Mon 141124 新ツカミの2つ目☞メモをとりまくれ 西宮の大盛況 まとめ講座もメモ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 141124 新ツカミの2つ目☞メモをとりまくれ 西宮の大盛況 まとめ講座もメモ

 というわけで(スミマセン、昨日の続きです)、公開授業冒頭の新ツカミとして、①「笑え」②「メモをとれ」の2つを採用した。ツカミとしてはちょっと長くなるキライがあるが、反応も評判も上々。しばらくはこの2つのツカミを続けようと思う。

 あんなに書いてもまだ(昨日の記事参照)、「笑い」や「爆笑」に否定的なヒトは存在して、「勉強はマジメにやるもんだ」「笑いながら勉強できるはずがない」と、まるでヨーロッパ中世の修道院規律みたいな顔をして、ガンコにシャチホコばっている御仁もいらっしゃる。

 要するに「オマエの話なんか、聞く耳を持たないぞょ」ということらしいのだが、その「聞く耳もたない」という一言こそ「学習意欲ゼロ」を示すものであって、努力の放棄、進歩の否定、改善へのアキラメに他ならない。

 ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」が一世を風靡したのはもう四半世紀以上前になるが、まだ書籍も手に入るし、ショーン・コネリー主演の映画版も見られるはずだ。ウンベルト・エーコと入力して「運ベルト・A子」と変換されてしまうと、Mac君の知性が余りにイトオシイものに思えてくる。知性とはかくも楽しいものであり、知性と笑いは常に手に手を取って乱舞するのである。

 諸君、面倒だろうから映画版を見てみたまえ。全ての笑いを否定する修道院長と、旧態依然とした取り巻きの僧たち。膨大な蔵書を誇る図書館で、アリストテレスの笑いに関する禁じられた書物を読みふける修道僧が、次から次へと謎の死を遂げる。

 北イタリアの暗鬱な修道院を舞台に、知性あふれるフランチェスコ会修道士が、中世の迷妄を代表する宗教裁判と命を賭して対決する名作である。描き方は若干暗すぎる気がするが、知と笑いがどれほど熱く手を取り合ってダンスするか、ぜひ諸君も目撃してもらいたい。
びっくり蕎麦
(兵庫県西宮に向かう途中、伊丹空港で豪華「びっくりそば」を食す。天ぷらにタマゴに、ワカメに揚げに、大っきなオモチまで入っている)

 「2つの新ツカミ」の2つ目は☞「メモをとる」であるが、いやはや、今や高校からも大学からも「メモ」という行動は駆逐されつつあるようだ。板書はスマホでパシャッとやっちゃう。先生も教授も板書は面倒だから、「パワポをカチカチ」で授業を成立させてしまう。

 パワポをポチポチだと、学生たちはノートをとれないから、ノートもメモももちろん最初から諦める。すると当然テストの時に困るので、教授はパワポのデータをプリントアウトして学生に配布する。それも面倒だと「一斉に送信」という挙に出る。

 こうして、人類の文明を過去6000年も支えてきた「メモ」という基本動作は、いまや絶滅の危機にある。今井君なんかがツカミで「徹底的にメモをとりませう」と発言すると、生徒諸君は一瞬何のことか分からず、口をポカンと開けて「何言ってんの、このクマ?」という表情になる。
西宮1
(西宮も大盛況)

 しかし諸君、せめて板書ぐらい書き写そうじゃないか。書けば集中力が増し、少なくとも書けば居眠りはしない。板書だけじゃ退屈だから、先生が板書しないことも、「面白いな」「そんなことは初めて聞くな」と思ったら、躊躇わずメモに残そうじゃないか。

 メモとは、きわめてクリエイティブな行動である。空中を音声として漂っていく情報を、まず耳の鼓膜ですくいとる。丸いお耳をプルプル震わせながら、森の樹々の中を流れていく情報を読み取っているクマさんの気持ちになってみたまえ。

 鼓膜ですくいとった情報は、脳のフィルターで濾過されて、栄養分タップリのシズクになってポタポタ滴り落ちてくる。おお、まるでユンケル黄帝液みたいにトローリ&トロトロ、こんなに栄養分に満ちたシズクちゃんを、今井君は見たこともない。

 諸君、その栄養分がダラダラと流れ去るまま、放置するのかい? そんなもったいないことをして、平気の平左でいられるのかい? もちろん「平気の平左」という古語を口にする今井君も悪いけれども、栄養やオカネや資源の垂れ流しほど愚かな怠慢を、クマ助は許せないのである。

 そこで、ポタポタ滴ってくるシズクちゃんを、両方のお手手ですくいとっては、自分のコトバで紙の上に表現し直そうではないか。諸君、メモとはそのようなことである。こんなに知的で、こんなにクリエイティブで、こんなに実り多い行動が、他にあるというのだろうか。
西宮2
(西宮は「セッセと授業」の教材を使用。板書もマジメな感じ)

 かつて森鴎外は、ドイツの大学の医学部に留学し、教授がドイツ語で講義する中身を全て漢文でメモに残した。いやはや、大した御仁であるが、「ドイツ語で聞いて漢文でメモ」という離れワザはマネできないにしても、「日本語で聞いて英語でメモ」ぐらい試してみる価値はあるし、それが無理でも「日本語で聞いて日本語でメモ」なら、出来ないヒトはいないはずだ。

 諸君、これから予備校の授業はメモをとりまくることにしようじゃないか。板書を写すという原始的な作業にこだわることなく、センセの口から奔流となって流れ出す音声情報を、耳ですくいとり、脳で濾過し、やがて流れ落ちてくるシズクを、自分のコトバに変換してメモにする。

 90分でヘトヘトになるだろうが、その疲労はマコトに心地よいはず。その爽快な疲労が次から次へと積み重なって重層構造をなし、それが脳細胞の深いシワとなり、諸君の知性はうずたかく積もり積もった地層となって激しい褶曲を続け、やがてアルプスにもヒマラヤにも劣らない峻厳な山脈に成長するのである♡
かつサンド1
(西宮の祝勝会は、オシャレなレストランで。旨そうな「かつサンド」の文字は、店のマダムの手書きである)

 12月16日、クマ助のお仕事は兵庫県西宮である。昼過ぎのヒコーキで羽田から伊丹に飛んだ。日本海で発達中の爆弾低気圧の影響で、すでにヒコーキや新幹線のダイヤに乱れが生じ、分厚い雲の中を喘ぎながら、やがて無事にヒコーキは大阪に到着した。

 宿泊は、いつも通り大阪梅田のインターコンチネンタルホテル。18時までゆっくりして、阪急電車で西宮に向かった。冷たい「六甲おろし」が吹き荒れて、西宮駅前も息が出来ないほどであるが、いったいこの塾ラッシュは何なんだ? 見渡せば、店も事務所もなかりけり、塾の支店の冬の夕暮れ。立錐の余地もないほどである。

 ここは、成績優秀者の多い街としても有名。今井君のお仕事は、今日は「教材E」を使用する。いわゆる「チャレンジ編」であって、今回はセンター試験の問題を使用。もちろんタップリ笑いも入るが、かなりヘビーな90分になる。

 出席者は約110名。「メモをとりたまえ」のツカミはここでも共通だが、さすが成績優秀者軍団であって、言われた瞬間から爆笑が始まり、メモをとることにも全く違和感はない様子。マコトに充実した素晴らしい90分であった。
かつサンド2
(あんまり手書きの文字が旨そうだったので、実際に「かつサンド」を注文してみた)

 全国の受験生たちもいよいよ直前期を迎え、「まとめ講座」の受講も本格的に始まっているはずだが、今井君の「超頻出事項のまとめ」に出席する受験生諸君、是非とも①タップリ笑い、②たっぷりメモをとってくれたまえ。

 テキストは薄めに抑えて諸君の負担を減らし、問題も100問まで厳選&精選したから、1問1問がまさに栄養たっぷり&トーロトロ。安心して受講できる。

 この教材を材料に、講師として話せることの全てを話し、板書できることの全てを板書した。トーロトロなシズクが、無限にポタポタ滴ってくる、まさに最高の講座になっているはずだ。

1E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 3/3
2E(Cd) Cluytens & Société des Concerts du Conservatoire:RAVEL/DAPHNIS ET CHLOÉ
3E(Cd) Preston:BACH/ORGELWERKE 6/6
4E(Cd) J.S.BACH/SILVIA(Cantata Opera in 3 Acts)1/
5E(Cd) J.S.BACH/SILVIA(Cantata Opera in 3 Acts)2/2
total m116 y2086 d15016