Mon 150824 テレビで取っ組み合いの1日 フランスのチケット自販機(また夏マルセイユ5) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 150824 テレビで取っ組み合いの1日 フランスのチケット自販機(また夏マルセイユ5)

 朝早くからずっとテレビをつけっぱなしで、「徴兵制になるかも」「赤紙がくるかも」という天下の一大事を、一日中ジッと真剣に見守って過ごした。ラグビーのフォワードよろしくクンズホグレツを繰り返す選良たちの姿が、画面の上でもマコトに強烈であった。

「地球の裏側のことには関わらない」が方針なのだから、肉体どうしの激突は国会議事堂の中と外だけで延々と続く。あまりにお粗末な与党の国会運営のせいで、午前9時45分から50分の状況は、とても地球の裏側のヒトには見せられない惨状と言ってよかった。

 NHK画面には「テレビ体操はお休みにします」の文字が。そりゃそうだ、これだけ汗まみれのオシクラマンジューが続いている。体操以上の体操が進行中なのに、まさか「音楽に合わせてリズミカルに!!」「腕を一気に伸ばして、瞬発力を高めましょう!!」でもないだろう。

 むしろ画面に描き出される大激戦のほうが、ずっと瞬発力を鍛えられそうだ。中にはなかなかの年齢のご老体も混じっている。「国会なんかにいるより、むしろテレビの前で体操してる方がカラダにいいんじゃないか?」と思われる年齢層のヒトビトも多い。
地下鉄
(かつては物騒だったマルセイユ地下鉄。2015年現在、日本の国会よりは間違いなく安全だ)

 なお、「かがんだ姿勢から一気に片腕を上に伸ばして瞬発力を鍛えましょう」という運動について、見たことのない諸君は、ビデオ録画してでもいいから是非一度目撃すべきだ。「NHK大好き」なジーチャンバーチャンがチャレンジしようとしていたら、「ヤメときな」とアドバイスしてあげたほうがいい。

 今井君なんかは「この運動でかえって背筋とか腰を痛めるヒトも存在するんじゃないか?」と心配でならない。ついにこの間、「無理なヒトは、無理なさらないでください!!」という音声の指示が入ったと記憶する。

「テレビ体操」を放送休止に追い込んだオシクラマンジュー戦は、10時 ☞ 11時 ☞ 正午と時間が経過しても、一向に再開の気配がない。せっかくの大相撲も中継が始まったのは午後5時がやっと。確かに諸君、大相撲の個人戦より、政党 vs 政党の団体どうしの方が、肉弾戦として見応えがあるかもしれない。

 今井君は現在の立場上、ラグビーW杯もタジタジの激しいフォワード戦について、「どちらにどう賛成か」を明言することは避けておく。「みっともない」という気持ちはあるが、どっちがみっともなくてどっちがみっともなくないか、それをここで論ずる必要はないだろう。
マルセイユ駅
(朝のマルセイユ駅。プロバンスの青空が爽快だ)

 午後4時半過ぎ、オシクラマンジューはついに「棒倒し」に発展する。小学生まではオシクラマンジューでも、やっぱり中高生は棒倒しであって、棒に該当する委員長席に一気にヒトのカタマリが押し寄せた。

 さすが日本の選良たちは、少年時代の健康優良児諸君であって、その出足たるや、大関・稀勢の里も、好調の関脇・栃煌山もかなわない。必死の攻防戦は、もう理性も民主主義もなくて、怒号と罵倒と罵声の中で国の行く末が決まっていく。

 マコトに嘆かわしいことであるが、これでもいちおうルールには従っているのだから、我々としては受け入れるしかない。もちろん長い目で見れば方向の修正はいくらでも可能なので、「取り返しがつかない」と悲嘆にくれているだけでは一歩も前に進まない。要するに「選挙に行こう」ということである。
コンパートメント
(フランス国鉄、いくらなんでも時代遅れな8人一室のコンパートメント車両。詳細は明日)

 日本は素晴らしい先進国である。「でも、誰も英語が話せないじゃないか?」とか、変なコンプレックスに悩んでいる必要なんかないのである。欧米のどの国を旅しても、日本ほど進んだ国に出会うのは困難である。

 空港でも鉄道の駅でも、とにかく諸君、体験してみることだ。日本に比較的接近しているように思えるフランスやドイツでさえ、「おやおや、この程度か」とビックリする人が大半であるはずだ。

 マルセイユの場合、確かにこの10年で地下鉄はグーンと改善された。「治安」もほとんど心配することはなくなったし、Suicaもどきの紙カードで「ピッ!!」とスムーズにホームに出られる。電車も5分おきにキチンと来るから、ダイヤの乱れを心配することもない。

 しかし諸君、チケット1枚買うのに、自動販売機でも1人最低5分は確実にかかる。日本の自動販売機なら、ちょいと機械が苦手な人でも、長距離チケットがせいぜいで2分程度。しかしフランスでは、5分以下に短縮しようとすると、機械の方で逆ギレないし反乱を起こすから、何が何でも5分かけないと話が進まない。
チケット販売機
(今日の主役、フランス国鉄のチケット自動販売機)

 まず、タッチパネルの反応が異様に遅い。指先を画面に2秒以上ジュッと押し当てて、該当するボタンをよく温めるようにしないと、反応を完全に拒絶する。1ボタン2~3秒は覚悟しなきゃいけない。

 8月29日、クマ助はマルセイユからOrangeの駅を目指したが、自動販売機の前に立って、まず「O」「R」「A」「N」「G」「E」のボタン1個1個を、指先でゆっくり&じっくり温めつづけた。

 すると「今すぐ出発」「後で出発」「翌日以降に出発」に該当するフランス語が出て、このボタンもゆっくり温める。出てきた列車候補から1本を選ぶのだが、この辺で指先をハーハー温めないと、もう反応しなくなる。

「北風ピープー ☞ おお寒い♡」なわけでもないのに、シバれた両手に息を吹きかける仕草を何度でも繰り返す。ボタンは次から次へと現れて、チケット1枚買うのに20回近く「ジュッ」をやりつづける。

 クレジットカードを入れて、暗証番号を入力。ここが一番の鬼門なので、4桁または6桁の暗証番号を入れるのに、日本の銀行のつもりで、① カタ ② カタ ③ カタ ④ カタ!! なんてことをやると、機械クンはたちどころに大ムクレにムクれてしまう。

「機械操作が不正です!!」というわけであるが、素直に「不正です!!」と言うならまだいいので、画面上には「銀行またはクレジット会社が、あなたのカードが不正に使用されている可能性を示唆しました」と表示される。いやはや、フランスの機械クンに合わせるのは、マコトに難しい。
モノプリデイリー
(フランス版のコンビニ「モノプリ・デイリー」。これも詳細は明日の記事で)

 そこで諸君、① カタ ② カタ ③ カタ ④ カタの際には①②③④のそれぞれの「カタ!!」の間に、数秒程度の余裕を持たせなければならない。「せいては事をしそんじる」であって、この辺は政府与党のセンセーガタにもチャンと理解してもらわなければならない。

 むしろ正しくは① カタ……② カタ……③ カタ……④ カタ……であって、さらに数秒落ち着いて待っていると「CODE BON」の表示が出る。「本人と認識しました」というわけであって、以上「5分程度で1枚」がこの機械の限度である。

 手間取っていると、後ろにどんどん長い列ができる。この時に慌ててはならないので、フランス人は長い列に並んでもちっともイライラなんかしていない。むしろ長い列に並ぶのが当たり前と思っているので、こちらはじっくり落ち着いて1コ1コのボタンを「ジュッ!!」とやりつづければいい。

 逆に、長い列ができていても決してイラつかないこと。日本のつもりでイライラしていると、むしろイライラしていることをたしなめられる。自動販売機を諦めて窓口での対面販売なんかに向かうのはもってのほか。その列、1人につき最低でも15分はかかると覚悟した方がいい。

1E(Cd) Tower of Power:URBAN RENEWAL
2E(Cd) Tuck & Patti:CHOCOLATE MOMENT
3E(Cd) 村田陽一 & Solid Brass:WHAT’S BOP
4E(Cd) Corboz & Lausanne:MONTEVERDI/ORFEO①
5E(Cd) Corboz & Lausanne:MONTEVERDI/ORFEO②
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