Sun 141116 暴飲暴食☞太ってしまった カフェ・泥人形 イチョウの葉を載せたオジサマ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 141116 暴飲暴食☞太ってしまった カフェ・泥人形 イチョウの葉を載せたオジサマ

 11月11日から13日にかけて、吉祥寺スタジオに3日連続して通い、受験直前期用のまとめ講座「英語超頻出事項のまとめ」を一気に収録した。あまりの素晴らしい出来映えに自分自身ウルトラ満足であって、受験生諸君がみんなそろって受講してくれることを心から祈っている。

 その後はずっと、授業収録の予定がない。もうあれから1ヶ月、吉祥寺に足を運ばずに時間が経過した。すると諸君、クマどんは油断するのである。収録があれば常に「太っちゃダメだ」「食べすぎちゃイカン」という緊張感の中にあるのだが、油断するとついつい暴飲暴食に走る。

 この1週間の食生活を振り返って、今井君は反省せざるを得ない。春日部まで出かけてスーパー大盛りインドカレーを貪ったと思えば、鎌倉で鍋焼きうどん、秋葉原で再び大盛りカレー。もちろん夕方には安い居酒屋に立ち寄って、スペースがあるかぎりお腹にいっぱい詰め込んで帰る。

 全国行脚を続けていれば、日本中の旨いものが気になって仕方がない。花咲ガニが出てくれば、もちろん遠慮なくムシャムシャやるし、昼食会のお弁当だってゴハンを一粒も残さずにキレイに平らげた。

 昨日のブログ後半を見ても、やっぱりマコトに旨そうな「ウニ&イクラ丼」の姿が登場している。つい2週間前にも函館のイクラ丼を2回も貪ったし、函館の駅弁も、札幌のシュラスコも、うな重も、みんな「おいしゅーございました」とペロリと平らげた。

 旭川ではラーメンを2回。文楽を見に訪れた大阪でも、ミックスモダンにラーメン。他にも、天ぷら、新鮮なお刺身の数々、おでん、新潟のおいしいオコメ。あまりにも無反省に咀嚼&嚥下を繰り返した。うにゃぽ、これで太らないわけがない。
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(明治神宮)

 というわけで諸君、食べ過ぎたことへの反省が累積し、当然のことながら皮下脂肪も累積して、自ら「これはイエローカードかね」「レッドカードでもいいかも」「ラグビーで言えば『シンビン』でござるね」と判断。ちょっと頭を冷やすためにも、12月9日の今井君は久方ぶりの東京都内ウォーキングを企画した。

 お馴染みのコースであるが、参宮橋 ☞ 明治神宮 ☞ 千駄ヶ谷 ☞ 青山 ☞ 赤坂 ☞ 二重橋 ☞ 竹橋。3時間ほどのハードなコースを歩ききった後は、竹橋の国立近代美術館で常設展を見て、毎日新聞本社ビルの地下で温かいお蕎麦をすすって終わり。どうですか、なかなか良い午後になりそうだ。

 今年の紅葉は、いつもより早く来て&早く終わってしまったが、まだ東京のイチョウは見頃である。参宮橋から明治神宮の森に入っていくと、森の入口に乗馬学校があって、カッコいい馬さんたちがタテガミをなびかせながら、冬の温かな陽光の中を疾駆していた。

 京都なら真っ赤なカエデが一番ピッタリ来るが、東京はオレンジに近い色まで濃く染まったイチョウが似合う。赤や黄色でなくとも、ナラとかカシ、シイとかプラタナスの葉っぱが、ただ単に茶色く染まってカサカサ音を立てているのも、やっぱり素晴らしい眺めである。

 一番好きなのは桜の紅葉である。1枚1枚の葉っぱに赤と黄色が微妙に入り混じり、カエデほど派手でも感動的でもないが、半分ぐらい葉っぱが散って悄然と立ち尽くす初冬の桜は、元気タップリの満開の桜よりずっと趣きが深い。

 明治神宮の森は、枯れ葉の香ばしいカホリで満たされ、イチョウの並木にありがちな黄色いニオイとは無縁である。クヌギの茶色い枯葉がうずたかく積もり、枯葉の陰をスズメたちがカサコソ動き回る音に耳を済ますうちに、早くも冬の太陽は赤みを帯びて、背の高い常緑樹の向こうに姿を隠そうとしている。
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(明治神宮の森、初冬の風景)

 神宮の森を抜けて千駄ヶ谷の国立競技場に向かうあたりで、いかにも由緒ありげな喫茶店を発見する。その名も「泥人形」。看板に「泥人形」の文字が4つも5つも並んで、これはなかなかの迫力である。

 「泥人形」って、いったい何なんだ? 辞書やネットを調べてみても、「泥で作った人形」「土偶」とか、調べなくても予測がつきそうなことしか書かれていない。ゴーレム伝説とも関係がありそうで、ヘブライ文字を刻みつけられた泥人形が、死んだはずの人間になって動き出すことになっている。

 他にも、自然主義の小説家・正宗白鳥に「泥人形」という小説がある。正宗白鳥は、岡山県出身、東京専門学校卒。東京専門学校とは、言わずと知れた現・早稲田大学であって、おお、今井君のウルトラ大先輩である。

 では千駄ヶ谷の「泥人形」が、土偶なのかゴーレム伝説なのか正宗白鳥なのか、単に「泥で作った人形」に過ぎないのか、今井君には、やっぱり判断がつきかねる。カフェの屋号にゴーレム伝説みたいなオドロオドロしいものを採用しそうにはないから、するとやっぱり正宗白鳥のファン? はたまた「土偶」? しかし諸君がカフェを開くとして、「カフェ♡土偶」ってのもまた物凄くないか?
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(千駄ヶ谷で発見したカフェ「泥人形」 1)

 店の前でしばし立ち尽くして、ほとんど茫然自失の態で「泥人形」のナゾに首を傾げた。店の外に貼り出されたメニューをみるに、ドリンク以外にカレーとかスパゲッティとかもなかなか旨そうであって、茫然としているヒマがあったら、思い切って入ってみるに越したことはなさそうだ。

 もし今井君が積極性のカタマリで、初めてのお店であろうと堂々とズンズン入り込み、
「ミートソースセット、ホットコーヒーで。ところで『泥人形』ってのは、どういう理由で名付けたんですか?」
「ハンバーグランチと、生ビール。でへへ。でも『泥人形』とは思い切った命名ですね。どなたの発案なんです?」
みたいに店主に話しかけられるなら、きっと迷わずそうしていただろう。

 しかしクマどんはホントに臆病な生物であって、「そんなことをして、店のオヤジの機嫌でも損ねたら一大事だ」と考えただけで、尻込みせざるをえない。だって自分の店を「泥人形」と名付けるほどのヒトだ。ヒトクセもフタクセもあるに決まっている。

 そもそも今日の都内散策は太り気味を反省してのこと。まだ予定のコースの1/3も歩いていないのに、いきなりガツガツ食べはじめたら、せっかくのウォーキングが台無しじゃないか。そう考えて、「泥人形」への闖入は後日を期することにした。
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(千駄ヶ谷で発見したカフェ「泥人形」 2)

 そのままズンズン歩いていくと、津田塾大学の前に出る。微かな記憶では、ここは昔は大学じゃなくて「津田スクール・オブ・ビズネス」だったはず。諸君、決して誤字脱字ではござんせんよ。「ビジネス」ではなく「ビズネス」だ。

 ボクらの世代の人間なら、みんな一度は「津田スクール・オブ・ビズネス」という名付けの新鮮さに面食らったものであるが、いつの間にか看板は津田塾大学にかわっていた。これもまた世の中の変遷と言ふものであろうか。

 そのまま国立競技場の縁をグルッと回り、激しかったラグビー早明戦の余韻の残る外苑のイチョウ並木に出た。つい数日前に訪れたばかりだが、あの時は何しろもう真っ暗になっていて、鮮やかな黄色を十分に堪能できなかった。

 だからどうしても今日の散策コースにこのイチョウ並木を加えて、名残を惜しんでおきたかった。盛りは過ぎたけれども、むしろこのぐらいのほうが寂寥感がつのって、まさに「もののあはれ」の真っただ中である。
13468 外苑いてふ
(外苑のイチョウ並木、12月9日)

 難しい顔でベンチを占領し、何やら激しくPCのキーボードを叩きまくっているビジネス♨オジサマが1名。見るとその頭頂部に、黄色いイテフの葉っぱが1枚、マコトに可愛く乗っかっている。

 お相撲さんのチョンマゲスタイルを「大イチョウ」と呼ぶが、オジサマの頭頂部にはホンモノのイチョウが乗っかって、気難しそうな物腰&表情を優しく和らげている。「もしもし、黄色い葉っぱが乗っかってますよ」と教えてあげるかどうか、かなりの時間ためらったが、ま、その可愛いお姿のままイチョウ並木に放置して、さらにズンズン前進を続けることにした。

 その時、「今井先生ですか?」の声が。目の前には嬉しそうな顔の青年が、満面に笑みを浮かべて立っている。「十数年前、代ゼミ名古屋校で授業を受けてました」「今はマンガ家として修業中です」とのこと。おお、迷わず全力を尽くしてくれたまえ。

 こういう場所で思いがけず挨拶されるのも、マコトに嬉しいものである。ただあの時、今井君の頭頂部に黄色いイテフが可愛く乗っかっていなかったことを、天に祈るばかりである。

1E(Cd) Harnoncourt:BACH/WEIHNACHTSORATORIUM 2/2
2E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH vol.1
3E(Cd) Brendel:BACH/ITALIENISCHES KONZERT
4E(Cd) Casals:BACH/6 SUITEN FÜR VIOLONCELLO 1/2
5E(Cd) Casals:BACH/6 SUITEN FÜR VIOLONCELLO 2/2
total m81 y2051 d14981