Wed 150812 車道ピッチング 左腰が痛い スペイン街で大発見(ナポリ滞在記47) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 150812 車道ピッチング 左腰が痛い スペイン街で大発見(ナポリ滞在記47)

 現在クマ助はまさにヘトヘトであって、「満身創痍」と言えば大袈裟かもしれないが、ハッキリ言っていつもの長いブログを書くのがとてもツラい状態。いつもより短く終わってしまったとしても、諸君、許してくれたまえ。

 まず、左の腰が痛い。普通に座っているとか、街を歩き回るとかなら平気の平左であって、「ホントに腰が痛いんですか?」というぐらい平気平左衛門なのであるが、長い時間Mac君に向かっていると、プリプリまあるいクマのオシリのあたりがズキズキ痛んでくるのである。

 原因を正直に告白するに、どうやら「投球ポーズをやりすぎた」というのだから、告白しにくいことこの上ない。「投球ポーズ」とは、カッコよく言えば「シャドウピッチング」であり、それをMac君がイタズラして「車道ピッチング」と変換しても、今のクマ助にはニックキMac君を殴りつけるだけの気力すらない。

「なんで投球ポーズなんか?」であるが、この半年の運動不足を解消しようと、まるで自分が甲子園のマウンドに立っているような気分で、キャッチャーのミット目がけてビシビシ直球を投げ込んだのである。ホントに白球を握っていれば、球速160kmは軽く超えていたに違いない。

「薄給を握って入れ歯」。Mac君のイタズラにはさすがのクマも脱帽であるが、何しろ実際の白球を握ってはいないのだから、カーブでもスライダーでも、実際には投げられないスクリューやフォークでも自由自在である。

 こうなると、もう楽しくてたまらない。投球ポーズを1時間。1時間後にはもうヘトヘトの汗みどろ。9回180球を力投して、相手打線を8安打3点に抑え込んだつもりである。うぉ、爽快だ。このままもう1試合、ダブルヘッダーでも十分に登板可能である。
テーブル
(ナポリ・スペイン街で、発見した店。2階のこんなテーブルに通された)

 ところが、翌日から左のオシリがズキズキ痛みはじめた。おお、あんまりバカバカしくて、告白しながらオシリがプリプリするほどである。痛む左腰をモミモミしながら「美術館の回り方」なんかを書いていると、ますますズキズキ感がアップする。

 そういう状態だったが、昨日はちょっと遠出をしてみた。すると諸君、帰りの電車が「停電で全面ストップ」。予定の電車はいきなり「運休」。駅構内の大混乱の中、2時間も立ち尽くす結果になった。

 青森のねぶた祭りか、秋田の竿燈祭りか。はたまた徳島の阿波踊りの真っただ中に飛び込んでしまったか。駅の雑踏と大混乱は、まさにそういう祭り見物を思わせるシロモノ。それがどこの駅の中での出来事だったか、それは近い将来このブログに詳細を書くことにする。

 しかし諸君、そんな雑踏と混乱の中では投球ポーズもシャドウピッチングも出来ない。出来たとしても車道ピッチング程度のものであるが、それはさすがに危険であって、中年のクマとしては自重せざるを得ない。昨日のクマ助は、駅の雑踏の中で大人しくひたすら事態の改善を待ち受けた。
スペイン街
(ナポリ・スペイン街。いやはや、こりゃコワそうだ)

 しかし「運転見合わせ」「突如として運休」の連続は変わらない。2時間待った段階で、予定していた超特急の利用をあきらめ、満員の各駅停車に乗り込んで目的地を目指した。本来なら1時間半で到着するところ、かかった時間は3時間40分。これが左腰にいい影響を与えるはずはないのである。

 というわけで、昨夜ベッドに這いずり込んだのは午前2時半。今朝8時を過ぎてノコノコ起きだしてみると。疲労が全身にたまってもう「ほうほうのてい」である。世界を旅するクマ助として、久しぶりにピンチを実感する。

 それでも、ブログ更新はもう3年3ヶ月にわたって1日も休んでいない。意地でもMac君にかじりつき、何とか今日も記事をアップできそうである。だってまさか「車道ピッチングで180球を投げぬいたせいで、今日は休養日とします」というわけにもいかないじゃないか。
オステリア
(ナポリ・スペイン街で発見した店。看板はマコトに普通である)

 さて4月6日、ナポリのクマ助は、「国立考古学博物館」というおカタイ場所を後にして、イースターマンデーの強烈な雑踏の真っただ中に入り込んだ。渋谷と新宿と六本木の雑踏を一緒くたにして、丁寧に1時間も練り上げたような大混雑である。

「前に進めない」
「右にも左にも曲がれない」
「みんながトイレを心配しながら、前方の人のカタマリを茫然と眺めている」
この日のナポリの大混乱は、そのレベルに達していた。

 2014年4月下旬、今井君はオランダのアムステルダムで同じような大混乱の中にいた。オランダ独特「国王の日」であるが、7重にも8重にも運河が張り巡らされた街にオランダ中の人が繰り出し、運河を大量の小舟が占拠してまさに無礼講。しかもその99%がビールをシコタマ飲んだヨッパライときていた。

 街角に設置された臨時のトイレは、まさに衆人環視の真っただ中であったが、それでもヨッパライたちはちっともひるまない。トイレには街をグルッと一周するほどの長蛇の列ができ、運河の小舟からはズンドコ大音量の音楽が鳴り響いて、「このままアムステルダムが破裂するんじゃないか」という乱痴気騒ぎになった(詳しくは中欄「ウワバミ文庫」から「オランダ先生訪問記」を参照)。
地図
(ナポリ中心部。「地球の歩き方 南イタリアとマルタ」より。向かって左がスペイン街である)

 あれから1年後、イースターマンデーのナポリもまた同様の大混乱である。大混乱を避けるには、普段は危険で入り込まない裏町にでも、ふと足を向けるしかない。諸君、それが「スペイン街」である。

 10年前までのナポリなら、「治安が最悪」「危険です」「イタズラ気分で入り込んではいけません」の対象は、もっぱら「スパッカ・ナポリ」。上に掲載した地図の真ん中を走るのがトレド通り、向かって右がスパッカ・ナポリである。

 ところがこの10年、ナポリ市当局の努力のおかげで、スパッカのほうの治安は劇的に改善した。というか、むしろかつての治安の悪さを売り物に、すっかりテーマパーク化したと言っていい。欧米人女子なんかは、2人組とか3人組でケラケラ笑いながら闊歩している。

 その分、グッとクローズアップされてきたのがトレド通りの向かって左、「スペイン街」である。地図をちょっと眺めただけで、この細かい無数の4角形で区切られた地域の、異様な雰囲気に気づくはずである。

 まさに「危険です」「入り込まないようにしましょう」の世界。ナポリ滞在11日目のこの日まで、慎重な今井君は自重に自重を重ねてきたが、大混乱のトレド通りを避け、「ほんのちょっとならいいか」と角を曲がり、空気の澱む薄暗い裏町に迷い込んだ。
ワイン
(早速ワインを1本)

 そこで発見したのが、お腹をすかせた春のクマ助にピッタリの、まさに理想の小レストランである。分かっているだろうが、クマはマコトに気難しい生き物であって、「有名店ならいい」「高級店ならいい」の類いのカンタンな生き方はしていない。

 狭くても汚くても、有名でなくてもいい。場合によっては、ワインや料理がマズくてもかまわない。お店の人たちの優しい笑顔と爽やかな応対、周囲のお客さんたちの穏やかな笑い声があれば、それがベストなのである。

 看板には「Hosteria Toledo」とあり、サブタイトルは「Antica Cucina Napoletana 1951」。ガイドブックにも出ていないし、1951なら戦後すぐの創業、大威張りになるほどの長い歴史があるわけでもない。

 しかしドアをあけて中を覗くと、「おお、これだ&これだ」と叫びたくなるような温かいニオイが、今井君を包んだのである。諸君、この店の詳しい話は、明日の記事に書くことにする。

 午前10時になるところであって、今井君は車道ピッチングのやり過ぎで痛む左のオシリをナデナデしながら、そろそろ街に出かけなければならない。そもそも「今日は短くなっても許してね」と書いて始めたはずなのに、結局いつもと同じ長さになってしまったじゃないか。いやはや&いやはやであるね。

1E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE 1/2
2E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE 2/2
3E(Cd) Lucy van Dael:BACH/SONATAS FOR VIOLIN AND HARPSICHORD 1/2
4E(Cd) Lucy van Dael:BACH/SONATAS FOR VIOLIN AND HARPSICHORD 2/2
5E(Cd) Holliger:BACH/3 OBOENKONZERTE
total m60 y1336 d16657