Fri 150724 八戸の屋台村で イカめしとせんべい汁で1人祝勝会 お盆ならではの光景 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 150724 八戸の屋台村で イカめしとせんべい汁で1人祝勝会 お盆ならではの光景

 8月10日深夜、「八戸屋台村」のラーメン屋に腰を据えたクマ助であるが、何しろ糖質カットダイエット真っ最中であるから、まさかここで「ラーメン」というわけにはいかない。「ラーメン!!」という一声がゲップのように飛び出してくるのを必死で抑えながら、まだ酒を飲み続けた。

 だって諸君、2ヶ月に及ぶ長い奮闘努力の締めくくりだ。そうカンタンにホテルに戻って「お休みなさい」というわけにもいかないじゃないか。しかも戻るべきお部屋は「ダイワロイネットホテル」だ。「意地でも戻りたい」という熱意は全く湧き上がってこない。

 ズラリとカウンターに居並んだお客さまの中に、「沖縄から遊びにきました」というオバサマ連がいらっしゃる。
「おやおや、わざわざ沖縄からやってきて、ネブタでもなく、奥入瀬渓流でも十和田湖畔でもなくて、八戸の屋台村でラーメンですか?」
であるが、こういう世界の方が好きだというなら、クマ助なんかがツベコベ口を出す余地はない。

 うーん、那覇の国際通り周辺なら、似たような屋台がたくさん並んでいるような気がするが、何しろ沖縄オバサマ連は八戸のこの屋台のお馴染みサンなのだという。八戸の屋台で馴染みになっている沖縄オバサマ連。おお、スバラシイじゃないか。
ねぶた
(翌朝も八戸駅前で1人祝勝会を継続)

 時計はもう真夜中に近づき、ここまで今井君につきあってきたスタッフ諸君は、そろそろソワソワしている様子。普通なら「オウチに帰らなきゃ」の類いのソワソワであるが、彼らにはもう「オウチに帰る」という選択肢はほとんどない。

 もし帰るとすれば、タクシー。しかし諸君、ここまで酔っぱらってしまえば、もうタクシーなんかで帰るより、「朝までカラオケ」のほうがずっと楽しいのである。

 今井君も10年前なら「朝まで付き合う」という選択肢を選んだが、さすがにクマ助も797歳だ。この段階で、若い諸君の行動は若い諸君に全部オマカセすることにして、クマは大人しく「ダイワロイネット」の穴蔵に帰ることに決めた。

 翌朝8時に目覚めると、うぉ、さすがに早めに穴蔵に戻っただけのことはあって、気分は爽やか中の爽やか。半年前の八戸で「1人 ☞ 7合ずつ」という離れワザを演じた時とうってかわって、朝っぱらから何だか絶好調である。

 しかしいくら絶好調でも、無理やり「どこかで公開授業がやりたいよぉ!!」と地団駄を踏むわけにもいかない。激しかった夏シリーズは、昨日ですっかり締めくくったのだ。今日がどんなに絶好調であろうとも、そんなの何にもならない。大人しく東京に帰って、懐かしいネグラで丸くなるしかない。
イカめし
(八戸駅前で、イカめしを満喫)

 というわけで、絶好調グマは自らの絶好調ぶりに返ってガッカリしながら、仕方なくホテルをチェックアウトすることにした。普段なら「チェックアウトは12時だろ?」ともうヒト寝入りするところだが、何しろここはダイワロイネットだ。10時チェックアウトが常識、それを超えるとタタキ起こされる。

 ホテル前からタクシーに乗り込んで、ラジオの高校野球中継に聞き入りながら八戸駅を目指す。無口な運転手さんは高校野球に夢中であって、「クマ助が今どれほど絶好調であるか」の雑談には耳も傾けてくれない。

 途中「馬淵川」という川をわたる。1959年、作家・渡辺喜恵子は「馬淵川」で直木賞を受賞。緑深いその川の夏景色に感激するが、クマ助がその感動を伝えても、運転手さんは「ああそうですね」「そんな感動より、やっぱり高校野球ですね」という無口ぶりにひたすら徹するのであった。

 10時すぎ、八戸駅に到着。予定の新幹線「はやぶさ」は11時10分ごろ発であるから、どこかで1時間あまり時間をつぶさないといけない。東北の短い夏もそろそろ衰えかけているが、駅前ではセミが盛んに鳴いて最後の猛アプローチをかけている。
せんべい汁
(七味唐辛子をタップリ入れて、美味、せんべい汁)

 今井君が選んだのは、八戸駅直結の「ホテルメッツ」レストラン。今年9月で店じまいする「大阪弥生会館」と同じ旧国鉄系列のホテルであって、旧国鉄系列から引き継いだ異様なほどの愛想の悪さは、やっぱりここでも健在だ。

 ホテルのメインレストランで、10時ちょい過ぎにいきなり「生ビール」。そりゃクマ助の方が悪いのだ。ここはカッコよく「ホットコーヒー」「ブラックで」「砂糖もミルクも要りません」と、渋い声でニコリともせずに吐き捨てるべきだったのだ。

 それをいきなり「生ビール」。お盆の朝、ガマンの足りない中年オジサマが、朝からダラしなく汗マミレになって「生ビール!!」と絶叫すれば、従業員の愛想が悪くなるぐらい当たり前のことかもしれない。

 他にお客のいないカラッポの10時、すぐに運ばれてきた生ビール。ミジメと言えばミジメだが、このミジメさこそがたった1人の祝勝会にはベストな状況なのだ。終わった。やり遂げた。とにかく昨日でやり遂げた。だからこそ、こんな場所でこんな時間に生ビールをグビグビやれている。

 他に注文したのは、「八戸イカ飯」と「八戸名物せんべい汁」。南部煎餅を野菜タップリのスープに直接投入し、これに「お好みで七味唐辛子を入れて召し上がってください」という趣向である。二日酔いの朝に、こんなにピッタリの朝食は考えられない。
グランクラス
(帰りもグランクラス。自腹でござるよ)

 周囲には次第に「お盆特有」のお客が集まってきた。まず、東京から一人旅でやってきた小学3年ぐらいのマゴと、彼を迎えにきた青森のオバーチャン。話は全く弾まずに、双方かなり苦労をしている。

 とりあえずオバーチャンは「八戸ラーメン」を2人前注文して、まだ眠そうで不機嫌なマゴの機嫌を取り結ぼうとしている。ラーメンだけじゃ当然ムリなので、バーチャンは「ラーメンの前にソフトクリームも」という裏技を披露。おお、ソフトクリーム1コで、マゴはカンタンに籠絡された。

 話に聞き耳を立ててみると、オウチではジーチャンが首を長くしてマゴを待ち受けている様子。青森の深い山と森の奥にカブトムシやクワガタを探しに出かける準備で忙しく、駅への出迎えは全部バーチャンに押しつけたようである。

「そりゃ楽しいお盆になるだろう」と思う反面、クマ助はおそらくこの4~5日後の別れのシーンを思って、もう泣きそうになってしまうのである。帰りたくないマゴと、帰らしたくないバーチャン。ジーチャンは知らんぷりで高校野球を眺めていればいいが、バーチャンの悲哀はその後1年ずっと続くのだ。

 いやはや、ジーチャン&バーチャンというものは、この世で最も悲しい存在ではないか。それに比べて、向こうの長テーブルに居並んだ大学1年生男子の6人組はどうだ。悲しみの「か」の字もない人生の頂点を満喫してるじゃないか。

 まだお店で食べ物を注文するのも慣れていない様子。「ボクは、八戸ラーメン」「ボクも同じ物を」「ボクも」と、常識的にラーメンで済まそうとする3人に対して、いきなり「オレは、刺身盛り合わせ3人前」と驚くべき注文をするヤツもいた。
サンドイッチ
(グランクラス、何とも中途半端なサンドイッチ)

 午前10時半、酒もビールもなしに、いきなり刺身盛り合わせ単品を3人前。刺身をお茶で飲み下そうというのだが、「そういえばこのクマ助自身、大学1年の頃はあんな変わったヤツだった」「友人たちにケッコ迷惑かけたのかも」と思いつつ、この集団の様子を見守った。

「何だよバカ、昼間っからそんなの注文すんじゃねーよ!!」の罵声を受け流しつつ、それでも刺身3人前を一気に平らげはじめた彼。他は「せんべい汁」「イカめし」など、控えめなランチを楽しんでいるが、彼はマコトに自慢げに、イカにマグロ、ホタテにウニにホヤ、北太平洋の海の幸を贅沢にエンジョイしているのであった。

 そういう情景を見ながら、クマ助はデカい日本酒もワンボトル飲み干して、いよいよ帰りの新幹線へ。帰りも自腹で「グランクラス」に買い替えたが、いやはや、グランクラスにはマコトに中途半端な軽食がつく。ヒコーキのプレミアムシートより、2ランクぐらい安っぽい軽食である。

 11時に乗り込んだ新幹線、9000円も払ったグランクラスでサンドイッチを1箱もらって、嬉しいと思う乗客なんか存在するんだろうか。青森や八戸で、いくらでも豪華なお弁当を売っているのに、こんなツマラン軽食がつくせいで、お弁当もみんな台無しだ。

 こんなのは、ヤメにすべし。早くヤメにすべし。軽食も、ヤタラにうるさいアテンダントもみんなヤメにして、そのぶん安くしてくれるか、またはポイントなりマイルなりを設定してくれた方が、間違いなく乗客はずっと嬉しいはずである。

1E(Cd) Quincy Jones:SOUNDS … AND STUFF LIKE THAT!!
2E(Cd) Courtney Pine:BACK IN THE DAY
3E(Cd) Dieter Reich:MANIC-“ORGANIC”
4E(Cd) Tuck & Patti:AS TIME GOES BY
5E(Cd) Candy Dulfer:LIVE IN AMSTERDAM
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