Sat 150523 タカさま 田園調布に家が建つ 夏の思い出 国立 ☞ 吉祥寺のダブルヘッダー | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 150523 タカさま 田園調布に家が建つ 夏の思い出 国立 ☞ 吉祥寺のダブルヘッダー

 目蒲線について昨日ちょっと書いたら、さっそく読者から「目蒲線とは、何ぞや?」「そもそも読み方が分からない」と質問を受けた。いやはや、人々の記憶とは、何ともはかないものである。躊躇せずどんどん世界文化遺産登録して、近代日本の貴重な遺産の数々を、ビシッと記憶に定着させなきゃイカン。

 だって諸君、世の中は予想以上に急速に変化している。「貴様」という文字を見て、まさか「タカさま」と読む世代が出現するとは、さすがのクマ助も予期していなかった。

 誰が見たって「貴様」は「きさま」だと思っていたら、いつの間にか「きさま」は死語になって、その向こう側から堂々と「タカさま」ご登場。しかもその世代は、平成初期のお相撲の世界に「若サマ」「貴サマ」が存在したのもご存じないのだ。

 若貴ブームとほぼ同時期に、石橋貴明という人物がお笑いの世界を席巻し、彼を「貴サマ」と呼ぶ人もいた。しかしその辺のことさえ現在の受験生世代はご存知なかったりする。すると当然「ねるとん紅鯨団」だって「オールナイターズ」だって、日本人の記憶遺産から消滅してしまう危険があるわけだ。
14404 オコゼ
(国立&吉祥寺のダブルヘッダーの後は、世田谷の片隅のお魚料理屋で単独祝勝会。新鮮そのもののオコゼの刺身に舌鼓を打つ)

 目黒の「目」と蒲田の「蒲」をつなげて、目蒲線=めかません。そういう安易なネーミングも、丹念に書き記しておかなきゃ忘れられてしまう。目蒲線への乗換駅だった「田園調布」が東京きっての高級住宅地だったことさえ、田園コロシアム&多摩川園とともに記憶消滅の危機にあるのかもしれない。

 今井君の世代では常識の漫才コンビ「星セント・ルイス」は、いかがなもんであろうか。「獅子てんや・瀬戸わんや」「晴乃ピーチク・パーチク」に師事、漫才ブームのさきがけになった2人であるが、平成生まれの諸君にはなかなか通じない。

 まさに「去る者は日日に疎し」。2人続けて肺ガンで世を去ってから10年。セント・ルイスの全盛時代を知る者は、すっかり疲れた中年世代になっている。一世を風靡した「田園調布に家が建つ」の決めゼリフも、今となってはどこが面白いのかちっとも分からない。

 「田園調布ネタ」が飽きられた頃、「キューリ・ピーマン・ナス・別荘」という第2弾を試みたが、ナスと別荘地・那須を引っかけただけのこのギャグは、ほとんど日の目を見ずに消えていった。そもそも栃木県那須が、今後も高名な別荘地であり続けられるかどうか。それさえ定かではない。
ケーキ1
(国立の控え室でブルーベリーたっぷりのケーキをいただく)

 6月13日、今井君のお仕事はダブルヘッダー。
① 午後3時から東京都国立市で保護者対象の講演会
② 午後7時半から東京都武蔵野市吉祥寺で公開授業
というわけであって、①は40歳代から50歳代のカタガタ、②は10歳代の諸君。約30年の年月のギャップを、クマ助1人で乗り越えなければならない。

 これはまさに困難な試練であって、キャンディーズとAKBの間には、ウィンクもイカ天ブームもモー娘も厳然として存在する。そのギャップを軽々と乗り越えて21世紀のこちら側に着地するのは、滅多な人の出来ることではない。

 新宿から中央線に延々と揺られて、国立市は西武多摩湖線や武蔵野線のそのまた遥かな向こう。昔から「コクリツじゃなくてクニタチ」といちいち断らなきゃいけない、マコトに面倒な地名である。

 国分寺と立川の真ん中だから、その2つの頭の漢字をつなげて「国立」。大森の「大」と蒲田の「田」で「大田区」。東京と横浜だから「東横線」、東京と上州を結ぶから「東上線」。昭和とは、マコトに安易なネーミングの許される時代であった。
国立
(東京都国立市で保護者対象の教育講演会)

 国立の会場は「国立商業協同組合」が運営する「さくらホール」。公共のホールであるから、今井君の大講演会以外にも、いろんな催しが並行して行われている。

 この日はクマ助の控え室のお隣で「童謡・唱歌を歌う会」が進行中。60歳代と思われるかつての青年たちが国立駅前に集って、ホガラカに&サワヤカに、遠く熱い青春を謳歌しようと言ふ集いである。男女比はほぼ1:1、「おお牧場は緑」「夏の思い出」などを熱唱する。

「牧場は緑」の方は、「よく茂ったものだ、ホイ!!」の「ホイ!!」まで丁寧に歌い上げていたし、「夏の思い出」も夢のように美しいハーモニーであった。
  夏が来れば思い出す 遥かな尾瀬 遠い空
  霧の中に 浮びくる 優しい影 野の小路
  水芭蕉の花が 咲いている
  夢見て咲いている 水のほとり
  石楠花色に黄昏れる 遥かな尾瀬 遠い空
中田喜直作曲、江間章子作詞。おお、マコトに爽やかである。

 クマ助としては、夏が来れば思い出すのは「河口湖合宿」であり「美富士園」の畳のニオイであり、400人のワコードらが声を揃えた激しい音読の声であるが、オジサマ&オバサマたちの青春も、国立駅前で再び熱く燃え上がっているようであった。
ケーキ2
(吉祥寺でもケーキ。ケーキも当然ダブルヘッダーになる)

 いつまでも若々しい歌声に聞き惚れているわけにはいかないから、15時きっかり、国立での教育講演会を開始。「ホイ!!」の人々よりおそらくワン世代若い保護者の皆さんが、約90名も駆けつけてくださった。

 国立は都内有数の学園都市であり、一橋大学のお膝元。都立国立高校、旧制東京府立二中 ☞ 都立立川高校、私立の雄 ☞ 桐朋高校をはじめ、名門と呼ばれる高校がズラリと揃い、生徒&保護者ともに、夢も志望も学力も意識も高い。

 講演は、100分。例え保護者対象の講演であっても、何よりもまず笑いを大切にする。笑いが3分以上途絶えるようだと、講師の責任を果たしていないように感じてしまうのである。

 目の前はほぼ同世代の人々であるから、世代共通の話題でナンボでも盛り上がる。「ちょっと盛り上げすぎじゃないか」「笑いが激しすぎないか」、少し心配になるほどであったが、思わず10分延長して110分、いやはや、ホントに大爆笑の連続で最高の会になった。

 国立から吉祥寺へ移動する中央線の電車の中で、たった今の講演に出席していた保護者のご夫妻が、興奮気味に感想を語り合っていらっしゃるのを、たまたま耳にしてしまった。
「スゴかったな。あそこまで超一流になれば、もう自由自在なんだな。中身も話術も含めて、スゴい参考になったよ」
とおっしゃる。うぉ、別に「超一流」のつもりはないが、こりゃ最高の讃辞でござるね。
吉祥寺
(吉祥寺の大盛況)

 吉祥寺に到着、17時半。講師控え室で2時間ほどゆっくりして、19時半から公開授業。出席者130名。使用したテキストは、授業が中心の「Cタイプ」。予習が必須のテキストであるが、この間の与野と同じで、直前にテキストを手にしたばかりの生徒がほとんどである。

 それでもやっぱりずっと大爆笑の授業を続けるところが、クマ助のクマ助たるところ。生徒諸君もノートとメモを目一杯とりまくって、90分間実によく奮闘努力した。

 130名の中には、高1生も60名ほど含まれている。内容的にこれほどキツい濃厚テキストで、つい3ヶ月前まで中学生だった諸君が、授業についてくるだけでも大したもの。いやはや、これから先もこの熱さを忘れないで、ずっと努力を継続してほしいものである。

1E(Cd) Miles Davis:KIND OF BLUE
2E(Cd) Gergiev & Kirov:TCHAIKOVSKY/SYMPHONY No.6
3E(Cd) Argerich, Chailly & RSO Berlin:TCHAIKOVSKY/PIANO CONCERTO No.1 & RACHMANINOV/PIANO CONCERTO No.3
4E(Cd) Gergiev & Kirov:RACHMANINOV/SYMPHONY No.2
5E(Cd) Ashkenazy:RACHMANINOV/PIANO CONCERTOS 1-4 1/2
total m116 y931 d16253