Wed 150701 合宿第4日の奮闘 弁慶と7人のコビトも奮闘を いよいよクライマックス | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 150701 合宿第4日の奮闘 弁慶と7人のコビトも奮闘を いよいよクライマックス

 こうして7月24日、河口湖合宿は第1期の4日目を迎える。5日目=最終日は午前中に「修了判定テスト」があって、後はクラス閉講式と全体閉講式があるだけだから、講師の仕事は実質的に4日目で終わり。9講 ☞ 10講 ☞ 11講、残る3コマに全力を尽くす。

 実は今年テキストの改訂があって、昨年までとはちょっと勝手が違う。昨年までは1回1回の授業に文法上のテーマがあって、例えば9講は関係詞・10講は比較・11講は仮定法と、文法中心に授業が進んだ。毎回1題の長文読解はあったが、90分のうち70分は文法という感じだった。

 だから合宿4日目になって、扉のページに「関係詞」「比較」と印刷してあるのを見ると、「ああ、いよいよラストスパートだな」とシミジミしたものだし、「11講 仮定法」となるともう明日の閉講式のことを思って胸が熱くなってくるほどだった。それが昨年までの10年間。

 しかし改訂されたテキストは、「文法中心」も何も、文法そのものが全て省略されている。21世紀に入ってからの大学入試の状況を考えるに、文法問題を生のまま出題する率は急激に下がっているから、合宿に来てまで文法中心の授業をすることには疑問符がつくようになったのである。
鳥獣戯画
(3年前、京都高山寺で購入した鳥獣戯画のTシャツ)

 そこで改訂版テキストは、あくまで長文読解問題が中心。1回1回の授業に、20問のコロケーション問題と5問のディクテーション問題がプラスされるけれども、あとはずっと長文読解である。

 これで講師としての負担はグッと軽くなった。昨年までは90分のうち70分を文法に費やし、そこから長文読解に移った。まず10分の演習時間をとり、その後で懇切丁寧な解説をすると、結局毎回20分も30分も延長するハメになり、ヘトヘトになって部屋に戻ったものである。

 ところが何しろ今年から文法編が皆無になったわけだから、マコトに落ち着いて授業ができる。下手をすると15分も20分も残して、余裕で授業範囲が終わってしまう。

 今井君みたいなオシャベリグマは、下手に時間の余裕があると、余計なオシャベリをして舌禍事件につながりかねないから、この余裕はちょっと恐ろしい。もちろん、20年を超える長い講師生活で「舌禍事件」というほどの経験は皆無であるが、若い頃はいろいろ「言わずもがな」をやっちゃった。
3日目
(3日目の夕食はデカいハンバーグである)

 そこでクマ助は、「時間の余裕」というブラックホールをなくすために、コロケーション関係の軽い教材を追加することにした。4者択一で15問。これだけあれば大丈夫であって、舌禍の恐怖は消えるは、生徒たちの充実度はさらにアップするは、ホントに素晴らしい結果になった。

 ただし4日目、生徒諸君の疲労はすでに見た目にも明らかである。昨日までのたった3日間で授業が90分×8コマ。確認テスト類が12回。それぞれの確認テストの前には、必ず1時間強の激烈な音読をこなしている。「見ないで音読」ができるぐらいなのだから、その激烈さは中途半端なものではない。

 昨日までを「ボディーブロー」と呼んでおこう。ボクシングなら、第8ラウンドまでの重いボディーブローが骨の髄まできいてきて、思わずグラッとロープにつかまりたくなるような感じ。野球のピッチャーなら、投球数が100に近づいてきて、帽子をとっては流れる汗を拭っている感じである。

 朝9時、1時間目の授業を始める前に教室内を見回すと、言わば「肩で息をしている」感じの数名と目があってしまう。一昨日も昨日も午前1時半まで個別学習に励み、朝は6時に起きている。起きている間はずっと授業と音読だから、マラソンなら35km地点というところだ。
夕焼け1
(河口湖は美しい夕焼けになった)

 1時間目の長文のテーマは「長寿の条件」。2時間目のテーマは「クレジットカードの発達史」。それぞれ設問が5つで、ラストに本格的な内容一致の選択肢問題がついている。

 授業の進行とともに、肩で息をしているタイプの生徒の比率が上がってくる。開始40分、とうとう今井君は見かねて伝家の宝刀を抜く。言わずと知れた「大爆笑できるハナシ」であるが、この妙薬もさすがに効く時と効かない時がある。

 午後1時半から、第10講。Last but oneであるが、そろそろクマ助自身の声も嗄れてくる。笑いを入れても、地の底から湧き上がってくるような不気味な笑いにしかならないことが多くなる。

 そりゃそうだ、午前中でもすでにツラかったのに、あのあと彼ら&彼女らは、また1時間強の個別学習(=音読)に励み、確認テストの試練を受けている。涼しいお部屋でブログ原稿を書いて楽しんでいた今井君とは、さすがに疲労度が違うのだ。
夕焼け2
(夕焼け、拡大図)

 「涼しいお部屋」と書いてから気がついたが、故障していた教室のクーラーは、関係者諸氏のご努力によって3日目から事態が改善してきた。100%の改善ではないけれども、何とか27℃までは冷えるようになって、7台の頼もしい扇風機軍団と併用すれば、快適に授業が進められる。

 クマ助はヒソカにこの扇風機軍団を「7人のコビト」と呼ぶことにした。クーラーちゃんこと♡白雪姫の調子が悪くて、部屋の中を白い雪のように冷やすことができない。「ならば」と立ち上がった老いたコビトどんたちが、昭和の華々しい活躍の日々を思い出しながら、最後のご奉公に全力を尽くすのだ。

 最後のご奉公ということなら、源義経を守る一騎当千の面々な感じもする。亀井五郎&六郎、片岡八郎、鷲尾三郎、そしてもちろん武蔵坊弁慶。いかにも弁慶っぽく、クーラー義経を守りながらとうとう5日間回り続けたヤツもいたのである。
優秀者表
(4日目、確認テストの優秀者表がズラリと並ぶ)

 10講終了、午後3時。生徒たちはここから個別学習 ☞ 確認テストという厳しいルーティンが続くが、今井君は部屋に戻ってブログ原稿を完成させ、WiFiの使える1階ロビーに降りて、じっくり推敲してからアップする。

 ただしこの10日間、推敲にあてる時間の余裕がない。誤字&脱字が多くなる傾向にあるが、読者諸君、こういう状況でも地道に更新を続けるこのクマ助の勤勉さに免じて、誤字脱字の3つや4つ、何とか許してくれたまえ。

 こうして7月24日、山あり&谷ありだった合宿第1期は、いよいよ最後のヤマ場に向かう。夕食を挟んで最終講=第11講があり、その後は翌日25日の午前5時まで、恒例のラストスパートになるのだが、その詳細はまた明日の記事で読んでくれたまえ。

1E(Cd) S.François& Cluytens & Société des Concerts du Conservatoire:ラヴェル/ピアノ協奏曲
2E(Cd) Paco de Lucia:ANTOLOGIA
3E(Cd) 寺井尚子:THINKING OF YOU
4E(Cd) Ono Risa:BOSSA CARIOCA
5E(Cd) Anita Baker:RHYTHM OF LOVE
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