Wed 150218 首都圏は夢のような日々 鹿児島で大熱演 今日からいくらでも先に進める | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 150218 首都圏は夢のような日々 鹿児島で大熱演 今日からいくらでも先に進める

 3月8日、つい8時間ほど前に釧路からオウチに戻ったばかりであるが、またまたタクシーに乗り、羽田空港へ。渋滞ゼロの首都高速・中央環状線を快走して、オウチからわずか25分で空港に到着した。

 空港と都内を往復するリムジンバスは、8日の段階ではまだ中央環状線を通っていない。おそらくドライバーさんたちの研修がキッチリあって、「みんなもう慣れたな」「大丈夫だな」と念押ししてからのことになるはずだ。

 バスやトラックがたくさん入り込んでくれば、今の「渋滞ゼロで快走」にも変化が出てくるんだろうけれども、「首都の都心から空港までクルマで20分程度」という夢のような状況は、世界でもなかなか例を見ない。

 ニューヨークからJFK空港なんか、いつだって大渋滞で冷や汗をかく。ロンドンからヒースロー、パリからシャルル・ド・ゴール、ミラノからマルペンサ。少なくとも2時間の余裕を見ないと、コワくてタクシーやバスという選択にはならない。

 するともちろん「電車」ということになるのだが、諸君、日本みたいな優秀なバリアフリーは、欧米先進国でもほとんど見られないので、30kg近い巨大スーツケースを引きずって、険しい階段の上り下りを強いられる。

 夏ならドロドロの汗みどろ、冬でも汗だく ☞ 夏場と同じ汗みどろ。旅の楽しい思い出も、汗とともにドーロドロに溶けだし、「大汗かいた」「オレって、かなり汗臭かったかも」という、マコトにイヤな記憶に変質してしまう。

 だからクマ助は、中央環状線の開通にこんなに有頂天なのである。この1本のおかげで、駐車場みたいだった環状7号線の流れもグッと緩和されるはず。渋谷から霞ヶ関・浜崎橋付近・大井のトンネル付近など、首都高速の渋滞の名所も、慢性的な大渋滞から解放されていくだろう。
鹿児島1
(鹿児島の大盛況 1)

 これを書いている段階で、3月14日午後3時。テレビニュースは「北陸新幹線開通」の話で持ち切りだが、今日から「上野東京ライン」も開通した。これもまた歴史的なデキゴトである。

 高崎線・宇都宮線・常磐線の電車は、この1世紀ずっと「上野どまり」だったが、首都圏北部から都心に向かうヒトビトは、「上野で乗り換え」から解放されることになる。

 東京大学めざして浪人した18歳の今井君は、ちょうど父が埼玉県大宮に転勤になったので、大宮の自宅から頑張って予備校に通った。昭和の頃、「第1志望はゆずれない」と言ふガンコな受験生は、御茶の水まで通うしかなかった。

 当時の東北本線や高崎線は、朝の通勤時間帯でもそんなに頻繁に走っていない。乗車率200%などという通勤地獄の中、上野駅まで30分。人いきれで窓ガラスが曇るほどのウルトラ満員。しかも諸君、夏場でもクーラーのない車両の方が多かった時代である。

 上野で電車から飛び出したヒトビトは、脱兎のごとく山手線ホームに疾走する。山手線と京浜東北線が並走している区間だから、ホームは信じがたいほどごった返して「線路に落っこちないこと」「電車に接触しないこと」「人の足を踏まないこと」など、ありとあらゆることに気を遣いつつ夢中で乗り換える。

 それでもしょっちゅう身近でトラブルが発生した。靴が脱げてどこかに行ってしまい、困り果てた表情のOLさん。「傘が折れちゃいました」というオジサマ。「カバンが破れちゃいました」というオバサマ。いやはや、毎朝あれほどの混乱を経験したのは、18歳のあの1年が最後である。
鹿児島2
(鹿児島の大盛況 2)

 こうして2015年3月、首都圏の交通機関は格段の進歩を遂げた。もともと世界から見て「夢の国」「オトギの国」「憧れの国」と呼んでもおかしくなかった日本が、さらに数段ぶん飛躍して、これで文句なんか言ってちゃバチが当たると言うもの。ありがたや&ありがたや、である。

 ただし1つだけ、無闇に路線をつなぎあわせて「相互乗り入れ」するたびに指摘してきたことだが、
① 仕事に疲れたオジサマやオネーサマが、「始発駅から座って帰る」という楽しみを奪ってしまう
② 栃木や群馬の事故で東海道線が止まり、神奈川の事故で北関東もマヒする
という2つの問題はやっぱり発生する。

 今までなら、「東京駅で並べば」or「上野駅で並べば」、押し合いへし合いしながらではあるが、何とか座って居眠りして帰れた。あの安らぎは、今日から過去のものになる。

 はるか遠くの事故のせいで、通勤時間帯の電車が止まっちゃおうものなら、どかっと重たい疲労感が仕事の疲れを倍増させる。何とかならんもんですかね。「グリーン車、つけました」と言っても、そのグリーン車には指定がない。グリーン料金を払ったのに、立って帰らなきゃならないことも少なくないはずだ。
しゃぶしゃぶ
(鹿児島の祝勝会は、黒豚のしゃぶしゃぶで盛り上がった)

 さて3月8日、今井君はお昼のヒコーキで鹿児島へ。暖かい日で、黄砂のせいかスギ花粉のせいか、鹿児島の空はボンヤリと霞み、桜島もモクモク噴煙を上げて、空の霞に拍車をかけていた。

 鹿児島空港着、14時。空港からはタクシーで会場の鹿児島大学へ。福岡以外の九州各都市は空港から言語道断に離れていて、特に長崎と大分と鹿児島は、クルマで1時間近くかかり、タクシーメーターは1万円を超える。

 何だか申し訳ないが、今日の仕事開始は16時なのだから、さすがにここはタクシーに飛び乗るしかない。鹿児島大学に到着、15時。ちょうど鹿児島大学の合格発表の日で、構内の掲示板にはズラリと合格者の受験番号が並び、ポカポカ春の日差しがヤシの並木に降り注いで、これはたいへんおめでたい。

 今日集まったのは、高校入試が終了したばかりの新高1生とその保護者。Mac君は「侵攻1世」とバカな変換をして喜んでいるが、新高1とは、要するに卒業間近の中3生のことである。出席者 ☞ 約250人、目一杯の爆笑が90分、途切れることはなかった。
きびなご
(翌日の鹿児島空港レストランで、きびなごの刺身を楽しむ)

 むかしからパパたちは「入試まで死にモノぐるいで勉強しろ」「入試が終わったらいくらでも遊べるんだ」と言い聞かせるものだが、クマ助の意見はちょっと違って「高校入試が終わったんだから、いよいよ好きなだけ勉強できるじゃないか」なのである。

 今日までは高校入試があったから、範囲が高校入試に限定され、「中学生のクセに微積分」「高校受験が間近なのにベクトル」なんてのは、モッテノホカな逸脱行為。物理や化学に関心があっても、あくまで「中学理科の第1分野まで」しかできなかった。 

 そういうつまらないオモシが乗っかって、範囲外への発展は「おそるおそる」「塾の先生の目を盗んで」「親に隠れてこっそり」という類い。自由な成長をガマンして、「ここから出ちゃいけないよ」という狭い中庭でチマチマやるしかなかったわけである。
チャーシュー
(黒豚チャーシューも旨かった)

 それが諸君、今日からはウルトラ自由である。特に英語なんか、公立高校入試の問題に限定されちゃうと、ちょっと得意なコドモなら「これってホントに英語なの?」という疑念にとらわれる。

 「なぜミカとケイタが2人で英語で話しるの?」であるが、高校入試を控えていたのでは、21世紀の本格的英米文学を読むわけにはいかないし、テレビドラマや映画を英語字幕で、ないしは字幕ナシでみることも許されない。

 しかしやっと高校入試が終了して、彼ら彼女らは「中庭から外に出ること」「小さな町の外に出て思い切り旅をすること」「やりたい放題に勉強すること」を正式に許可されたわけだ。いよいよ「自由に、どこまででも、いくらでも勉強できるじゃないか」なのである。

 その状況で「いくらでも遊べる」「いくらでもゲームができる」「丸1日LINEに没頭できる」というのでは、いくら何でも「残念な少年諸君」と呼ばざるをえない。

 鹿児島における今井君の大熱演は、ま、そんなところからスタート。パパたちもママたちも生徒諸君も、最初から最後まで大喜びで、大爆笑100回以上、最後は鳴り止まないほどの激しい拍手で締めくくったのである。

1E(Cd) 東京交響楽団:芥川也寸志/交響管弦楽のための音楽・エローラ交響曲
2E(Cd) デュトワ&モントリオール:ロッシーニ序曲集
3E(Cd) S.François& Cluytens & Société des Concerts du Conservatoire:ラヴェル/ピアノ協奏曲
4E(Cd) Paco de Lucia:ANTOLOGIA
5E(Cd) 寺井尚子:THINKING OF YOU
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