Tue 141118 床屋とクツ紐 マスタシュのハサミ処理 大阪でお仕事 ベルギー料理 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 141118 床屋とクツ紐 マスタシュのハサミ処理 大阪でお仕事 ベルギー料理

 12月10日が大阪、11日が京都、12日が横浜。秋冬シリーズ終盤のヤマ場であるが、地味に厳しい3連発が始まる。しかもこのスケジュールを縫って、これだけ長大なブログを書き続け、かつマコトに地味な準日常も怠けるわけにはいかない。

 「日常」なら聞いたことはあるが「準日常」とは何ぞや? 諸君、「ハレの日」というわけではないが「普通の日常」と片付けるわけにもいかない行動を、今井君は「準日常」と呼んでいる。例えば「床屋さんに行く」がそれである。

 NHKスペシャルによれば、故・高倉健は馴染みの床屋さんにほぼ毎日通って、身だしなみを整えていたとのこと。今井君の場合はダラしないクマに過ぎないわけであるから、床屋さんには「1ヶ月に1回」というペースで通う。

 馴染みの床屋さんは、普通なら自宅か職場の近くにできるものであって、まあ今井君もオウチのそばに1軒あることはある。しかしその店はどうもゴム臭い。バリカンを使う前に首に巻くヨダレカケみたいなヤツが、ひどくゴム臭いゴムで出来ていて、丸刈りにしてもらう10分ほどの間、そのニオイに耐えなければならない。
大阪
(大阪・京橋あたりでお仕事。またまた大盛況であった)

 クマとは実はマコトに神経質な生物であって、勇ましく6mmの丸刈りにしてもらうのは大好きだが、「ああ、あのゴム臭いニオイに10分も耐えるのか」と思うと、床屋さんに行くのがメンドーになる。「店のヒトに言えばいいじゃないか」であるが、そこはそれ、臆病さでは定評のあるツキノワグマだ。なかなか言えないままに、もう4~5年が経過している。

 そうこうしているうちに、大阪・伊丹空港の中にもう1軒、大好きな床屋さんが出来てしまった。「理容室そがわ」のマスターはこちらの正体を知っていて、どうやらマスターの娘さんがかつて今井君の授業を受けていらっしゃったらしい。

 12月10日、羽田発12時のヒコーキで伊丹空港に到着したクマどんは、さっそく意気揚々と「今年ラストの散髪」に向かった。前回は10月末だったから、頭の毛もオヒゲも怠け者の山賊みたいにボーボーに伸びてしまった。

 このままでは、山の盗賊みたいなアリサマで新年を迎えることになってしまいそうだ。ゴム臭くない散髪を求めるなら、今日がラストチャンスである。若い男子の理髪師がいつも今井君の担当であって、彼のオヒゲの処理の仕方がマコトに気に入っている。
4mm
(今日は頭の毛も4mm。短くしすぎたかも)

 まず、座ったままでウィスカーズとビアードの部分を4mmのバリカンで仕上げる。ウィスカーズとはwhiskersであって、和訳すれば「ほおひげ」。頬のヒゲは右部分と左部分があるので、一般には複数あつかい。ビアードとはbeardであって、「ビアードパパのシュークリーム」はシンガポールにも支店があった。

 Whiskersとbeardの処理が終わると、mustacheの仕上げにかかるのだが、この「マスタシュ」ないし「ムスタシュ」の部分を同じバリカンでやってしまおうとすると、お客は呼吸困難に陥る。

 ムスタシュと入力してMac君は「蒸す多種」と来たけれども、確かに蒸し料理は流行中であって、丸の内には「ムスムス」、渋谷区幡ヶ谷には「蒸し八」など、まさに「蒸す多種」な状況と言っていい。

 ただし今井君のムスタシュは非常に濃密である。バリカンで処理しようとして呼吸困難に陥るのは、バリバリされたオヒゲの破片が一気に鼻の穴に突入するからであって、「バリカンでバリバリ」の最中は鼻呼吸を封じられることになる。
お肉
(大阪での祝勝会1 フィレステーキとフォアグラ。赤ワインとトリュフのソース、マコトにおいしゅーございました)

 「鼻呼吸が出来なかったら、口で呼吸すればいいでしょう?」とおっしゃるのは、ナルホド確かなことであるが、それは「パンがないなら、お菓子を食べればいいのに」というマリー・アントアネット級の素晴らしく高貴なご意見であって、「鼻呼吸☞花子級」「アントアネット☞アンとアネット」と続けざまに笑わせてくれるMac君以上に、激烈な革命の火付け役になりかねない。

 「鼻呼吸が出来ないから口呼吸」という暴挙に出れば、鼻に侵入するはずのヒゲの破片が、一気に口に闖入を試みるのである。雲霞の如く口に殺到してくるマスタッシュ軍団の恐ろしさは、15~16世紀の加賀を支配した一向一揆に勝るとも劣らぬ迫力である。

 そこで「そがわ」の若き理髪師は、「マスタシュだけはハサミで仕上げましょう」と言ってくれる。お目目にタオルをあて、口ヒゲでもあり鼻ヒゲでもある長い回廊部分を、慌てず騒がず&悠然と、ハサミでチョキン&チョキン仕上げるのである。こうして2014年ラストの散髪は、ゴム臭くもなく&一揆に悩まされることもなく、マコトに気持ちよく終了した。
ビア
(大阪での祝勝会2 マンネケンのベルギービール、微かな酸味が爽やかで、おいしゅーございました)

 さて、大阪・京橋でのお仕事に向かう前に、もう一つの「準日常」が待っている。「デパートで革靴のクツ紐を購入する」であって、今井君にとって「デパート」は半年に1回、「クツ紐」は4~5年に1回。やっぱり「ハレではないが日常でもない」という意味で「準日常」と名付けるしかないのである。

 伊丹空港から空港バスに乗って30分、終点・梅田で降りたクマどんは、すぐそばの阪急デパートに闖入。紳士クツ売り場は8階であって、古色蒼然とした伝統ある百貨店の8階まで、オバサマ&オネーサマ軍団をかき分けて突き進むのは、日常では考えられないたいへんなエネルギーを必要とする。

 ついでに言うと、東京の百貨店オバサマと関西の百貨店オバサマとの間には、いわく言いがたい微妙な差異があって、歩く速度にも、売り場を進んでいくコースどりにも、おそらく今井君にしか嗅ぎ分けられない相違が存在する。

 百貨店への闖入を「準」のつく日常でしか捉えられないクマにとって、大阪・神戸・京都の百貨店でオバサマ軍団をかき分けて進むのは、困難をきわめる。あっちでオバサマAに蹴つまずき、こっちでオバサマBがいきなり立ち止まり、オバサマCをよけようとしてオバサマDと衝突する。

 そういう艱難辛苦を乗り越え、臥薪嘗胆の思いに耐えて、ついに8階のクツ売り場にたどり着くと、目指すクツ紐のお値段は諸君、一組たった620円。チョコレート色を1組、真っ黒を1組、合計4本購入しても、1240円である。

 それでも売り場のオニーサマは、マコトに丁寧に対応してくれた。履いていたチョコレート色のクツ紐をキレイに解いて処分し、新しく右と左のクツ紐をセットしてくれて、それでも1240円。うお、艱難辛苦を乗り越えてここまでたどり着いた甲斐があったというものである。阪急百貨店に、万感の喝采を送りたい。
ムール
(大阪での祝勝会3 ムール貝のワイン蒸し、おいしゅーございました)

 以上、2つの準日常は終わりを告げ、梅田のインターコンチネンタルホテルにチェックイン。17時過ぎ、ロビーでスタッフと待ち合わせ、大阪・京橋の会場に向かった。

 お仕事は19時開始、20時半終了、出席者は会場の定員パンパカパンの約140名。部活の関係で十名ほどの遅刻者はいたけれども、舞台はこうして整ったのである。たくさんの参加者を集めてくれた若いスタッフの皆さんに心から感謝する。

 あとは、今井君にとっては「日常そのもの」と言っていい大熱演が始まる。いったん始まってしまえば、どこまでもどこまでも急速に上昇して、相変わらず絶好調はとどまるところを知らない。

 みんなが目を丸くするほどの盛り上がりの後は、ベルギー料理での大祝勝会が待っている。ムール貝のワイン蒸し、おいしゅーございました。フィレ肉ステーキとフォアグラ、ベルギービール各種、マコトにおいしゅーございました。

 今井君のブリュッセル滞在から、すでに2年近くが経過するが、この加盟校サンのところでお仕事に励むたびに、懐かしいベルギーの思い出が鮮やかに蘇る。「次はぜひ西宮で」と誓い合って、弱い雨の降り出した淀屋橋を後にしたのであった。

1E(Cd) Bobby Coldwell:AUGUST MOON
2E(Cd) Bobby Coldwell:CARRY ON
3E(Cd) Bobby Coldwell:COME RAIN OR COME SHINE
4E(Cd) Bobby Coldwell:BLUE CONDITION
5E(Cd) Boz Scaggs:BOZ THE BALLADE
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