Thu 150409 また旅へ Tシャツ断捨離 スイートラウンジでふんぞり返る(ナポリ滞在記1) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 150409 また旅へ Tシャツ断捨離 スイートラウンジでふんぞり返る(ナポリ滞在記1)

 今日からまたまた旅行記が始まってしまう。「カンケーねーぜ」「長過ぎるぜ」「役にたたねーぜ」の3拍子そろい踏み。3月下旬から4月上旬にかけての南イタリア滞在2週間について、微に入り細をうがって記録しておこうと思う。

 それにしても、今年の3月はマコトによく旅をした。上旬は、北海道に1週間。中旬は、沖縄にのべ5日。釧路湿原をさまよっていたかと思えば、石垣島や西表島に姿を現して、水牛の引く車に揺られて離島のまた離島に渡ったりした。

 そんなふうにして3月23日まで、日本全国を北から南へ、南から北へ、これ以上は無理と思うギリギリまで飛び回っていたクセに、3月26日のクマ助はもう何だかソワソワとスーツケースの準備を始めた。

「今度はどこに行くんですかい?」
「ほほお、今度はナポリですかい」
であって、10年ぶりのナポリに向け、洗濯にわずわされずに済むように、滞在日数分のパンツにシャツに靴下をかき集めてスーツケースにつめるのである。

 何しろクマ助は物持ちがいいから、カバンは17年前から、冬のコートは25年前から、仕事用の革靴は8年前から同じものを使っている。物持ちの良さはワイシャツやTシャツにも及んで、ついこの間パリでワイシャツを1枚断捨離したのが、今もなお残念でならない。

 何しろ「整理術」「片づけ上手」が大流行中で、TIME誌「最も影響力のある100人」に近藤麻理恵サンが選ばれているわけだから、物持ちの良さなんてのは、完全に時代から取り残されている。しかしそうは言ってもクマ助は、まだ使えるものをポイポイ処分しちゃう大胆さを持ち合わせない。
イースター
(フランクフルト空港セネター・ラウンジにて。イースターの卵とともに、「カップヌードル on demand」の日本語表記を発見)

 というか、物にも執念があって、下手をすれば物怪になって祟りをすることもあるだろう。大昔のモノノケ退治は物部氏が担当だったが、物部サンが蘇我氏に敗れてすでに1400年。万が一にも物怪が暴れだせば、今の日本にそれを制御できる人は存在しない。そもそも「物部守屋」だなんて、オウチを守るにはベストの名前じゃないか。

 そんなことになったら恐ろしいから、少なくとも今井君だけは物をしつこく使い続けようと考える。15年も前に温泉旅館でもらった毛糸の靴下を、今もお散歩用に愛用しているほどだから、諸君、まあタメイキでもついてくれたまえ。その温泉旅館は廃業してしまったが、いただいた靴下は3足とも健在だ。

 しかしまあさすがにナポリやアマルフィにまでこの3足を連れてはいけないから、ナポリから無事に戻るまでタンスで大人しく待っているように、くれぐれも夜中の風呂場で暴れだしたりしないようにと、温泉靴下君たちにはよくよく言い聞かせることにした。

 パンツについて公の場であんまり詳細を語るのは憚られるが、Tシャツのことなら別にかまわないだろう。毎年7月下旬の「河口湖合宿」ではTシャツ姿で授業をするし、いちいちブログにその日のTシャツ写真まで公開しているぐらいだ。

 ナポリにオトモさせるTシャツ13枚を選びながら、「コイツはさすがにもうダメかな」という1枚と遭遇。1999年から2000年にかけ、北海道にスキーに出かけた時にANAからもらったシャツだから、すでに15年選手である。まだ擦り切れてはいないが、このごろ汚れが落ちにくくなってしまった。
スキーTシャツ
(1999年冬、全日空スキーツアー景品でもらったTシャツ。15年、よく現役で頑張りぬいた)

 旅行記の冒頭が、旅行の景品にもらったTシャツ1枚の断捨離の話になるのでは、それこそ「役に立たねー」の真骨頂であるが、諸君、もちろんこれはワザとやっているのであって、ブログというものは本来こうでなければならない(んじゃないかね)。

 「役に立たなきゃ」「役に立たなきゃ」とあんまりみんなが焦るから、ヒトは何だかメンドーになってブログからツイッターに切り替えちゃう。気がつくと、ブログと言ふものの多くがダイエット食品や英会話教材の宣伝媒体みたいになっちゃった。

 ま、こうして涙ながらに景品のTシャツを断捨離して、旅の荷物は詰め終わった。ついこのあいだ真冬のミラノ駅で「あたりめ」に救われたばかりだから、今回のスーツケースにも非常用の食料をたくさん詰込んだ。

 さきいか、海苔、ナッツ類、魚肉ソーセージ、チー鱈など、ヨーロッパでは手に入りにくいツマミを20品ほど。麦焼酎「いいちこ」は、900mlの紙パックのもの。ウーロン茶のティーパックも持参して、ナポリで焼酎の熱いウーロン茶割りを楽しむなんてのもオツなものである。

 これに、紅茶用のウィスキー、ハチミツ、文学全集から「ヘンリー・ジェイムズ」1巻を加える。ナポリのホテルで真夜中にウィスキー入りの紅茶を飲みながら、500ページ以上ある文学全集を開けば、それだけで何だか高級そうじゃないか。
ハンバーガー
(羽田国際線ターミナルスイートラウンジにて。こんなまん丸ハンバーガーにも0円でかぶりつける)

 21時半、羽田空港に到着。ヒコーキはいつも通りエコノミー席で12時間ガマンするけれども、何しろ諸君、相変わらず今井君はANAダイアモンドメンバー。「プレミアムエコノミー」に無料アップグレードしてもらえるし、「スイートラウンジ」で後頭部が床につくぐらいふんぞり返ってもいられる。

 国際線のラウンジにも2種類あって、「普通のラウンジ」と「スイートラウンジ」が同じフロアに並んでいる。「スイート」のほうを使えるのは、ファーストクラスに乗る人と、ダイアモンドメンバーのみである。

 ファーストクラスに乗ってヨーロッパ往復を企てれば、200万円だったか300万円だったか、法外なオカネがかかる。会社からオカネの出る出張なら別だが、個人旅行でそんなオカネを自分で出すのは、平凡なクマとしては何だか居心地が悪いから、往復20万円のエコノミーを利用する。

 その代わり、年3回とか4回とか、回数を稼いで楽しみまくる。それでもクマ助はダイアモンドメンバーだから、300万円払って旅行するお殿さまや王さまみたいな雲の上の人たちとスイートラウンジを共有できる。ありがたや&ありがたやであって、この際タップリとその特権を利用させていただく。
ヌードルカウンター
(ヌードルカウンターにも、ググッと贅沢なメニューが並ぶ)

 スイートラウンジには「普通のラウンジ」には存在しない豪華レストランスペースがあって、無料で豪華ディナーを楽しむことも出来る。もちろん豪華アルコール類も全て無料であって、「おーし、モトをとってやろうじゃないか」と、クマのクセに思わず腕まくりして消費に励む。

 「モトをとる」も何も、もともとエコノミーなんだから「モト」なんてものを出していないのだが、あんまりモトを出していない人物ほど「モトをとろうぜ」「モトをとろうぜ」と喚き立てるものである。

 こうなったら、300万円払ったお殿さまなりキングなり殿様キングスなりを押しのけ、出してないモトを徹底的にとりにいく。ディナーが終わったらレストランスペースを出て、ラウンジのさらに奥深くに攻め込み、「ヌードルコーナー」にも顔を出す。

 このコーナーも「普通のラウンジ」とはレベルが違う。「普通」の方はソバ&ウドンだけであるが、ダイアモンド君のラウンジには、カレーにおでんに牛丼、リゾットにハンバーガーにパスタ、マコトにバラエティ豊かな食品が並んでいる。

 しかも諸君、グラウンドスタッフがテーブルまで運んでくれるのもまた「普通」との違い。エコノミーのオカネでこういう殿様キングス専用スペースに闖入し、メッタヤタラにふんぞり返って、先にカタキをとっておく。
デスク
(仕事のはかどりそうな個別ブースも並ぶ)

 何のカタキかというに、この後いよいよヒコーキに搭乗してエコノミー席に収まれば、「なーんだ、アイツは『なんちゃってスイート』だったんだな」とキングや殿様や親方各位に冷笑されることになるわけだ。先に大いにふんぞり返っておかなければ、搭乗時の屈辱感を振り払うことができない。

 ラウンジに入ったのが22時、ヒコーキの搭乗が0時30分ごろだから、さすがのナンチャッテおじさまも、やがてふんぞり返っているのに飽き飽きしてくる。こういう時もスイートラウンジはマコトに便利であって、個室形式の書斎ブースがズラリと並んでいる。

 もちろん、怠け者のクマ助だ。これから旅に出るというウキウキした気分で、まさかお仕事なんかするわけがない。ブースですることは、まず何と言ってもPC類とスマホの充電。半日後には海外だ。準備は万端にしておくにかぎる。

 あとは、日付が変わる瞬間を待ち受けてブログの更新。これだけ海外を旅行しても、連続更新記録がすでに3年≒1000日を超えているのも、実はこういう細やかな気配りをしているタマモノなのである。

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3E(Cd) T.Beecham:BERLIOZ/LES TROYENS 1/3
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