Thu 150514 6月6日に雨ザーザー あーっと言う間に下北沢 岩手県とおでん屋を満喫 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 150514 6月6日に雨ザーザー あーっと言う間に下北沢 岩手県とおでん屋を満喫

 昨日は6月6日であった。6があんまり連続すると、ヨハネ黙示録「獣の数字」からの連想なのか、悪魔とかオーメンとか殺人鬼とか、マコトに不気味なドロドロした世界への想像が広がってしまうようである。

 かく言う今井クマ蔵は、不気味な世界はあまり好きではない。諸君、例えば山形の「サクランボの日」をお手本に、もっと楽しく可愛らしく生きていこうじゃないか。6と6が並んで仲良くつながっていたら、確かにサクランボだ。山形、なかなかやるじゃないか。

 というか、6月6日でまず思い出すのは、「6月6日に雨ザーザー降ってきて」の一節の絵描き歌である。幼児の今井君がリアルタイムで眺めていた「おかあさんといっしょ」の中で、当時の歌のオニーサンだかオネーサンだかが、歌に合わせて可愛いコックさんの絵を描いてみせた。

 作詞・作曲とも、不詳。昭和のコドモなら誰でも知っていたから、あとでパパかママに歌ってもらいたまえ。明るい家庭の基本ルールは「YouTubeよりパパかママ」。男子でも女子でも、久しぶりにパパに絵描き歌をねだるのも悪くない。

   棒が一本あったとさ 葉っぱかな
   葉っぱじゃないよ カエルだよ
   カエルじゃないよ アヒルだよ
   6月6日に雨ザーザー降ってきて
   三角定規に ヒビいって
   アンパン2つ 豆3つ
   コッペパン2つ くださいな
   あーっという間に 可愛いコックさん

 幼い今井君としては、①「アンパン2つ 豆3つ」でコックさんの耳とボタンができてしまう強引さ、②「三角定規にヒビが入る」なんてことは滅多にないんじゃないかという疑問、以上2点が不満であったが、まあ目くじらを立てるほどのことではない。
平泉ワイン
(下北沢「千真野」で岩手県花巻のロゼワインを痛飲)

 さて、東京では6月5日の段階でもう「雨ザーザー」をやっちゃったから、6月6日は朝から快晴。もう「雨ザーザー」はなさそうだ。ということは、もちろん三角定規にヒビも入らないし、どこからともなくアンパン2つ&豆3つが手に入ることも期待できない。

 そこで6月6日のクマ助は、別に「可愛いコックさん」なんかじゃなくていいから、とにかく旨いものを食べさせてくれるお店に出かけることにした。「棒が1本あったとさ」と歌いだすヒマもなく、あーっと言う間に楽しい下北沢にたどり着いたのである。

 土曜日の下北沢は、お祭りみたいな大混雑。ホンの2~3年前まで、下北沢でも三軒茶屋でもまるで火が消えたようにシーンとして、日本中があんなにションボリしていたのが、今ではまるで夢のようである。

 街には人が戻り、活気が戻った。株価だって2万円付近で高値安定して、世の中は天下泰平、マコトにオメデタイ。下北沢駅前の飲食店を覗いてみると、どこも午後6時の段階で6~7割の入り。おお、なかなか景気がいいじゃないか。

 何でもかんでもいちいち七面倒な渋い顔で
「庶民には景気回復なんて実感できません」
「私たちにはまだ好景気のオコボレはめぐってきません」
「他にもっとやることがあるんじゃないでしょうか」
とか、ごく最近まで難しいことをおっしゃっていた人たちの顔からも、深いシワが2~3本は減ったようである。
鮎
(鮎の塩焼きが旨い季節になった)

 何しろ、下北沢だ。後ろからも前からも「あ、今井先生だ!!」とササヤキあう声が聞こえるが、クマ助は恥ずかしがり屋だから、こちらから振り向いたり、声をかけたりすることはしない。

 今井を発見したら、ぜひ諸君の方から積極的に声をかけてくれたまえ。声をかけてくれなければ、クマはどんどんスタコラ逃げていくだけである。だって諸君、有名人きどりでニッコリ&ニカーッと振り返るなんてのは、余程の人でない限り、一朝一夕に出来る芸当ではない。

 この日のクマ助が向かったのは、つい1週間前にも入った北口の雑居ビル2階「千真野」である。前回以上にどんどんお客が入ってきて、たった2人で切り盛りしている小さなお店はマコトに忙しそうであった。

 注文したのは、まずロゼワイン「コンツェルト」。岩手県花巻の「エーデルワイン」が、平泉の世界文化遺産登録を記念して作った。このボトルを1本ゆっくりチビチビやりながら、① 焼き松藻 ② 南部地鶏の塩焼き ③ 鮎の塩焼きなどを、シミジミ&ジックリつまむのである。
焼き松藻
(岩手三陸地方の名物「焼き松藻」。海藻に塩をふって焼くだけの超シンプル料理である)

 実は、6月末には岩手県盛岡(実際には花巻市)でのお仕事が控えている。岩手県で仕事があれば、前もってタップリ予習をするのが今井君の習性。花巻でも盛岡でも高校野球の話題から酒やツマミの話まで、じっくり予習を積んでから現地に赴きたいのである。

 うぉ、さすがオトナのクマである。まだこういうオトナのレベルまで達していない諸君も、早く追いついてきたまえ。そしてもしカウンターの片隅に、寂しげなクマの姿を見た気がしたら、遠慮なしに話しかけてくれたまえ。店を出た後の2次会の面倒ぐらいは見て差し上げようじゃないか。

 そこでその2次会であるが、6月6日の今井君は創業60年のウルトラ老舗おでん屋を選んだ。6月5日のうちに「雨ザーザー」は済んだはずだったし、天気予報でも「夕方からはスッキリ晴れます」と断言していたのに、諸君、さすがは6月6日だ。午後8時の下北沢に、激しい雨がザーザー降ってきた。
おでん
(初夏の風に「おでん」の暖簾が揺れる)

 おでん屋というものは、ためらいながらネロネロ&ウダウダ入りこむのは似合わない。いきなり降ってきた雨を避け、息をハーハー弾ませながら駆け込むものである。駆け込んだそのまま勢いで、躊躇なしに「コンブ、イカ天、コンニャク、タマゴ。あと、お酒をヒヤで」。これがおでん屋での正しい流儀である。

 何とも無愛想なおでん屋のオヤジが腕組みをして待っていて、「ヨッパライはお断りですよ」とホザく。こっちの顔を見て、しつこいヨッパライでないことをまず確認。それからやっと、一升瓶を傾けて酒を注いでくれる。そういうふうじゃなくちゃ、おでん屋の名に値しないのである。

 下北沢北口、おでんの「宮鍵」はまさにそういうガンコオヤジの店である。年季の入った格子の引き戸、年季の入ったカウンターとコンクリートの土間、それ以上に年季の入った長い白髪のオヤジ。突然の雨を避けて駆け込むおでん屋に必要な条件はすべて揃っていた。
看板
(さすが創業60年。看板の文字にも風格を感じる)

 こういう店では、たとえ気に入らないことがあっても。ガマンガマンですべてガマンしなきゃイカン。60年同じ場所で頑張り続けたオヤジに敬意を表し、静かにどこまでも大人しく過ごすのもまた、梅雨時のオトナの楽しみの1つなのである。

 そりゃそうだ。イカ天もゴボウ天もタマゴも、みんな100円程度。コンブなんか「30円」という数字に思わず快哉を叫ぶ。グルメ番組みたいな無礼で愚かな絶叫を謹み、オヤジとは軽く二言三言交わしただけで、「あくまで雨宿り」というスタンスで淡白に時間を過ごす。

 これ以上ダラしなくなるようじゃ、まだまだコドモの域を出ていないと言わざるを得ない。ま、コドモはコドモで、絵描き歌で6月6日を過ごす特権がある。諸君、諸君の6月6日は、楽しい1日だっただろうか。

1E(Cd) Bernstein:HAYDN/PAUKENMESSE
2E(Cd) Fischer & Budapest:MENDELSSOHN/A MIDSUMMER NIGHT’S DREAM
3E(Cd) Coombs & Munro:MENDELSSOHN/THE CONCERTOS FOR 2 PIANOS
4E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE 1/2
5E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE 2/2
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