Thu 150430 東大野球部の勝利 泣き顔ディーゼル スパッカナポリへ(ナポリ滞在記19) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 150430 東大野球部の勝利 泣き顔ディーゼル スパッカナポリへ(ナポリ滞在記19)

 諸君、たいへんだ。ついに東大の野球部が勝利をあげた。しかも相手は法政だ。かつて江川が投げ、田淵が打った、あの法政に東大が勝った。94回連続して負けつづけ、5年間1度も勝ったことがなかった。それでもメゲずに戦い続けた。そしてとうとう勝った。勝った。勝った&勝った。

 「なんだ、せっかくなら100回連続で負けてからのほうがよかったじゃないか」とニタニタしている諸君、もっと手放しで喜びたまえ。これほどの連続敗戦記録にもメゲることのなかった精神力を、今こそ心から喝采して熱く讃えようじゃないか。

 この奇跡的勝利を記念して、今日の1枚目の写真は「ナポリ滞在記」というサブタイトルにも関わらず、ニャゴロワどんの激烈な雄叫びを、アップで掲載させていただきたい。

 むかしはブログ1回の更新で15枚も写真を掲載したことがあったが、この3年ほど「写真は5枚」のルールを自分で決めて、律儀にルールを守ってきた。ホントなら、ニャゴの雄叫びをもっとたくさん披露して、東大勝利の感激を津々浦々に広げたいぐらいだ。

 しかしネコはそんなに便利に出来ていないから、「雄叫びをしてください」といくらお願いしても、滅多なことでは雄叫びはしない。まあさすがにニャゴロワは特別なネコだ。事情を理解して、ご覧のような雄叫びを披露してくれた。
歓喜
(歓喜の雄叫び)

 よく写真を見てくれたまえ、
① 12歳なのに、虫歯なんか1本もない
② この雄叫びじゃ、さすがの美ネコも2重アゴ
という2つの貴重な事実に気づくだろう。

 ただし諸君、今日は日曜日だ。何も今井君とニャゴロワがセットになって大騒ぎしなくても、テレビのオジサマ向けニュースショーが「あっぱれ!!」とか言って十分に騒いでくれそうだ。クマ助はこの辺で退場して、本来の旅行記に戻ろうと思う。

 ただし諸君、首都圏で暮らす諸君は、今日は何が何でも神宮球場に足を運ぶべきである。5年ぶりの勝利に沸く東大生の皆さんが、今日もまた応援団席で昨日の感激を噛みしめつつ、2002年のvs立教大戦以来、実に12年ぶりだか13年ぶりだかの勝ち点を期待して、彼ら彼女らの応援歌を熱唱しているはずだ。
泣き顔君
(ナポリ近郊のディーゼルカー。泣き顔がマコトに可愛らしい)

 東京大学を目指す諸君、今こそ神宮に駆けつけなくてはならない。こういう歴史的な日に
「いいえ、ボクは勉強がありますから」
「ワタシはそういうのに興味はありません」
とか、そういう冷酷な発言をしているようでは、日本の未来はあんまり明るくならない。

 「じゃ、今日のオマエは何すんだよ?」であるが、今井君の行動は今の段階ではヒミツである。文楽を見に行くかもしれないし、国立能楽堂で能&狂言もありうるし、神宮や両国国技館にヌッと姿を現すかもしれない。

 そうかと思えば、いきなり福岡でウナギを食していたり、青森県の弘前城趾で桜を愛でつつ味噌田楽をパクついていたり、鎌倉で釜揚げシラスをツマミに酔っぱらっていたりする。神出鬼没こそクマというものの本領なので、もし見かけたら、ぜひ気軽に声でもかけてくれたまえ。
昭和な世界
(ナポリ、1両編成のディーゼルカー。車内もまた昭和な世界であった)

 さて3月30日、ナポリ近郊カゼルタの王宮庭園を出た後のクマ蔵どんは、往復8km近い散策にさすがにヘトヘトである。記憶に残ったのは、異様に壮大な人工の滝と、ムンズとお魚をつかんで離さないカラス君の強情な立ち姿ぐらいである(スミマセン、昨日の続きです)。

 すべて十分に面白かったが、雨が降り出したせいもあり、膨大な数の小中学生軍団と遭遇したせいもあって、ポンペイやカプリほどの感激はないのである。仕方ない、カゼルタからは退散し、これから電車でナポリに戻って、悪名高いスパッカ・ナポリを走り回ろうと決めた。

 カゼルタの駅で待っていると「まさか♨」と絶句するほどの古参列車が姿を現した。1両で走るディーゼルカー、昭和末期の北海道や、九州・筑豊の炭田地帯をユラユラ揺れながら走っていたアイツである。映画「ぽっぽや」で高倉健が敬礼で見送ったアイツとそっくりな、イタリア版の最古参がやってきた。

 これは、冗談でも何でもないのである。地元のヒトビトは、「ああ、コイツが来ちゃったか」とタメイキをつきながら乗り込んでいく。普通なら7~8両編成&冷暖房完備なヤツがくるんだけれども、おそらく「10回に1回はコイツ」という頻度でコイツと遭遇するのだ。
ミケーレ
(歴史あるピザの名店、ミケーレ。お団子状の列が途切れることはない)

 列車のお顔自体が泣き顔であって、「スミマセンね、ワタシなんかで」と申し訳なさそうに停車する。車掌さんも駅員さんもニガ笑い、ディーゼルエンジンの懐かしい音を聞きながら、駅にいる全ての人がホッコリしている。

 それでも、実際にカンパーニャの平原を走り出せば、まだまだ十分に現役で働き続けられるところを見せつける。折から雨が上がって日が射しはじめ、平原の向こうにはもちろんヴェスヴィオ。山と列車が「お互い年をとったな」「やれるところまでやろうぜ」と、やっぱり苦笑しながら挨拶を交わしているように見える。

 ナポリ着、15時。スパッカナポリは、中央駅から徒歩20分ぐらいのところから広がるナポリの名所である。問題は「どんな意味で名所なのか?」であるが、いやはや諸君、ホンの10年前までは「気軽に近寄ってはいけません」と大書されるぐらい、治安の悪いことで有名なナポリの旧中心街なのであった。

 しかしこの10年、おそらくナポリ市当局が目いっぱい努力したお蔭で、治安はすっかり改善され、もうほとんどテーマパークと言っていいほどである。欧米人観光客なんか、コドモをたくさん連れてゲラゲラ笑いながら写真を撮りまくっている。
トリアノン
(もう1軒、スパッカナポリで1923年から営業を続けるピッツェリア)

 10年前のガイドブックだと、
「カメラなんか出して、油断してはいけません」
「ブランド品を持っていくのはもってのほか。狙ってくださいと言っているようなものです」
「高級な腕時計は、出来れば外していった方がいいです」
の類いのアドバイスがズラズラと並んでいた。

 しかし2015年、そんなにギュッと難しい顔で頑張っている人はもう誰もいない。ただ、
① 世界中どこの街にも必ず入り込んでいる中国人経営のお店が見当たらない
② 中国人団体を見かけない、韓国人集団も日本人集団もほとんど見かけない
の2点が、かつてのスパッカナポリの栄光を思い起こさせるぐらいである。

 この街の入口に有名なピザ屋さんが2軒あって、店の前には長蛇の列が出来ている。ピザという食品をナポリから世界に普及させるのに一役買ったと言われるほど、由緒正しいピザ屋であって、そのうちの1軒「ミケーレ」前には、イタリア独特♡割り込み自由、お団子状の列が渦を巻いている。

 もちろんこの種のお団子やおしくらまんじゅうに付き合っていれば、いつまでかかってもピザにありつけないばかりか、マジメな日本人の感じるストレスはほとんど無限大に拡大する。

 今井クマ蔵も、またしかり。もう少しマトモに食べられる店を求めて、危険なカホリのスパッカナポリに、どこまでもズンズン奥深く入り込んでいくことにしたのである。

1E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.6
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