Wed 150211 釧路で炉端焼き 肴はあぶったイカでいい (付)ピッカピカ中央環状線試乗記 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 150211 釧路で炉端焼き 肴はあぶったイカでいい (付)ピッカピカ中央環状線試乗記

 1979年5月というのだから、今からもう35年も前のことになる。阿久悠作詞・浜圭介作曲で、八代亜紀という名のオネーサンが、どう見ても「レコード大賞狙い」な新曲を発表した。

 タイトルは「舟唄」。今井君なんかは、生まれる前の段階からオッフェンバック「ホフマンの舟歌」を聴かされて育った高級なクマ♡であるから、その歌詞を思い出すたびに「何だかずいぶんメンドーな趣味の人であるね」という感慨を居抱かざるを得ない。

 有名なその歌いだしは、
「お酒はヌルめの燗がいい。肴はあぶったイカでいい」
であるが、このコウルサイ人物はさらに続けて
「女は無口なヒトがいい 灯りはボンヤリともりゃいい」
とホザくのである。というか、正確には「おホザキになる」というぐらい、マコトにメンドーなオカタである。

 いやはや、こんなメンドーな人物が隣にいたら、おそらくこの世で最もメンドーな夜になる。曲が2番に至るや、彼(または彼女)はさらに
「店には飾りがないがいい。窓から港が見えりゃいい」
とおホザキあそばし、それでもまだホザキ足りないらしくて
「はやりの歌などなくていい ときどき霧笛が鳴ればいい」
ときちゃうのである。

 そこで歌はいよいよサビに至り、バックのオーケストラもググッと盛り上がって
「しみじみ飲めばしみじみとォー。想い出だけが行き過ぎるゥ」
「涙がポロリとこぼれたら、歌い出すのサ 舟唄を」
と続く。いやはや、35年前の日本のオトーサンたちは、こんなにシツコイ「演歌」というものをカラオケで絶唱しては、ゴゼンサマになって家族の顰蹙をかっていたのである。
イカ
(釧路の炉端焼き店で、炙ったイカを満喫する)

 3月4日、日高山脈の湿った暴風雪の中をひたすら突き進み、とうとう無事に室蘭から釧路への雪中大行軍に成功したクマ助は、さすが大行軍の果てに腹を空かせて、春先のヒグマよろしく鼻をヒクヒクさせていた。

 ヒグマの場合、鼻ヒクヒク ☞「人家を襲って地元猟友会の散弾銃で射殺」という顛末になるのだが、さすがに老練な今井グマの場合は、そんなにカンタンに天国に召されたりはしない。

 人家なんか襲ったって、どうせ冷蔵庫にはコーラかビールか、イチゴジャムかマヨネーズぐらいしか入っていない。ジャムなんかきっと賞味期限は3年前、下手をすれば「消費期限が昭和です」なんてことだってありうるじゃないか。

 そんな貧乏クジをひいて、デロデロした流動物をチューッと啜りあげても、冬眠あけの空腹は満たされるわけがない。ここは諸君、せっかくの釧路だ。名物「炉端焼き」を試さないわけにはいかないのである。

 イカやシャケやホッケを、熱い炭火の上で焼いてポッカポカ。お魚をたっぷりいただいて、あとはサッサとお山に戻る。口のヨダレを拭いながら「うひゃー、旨かったぜ」と仲間たちに自慢して、それを春先の寒さしのぎにしたい。
ホタテ
(囲炉裏火は、とーろ&とーろ。外は吹雪)

 クマ助は早速ANAクラウンプラザホテル裏の「炉端焼き 煉瓦」に予約の電話を入れた。ホントなら、「フィッシャーマンズワーフ」内の名店&ウルトラ老舗「ろばた」の方がいいのだが、残念なことに「あああああーー、ただいま満席となっておりますぅ」と、クマの来訪はあっけなく固辞されてしまった。

 「煉瓦」のほうは、「お席はいくらでも空いております」「予約は必要ありませんが、予約なさった方が安全です」という素晴らしい対応。「席がいくらでも空いている」なんて、なかなか平気で豪語できるものではない。普通の臆病者は「残席わずか」とウソをつく。

 こんなに豪快にビシッと「いくらでも空いている」と言える店なら、さぞかし旨いサカナを食べさせてくれるだろう。早春のクマどんは、こんなふうにいささか変わった判断をして、大雪の道を踏みしめながら「炉端焼き 煉瓦」に向かった。
煉瓦
(大雪の中、マコトに温かそうなお店であった)

 初めての店でありがちなのは、「セットメニュー」を注文して大失敗することである。熱い炭火と真っ黒に焦げた煉瓦を前にして、焦ってしまったクマ助は「炭火満喫コース」みたいなシロモノを注文。この大失敗についてはきっと終生忘れないだろうと思う。

 セットの中身は、ホタテ、ホッケ、牡蠣、シャケ2切れ。他に釧路名物ザンギと、甘辛い「芋もち」。もちろん、1つ1つはマコトに美味しいので、本来なら文句をつける方が悪い。

 しかし諸君、「シャケ2切れ」には完全に参ってしまった。これは明らかに「朝御飯メニュー」。シャケの赤い身を見つめて困り果てているうちに、思わず「ご飯と味噌汁」まで注文してしまい、「こりゃダイエットも台無しだ」もいいところである。

 というか、大雪の中で凍えた今井君は、意地でも「あぶったイカ」を味わいたかったのだ。「肴はあぶったイカでいい」と、「…でいい」みたいなデカい口をたたくつもりは全くない。「あぶったイカ『が』いい」であり、「あぶったイカ以外、ボクはほしくない」のである。

 それなのに、イカはセットに入っていない。ホッケにシャケ2切れ。同じような食感のお魚ばかりが炭火でジリジリ焼かれ、食べたくてたまらないイカを注文するにも、もうお腹がいっぱいでイカ君の入り込む余地なんか残っていないのである。
炭火
(セットメニューのホッケ、ホタテ、シャケ2切れ)

 こうして3月4日のクマどんは「イカ♡」「イカ♡」「イカ食べたいよ♡」とウワゴトを言いながら眠りにつくことになった。だって諸君、「イカが食べたくてタマらない時にシャケ2切れ」というのは、「オニギリを貪りたいのにスイカ2切れ」みたいなもんじゃないか。

 業を煮やしたクマ助は、実はその翌日の夕暮れ19時、釧路でのお仕事が終わった直後に、再び同じ「炉端焼き 煉瓦」を訪れたのである。リベンジは早い方がいい。今度こそ「肴はあぶったイカでいい」であり、「イカがいい」「イカこそいい」「イカ♡LOVE」「イカ♡命」「イカ以外すべてNG♨」を貫き通したい。

 ついでだから言っておくが、今井君は「お酒はヌルめの燗がいい」というタイプではない。お店では必ず「熱くもなく&ヌルくもなく、その中間がいいです」とお願いすることにしている。

 「女は無口なヒトがいい」というのも、どうなんだろう。今井君はまず第一に「女」という言葉遣いがキライ。それ以上に、「女」という呼び方の対象になるような女性が巷に溢れ、ある晩ある町で一人の男が酒を飲むときに、さまざまな「女」の選択肢から「無口なヒト」を選びとる行動を容認していた時代がキライ。おお、なかなか難しい言い方ですね。
ザンギ
(北海道名物ザンギもござるよ)

 さて、タイトルにも記した(付)首都高ピッカピカ中央環状線・試乗記であるが、3月7日午後7時半、開通してまだわずか4時間半のピッカピカ高速を、たったいま羽田から三軒茶屋まで試乗してきた。

 こりゃ、しこたま速いでござる。さすが50年もかけて、首都圏の地下をひたすら忍耐に忍耐を重ねて掘り進んだだけのことはある。今井君愛用・IWCの腕時計のストップウォッチで計ってみたところでは、大井から三軒茶屋まで、わずか8分であった。

 「羽田空港から渋谷まで20分」「新宿まで20分」は、とりあえず今のところホントのホントなのであった。今後、三軒茶屋や初台南の合流地点で若干の渋滞が予想されるけれども、これで首都圏はまた格段に便利になった。

 「ずっとトンネル」も心配していたが、8分とか10分ならドライバーが眠気に負けることもなさそうだ。タクシーの乗り心地も満点。明日は鹿児島に出張だが、今度は空港リムジンバスでピッカピカ高速の乗り心地を試してみようと思う。

1E(Cd) Joe Sample:SWING SWEET CAFE
2E(Cd) Joe Sample & Lalah Hathaway:THE SONG LIVES ON
3E(Cd) Lee Ritenour:WES BOUND
4E(Cd) Marc Antoine:MADRID
5E(Cd) Billy Wooten:THE WOODEN GLASS Recorded live
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