Wed 141119 大阪も京都も雨 阪急で京都に移動 ニシンの棒煮とからし漬け ゆりねうどん | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 141119 大阪も京都も雨 阪急で京都に移動 ニシンの棒煮とからし漬け ゆりねうどん

 1年に2度ぐらい、ブログについて心にもない反省を口にする。
「どうもこのごろ長過ぎるような気がする」
「もう少し毎日の記事を短くしないといけないような気がする」
「書くほうはともかく、読むほうがたいへんだろう」
というのである。

 反省は1年に2回、または3回。ブログを開始して6年半、1年に平均2.5回ずつ同じ反省を口にしているから、掛け算して6.5年×2.5回=16.25回。いやはや、相似形を通り越して「ほぼ合同」と言っていい反省を、もう16回も口にしていることになる。

 ということは、この「反省」なるものの正体が明らかになってくるので、「要するに口先だけ」であり、「状況を変更するつもりは全くない」のである。おお、こりゃ正直に打ち明けたじゃないか。

 しかしどんなに正直に打ち明けても、打ち明ける態度が良くないと「情状酌量」の甘い汁を吸えなくなってしまう。何でもいいからペコペコ頭を下げて「すんません」「すんません」「南無阿弥陀仏 or 南無妙法蓮華経」と念仏やお題目なりを唱え、「観念しました」「悪うございました」とうなだれるからこそ、情状を酌量してもらえる道が開けるのだ。

 ところが、この横柄なクマを見たまえ。せっかく正直に告白しても、態度がマコトに悪いから、「要するにオマエは、開き直ったんだな!!」という逆切れタイプの判断に直結する。まさにそうなのだ、今日の今井君は開き直ったのである。

 「長くて、何か悪いですか?」であって、今は「連日A4版3枚」こそが最も楽しく書ける分量。これ以上長く書こうと思っても、逆にもっと簡潔に縮めようと思っても、どちらも欲求不満のモトになる。楽しく書いたものを楽しく読んでもらおうと思えば、他人が何と言っても今の長さがベストなのだから、仕方ないじゃないか。
棒煮
(京都四条「にしんそばの松葉・北店」、ニシンの棒煮)

 こうしてムックリ開き直ったのは、12月11日の朝、大阪梅田のインターコンチネンタルホテル25階。まずベッドの上で起き直り、起き直ったついでに、こういう大胆な開き直りもやって、それからやっと窓のカーテンを開けた。

 悲しいことに、大阪の街は冬の雨に濡れている。大阪の雨は、東京やパリの雨より何だかとっても悲しいので、こうしてカーテンを開けて雨の風景を見た途端、悲しさのあまり「もうちょっと寝て過ごすかな」とベッドに戻りそうになった。

 それでも何とか立ち直って、早速その日のブログ記事を書き、昼前にはチェックアウトを済ませて、阪急梅田の駅に向かった。天気予報では「雨は昼前まで。午後からは晴れ間が広がるでしょう」と言っていたのに、昼になって大阪の雨はますます強く冷たくなって、悪いことに強い北風さえ吹きはじめた。

 これから今井君は京都に移動する。昨日は大阪・京橋でお仕事、その熱気も冷めやらぬうちに、今夜は京都駅前「メルパルク」でお仕事。いやはや、何とも仕事熱心であって、自分ながら賞賛に値するんじゃないかと、ふと頬が紅潮してきたりする。
梅田は雨
(インターコンチから眺める雨の大阪。何だか悲しくなってくる)

 こういう移動でも贅沢三昧をして、「新大阪までタクシー、京都まで新幹線」「新幹線は1駅であろうとグリーン車、京都駅からホテルまでもタクシー」みたいなヒトも、きっと少なからず存在するのである。

 それどころか「大阪のホテルから京都のホテルまで、一気にタクシーで」ということもあり得る。実際、MKタクシーを予約すれば、そのルートでも8000円+高速代と出ている。新幹線とタクシーを細切れに繋いで苦労しているより、下手をすればそのほうが安い。しかし贅沢ばかりじゃすぐ飽きがきて、人生がつまらなくなる。冷たい雨の降る日はなおさら、しっとり&ゆっくり&つつましく、移動も風情を楽しみたい。

 そこで今井君は、阪急デパートで買ったばかりのクツ紐をキュッと結んで、梅田駅から阪急の特急電車に乗り込んだ。分厚いコートを着込んだヒトビトはみんな寒そうに黙りこくり、傘から蒸発した水分で車内の空気はシットリと澱み、「おお、自分はこれから京都に行くんだな」という実感が湧き上がってくる。

 阪急沿線の風景も大好きである。梅田を出た電車は、淡路・茨木・高槻を過ぎ、京都府に入るあたりの山々が冬の雨に滲んで、深い竹林が冬の風に揺れている。長岡天神 ☞ 桂と進んでいくと、大阪の街の忙しそうな喧噪は消え、いかにも京都らしい落ち着いた雰囲気に満ちてくる。
ツリー
(京都蹴上、ウェスティン都ホテルのクリスマスツリー)

 やがて特急電車は地下に入り、「西院」と「四条大宮」は通過、「烏丸」でほとんどの乗客が降りて、終点・河原町まで乗ったお客は、今井君の車両では他に4~5人しかいなかった。古色蒼然とした河原町駅構内に、やっぱり何となく古くさいアナウンスが響いて、こうしてクマどんはノンキに京都にやってきたわけである。

 地下駅から狭い階段を昇って地上に出ると、すぐ目の前を鴨川が流れている。鴨川も四条大橋も雨に濡れ、最後まで残っていた紅葉も、今日の雨で残らず散ってしまったようである。

 どうしても、ここで立ち寄っていきたい店がある。ニシンそばの名店「松葉」である。3年ほど前から「京都の昼食は必ずここ」と決めていて、南座の脇の混雑した本店ではなく、大通りを北に渡った所にある「北店」を、半年に一度ぐらいずつ訪れる。

 お店のオバサマもハッキリ今井君を記憶している。引き戸を開けて中に入ると、すぐに軽く会釈してくれて、1人なのに6人用の広々したテーブルに導いてくれる。「御相席で!!」と命令されないだけでも嬉しいのに、何だか天国のような心地よさ。さすが京都であるね。
辛子和え
(京都四条「松葉」、ニシンのからし漬け)

 「京都名物・ニシンそばの名店」ではあるが、あえて今井君はニシンそばを頼まない。大っきなニシンを2切れ、丼のお蕎麦の中にドブンと入れてしまったんでは、せっかくのニシンの味がゆっくり楽しめないじゃないか。

 注文するのは、①まず今日の写真の1枚目「ニシンの棒煮」、②続いて今日の写真の3枚目「ニシンのからし漬け」。普通なら丼の出汁の中にドブンとやるニシンを、お皿に乗っけて山椒をたっぷり振りかけ、ニシンの風味を心ゆくまで楽しむのである。

 ②「からし漬け」は、①の棒煮を細かくほぐして小鉢に盛り、辛子を絡めて出してくれる。辛子が足りなかったら、さらに小鉢の縁の辛子を絡めてもいい。そこはお客のお好み次第。この甘&辛さがタマらないので、クマ君は棒煮より辛子漬けが好きである。

 この2つを満喫して20分あまり。ランチにも〆が必要であるから、この段階で「百合根うどん」を注文する。諸君、「百合根」を見て「ヒャクゴウコン」などと読まないでくれたまえよ。もしそんなことをしたら、「蓮根まんじゅう」をメニューに発見した某予備校講師が「すみませーん、この『ハスネまんじゅう』くださーい♡」と叫んだ事件とおんなじだ。もちろん「某講師」とは今井君自身のことである。
ゆりねうどん
(ゆりねうどん)

 さらにホンの十数日前の某講師は、「大黒湿地」をメニューに発見、思わず「何ですか、この『ダイコク・シッチ』ってのは?」と板前さんに尋ねかけた。すんでの所で思い直し、「ははーん!! 『湿地』と書いて『シメジ』のことね」と見事に文脈を把握した。

 カウンターに自慢げに大きなキノコが置いてあったのが、文脈判断の理由。ほお、助かった。「ダイコク・シッチ」どころか「オオグロ・シッチ」と発音して、お店のヒトビトの失笑と冷笑と嘲笑を買う寸前だった。諸君、とかくこの世は難しい。入試の場ばかりじゃなくて、メシ屋の中でも常に文脈判断の枠組みを忘れてはならない。

 こうして今井君の前に「百合根うどん」が、無事にホカホカ湯気を上げながら運ばれてきた。「ゆりね♡うどん」である。百合の根をおまんじゅうにして油で揚げたものが、熱いうどんの上に乗っかっている。出汁にはとろみがついていて、こんな寒い日に身体の芯から温まるには、まさにベストの〆なのであった。

1E(Cd) The Doobie Brothers:MINUTE BY MINUTE
2E(Cd) Grover Washington Jr.:WINELIGHT
3E(Cd) Kenny Wheeler:GNU HIGH
4E(Cd) Jan Garbarek:IN PRAISE OF DREAMS
5E(Cd) Joe Sample:RAINBOW SEEKER
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