Wed 150225 那覇の名店「ジャッキー」のステーキを食べにいく 公設市場とヤシガニ君 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 150225 那覇の名店「ジャッキー」のステーキを食べにいく 公設市場とヤシガニ君

 3月18日と19日は沖縄での2連戦である。会場となる東風平(こちんだ)も浦添(うらそえ)も那覇からクルマで30分ほどの所だから、那覇に2連泊して、2015年早春シリーズのクライマックスを満喫することにした。

 3月上旬の室蘭・釧路5日間がクライマックス♡その1。そして今回の沖縄・姫路3日間がクライマックス♡その2。手ぐすね引いて、この日がくるのを待っていた。

 だって諸君、せっかくの春の沖縄2連泊だ。先週も沖縄だったが、あれはたった1泊。1泊と2泊じゃ、日々旅にして旅を住処とする者として、利用価値が丸っきり違うのである。

 3月18日、クマ助は張り切って羽田発9時20分のヒコーキを選択。沖縄まではまるまる3時間かかるから、那覇到着は12時20分を過ぎていた。気温は26℃。もう十分に夏の雰囲気であって、地元のヒトビトには「Tシャツ1枚」なんてのもいらっしゃるし、かりゆし姿も目立つ。

 ホテルにチェックインしたのが午後1時半。仕事は7時半からだから、諸君、6時間も余裕がある。時間帯もベスト。「何をするのにベスト?」であるが、そりゃ言うまでもない。「沖縄にきたら、まずランチ」に決まっている。
ステーキ
(那覇の名店「ジャッキー」のテンダーロインステーキ・Lサイズ、2200円。パンとスープ、サラダとアイスティーがついてくる)

 目指すのは、当然のように「国際通り」。公設市場にズラリと並んだ魚屋さんで食べたいお魚を選べば、それをすぐに2階の食堂で料理してくれる。セミエビ・ヤシガニその他、沖縄でなくては出会えない甲殻類に、思わずヨダレの糸が垂れる。

 しかし、ここにも中国の人々がズンズン入り込んでいる。お客も中国人集団なら、完全な中国人経営店も進出。日本人は肩身が狭く、入り込みにくい。年間50日を外国旅行に費やし、それを10年以上も続けているベテラン今井君でもそうなのだから、内気な人は闖入困難を感じるんじゃないか。

 しかも「食べよう」「貪ろう」と勢い込んできたヤシガニには、「食べて死んだ人がいる」という不気味な噂もある。姿もマコトに不気味。虫や甲殻類の苦手なオカタは、決して画像検索なんかしないことをお勧めする。

 ヤシガニそのものには毒性はないはずなのだが、このクモの親玉のような生物は、屍肉や腐敗物や生ゴミまで貪るゴツいヤツら。食べた物の毒性が体内に蓄積されて毒性を増し、ついにはヒトが死んでしまうほどの毒に成長するらしい。
魚市場
(那覇・公設市場にて。珍しい魚介と甲殻類が並ぶ)

 というわけで、不気味さに圧倒されたクマ助は公設市場を退散。クワバラ&クワバラ。「クマがヤシガニ食って中毒し、公開授業が中止になった」なんてのは、将来100年にわたる恥辱になりかねない。

 しかし諸君、「楽しみにしてきた沖縄ランチを、ヤシガニの不気味さに負けてあきらめた」というのも、やっぱり末代の恥である。クマ助は一気に頭を切り替え、「ならば、ステーキ!!」と決めた瞬間にタクシーを止めていた。

 目指すは「ジャッキー」。タクシーの運転手さんに「ジャッキー!!」と告げただけで「ああ、ジャッキーね」とニヤリと微笑む。地元ではそのぐらいの有名店&人気店であって、アメリカ軍お墨付きの「Aサイン店」でもある。

 「Aサイン」とは、かつて昭和のむかし、「アメリカ軍人および軍関係者が出入りしてもOK」という店に掲げられたもの。アメリカ軍の厳しい基準をクリアした店にしか掲示できなかった。そりゃどうしても、その店に行ってみなきゃイカンね。

 沖縄のヒトビトは「ジャッキー」と呼ぶが、正面に掲げられた正式名称は「Jack’s Steak House」である。ジャックがどんな経緯を経てジャッキーに変貌したのか、日本語の看板は完全に「ジャッキー」。「力がつきます」のサブタイトルが並んでいる。
ジャッキー1
(名店ジャッキー 1)

 エントランスに古めかしい電光掲示板があって、信号みたいな3色ランプが点滅する。グリーンが「空席あり」、黄色が「やがて空席」、赤は「只今満席 進入OK」。これもお茶目だし、入口近くに立っていたオジサンが、「ちょっと待てば入れますよ」とニッコリ笑顔で請け合ってくれたのも嬉しい。

 中に入ってみると、さすがアメリカ軍のお墨付き。「古式ゆかしいにもホドがある」と笑いたくなるほどの古式ゆかしさである。写真ではよく分からないかもしれないが、店内に掲示されたメニューの字体から判断するに、おそらく東京オリンピックかアポロ11号の時代に書かれたもの。「ハム エグ」「ベーコン エグ」も嬉しい。

 クマ助の闖入時には、外の信号は黄色の「やがて空席」であったが、2分ほど待ってテーブルが空いた。要するにたいへんな人気店であって、ヒトビトの顔を眺めてみるに、明らかにみんなこの店が大好きな常連さん。肉の切り方や頬張り方も、マコトに堂に入っている。
ジャッキー2
(名店ジャッキー 2)

 注文したのは、テンダーロインステーキ・Lサイズ。テンダーロインなら、アルゼンチンで1週間続けて500グラムのステーキを平らげ続けた実績があるし、オランダでは連日300グラムのステーキを「2枚目ください」「オカワリ、いいですか?」などという暴挙を演じていたクマである。

 だから、確かにジャッキーのLサイズは大きいけれども、1枚ではちょっと物足りない感じ。サラダとパンとスープとアイスティーが0円でサービスされるのだが、クマ助としては、それよりも肉がワンサイズ大きいほうが嬉しいのである。

 もちろんこの店でも遠慮せず、アムステルダムでのように「オカワリ」「2枚目ください」をやればいいのだが、諸君、日本では行動は控えめにしなきゃいけない。どこに「あ、今井先生だ」「お、今井だ」と目を輝かせている元生徒がいないとも限らない。乱暴な行動は「慎むべし」である。
ジャッキー3
(古式ゆかしいメニューがうれしい)

 肉質は、今井君の大好きなしっかりした赤身である。「甘いアブラがジュワーッと滲み出してきて」「噛まないのに、融けちゃったぁ」「なんだ、こりゃぁ?」みたいな、日本のグルメ番組独特のバカバカしいことには決してならない。

 アゴに力を込めてワシワシ咀嚼しなければならず、ワシワシ噛みしめるたびに、たくましい牛のたくましく濃厚な味が滲み出してくる。肉とは、こういうものでなければならない。

 噛まないうちにアブラが融けてなくなっちゃうんじゃ、獣脂を染み込ませた油揚か高野豆腐みたいだ。気持ち悪いじゃないか。クマ助は、タクアンでもキュウリの漬け物でもパリパリ音高く噛みしめる丈夫な歯をもっていて、肉をワシワシやる時も、我が歯列に全幅の信頼を寄せているのである。

 サービスでついてくるスープが絶品であった。ポテトをベースにしたポタージュ系のスープであるが、これもまた「オカワリ」「2皿目ください」の対象と言っていい。何だかずいぶんイヤしいみたいだけれども、許してくれたまえ。旨いものは、素直&正直に旨いのである。

 これできっとジャッキーは、沖縄での今井君の定番になりそうだ。もちろん「定番」と言っても次にいつ来られるか分からないが、とにかくこのお店がずっと忘れない思い出になったことは間違いない。

1E(Cd) David Sanborn:HIDEAWAY
2E(Cd) Jaco Pastorios:WORD OF MOUTH
3E(Cd) Anita Baker:RAPTURE
4E(Cd) Anita Baker:THE SONGSTRESS
5E(Cd) Anita Baker:RHYTHM OF LOVE
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