Tue 150707 ライバルに塩をおくる 授業アンケートはもう古い 確認テストで起死回生を | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 150707 ライバルに塩をおくる 授業アンケートはもう古い 確認テストで起死回生を

 こういうふうで(スミマセン、昨日の続きです)、少子化の影響で今やもうヘロヘロになっている全国の予備校にとって、「確認テスト」の導入こそが起死回生の特効薬になると今井君は信じるのである。

 昔ながらの「授業アンケート」なんか、もう古い。確かに20世紀の後半、講師の授業を生徒諸君に匿名で評価させる手法は画期的だった。予備校の手法を多くの大学も学び、21世紀初頭にはすっかり日本全国に根づいた感があった。

 授業に関する5段階評価。①非常に満足 ②満足 ③普通 ④不満 ⑤きわめて不満の5段階に分け、①は+2点、②は+1点、③は0点、④は-1点、⑤は-2点。集計してプラスならいいが、マイナスに傾けば減俸、ヤタラにマイナスなら解雇ないし雇用の停止。なかなかスッキリしてはいた。

 評価の項目は予備校によってさまざま。ほぼ共通していたのは、次のような質問である。
(1)講師の授業全般への満足度はいかがですか?
(2)講師の板書について、満足度を答えてください。
(3)講師の声はよく聞こえますか? 満足度はどうですか?
(4)講師の授業に、情熱や熱意を感じますか?
DOGU
(合宿後半の定番、DOGUのTシャツ)

 今井君はどの項目でも95%の満足度を常に確保し続けたが♡、要するにこういうアンケートでは、鉄板の雑談の連続で高い人気を確保しておけば、ほぼ大丈夫なのである。しかもいったん名声を確保してしまえば、もう取りこぼしは考えられない。

 だから予備校の世界のビッグネームは、この30年間ビクともしない。ビッグネームな先生の授業を受けられるだけで、生徒は何も考えずに「たいへん満足」にマークしてしまう。

 冷静に考えれば「雑談ばかり」であっても、「だってビッグネームなんだから ☞ きわめて満足」であり、逆に「名前も知らない3流講師だから ☞ きわめて不満」なのであって、ビッグネームは完全に固定化し、新人講師のつけいるスキなんか、アリのアナほども残っていない。

 20世紀終盤から高く分厚い壁を形成するビッグネーム軍団は、今や40歳代後半から50歳代のヒトビトである。一方の新人諸君は、20歳代後半から30歳代。間に10年から15年のギャップがあって、この世界には「後継者」と呼べる中堅の先生たちがあまり育たなかった。

 しかしもしそこに、「成績が上がったか上がらなかったか」という評価基準を持ち込めば、20世紀のビッグネームの多くが脱落するんじゃないか。鉄板の雑談にも金属疲労のヒビが入り、昔ほどの輝きは感じられないが、「成績をビシバシ上げられるか」ということになると、おそらくもっと心許ない。
夕焼け
(河口湖の夕焼け)

 そこが、我々と他の予備校との大きな違いである。我々の校舎がどこもほぼ例外なく大盛況なのは、「間違いなく成績が上がる」という安心感と信頼感がモトになっている。

 だって諸君、こんな合宿の場でさえ、「確認テストの成績」「満点取得者の数」など、他クラスや他の講師と常に切瑳琢磨し、点数が上がらなかったり満点者が少なかったりすれば、たちどころにスタッフにヤンワリたしなめられる。

 そういう厳しい競争を甘受し、ビッグネームであることへのプライドをかなぐり捨ててでも「成績を上げてやろう」「意地でも満点をとらせよう」と、講師が努力を重ねているような予備校が、他に存在するだろうか。

 いまだに好調に見える20世紀型のマンモス予備校も、中身を精査すればすでにマコトに残念な状況に立ち至っている。代ゼミがあんなことになってまもなく1年経過するが、K塾だってS台だって、いつ同じことになるか誰にも分からない。

 例えば、堅実に経営しているように見えるK塾も、首都圏郊外の校舎となると、甚だ心許ない状況のようだ。松戸・大宮・津田沼・立川なんかでも、高1や高2のクラスとなると、大教室に3人とか2人とか1人とか、唖然とするアリサマの授業もあると聞く。
お馴染み音読
(お馴染み、椅子の上に立って音読)

 若い講師たちの漏らす愚痴によれば、200名収容の大教室に生徒が1人。講師が1人、チューター役の大学生が2人。「3人で1人を教える」という世界は、朝日新聞なら絶讃するかもしれないが、経営の側面からすれば、正直言って「オトリツブシ寸前」なのである。

 ここは諸君、起死回生策を練るしかないだろう。クマ君が「敵に塩をおくる」なつもりで申し上げたいのは、必勝の戦術は、「確認テスト」の導入と、得点向上率における講師間競争である。

 中高年ビッグネームが鉄板ネタの雑談で人気にかじりつく時代は、もう20年も前に終わりを告げていたのだ。それなのに、数字もデータもなければ、「東大に一番多く合格させているのはボクなんだ」という根拠のない放言にすら、誰もツッコミを入れることができない。

 授業後にキチンとした確認テストが設定されていれば、講師は毎回必ず授業範囲を終了させなければならない。ビッグネームがいくらビッグネームであっても、授業範囲と確認テストの範囲がズレているようでは、もう人気は保てなくなる。

 おおむかし、テキストを全部やり終えられない先生でも、アンケートの数字さえよければ、ずっとビッグネームでいられた。「量より質だ」「残りのページは破っちゃえ」みたいな発言でゴマかして来たのだが、我々流の確認テストを導入しさえすれば、そういう悪習も消えてなくなるだろう。
5つの心得
(第2期スタッフが貼り出した5つの心得)

「テストをどうやって受けさせるんだ?」
「採点は誰がどうやってするんだ?
「得点はどう管理するんだ?」
「目先の点数ばかり追っかけてちゃ、人間的な授業が出来なくなるんじゃないか」
など、さまざまな問題点やら疑問やら反対意見も噴出するだろうが、それをこの10年ですべて解決したのが我々なのである。

 埼玉県与野、神奈川県向ケ丘遊園、葛飾区金町。かつてのマンモス予備校が、校舎の「こ」の字も置きそうにないそういう街で、高1高2の公開授業に何故100名もの生徒が殺到するのか。

 ビッグネームの圧倒的知名度によるところはあっても、
「毎回テキストの範囲を必ず終わってくれる」
「一定期間で間違いなく基礎力をつけてくれる」
「鉄板のオハナシで食いつないでいる講師じゃなくて、厳しい切磋琢磨に勝ち抜いてきた講師ばかりである」
という圧倒的信頼感に起因していることは間違いない。
最終日の夕食
(最終日の夕食は、生タマゴなしのすき焼きである)

 今井君は他予備校を「敵」とは思っていないので、あくまで「ライバルに塩をおくる」というスタンスであるが、もし今の状況が苦しければ、せめて高校生クラスの授業だけにでも、キチンとした豪華♡確認テストを設定することをお勧めしたい。

 ついでに、英語教材にはネイティブの音声を必ず付録としてつけること。河口湖合宿のテキストですら、HPからネイティブ音声をダウンロードできるなんて、いやはや、何とスバラシイ予備校だろうか。

 第2期の今井君は、自ら率先垂範でテキスト30回の音読を決行した直後だけに、最初から最後まで絶好調を維持。生徒諸君もマコトに積極的に「テキストを見ないで音読にチャレンジ」を続行して、4泊5日はあっという間に最終盤に至った。

 お約束の通り、最終日の夕食の写真を掲載しておく。定番「すき焼き」であるが、今年のすき焼きには生タマゴがついていない。季節がら、危険なものは危険としてキチンと配慮、結果として生タマゴなしのすき焼きになったものと思われる。

1E(Cd) David Sanborn:HIDEAWAY
2E(Cd) Jaco Pastorios:WORD OF MOUTH
3E(Cd) Anita Baker:RAPTURE
4E(Cd) Anita Baker:THE SONGSTRESS
5E(Cd) Anita Baker:RHYTHM OF LOVE
total m35 y1156 d16477