろ♡」とブログを書き始めることを期待していてくれたまえ。もちろんその時のタイトルは「ホラミロオジサン面目躍如」だ。
バンドール
(ロゼワイン・BANDOLも購入。これをコンビニで買った氷1袋でギュッと冷やす)

 さてマルセイユ旅行記であるが、9月3日のランチは昨日も書いた通り「ひたすら生牡蠣」なナマガキ世界。生牡蠣30個は胃袋の中で潔くワイン漬けになり、クマの胃袋はたくましく労働に励んで、さっそく牡蠣どんたちの消化を始めた。

 牡蠣を食する場合、「咀嚼するか or しないか」は常に重要な選択になる。相手ゴール前でペナルティをもらって、着実にPGの3点を狙うか、タッチに蹴り出してモールトライを狙うか、その大問題に引けを取らないほど、マコトに重要な選択なのである。

 世の中にはたいへん気難しい人が多くて、
「何ごともウノミはいけません」
「記憶よりも理解がはるかに大切です」
「丸暗記なんか、何の意味もありません」
と、特に現代日本ではウノミは全面否定されることになっている。

 昭和の昔はもっといろいろ難しくて、給食の牛乳ですら
「ゴクゴク飲んではいけません」
「口の中で何度も牛乳を咀嚼するようにして飲みましょう」
「唾液と混じりあうことによって消化もよくなり、牛乳の甘みも増すものです」
と、担任の先生にうるさく言われたものだった。
1羽
(鶏まるまる1羽。こうして見るとなかなか不気味である)

 しかし諸君、ウノミも丸呑みも、それなりに味わい深いことがあって、そもそも仕事帰りの冷たいビールや、部活の後の冷たいお水1杯を、「ゴクゴク飲んではいけません」なんてのは、ストレスがたまるだけである。

 若い諸君なら、「牛丼やラーメンをキチンと咀嚼する」ことのモドカシサやストレスを肉体で理解できるはず。カレーも、飲むためにある。ラグビー部や柔道部の男子なら、カレー1杯5秒で平らげるはずだ。

 むかしむかし必殺仕事人・藤田まことどんは、「ウドンは飲み込むもんや。もぐもぐ噛んでたら、それはウドンちゃうでぇ ☞ オダンゴや。ウドンは熱いまま飲み込んで、そのノドごしを楽しむもんや」と喝破した。NHKの番組で、「どんなに熱いウドンでも4口で丼をカラにします」とおっしゃった。

 英単語でも英文法でも、力づくの丸暗記&ウノミだって、
「手っ取り早くて爽快だ」
「メンドーな説明は後から聞けばいい」
「とりあえず覚えた後で、時間があったら説明も」
ということなら、別に一概に「そんなのダメだよ」と否定するにはあたらない。

 説明ヌキに覚えられるなら、サッサと覚えちゃいな。あとからこのクマ助のウルトラ分かりやすい説明を聞けば、それで鬼に金棒じゃないか。

「生牡蠣の咀嚼」となると、今井君ですらゾッとする。生牡蠣などというあんなベロベロした生き物を、ナマのまましっかり咀嚼するなんて、口の中を想像しただけでストレスがたまる。あれは「咀嚼なしの嚥下」の対象だ。
わかめ
(味が薄ければ、インスタント味噌汁で味噌和えを試みればいい)

 だから諸君、9月3日のマルセイユ・ジョリエットで、クマ助は30個もの生牡蠣をほぼ無傷のママ胃袋に送り込んだ。生牡蠣とは、その爽快なノドごしを楽しみ、鼻に抜ける磯のカホリを慈しむためにある。

 周囲のテーブルのマルセイユ人たちも、ほぼ今井君と同意見の様子。牡蠣を口に入れた瞬間に嚥下するのが作法であって、クチャクチャ&ネチャネチャ噛みつぶして口の端から牡蠣の溶液をタラーッと滴らせるような、そんなホラーな人は全く見当たらない。

 しかしそういう食べ方だと、満腹感を得ることは難しい。生牡蠣30個をクイクイ飲み込んで胃袋でワイン漬けにしたのはいいが、結局クマ助は空腹感をかかえたままお店を出ることになった。マルセイユ人も、牡蠣はメインとは思っていない。あくまでスターターに過ぎないのである。

 そこで諸君、この日の午後のクマ助は、港のそばのアラブ人街に出没。フランス語よりアラビア語のほうが多く飛び交う下町で、鶏の丸焼きを買って帰った。この鶏料理を「ロチ」と呼ぶ。

 世界中どこへ行っても登場するピエール・ロチ。イスタンブールでも長崎でもその名前と遭遇する。全く困ったグルメなオジサマであるが、この鶏の丸焼きは昨年からどうしてもトライしたかった一品。まだ熱いのを手に入れて、ホクホクしながらホテルに帰った。

 丸焼きをナイフとフォークで解体して、いざ口に運んでみるとどうしても味が薄い。塩もソースも手許になかったが、「味噌和えでいこう」と思いつく。「ええっ、プロバンスに味噌なんかあるの?」であるが、そこはそれ、創意工夫と臨機応変がコロモを着たようなクマ助のことだ。

 取りいだしましたるは、いつも外国の旅に持参しているインスタント味噌汁。これ1袋を鶏1匹に絡めれば、冷たいロゼワインにピッタリの濃厚な味付けに仕上がった。生牡蠣30個はあくまでスターター、今日のメインはアラブ人街の鶏丸焼き。ワイルドで豪快で、マコトに素晴らしい1日になった。

1E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH
2E(Cd) Maggini String Quartet:ELGAR/STRING QUARTET IN E MINOR 他
3E(Cd) Paco de Lucia:ANTOLOGIA
4E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES 10/11
5E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES 11/11
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