2015年01月10日(土)

Wed 141217 ムラーノ島のシカケ 旨そうに食べる ブラーノへ(夏マルセイユ滞在記15)

テーマ:ブログ
 9月4日、マルセイユからヴェネツィアに到着したクマ助は、①ムラーノ島 ☞ ②ブラーノ島 ☞ ③リド島を経由して、ヴェネツィア本島には午後4時ごろの到着予定である。

 「何でそんなにメンドーなルートをとるの」であるが、もちろんそれは「たった1日でヴェネツィアを満喫したいから」で、完全にテーマパークになった本島より、少し鄙びた離島めぐりのほうが面白い。

 リド島は、ちょうど大きな映画祭の真っ最中。すると「だからこそ行く」派と「だからこそ行かない」派に2分されるところであるが、クマ助は「行かない」派。映画スターの素顔なんかを見ちゃったら、もう彼または彼女の出演作品が滑稽で見ていられなくなってしまう。

 一昨年4月、ニューヨーク☞ボストン☞ワシントンDCと回って「東海岸お花見旅」をやった時、ニューヨークの劇場で「ナマのトム・ハンクス」を目撃してしまった。うーん、どうもあれ以来、トム・ハンクスの出る映画が恥ずかしくて、落ち着いて見ていられない。

 そういう神経質なところがあるクマ次郎であるから、リド島の映画祭には近寄らないほうが賢明である。そのぶん、久しぶりのムラーノとブラーノをキチンと散策して、離島めぐりを満喫しようと思う。考えてみれば2島ともに6年ぶりだ。ずいぶん様子も変わっただろう。
ムラーノ1
(ムラーノ島の風景 1)

 お昼にムラーノ到着。灯台の真下の船着き場「Murano Faro」で船を上がると、諸君、「あれれ、ここは中国領かい?」と思うぐらい、島は中国のヒトビトでごった返している。欧米人の多くは肩をすぼめ、中国語の渦の中に埋もれてしまっている。

 ホンの6~7年前までは、ここで一番目立ったのは日本人だった。日本のオジサマやオバサマの財布には、まだバブルの名残のオカネがブンブン唸っていると思われていたから、観光地の人たちとしても、そのオカネを是非ともここでつかってほしいと熱望したはずである。

 例えばヴェネツィア本島の高級ホテルに宿泊すると、「ムラーノ島個人ツアー」みたいなものに誘われただろう。ホテル専用の船に乗せられてガラス工場に直行、何だか特別扱いでいろいろ見学するうちに、豪華なソファのある特別室に連れて行かれ、目の前にキレイなベネチアンガラスの器が並べられる。

 「そうか、そういうシカケだったのか」と気づく頃には、もう売買交渉が始まっている。「ホントは5000ユーロですが、ワタシは日本人が大好き。3000ユーロにしときます」とか、怪しい日本語をあやつるオジサマが店の奥から登場し、「丁寧に梱包して航空便で送りますよ♡」みたいに、目をネロネロと潤ませる。

 同じようなシカケは、イスタンブールならジュータン、プラハならボヘミアンガラス、ドレスデンならマイセン磁器。オカネ持ちの日本人をおだててガッツリ買い物をさせる観光コースが、まるでワナみたいに世界中にシカケられていた。

 ガイドブックには今も昔の名残があって、「ご用心」「ご用心」の文字が踊っているが、日本人は貧しくなったのではなく「成熟しすぎた」ので、外国でおだてられてニヤニヤしながらクレジットカードを手渡すような、そんなお金持ちは少なくなった。
ムラーノ2
(ムラーノ島の風景 2)

 それはやっぱり「成熟」であって、ガラス工場で特別扱いされたり、トルコで高級絨毯屋に誘われたりしても、「ああ、そういうことね」とすぐに笑顔で理解できるところまで、日本人は成長してしまった。今やそういうシカケは、日本より中国のヒトビトを対象にするようになったようである。

 そういう変化とともに、何となくムラーノ島は寂れてしまったような気がする。前回ヴェネツィア訪問時は、島中のウィンドーでガラスがキラキラ輝くムラーノ島こそ「離島めぐりの花」。お隣のブラーノ島は、まだ19世紀の名残の漂う田舎の島に過ぎなかった。

 ところが今回クマ助が見たところ、どうも賑わいは隣りのブラーノに移ってしまい、ムラーノのほうはひたすら中国語の洪水、ちょっと奥に入ると人影もまばらである。「どうせ高いガラス器を買わされるだけだよ」ということなのだろうか。

 「シカケ」への警戒心を隠さない欧米人は、路上に立ちつくしてつまらなそうにジェラートを嘗めているぐらい。せっかくのヴェネツィアなのに、家族で橋のたもとに座り込んでピザやハンバーガーをカジっている姿も目立つ。
ムラーノ3
(ガラス細工のイカどんたち)

 お腹が減ったので、運河の横にテーブルを並べた平凡なお店に入る。すぐにインド系の旦那が出てきて、いろいろコース料理を勧めくれたが、諸君、とにかく今井君は「コース」がキライ。自分で食べたいものを自分で組み合わせ、どこまでも自由と自治独立を貫きたい。

 そういう時のクマ助は、ホントに旨そうに食べる。旨くても旨くなくても、自由と独立さえ与えられれば、食べ物を旨そうに食べるのは、誰もが守るべきエチケットである。

 お汁粉でもお雑煮でも、湯豆腐でもおでんでも、チャーハンでもラーメンでもうどんでも、クマ君は誰よりおいしそうに食べる自信がある。自分で択んで、自分で稼いだオカネを自分で払うなら、「マズそうに食べる」などというのは人生の損失である。

 ムラーノ島でも、「おお、今オレは旨そうに食べてるな」という自信が漲る。①英語の授業と、②学習法についての講演と、③旨そうに食べることの3つには絶対の自信があって、今井君が何か食べている姿を見れば、きっと誰だって「ワタシも同じものを食べてみたい」とヨダレを垂らすはず。この世の中に、クマ助ほど優れた看板は存在しない。
ムラーノ4
(こんなパスタを選んだ)

 この日も旨そうにパスタをモグモグやってみせていると、それまで閑散としていたこのお店に、次々とお客が集まってきた。まずクマ助の後ろのテーブルに中国人家族。「おやおや」と思っているうちに、今度は向こう側のテーブルに韓国人カップルが席を占めた。

 旦那がインド系だから、ヴェネツィアのムラーノ島をアジアの諸民族が占領したようなアリサマであって、小さなコドモ2人を連れた欧米人家族が、何だか寂しげにそそくさと運河の向こう側に立ち去ってしまった。

 どういうわけか今井君が目撃する韓国人のカップルは、「彼女」のほうが激しく不機嫌な表情をしていることが多い。いかにも詰まらなそうだったり、「何でこんな店なの?」「アタシはこんな店はイヤなのよ!!」「もっといい店を選んでよ!!」と叫びだす寸前に見えたり、近くにいるクマ助はいつでもヒヤヒヤする。
ブラーノ
(ブラーノへ移動。やっぱり塔は激しく傾いていた)

 今日のヴェネツィアの空は曇りがち。今にも雨が落ちてきそうな重たい曇天で、運河の水もいつも以上に澱んで見えた。何となくムラーノがつまらなくなってきて、サッサとお船に乗ってブラーノに移動することにした。

 例の異様なほど傾いた塔は、今も健在だろうか。とっくに「オレはもうダメだ」と諦めて、バタンと横になってしまったんじゃなかろうか。そういうことを思っただけで、口が歪んでくるほど楽しいのがブラーノである。

 船が島に近づくと、「おお、まだ大丈夫だった」という安堵とともに、「しかし前回よりまたいっそう傾いちゃったかね」「これでは次回まではもちそうにない」「ささえてあげなくちゃ」という落ち着かない気持ちも、ググッと頭をもたげてくるのであった。

1E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES 9/11
2E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES 10/11
3E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES 11/11
4E(Cd) Harnoncourt:BEETHOVEN/OVERTURES
5E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 1/6
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