Sat 150829 どうかい&どうかい 熊本の仕事で高揚する 福岡の福岡高の福岡君 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 150829 どうかい&どうかい 熊本の仕事で高揚する 福岡の福岡高の福岡君

 9月20日の熊本で、早朝からクマ助がビックリしたお祭りは、もともとの名を「ボシタ祭り」というそうである。今井君ともあろうものが、この年齢になるまで、こんなに激しいお祭りの存在を知らずにいた。

 熊本の英雄といえば、誰が何と言っても加藤清正だが、500年の時を経て、今もなお熊本の「肥後もっこす」たちは、加藤清正を激烈に祝福するのである。

 ただし、これほど盛大な祭りがあまり有名にならずにいるのにはわけがあって、その理由は「ボシタ」というコトバに凝縮されている。「ボシタ」という奇妙なコトバは、「ほろボシタ」のボシタであって、清正ほど勇猛果敢な武将ともなれば、いろんな敵をほろボシタのである。

 ぼろボシタ側が存在すれば、ほろボサレタ側の人々も当然いらっしゃる。我々が日本史を学習するとき、「平家の滅亡」「1333(イチミサンザン=一味散々)北条氏の滅亡」とか、あまりに安易に口にするけれども、ほろボシタ源氏サイドはお幸せだろうが、ほろボサレタ側の悲劇は想像を絶するのである。

 先祖代々の田畑も財産も全て奪われ、狼藉と蹂躙のかぎりを尽くされる。土地は荒れ果て、家も館も跡形もなく炎の餌食。国際法のなかった時代、たとえ殺されなくとも、奴隷労働を強要されることを免れない。
熊本1
(熊本の大盛況、右サイドから)

 彼ら彼女らの永遠の嘆きを思うとき、勝者サイドが「ボシタ」と快哉を叫び、欣喜雀躍、勇壮な踊りで街を練り歩くお祭りは、例え500年が経過してもやっぱり遠慮が伴うはずである。

 それが国内のボシタ&ボサレタであれば、歴史の進行とともに「なあなあ」の対象になるかもしれないし、「お互いさま」というか、「群雄割拠の戦国時代には…」という一種のオトギ話の中で、ゲームや歴女ブームの中に消化される可能性が高い。

 しかしそれが国境線なり文化圏なりを跨いでのボシタ&ボサレタになると、カンタンな消化や消滅は許されないので、「歴史認識」の極めて重い問題になる。今もなお国際紛争の根っこに、1000年前のボシタがくすぶっていることも少なくない。

 加害者と被害者の関係が、500年で消えるのか、1000年経っても2000年経過しても変わらないのか、そこから先は今井君なんかが軽率に論ずることのできる問題ではない。

 考えてみれば20世紀までの世界史は、アレクサンドロスにしろナポレオンにしろ、フビライやティムールにしろ、その人生の大半を「ボシまくった」人物でいっぱいだ。蛮勇こそ英雄の条件だったと言えなくもないのである。ホモサピエンスとは、つくづく困った生物なのだ。
熊本2
(熊本の大盛況、左サイドから)

 そこで熊本の人々は、かつて加藤清正がどこへ出撃して誰を「ボシタ」のか、その結果どのような悲劇や苦痛を引き起こしたのか、そういう問題について熟慮に熟慮を重ね、ついにこの祭りの名称を変更したのである。

 かつては祭りの掛け声も「ボシタ、ボシタ!!」だったが、9月20日の早朝から熊本の秋空に響いた大音量の掛け声は「どうかい、どうかい」なのであった。

 クマ助の耳には「どうしたい、どうしたい?」としか聞こえなかったが、タクシーの運転手さんやホテルの人々に尋ねてみると、「ああ、それは『どうかい』でしょう。大威張りで『どんなもんだい!!』という感じですよ」と教えてくれた。

「どうかい、どうかい」
「どうかい&どうかい、どうかい&どうかい」
と、早朝から昼過ぎまで休みなく続く。戦国末期の英雄・加藤清正を讃え、大地を踏みしめて踊りまくるのである。

 今や名称も「藤崎宮・秋季礼大祭」に変更。「ボシタ」という残酷な過去形の動詞も、可能な限り前面に出さなくなったという。人々は馬のタヅナを握って叫びかつ踊り、たくさんの馬さんたちも祭りに加わる。

 こういう名称変更については難しい問題も含まれているので、ここでもまた軽率な発言は慎まなければならないが、祭りそのものはマコトに勇壮。秋の実りを与えてくれた神や、豊かな水と土地への感謝、「来年もまた」という祈り、要するに世界中の様々な祝祭に共通の本質を、そこに見ればいいのである。

 そして21世紀から先は、もう決して「ボシタ」の蛮勇がこの世に姿を現さず、「ボサレタ」の悲劇を繰り返さないことを誓って、ひたすら平和で穏やかな世界を目指すばかりである。「どうかい」の叫びは、学問なりスポーツなり経済なりの分野に限定するに越したことはない。
ケーキ
(熊本でも、たくさんのケーキをいただいた。おいしゅーございました)

 さて9月20日の今井君は、それこそ「どうかい&どうかい」「どうかい&どうかい」という高揚した気分であった。まず何よりもラグビー。ウルトラ強豪・南アフリカ撃破の感激は、3時間眠ったからといって消えることはない。

 その勝利を一週間も前のブログで軽く予言していたことも、「どうかい&どうかい」な高揚の一因。小学生時代からのラグビーファンである今井君は、このブログにもラグビーの話をしょっちゅう書いてきた。勝利の予言ぐらい、朝飯前と言ってもいい♡

 5年も前に書いた記事へのアクセス数が急激に上昇したのも、「どうかい気分」の原因。Wed 101006 呼び起こされる記憶 今泉清と「いーち、にー、さーん、しー、ごー!!!」というタイトルの記事であるが、なぜか突然アクセス数が増えて、いやはや、これにも相当ビックリした。
熊本3
(熊本の大盛況、正面から)

 午前10時10分、熊本でのお仕事を開始。「テルサ熊本」というイベント施設の大ホールであるが、出席者数 ☞ 申し込みベースで「685」という数字以上に、約700人がズラリと並んだ光景は壮観と言うほかコトバがない。これまた「どうかい?」である。

 もちろん、出席者数だけで「どうかい?」とふんぞり返るクマ助ではない。何よりも「どうかい感」を高揚させたのは、授業内容のパンパンな充実ぶりと、大爆笑の頻度とボリュームである。

 爆笑は20秒に一度、しかもその1回1回が大ホールの床も天井もビリビリ音をたてて震えるほど。これで「どうかい?」じゃなかったら、どんな「どうかい?」があると言うんだね。

 講師であるクマ助も、熱心に聞き続けた約700の参加者の皆さんも、ウルトラ満足&スーパー満足の中、11時40分、ダラしない延長も一切なく、全てが滞りなく終了。周到に準備を整えてくれたスタッフの皆さんに感謝&感謝♡また感謝である。

 会を主催してくれた「英進館」は、福岡ドーム左中間の大きな広告でも有名。中学受験でも高校受験でも実績抜群、特に優秀者が多い。今日の参加者は主に高校受験を控えた中3生諸君であったが、県立トップの熊本高校と、モト藩校・済々黌高校の受験生がズラリと揃っていたのである。
食事会
(マコトに立派なお店でお昼の祝勝会になった)

 さて、明日夜キックオフ予定のラグビー・スコットランド戦であるが、メンバーが発表になった。筑波大4年のウィング福岡君が先発出場する。福岡県福岡市・福岡県立福岡高校出身の福岡君。よくよく念の入った福岡男児だが、彼もまた英進館卒業生であると聞いた。

 中学生の頃の夢は、医師になること。名門・福岡高校でラグビーを続けながら、やっぱり医学部志望は変わらず、高3の段階でもまだ医学部進学の夢を諦めてはいなかったという。

「2019年の東京ワールドカップまでは何よりもラグビーを優先する覚悟でしょうが、その後はきっと『医学部を受験し直す』と言いだすんじゃないでしょうかね」と、かつて福岡君のクラスを担当していらっしゃった社会科の先生が、嬉しそうに語ってくれたのだった。

 ラグビーは、アタマがよくなければ出来ないスポーツである。ノーベル賞の山中教授もラガーマン。もしも福岡君が子供の頃の夢を貫いて医師になれば、ホントに素晴らしいことである。

 諸君、スコットランド戦では、ウィングにボールが渡った瞬間、南アフリカ戦を実況したNHKアナみたいに「行けー!! 行けー!!」と心の底から絶叫してくれたまえ。

 日本国民の絶叫は、「福岡の、福岡高の、福岡!! 行けー!! 行けー!!」と、はるか遠く地球の裏側にまで響きわたるに違いない。「むかしむかし、ワールドカップでトライしたお医者さん」などという存在が誕生すれば、さらにさらに素晴らしいじゃないか。

1E(Cd) Bobby Coldwell:COME RAIN OR COME SHINE
2E(Cd) Bobby Coldwell:BLUE CONDITION
3E(Cd) Boz Scaggs:BOZ THE BALLADE
4E(Cd) Menuhin:HÄNDEL/WASSERMUSIK
5E(Cd) Menuhin:HÄNDEL/WASSERMUSIK
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