Fri 150731 物騒な世の中だ ナポリ滞在記の後半開始 ポジターノ(ナポリ滞在記35) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 150731 物騒な世の中だ ナポリ滞在記の後半開始 ポジターノ(ナポリ滞在記35)

 8月24日、お昼のニュースを眺めつつ考えてみたら、あんまりオッカナイ世の中なので思わず身震いした。ホンの10日前、中国の天津で巨大爆発事件があって、直径100メートルのクレーターの中には、世にも恐ろしい劇毒物の溶液がドロドロ黒いトグロを巻いている。

 シアン化合物やら、神経ガスその他の化学兵器の材料やら、そういうものが1000トン単位でズサンな倉庫にギューヅメになっていて、そのすぐそばに人口1000万の天津市があり、人口2000万を超える北京市も目と鼻の先。クマンバチやコガネグモなんかを怖がっている場合ではないじゃないか。

 そういう恐ろしい現場から、黄海を1つ隔てたあたりでは、「謝れ!!」「そっちこそ謝れ!!」「悪口を大音量で流すのはやめろ!!」「とにかく謝れ、謝らないと相応の措置に出るから覚悟しろ!!」というビックリマークの応酬で、たいへん深刻な事態にエスカレートしている。
バーガー君
(ソレントにて。バーガー君は悪い仲間に誘われて危機一髪だ)

 せめて我が日本ぐらいは安心かと思っていたら、首都圏ではそこいら中で火柱が上がったり、黒煙が吹き上がったりしている。相模原では大量のガスボンベが破裂したらしい。羽田空港から入り江1つ隔てた工場からは朦々と黒いケムが上がって、一瞬「テロか?」と身構えるほどである。

 対岸の工場地帯上空に高く朦々とあがる黒煙を背景に、ちっぽけなANA機やJAL機が滑走路をウロウロしている様子は、何だかマコトに危うい右往左往な感じ。15年前のニューヨークの光景をふと連想したのは、今井君だけではないだろう。

 これだけ大爆発やら何やらが続けば、荒唐無稽な映画ばっかり眺めて過ごしている今井君の口からは、思わず「Black Ops?」「映画だったら確実にCIAのシワザになってる場面」と、荒唐無稽を煮詰めたようなコトバがほとばしり出る。
ワッフルちゃん
(6階建てビルと思ったが、どうやら正体はワッフルちゃんだ。ポテト君に誘われて、彼女もまた危機一髪。ソレントにて)

 こんなにコワいことになってるさなかに「抗日戦争勝利70周年」で軍事パレードをやろうというんだから、またマコトに恐ろしい。20世紀のソ連みたいな「軍事パレード」をやろうと思い立つほうもスゴいが、招待されて断りきれずに出席する各国首脳の忸怩たる思いも、察するに余りある。

 そういう大イベントを間近に控えた国の市場で、株式が連日パニック気味に暴落。「違法なカラ売りは取り締まる」というビックリ発言が政府側から飛び出す始末。つられるように東京でも900円の暴落。先週末から1500円も株が下がって、原油価格も下げ止まらない。「やっぱりこれもBlack Ops?」であり、「経済テロ?」の呟きさえ漏れる。

 遠く「地球の裏側」に目をやれば、シリアのパルミラ遺跡では古代ローマの神殿が破壊されたという。オランダからパリに向かう特急「タリス」の車内では、テロリストと思われる男が勇敢なアメリカ人たちに殴り倒された。

 乗客は危うく難を逃れたわけだが、その列車、まさに1年半前にこのクマ助がアムステルダムのホームで見送った思い出の電車である。列車が去った線路の上にスマホが1台落ちていて、途方にくれたオランダ人女子学生が「線路に降りて拾おうと思うがどうだろう?」と相談してきたのであった。
猫助
(ポジターノのネコ君。涼しい日陰に頭を突っ込んで、マコトに気持ちよさそうであった)

 さて、世の中はこんなに物騒だけれども、それでも間もなくクマ助はマルセイユに旅立つのである。旅立ちを間近に控え、ブログのほうも平凡な日常の記録から、夢のような非日常の記録に切り替わる。

 半年前、3月下旬から4月上旬の14日間にわたり、クマ助はイタリア・ナポリに滞在した。ポンペイ・カプリ・アマルフィ・ソレント・エルコラーノ・ポジターノ・ラヴェッロと、ナポリ湾のさまざまな町を縦横無尽に闊歩した2週間であったが、その概要は以下の通りである。

①3月27日 羽田01:10 ⇒ フランクフルト05:25

      フランクフルト10:55 ⇒ ナポリ12:50
        ナポリ泊① ナポリ市街
②3月28日 ナポリ泊② ポンペイ
③3月29日 ナポリ泊③ カプリ島1
④3月30日 ナポリ泊④ カゼルタ スパッカナポリ1
⑤3月31日 ナポリ泊⑤ エルコラーノ ソレント
⑥4月1日 ナポリ泊⑥ ソレント アマルフィ
⑦4月2日 ナポリ泊⑦ サレルノ アマルフィ ラヴェッロ
⑧4月3日 ナポリ泊⑧ サレルノ ポジターノ ラヴェッロ
⑨4月4日 ナポリ泊⑨ プローチダ島
⑩4月5日 ナポリ泊⑩ イースター ナポリ市街
⑪4月6日 ナポリ泊⑪ イースターマンデー スペイン街
⑫4月7日 ナポリ泊⑫ カプリ島2 スパッカナポリ2
⑬4月8日 ナポリ13:00 ⇒⇒フランクフルト 15:05
      レーマー広場でアップルワイン
      フランクフルト20:45 ⇒
⑭4月9日 羽田14:55

 5月から6月にかけて、このブログも「ナポリ滞在記」一辺倒になった。旅の7日目、4月2日にアマルフィからバスに揺られて、断崖の上の村・ラヴェッロを訪問した思ひ出までを書き終え、「ちょうど旅の半分まで来たな」というところで、2ヶ月半の中断があった。
ポジターノ入港
(サレルノからのお船がポジターノに入港する)

 6月10日ごろから8月21日まで、とにかく仕事で息つくヒマもなかった。日常以外にはほとんど何も考えられず、公開授業やら河口湖合宿やら連夜の祝勝会やら、そういうことをコマメに記録し続け、「長過ぎる」「こんなに長い文章は読めません」という不平不満が寄せられるほどだった。

 連日これを書いている今井君としては、
「この程度の長さで、何で弱音なんか吐いてんだ」
「この程度が読めなくて、大学入試の英文が読めますか?」
「速読能力を養いたいなら、まずは今井ブログを連日読破したまえ」
であって、1日のA4版×3枚は、まさに英語の「超長文」の分量。こういうのを毎日読んで、長文読解能力をビシビシ鍛えていきたまえ。

 しかしこれからは、ようやく非日常の世界でノンビリすることができる。半年前のナポリの思ひ出を書きながら、実際の今井君はマルセイユのホテルにいて、マルセイユからアルル・エクス・アヴィニョン・ニース・カンヌへの小旅行を繰り返している。TGVを駆使すれば、3年ぶりのリヨン訪問も十分に可能だ。
ポジターノ
(ポジターノ風景。ソレントからのバスはこの丘の上に到着する)

 では諸君、4月3日、ナポリの旅の後半が始まる。この日もクマ助はナポリ・チェントラーレの駅から国鉄の列車に乗り、昨日と同じサレルノへ。サレルノの港から小さなお船に乗り込んで、ポジターノに向かったのである。

 船は韓国の人と中国の人を満載していたが、途中アマルフィの港でほとんどのアジア人が降りてしまい、ポジターノまで行ったのは欧米のヒトビトばかりである。「欧米人はアマルフィよりポジターノが好き」というウワサはホントだったのだ。

 写真で見る通り、ポジターノは小さな海水浴場程度の集落にすぎない。海岸に数軒のレストランが並び、その裏側に入り組んだ路地がつづいて、まだ4月に入ったばかりなのに、もう真っ直ぐに歩けないほどの雑踏になっている。

 夏休みのハイシーズンを思うと、さぞかし激しくごった返すに違いない。うーん、のんびり海のリゾートを楽しみたい日本人には、静かなソレントあたりの滞在が無難。ポジターノは避けて通った方がいいかもしれない。

1E(Cd) AZERBAIJAN Traditional Music
2E(Cd) Ibn Baya:MUSICA ANDALUSI
3E(Cd) T.Beecham:BERLIOZ/LES TROYENS 1/3
4E(Cd) T.Beecham:BERLIOZ/LES TROYENS 2/3
5E(Cd) T.Beecham:BERLIOZ/LES TROYENS 3/3
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