Fri 141128 フィレンツェで地震に遭遇 昔なら冬期講習の真っただ中 東福寺の焼きもち | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 141128 フィレンツェで地震に遭遇 昔なら冬期講習の真っただ中 東福寺の焼きもち

 12月22日のヤフーニュースを眺めていたら、「イタリア・フィレンツェで地震頻発、ダビデ像に崩壊の危機」の記事を発見。トップ記事扱いで、「1日に250回の地震を観測、ダビデの足首や両脚の間にすでに亀裂が発見されており、崩壊が危惧される」とある。

 現在、今井君はまさにそのフィレンツェのド真ん中、レプブリカ広場付近のホテルに滞在中。頻発地震のうち、比較的大きな地震が襲ってきた時は、ピッティ宮内のパラティーノ美術館3号室をウロウロしていた。

 足許から突き上げるような衝撃があって、宮殿のシャンデリアのガラスがぶつかり合い、地震にすっかり慣れているトーキョーの人間としては「お、これは大きなS波が来るぞ」と身構える思いだった。しかし幸いなことに、地震はそのまま収まった。

 しかし諸君、ということはあの地震はまさに直下型だったわけで、早めに対策を施さないと、フィレンツェの誇る数々の芸術遺産に、確かに危機が迫っていることになる。他にお客は誰もいなかったせいか、美術館の係のオバサマがすぐに今井君に寄ってきて、「このごろ頻繁にこういう揺れが来るんです」とニコヤカに説明してくれた。
雪舟寺1
(12月、雪舟寺(正式名称・芬陀院)を訪れる)

 こういうふうで、地元のヒトビトの地震に対する危機感の小ささもまた問題である。あんなにシャンデリアがカチカチ音をたて、壁一面に並べられた13~15世紀の貴重な絵画が一斉に震えたのに、あまり地震をこわがらない。今井君は一瞬、肖像に描かれた500年以上むかしのヒトビトが、口々に恐怖の呟きを漏らすのを聞いたように思った。

 フィレンツェのヒトビトは今のところマコトに暢気な様子で、問題のミケランジェロ「ダビデ像」のあるアカデミア美術館は、地震が頻発した昨日もたいへん暢気に営業中であった。

 高い壁面にまでズラリと彫像を並べ、日本人なら誰でも「地震が来たら全部落っこちてきてヒドいことになるんじゃないか」と恐怖におののくような状況。危機に瀕しているはずのダビデ君も、暢気に左の方角を眺めたまま、見事な裸身をさらしていらっしゃるばかりである。

 係のヒトビトの緊張感の欠如もまた、「いかにもイタリア」であって、監視員のほとんどは深い居眠りの底を徘徊中か、さもなければ業務なんかそっちのけで延々と楽しいお喋りに時間を費やしていらっしゃるのであった。
東福寺
(東福寺にて。こういう紅葉もまた悪くない)

 まあこんなふうに、12月の今井君は3回目のフィレンツェを満喫している。受験生諸君が全力を尽くしてラストスパートにかかっているこの時期、考えてみると申し訳ない気もする。

 昔ながらの予備校なら、今ごろは冬期講習の真っ最中。今井君も10年前までは代ゼミ四天王の一人として、250名教室や300名教室で「A組」「B組」「C組」「早大英語」の冬期講習に明け暮れる日々だった。

 あの頃の代ゼミ講師は幸せだった。代々木はもちろんのこと、名古屋でも横浜でも大宮でも池袋でも、冬期講習が満員にならないほうが不思議。締め切り講座が出なかったりすると、「あいつもとうとう落ち目か」と、仲間どうし厳しく指摘しあったりしたものだった。懐かしい世界であるね。
雪舟寺2
(雪舟寺、白砂の石庭。竹の緑が美しい)

 ああいう激しい盛り上がりも、今ではもうすっかり「今は昔」な感じ。今井君はこうして12月下旬の時期を、フィレンツェなんかで悠々と過ごしている。だって諸君、2014年のクマ助は、クマ助としてやるべきことはもうキチンと全てやり遂げたのだ。

 直前期の受験生のためには、「超頻出事項のまとめ」5コマ分を完成。テキストも今井史上ベストのうちの1つ。授業それ自体は、おそらくホントに今井史上ベストであって、すでに伝説の講座となりつつある「C組」「B組」に勝るとも劣らない最高に充実した授業に仕上げた。

 高1・2生のためには、すでにありとあらゆる講座が完成しているわけだし、「D組」「センター試験90%」も再収録を終え、この2つもまた間違いなくベスト講座である。

 「これから入塾を考えています」という生徒諸君のためにも、驚異的に入塾率の高い「C組特別編」もあれば、難関大志望の高学力層のための招待講習も、今井君としてこれ以上は考えられない完成度。収録時、ヒコーキに乗り過ぎて耳の調子がおかしかったことを除けば、全く悔いのない1年であった。
焼きもち
(東福寺のそばで旨そうな「焼きもち」を発見)

 「音読、音読、音読」の連呼も、こうしてブログなどを通じて音読の正しいやり方を説き続けた。もちろん日々の仕事の中でも、鎌倉仏教の辻説法なみの激烈な熱意で、音読の方法とその効果を語り続けた。

 正確な数字はまた大晦日に提示するが、仮に年間100回の公開授業を行い、1回平均150名の参加者がクマ助の話を聞いてくれたとすれば、何と15000人がナマのクマ説法を真剣に聴き、「爆笑」「メモ」「音読」の徹底がどれほど効果的な学習の支えになるか、ナマで聞いてくれたことになる。

 こうしてマジメに日々の仕事に励んだ後は、4月にアムステルダム、9月にマルセイユに長期滞在。12月にフィレンツェ、あくまでオマケとして10月にシンガポールに短期滞在。うにゃにゃ、マコトに充実した1年であった。
ハバネロカレー
(伊丹空港カレー。普通のカレーは旨いが、「激辛ハバネロカレー」のほうは、要するにカレーの甘酢がけである。酸っぱいのが苦手なクマ助としてはマコトに困ったカレーであった)

 出張ついでの小旅行だって、ホントに充実していた。昨日の記事に掲載した京都鷹ヶ峯の吟松寺など、ガイドブックに載っていない発見もあったし、岩船寺から浄瑠璃寺にいたる「石仏の道」の散策も楽しかった。唐津「竹屋」に柳川「本吉屋」、ウナギめぐりだって面白かった。

 初冬の京都で、「紅葉もほぼ終わり」な東福寺を訪れた。モミジで有名すぎる「通天橋」あたりは、まだ中国&韓国からの団体客でごった返していたから、喧噪がキライなクマ助は東福寺脇の「雪舟寺」に入ってみた。

 雪舟寺は、正式名称・芬陀院(ふんだいん)。庭園は雪舟作と言われている。一面の苔と、流れる白砂が印象的な枯山水である。ということになると、紅葉の喧噪は関係ナシだから、初冬であろうと、大型バスの団体客がどっと押し寄せていようと、クマ助には何の問題もなかった。

 帰り道、京阪電車「東福寺」の駅に向かう途中、「やきもち」の看板を発見。いやしいクマどんはアンコの詰まったオモチが網で焼かれる香ばしいカホリに誘われ、「これを味わわないでおくわけにはいかないじゃないか」と判断した。

 焼きもちの横で次々と揚げられていくコロッケのほうにも強烈な魅力を感じ、焼きもちを選ぶかコロッケにするのか、「理系か文系か」「法学部か文学部か」に悩んだ18歳の日々に負けないほど判断に右往左往した挙句、夕暮れのクマ助はついに焼きもちを選択。香ばしく焼けたオモチの中の熱いアンコに目を白黒させつつ、2014年の京都を惜しんだのであった。

1E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER 4/4
2E(Cd) Glenn Gould:BACH/GOLDBERG VARIATION
3E(Cd) Fischer & Budapest Festival:BRAHMS/HUNGARIAN DANCES
4E(Cd) Hungarian Quartet:BRAHMS/CLARINET QUARTET・PIANO QUINTET
5E(Cd) Alban Berg:BRAHMS/KLARINETTENQUINTETT & STREICHQUINTETT
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